弥生会計とfreee会計は会計ソフトの中でもシェア率が高い、有名なソフトです。どちらも中小企業や個人事業主の会計業務をサポートしています。
有名でシェア率が高い両ソフトですが、双方の違いやバージョンの違いについてよく分からないとお悩みではありませんか?本記事では、操作性や機能、料金、オフライン対応、他会計ソフトからの乗り換えやすさなど、複数の観点から徹底比較をします。
それぞれの違いを知って、自分にあった会計ソフトを選ぶ一助にしてください。
見出し
- 1 freee会計と弥生会計の違いを簡単に解説
- 2 freee会計と弥生会計を【操作画面・操作性】で比較
- 3 freee会計と弥生会計を【機能】で比較
- 4 freee会計と弥生会計を【料金】で比較
- 5 freee会計と弥生会計を【無料トライアル】で比較
- 6 freee会計と弥生会計を【オフライン利用】で比較
- 7 freee会計と弥生会計を【e-Tax対応】で比較
- 8 freee会計と弥生会計を【他会計ソフトからの乗り換えやすさ】で比較
- 9 freee会計と弥生会計を【サポート体制】で比較
- 10 【シチュエーション別】freee会計と弥生会計のどちらが適している?
- 11 freee会計と弥生会計の違いを知るために無料トライアルを活用しよう
- 12 ぴったりの会計ソフト選びはミツモアで
freee会計と弥生会計の違いを簡単に解説
詳細な比較を行う前に、freee会計と弥生会計の違いとおすすめの利用者を簡単に解説します。
freeeと弥生は、業界での立ち位置や会計業務へのアプローチ方法が異なります。
freee株式会社は、2013年に創業された、比較的若い企業です。「会計業務を、誰でも、流れるように。」をモットーに、簿記の知識がなくても簡単に会計業務が行えるように設計されています。
弥生株式会社は、会計ソフト業界で30年以上の歴史を持つ歴史ある企業です。伝統的な複式簿記に則った画面設計であるため、操作には簿記の知識が必要とされることが多いです。しかし操作ガイド等が充実しているため、使いながら簿記の知識をつけていくことも可能です。
freee会計がおすすめのケース

freee会計がおすすめのケース
- シンプルなオールインワンソリューションを求めている
- フリーランスやスタートアップで簿記の知識がない
- 直感的な操作性を求める
- 広範な外部ツールとの連携を求める
freee会計の特徴は、豊富な自動化機能により手入力を行わなくても会計業務ができる点です。また、請求管理や経費精算など、会計業務に関する周辺業務に関してもオールインワンで対応できる点も魅力といえます。
関連記事ではfreee会計の評判や実際の利用者の口コミを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
弥生会計がおすすめのケース
弥生会計がおすすめのケース
- 税理士事務所との連携を重視する
- 複式簿記に関する知識をつけていきたい
- インストール型からクラウド型に会計ソフトを移行したい
弥生会計の特徴は、事業規模や行いたい業務にあわせてバリエーションがある点です。
| 製品名 | 提供形態 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 弥生会計 25 | インストール型 | 法人 |
| 弥生会計Next | クラウド型 | 法人 |
| やよいの白色申告オンライン | クラウド型 | 個人事業主 |
| やよいの青色申告オンライン | クラウド型 | 個人事業主 |
比較をするときは、それぞれの会計ソフトがどの規模の事業者に適しているか考慮することが大切です。
関連記事では、弥生シリーズの製品について詳しい情報や評判、口コミなどを紹介しています。ぜひこちらもあわせてご覧ください。
freee会計と弥生会計を【操作画面・操作性】で比較
freee会計と弥生会計では、操作性や操作画面の作りに大きな差があります。より初心者向きな製品と、簿記の知識がある方向けの製品とはなにか、比較をしました。
会計知識ゼロの個人事業主向けは【freee会計】【やよいの白色申告オンライン】【やよいの青色申告】
freee会計は仕訳の概念を画面上からは極力隠し、銀行・カード連携から明細を自動取得して推奨仕訳を提示するため、会計知識が浅くても迷わず処理できます。
やよいの白色申告オンライン、やよいの青色申告オンラインともに、会計の知識が少なくても使いやすいように設計されています。「個人事業主で、これが初めての確定申告」という場合は、実際の使い勝手やトライアル期間が長い方を選んでしまっても問題ありません。
