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屋根のカバー工法(重ね葺き)の費用相場は?メリット・デメリットをおさえてお得に見積もりしよう

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最終更新日: 2022年02月04日

屋根のメンテナンス方法のひとつ「カバー工法」。

塗装の剥がれなど劣化症状がみられる屋根に対して、新しい屋根材と防水シートなどを覆いかぶせるリフォーム方法です。

カバー工法は、塗装だけでは不十分な状態に対して行い、葺き替えにくらべて費用が安い、工期が短い、などのイメージがあります。

今回は、カバー工法のメリット・デメリットや注意点を挙げつつ、カバー工法を行うときの費用相場について中心に解説していきます。

屋根のカバー工法(重ね葺き)とは

屋根のカバー工法の費用はどのくらいかかるもの?

カバー工法(重ね葺き)とは?

「カバー工法」または「重ね葺き(かさねぶき)」は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を施工するという工法です。

屋根の主なリフォーム内容としては、屋根の劣化症状が小さいものから順に、塗装・カバー工法・葺き替え(ふきかえ)があります。

屋根は塗装などの定期的なメンテナンスをすることで長持ちします。

しかしいつのまにか錆やコケが発生していたり、穴が開いていたりする状態に。そんなときに行うのがカバー工法です。

ちなみに「葺き替え」は既存の屋根材を剥がし、まるごと新しい屋根材を施工するという工法。

塗装は8~12年、カバー工法や葺き替え工法は20~25年に1度工事を行うのが目安となります。

カバー工法で施工するおもな種類

カバー工法を施工できるおもな既存の屋根は以下です。

  • スレート
  • ガルバリウム鋼板
  • トタン
  • アスファルトシングル

もとが瓦屋根の場合はほとんど対応できるケースがありません。瓦は厚みがあり波型の形状のため、上からフラットな形状の金属をのせて固定するのが難しいのです。

また、上から重ねることができる屋根材はおもに以下。

  • ガルバリウム鋼板
  • アスファルトシングル

既存屋根よりも軽量な屋根材を重ねる必要があるため、おもに金属板の素材かアスファルトシングルを重ねることが多いのです。

屋根のカバー工法の費用はどのくらいかかるもの?

屋根のカバー工法の費用はどのくらいかかるもの?

カバー工法の費用相場は?

新しい屋根材の施工 5,000〜11,000円/㎡
防水シート 500~1,500円/㎡
足場費用 約15~20万円前後

上記がカバー工法を行うときの費用相場です。

もう少し具体的に金額を詰めたい方は、(屋根面積×1万円)+足場代20万円で算出できます。

一般的な2階建て30坪の家でカバー工法を行う場合はざっくり80~150万円程度が費用相場です。

ただし屋根の状態によっては、下地や棟板金(むねばんきん)などの補修も必要になるため、そのぶん費用は大きくなります。

また大手業者に依頼するとマージン(仲介料)などの諸経費がかかることも。

見積もりのときには、それぞれの料金項目をしっかりと確認しておきましょう。

ガルバリウム鋼板とアスファルトシングル

ガルバリウム 屋根
ガルバリウム屋根

上からカバーする屋根材としてよく使われるガルバリウム鋼板とアスファルトシングル。それぞれの単価相場と特徴は以下です。

単価相場(㎡) 耐用年数 特徴
ガルバリウム鋼板 5,000~10,000円 20~30年
  • 錆びにくい
  • シンプルなデザイン
アスファルトシングル 5,000~8,500円 15~30年
  • シート状の素材
  • 洋風なデザイン