なお、弥生株式会社は、YouTubeにて操作方法の解説動画を公開しています。実際の操作画面を見ながら操作の方法を学習できるので、操作に詰まった際におすすめです。
一方、freee会計には公式の説明動画はありません。ウェブページで使い方を解説されているので、ヘルプページを確認しましょう。
伝統的な複式簿記形式なのは【弥生会計Next】
弥生会計Nextは勘定科目や補助科目などの入力項目が中心で、複式簿記の作法をそのままクラウドに再現しています。簿記の用語や勘定の流れを理解している担当者には操作が直感的で、仕訳の粒度や帳票の整合性を自分で管理しやすい設計です。
freee会計と弥生会計を【機能】で比較
freee会計と弥生会計Nextにおいて、中核となる機能に大きな差はありません。しかし細かな部分で違いがあるので、その点を比較してみましょう。
スマホアプリで会計業務を完結させるなら【freee会計】
freee会計はスマホで書類作成から申告まで完結できます。レシート撮影、口座連携、仕訳の自動化に対応し、移動中でも準備が進みます。e-Taxにアプリから対応しているため、PCを使わずに申告を終えたい人に向きます。短期間で確定申告を済ませたい場合にも有効です。
請求・経費精算と会計をシームレスに連携するなら【弥生会計Next】
弥生会計Nextは、弥生請求 Nextや弥生経費 Nextと自動連携し、請求書発行から入金消込、経費申請と承認、仕訳計上までを一気通貫で管理できます。重複入力を減らし、承認フローの可視化と科目の統一でミスを抑制できます。会計とバックオフィスをまとめて効率化したい法人に向きます。
freee会計と弥生会計を【料金】で比較
料金は会計ソフトを決めるうえで重要なファクターになります。個人事業主向けプラン・法人向けプランの双方で、料金が安いのはどちらかを確認しましょう。
個人事業主向けプランを無料で使えるのは【やよいの白色申告オンライン】
やよいの白色申告オンラインは、フリープランで基本機能をずっと無料で使えます。取引入力や帳簿作成を案内に沿って進められ、白色申告に必要な書類作成まで一通り対応します。月額コストをかけずに始めたい個人事業主に最適です。
一方で、サポートはWebのFAQ中心です。つまずきやすい方や電話サポートを重視する方は、必要に応じて有料プランの検討をおすすめします。
法人向けプランが安いのは【弥生会計Next】
freee会計の法人向けプランと弥生会計Nextの料金プランを比較してみましょう。
| 価格帯 | freee会計 | 弥生会計Next |
|---|---|---|
| 低価格帯 | 35,760円 | 34,800円 |
| 中価格帯 | 65,760円 | 50,400円 |
| 高価格帯 | 107,760円 | 84,000円 |
freee会計はひとり法人向けミニマムプランと法人向けプランがあります。上記表は、ひとり法人向けプランの価格です。
低価格帯の場合、価格差はほとんどありませんが、中価格帯、高価格帯とプランの料金が上がるほど価格差も大きくなることが分かります。中価格プラン(ベーシックプラン)以上を選択するのであれば、弥生会計Nextの方がコストパフォーマンスが高いです。
freee会計と弥生会計を【無料トライアル】で比較
会計ソフトを選ぶときは無料トライアルを活用することが大切です。期間と機能について確認し、無料トライアル期間を有意義に使いましょう。
個人事業主がコストゼロではじめるなら1年間無料の【やよいの青色申告オンライン】がおすすめ
2025年11月現在、やよいの青色申告オンラインは、セルフプランとベーシックプランのいずれかを1年間無料で利用できるキャンペーンを行っています。セルフプランとベーシックプランの違いはサポート体制のみであるため、サポートが不要な場合はセルフプランを利用しましょう。
無料トライアル終了後は更新をキャンセルできます。1年間使ってみて使い勝手をチェックできるので、本格導入後のミスマッチが起きづらいのが良い点です。
【freee会計】のトライアル期間は30日間
freee会計は30日間の無料トライアルで有料プラン相当の機能を試せます。レシート撮影や口座連携、仕訳の自動化を実運用に近い形で検証できます。期間終了後はプラン選択が必要です。コストと必要機能を確認して移行しましょう。
【弥生会計Next】のトライアル期間は最大2ヶ月
弥生シリーズの法人向け会計ソフト「弥生会計Next」では、トライアル期間が最大2ヶ月です。最上位プランである「ベーシックプラスプラン」のすべての機能を利用でき、チャットやメールサポートも受けられます。ただし、電話サポートや仕訳の相談はできない点にご注意ください。