それぞれのメリット・デメリットをしっかり確認したうえでカバー工法(重ね葺き)を施工しましょう。

参考;ガルバリウム鋼板とは?耐久性以外のメリット・デメリット、特徴を徹底解説【耐用年数は?】

アスファルトシングル屋根の塗装でチェックするべきポイントは?塗料の選び方やメンテナンス時期などまとめて解説

切妻(きりづま)と複合屋根

一軒家 屋根

屋根にカバー工法をするとき、費用に影響を与えるポイントとして屋根の形状があります。

中心からへの字型に分かれる2面の「切妻(きりづま)」と、外壁の形状にあわせて5面や6面に分かれる「複合屋根」。

屋根全体をカバー工法でリフォームする場合には、当然ですが面積に応じて費用は上がります。くわえて屋根の面数によっても費用が上下するのです。

また複合屋根の場合は、屋根を固定する板金部分が多く、その分の補修費用もかかることになります。

見積もりのポイント

見積もり例と見積もりのポイント

見積もりの形式や、項目文言は会社によって様々です。各社の見積もりを正確に比較するの難しいですが、ポイントを押さえておくことでトラブルを避けることが出来ます。

見積もり例①

項目 数量 小計
足場仮設 一式 ¥150,000
付帯物撤去 一式 ¥100,000
ルーフィング 一式 ¥50,000
屋根材施工 一式 ¥800,000

合計:100万円

見積もり例②

項目 数量 小計
足場仮設(屋根足場なし) 180㎡ ¥120,000
飛散防止メッシュ 180㎡ ¥30,000
既存棟・役物・雪止撤去処分 一式 ¥100,000
ルーフィング施工 60㎡ ¥50,000
屋根材施工(メーカー/商品名/色) 60㎡ ¥700,000
棟・役物・雪止め取り付け 一式 ¥100,000
雨樋は既存のまま 一式 ¥0
※雨樋を交換する場合別途費用

合計:100万円

見積もりの見るべきポイントはここ!

上記の見積もり①と②は施工内容、合計金額が全く同じ内容にしております。

しかし②の見積もりを提案してきた会社の方が安心して任せられる可能性が高いでしょう。

明確な違いは項目の細かさです。

この2つの見積もりでは読み取れる情報量に差があります。

①の見積もりの場合、「足場に養生はするのか」「屋根足場は組むのか」といった情報が読み取れません。

他にも「屋根材はどのメーカーの商品を使うのか、何色なのか」「雨樋は交換しなくて良いのか」「雪止めは付けるのか」と詳細も読み取れません。

リフォームのトラブルで最も多いのは「会社との認識の違い」です。

「屋根は既存と同じく黒色だと思っていた」「勾配が緩いから雪止めは付けない認識でいた」など、依頼会社と施主では「普通」の認識にズレがあります。

そういったトラブルを防ぐための見積もりや、説明があるか見極めながら商談を行いましょう。

屋根の補修をお得にするには?

お金

カバー工法など、屋根の補修を行う際にどうすればお得になるのでしょうか?

カバー工法に限らず、屋根や2階建て以上の外壁など、高い建物のリフォームには「足場」を設置する必要があります。

足場費用はリフォーム全体費用のうち10~20%を占め、安いとは言えません。

せっかく業者に依頼して足場を組んでもらうなら、外壁塗装などの施工を一緒に依頼することで、長期的にみてお得になります。

屋根と外壁、別々に分けて施工しても、いずれはメンテナンスしなくてはなりません。家が長持ちするように、長い目で見ましょう。

カバー工法のメリットとデメリット

カバー工法のメリットとデメリット

カバー工法のメリット

1.費用が抑えられる

カバー工法の最大のメリットは、葺き替え(ふきかえ/全面張り替え)工法より費用が抑えられるということです。

葺き替えの場合は、既存の屋根材をはがして撤去処分する必要があるため、その分のコストが上積みされます。

屋根材にはアスベストが使用されていることがあり、処分費だけでも高額な費用が掛かってしまいますが、カバー工法の場合は既存の屋根を廃棄する必要がないので安く済むのです。