トライアル期間の終了後は無料プランとなり、弥生会計Nextへのログインができなくなります。有償プランに課金しないとデータ閲覧などもできなくなるので、トライアル中はいつ最終日であるかを意識する必要があります。
freee会計と弥生会計を【オフライン利用】で比較
会計業務を行う環境によっては、インターネットに繋がっていないオフラインでも使えるかも重要なポイントになります。
オフラインでも利用するなら【弥生会計 25】
弥生会計 25はWindowsにインストールして使うデスクトップ型です。ネットが不安定な環境でも帳簿作成や仕訳、レポート出力までローカルで完結できます。データは自社管理で運用でき、応答速度も軽快です。通信障害時の業務継続性を重視する事業者に向きます。
【freee会計】はオフライン利用ができない
freee会計はクラウド型のため、データ処理と保存はオンライン接続が前提です。通信が不安定な環境では一部機能が制限される場合がある点に注意してください。
freee会計と弥生会計を【e-Tax対応】で比較
形態を問わず、事業を営んでいる場合は確定申告などの申告業務が発生します。このときにe-Taxに対応している会計ソフトを選べば、手間なく申告業務を完了させられます。
スマホで確定申告を完了させるなら【freee会計】
freee会計は、個人事業主の所得税申告において、スマートフォンアプリだけでe-Tax送信まで完了できるプロセスを提供しています。
パソコンを使わず、アプリがマイナンバーカードを読み取り電子署名と送信を実行する仕組みです。自社申告型の法人にとっても、法人税や地方税、償却資産税の申告でeLTAXソフトが不要な「ダイレクト申告」は大きな強みといえます。
【弥生シリーズ】もe-Taxに対応している
弥生シリーズもe-Taxに対応しています。
「やよいの青色申告オンライン」では、「確定申告e-Taxオンライン」機能が提供されています。申告書の作成はパソコンで行い、電子署名をスマートフォンで行うハイブリッド方式です。
所得税と消費税のダイレクト申告に標準対応しており、申告ワークフローが統一されている点も特徴と言えます。
freee会計と弥生会計を【他会計ソフトからの乗り換えやすさ】で比較
既に他の会計ソフトを使っており、乗り換えを考えている場合は、会計ソフトの乗り換えのしやすさが重要ポイントです。freee会計と弥生会計のどちらがより乗り換えがしやすいか確認してみましょう。
インストール型からクラウド型への移行なら【弥生会計Next】がおすすめ
今まで買い切り型のインストール型会計ソフトを使っており、クラウド型への移行を検討している場合は、弥生会計Nextがおすすめです。弥生会計Nextは伝統的な複式簿記の形式に則って画面設計がされているため、従来型のインストール型会計ソフトとの親和性が高いためです。
インストール型会計ソフトから弥生会計Nextにデータを移行する場合は、CSV形式のファイルをインポートします。エクセルなど表計算ソフトからもデータを移行できる点は大きなメリットです。
freee会計と弥生会計を【サポート体制】で比較
会計ソフトを比較するときは、サポート体制の充実度も検討しましょう。
【弥生シリーズ】は導入時エラーも電話で相談できる
弥生会計Next、やよいの青色申告オンライン、やよいの白色申告オンラインでは、プランごとにサポート時の充実度が異なります。最上位のプランであれば仕訳の相談などもできるので、充実したサポートが必要であれば、利用料金は高くなるものの最上位のプランがおすすめです。
また特徴的なのは、導入時のエラーなど一部のサポートは、サポート契約を結んでいなかったり無料プランを使っているユーザーであっても、電話で相談ができる点です。これにより、「導入がうまくいかなかったらどうしよう」という心理的なハードルを下げられます。
【freee会計】の電話サポートは予約制のため注意
freee会計でも電話サポートを受けられます。ただし、予約制のため、突発的なトラブルには対応しづらい点にご注意ください。
電話サポートの予約は以下の手順で行います。
- freee会計にログインし、画面右上の「?」にカーソルを合わせる
- 「予約電話サポート」を選択する
- 申し込み画面が開き、予約可能な日時が表示される
- 任意の日時を選択し、相談内容の詳細を入力する
- 項目を入力したら「予約内容確認」ボタンを押す
- 内容を確認し「送信」ボタンを押す
【シチュエーション別】freee会計と弥生会計のどちらが適している?