2.工期が短い

カバー工法は葺き替えに比べ工程が少ない為、工期が短くなります。

葺き替えだと7~15日ほどかかりますが、カバー工法の場合は5~10日程度が工期の目安です。

3.騒音やホコリが出にくい

家のリフォームには騒音やホコリの発生がつきもの。

リフォーム対象の住人にとってもストレスがかかりますが、近隣住民にとっても不快なことです。

カバー工法は騒音やホコリが出にくいため、近隣住民とのトラブルにもなりづらいというメリットがあります。

4.施工後の性能が向上する

カバー工法で屋根を二重にすることで、断熱性や遮音性などの効果が高まります。

二重になるだけで断熱性などは向上しますが、新しい屋根材自体の効果も事前にチェックしておくと、最終的な満足度が高まるでしょう。

カバー工法のデメリット

メリット・デメリット

1.屋根の重量が増す

カバー工法では屋根材が二重になるため、それだけ屋根に掛かる重量は重くなります。

一般的には屋根や外壁の重量は小さければ小さいほど耐震性が優れているとされているので、施工のあとは若干耐震性が下がることに。

一応のため、立地条件や地域性をふまえてリフォーム会社と相談しておくのが吉です。

2.既存の屋根材や下地が残ってしまう

カバー工法はあくまで既存の屋根を活かしながら行う工法なので、下地にカビが生えていたり、反ってしまっている場合、新規屋根材に影響を与える可能性があります。

そういった場合にはまず下地の補修が必要となります。専門性の高い業者に依頼して、しっかりと現地調査してもらいましょう。

3.火災保険の適用外となることが多い

台風や地震などの災害で自宅が損傷したときには、「火災保険」がおります。

火災保険が適用されるのは、「被害を受ける前の状態に戻す」とき。

カバー工法は厳密にいえば、新しい屋根材を被せて見栄えも綺麗にする工事なので、「元の状態に戻す」とみなされない場合がい多いのです。

工期が長くなるなどのデメリットはあるものの、葺き替えを検討しましょう。

屋根を重ね葺きした後は?

屋根

カバー工法(重ね葺き)の耐用年数

カバー工法で屋根を修繕した場合、耐用年数は20~25年ほどです。

ただし一般的な建材と同じように、10年に1回程度の定期メンテナンスはしっかりと行いましょう。

また二重になった屋根の上から、さらにカバー工法をする例はあまりなく、耐震性などのデメリットを考えるとすべきではない可能性があります。

耐用年数が過ぎたときには葺き替えすることも頭の片隅に入れておきましょう。

屋根の塗装メンテナンス

屋根のメンテナンスは塗装するという方法が一般的です。

塗膜は紫外線や雨などの影響で剥がれてしまうなど、経年劣化を免れません。定期的に屋根の塗装を行い、塗膜を張り直す必要があります。

塗膜の耐久性は塗料の種類にもよりますが、8~12年が塗り替えの目安になります。

葺き替えを検討したほうがいいケース

屋根の損傷や劣化症状がひどい場合には、カバー工法よりも葺き替えのほうが適切な可能性もあります。

  • 劣化症状が下地まで到達している、雨漏りしている
  • より長持ちさせたい
  • 火災保険の適用範囲内で施工したい
  • 築年数が20~30年を超えている

上記のような場合には、業者と相談しながら葺き替えも選択肢に入れて検討しましょう。

施工業者を選ぶポイント

屋根のカバー工法の業者選びのポイント

カバー工法の実績があるか?

これまでカバー工法の実績があるか、使用したい屋根材での実績があるかを確認するとよいでしょう。

施工事例などを見せてもらうというのも、判断するポイントに。

資格保有者が在籍しているか?

「建設営業許可」はもちろん、カバー工法に直接関わりのある「建築板金」や「施工管理技士」の資格保有者が在籍していると安心です。

下請けに流していないか?

下請けに流すことで施工クオリティの確保が難しいだけでなく、中間マージンが高くなります。

自社施工をうたって下請けに流している悪徳業者の可能性もありますので、確認した方がよいポイントです。

見積もり、工事についての説明が十分にあるか?

トラブルの原因の殆どが「業者と施主の認識の違い」です。
見積もりの明確さ、プラン説明の丁寧さは業者選びの最も重要なポイントです。

また見積もり時に、しっかりと現地で点検してくれるのかもポイントです。本当に施工内容が妥当なのか、写真を撮ってもらうなどして確認しましょう。

保証が提示されているか

施工後の保証について確認しておきましょう。

ポイントは施工後何年間の保証なのか、保証内容や金額の適用範囲などです。

コミュニケーションが取りやすいか

屋根は雨漏れなどのトラブルにも直結しやすく、リフォーム後も関わり続けることが殆どです。

ストレスなくリフォームを進めるには担当者との相性も大切なので、コミュニケーションの取りやすさは業者の決め手になるでしょう。

ミツモアで屋根のプロに見積もりを依頼しよう!

今回は、屋根のカバー工法について、基本的な特徴を紹介しつつ費用について確認してきました。

屋根は雨や風、日光から守ってくれる、家の最重要部分と言っても過言ではありません。費用にとらわれすぎず、自宅を長く守るためのベストな選択をしましょう。

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