代表的なシチュエーション別に、freee会計と弥生シリーズのどちらがマッチしているかを解説します。
このように、状況や解決したい課題に応じて適している会計ソフトは異なります。違いを把握して、自社に合う会計ソフトを選びましょう。
スマホ・タブレット中心に業務をしているならfreee会計がおすすめ!
日々の経理作業や確定申告を、PCを開かずにスマートフォンで完結させたい方にはfreee会計が最適です。freeeは専用の「電子申告アプリ」を提供しており、レシート撮影による入力はもちろん、確定申告書類の作成からe-Taxによる電子申告まで、すべてのプロセスをスマートフォンだけで完結できる体制を整えています。
弥生シリーズにもスマートフォンアプリはありますが、主な機能は日々の取引入力やレシート撮影が中心です。申告プロセス自体はPCから行うことを前提としているため、「スマホ1台で確定申告まで終わらせたい」という明確なニーズがある場合は、freee会計が第一の選択肢になります。
白色申告を行うなら無料プランがあるやよいの白色申告オンラインがおすすめ!
個人事業主の方で、まずはコストを一切かけずに会計ソフトを使い始めたい白色申告者には「やよいの白色申告 オンライン」がおすすめです。このソフトは「フリープラン」を提供しており、申告に必要なすべての機能をずっと無料で利用できます。
会計ソフトの導入が初めてで、まずは基本的な帳簿付けや申告書の作成を試してみたいという方にとって、費用の負担がない点は最大のメリットです。
ただし、このフリープランでは電話やチャットでの操作サポートは受けられず、Web上のFAQ(よくある質問)のみでの自己解決が基本となります。
税理士事務所とのスムーズな連携なら弥生会計Nextがおすすめ!
弥生会計Nextでは、13,000以上の税理士事務所とパートナーシップを結んでいます。これは、パートナーシップを結んでいる税理士事務所であればスムーズに情報のやり取りができることを示します。
クラウドを活用することで、いつでもどこでもデータを共有でき、書類を発送する手間などを省略可能です。
オフライン環境でも安定して会計処理を行うなら弥生会計 25がおすすめ!
インターネット環境に左右されず、自宅や事務所の特定のPCで安定して会計作業を行いたい場合には、インストール型の「弥生会計 25」が適しています。これはWindowsにインストールして使用するため、ネット接続がないオフライン環境でも帳簿の入力や帳票の作成が可能です。
対照的に、freee会計や弥生会計Nextなどのクラウド型ソフトは、すべてのデータ処理をサーバー上で行うため、常時オンライン接続が前提となります。
安定したオフライン作業を最優先する場合には、デスクトップ版の「弥生会計 25」を選ぶとよいでしょう。
freee会計と弥生会計の違いを知るために無料トライアルを活用しよう
複数の観点からfreee会計と弥生シリーズを比較してきましたが、最終的にどちらを使うかを決めるかは、無料トライアルを活用して決めることをおすすめします。
freee会計、弥生シリーズの無料トライアルはともに、中価格帯のプランを試せます。実際の使い勝手が分かるので、操作性や画面の見やすさはどちらが好みか、自動仕訳の挙動など機能面に不満点がないかなど、複合的にチェックしましょう。
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