【NFTの確定申告】売買した際の税金はどうなる?暗号資産(仮想通貨)取引を参考に考える

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最終更新日: 2022年01月02日

NFT(Non Fungible Token)はデジタルの世界で注目されている技術のひとつです。NFTに関連して利益を得ると確定申告が必要になる場合があります。

NFTの課税関係は明確になっていない部分が多くありますが、申告や納税が必要なことに後から気付いて慌てないためにも、税金に関する最新の情報を確認しておくことが大切です。

この記事ではNFTで得た利益の税制上の取扱いについて、2021年10月時点の情報をもとに解説します。

NFTの税金に関する現状

NFTの税金に関する現状
NFTの税金に関する現状

NFTに注目が集まり取引が活発化したのは2020年頃と比較的最近です。実態に対して税制の整備が追い付いていない現状があります。

暗号資産(仮想通貨)では、後から税金の考え方が公表されて確定申告が必要になる人が出ましたが、NFTでも同じことが起きる可能性があるため注意が必要です。

NFT取引で得た利益がどのように課税されるかを考えるにあたっては、そもそもNFTとは何なのか、特徴を理解しておく必要があります。

NFTとは?

NFT(Non Fungible Token、非代替性トークン)とはデジタル上の資産の鑑定書や証明書のようなもので、主にデジタルアートやゲームなどの分野で使われている技術です。

NFTを使うとデータの唯一性を証明できて独自の価値を保てます。従来のデジタルデータは複製が容易でしたが、NFTと紐づいていれば偽造や改ざんのリスクは基本的にありません。

複製が容易だった頃は資産価値が生まれにくかったものの、NFTによって唯一無二のものであると証明できることで、デジタルの世界で資産価値が生まれやすくなりました。現在では、NFT専用のマーケットプレイスで暗号資産を使ってNFTアートの購入などができるようになっています。

非代替性トークンと代替性トークン

トークンとは印や証拠などを意味する言葉です。トークンによってデジタル資産の識別が可能になります。NFTと暗号資産は、ブロックチェーン技術を使ったトークンを活用している点では同じです。

しかしNFTと暗号資産では代替性の有無が異なり、NFTは非代替性トークン、暗号資産は代替性トークンと呼ばれます。

たとえば暗号資産のひとつであるビットコインの場合、どのビットコインでもビットコインである点では変わりがなく代替が可能ですが、NFTに紐づく資産は唯一無二であり代替性はありません。

NFTの税のルールは未整備(2021年10月現在)

NFT取引の課税関係について2021年10月時点では、国税庁から何か正式な発表などは行われていません。NFT取引で利益を得た場合は、あくまで既存の税制の仕組みや考え方に基づいて確定申告の必要性などを判断することになります。

NFT取引は暗号資産と同じくデジタル世界に関するものであり、その特殊性から税制を含めた法整備が追い付いていないのが現状です。暗号資産では取引が活発化した後に税金の考え方が国税庁から発表されましたが、NFTでも同じことが起きる可能性があるため注意が必要です。

一方でNFTは暗号資産と違って代替性がなく性質や特徴が異なるため、デジタル資産という点では暗号資産と同じでも、税金の扱いまで同じになるとは限りません。税金の考え方について今後国税庁から発表があった場合、NFTと暗号資産では税務上の取扱いが異なる可能性があります。

NFTの確定申告 取引の性質による収入の種類

NFTの確定申告 取引の性質による収入の種類
NFTの確定申告 取引の性質による収入の種類

NFTで利益を得て確定申告が必要になる可能性がある主なケースは3つです。

  1. NFTを販売した場合
  2. NFTを購入した場合
  3. NFTを売却した場合

それぞれ翌年に確定申告が必要になる場合があります。

NFT取引で得た利益を正しく計上して適切に確定申告を行えるように、NFT取引の利益がどの所得区分に該当するのか、押さえるようにしましょう。

NFTを販売した場合

たとえばクリエイターがNFTアートを制作・販売して利益を得た場合、芸術活動を継続的に行っていて事業性が認められれば、事業所得に該当すると考えられます。販売したNFTが転売される度に一定割合を報酬としてもらう場合はロイヤリティ報酬も事業所得です。

一方で事業性が認められない場合は事業所得には該当しません。会社員や主婦が趣味でNFTアートを制作・販売して利益を得るようなケースでは、雑所得にあたると考えられます。現行法ではNFT取引の利益を分離課税とする規定はないため、雑所得として計上する場合は総合課税です。

また、一般的に著作権などの譲渡は譲渡所得に分類されるため、NFTアートの販売などによる利益は著作権などと同じく、譲渡所得と考える余地はあるかもしれません。

NFTを購入した場合

一般的に収入が発生して所得税がかかるのは、何かを売却して利益を得たときであって購入したときではありません。しかしNFTでは購入したときに収入が生じて確定申告が必要になる場合があります。

これはNFTの購入時にイーサリアムなどの暗号資産で支払うことが多く、暗号資産の譲渡という扱いになるからです。暗号資産で商品を購入した場合の考え方は、「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(国税庁)」に記載されていますが、NFTの購入もこのケースに準じるものと考えられます。

暗号資産でNFTを購入したときの所得金額は、その暗号資産の譲渡価額と取得価額との差額です。

NFTを売却した場合

NFTに紐づくデジタル資産を購入した後、値上がりしたときに売却して利益を得た場合は、事業所得や譲渡所得、雑所得などに該当すると考えられます。

ただし、どの所得区分に該当するかはケースごとに判断が必要で、どの所得区分に該当すると一概にはいえません。NFTに紐づくデジタル資産が何か、売却の頻度や目的は何か、資産の種類や売却者の置かれた状況によって所得区分は変わる可能性があります。

たとえば資産の譲渡としての性格が強ければ譲渡所得に該当する可能性が高く、この場合には特別控除を適用できるため50万円までは所得税がかかりません。一方で収益目的で譲渡を繰り返している場合は雑所得に、事業的規模で行っていれば事業所得にあたると考えられます。

暗号資産(仮想通貨)取引の損益について

暗号資産(仮想通貨)取引の損益について
暗号資産(仮想通貨)取引の損益について

NFTを購入する際に暗号資産を売却すると確定申告が必要になることがあります。NFT取引ではイーサリアムなどの暗号資産を使うことが多いので、暗号資産取引の課税関係も理解しておかなければいけません。

ここでは、暗号資産取引で利益を得た場合の税金の考え方について、暗号資産を売却した場合や暗号資産で商品を購入した場合など、ケース別に見ていきます。

暗号資産を売却した場合

暗号資産は含み益の段階では所得税はかかりませんが、売却して利益を得た場合は所得税の課税対象になります。

所得税の計算に含める所得額は暗号資産の売却価額と取得価額の差額です。取得価額は売却した数量に取得時の1単位あたりの価額をかけ合わせて求めます。

たとえば2ビットコインを100万円で購入して、その後に1ビットコインを80万円で売却した場合は、1ビットコインの購入価額は50万円のため所得額は80万円との差額である30万円です(経費がかかっている場合は経費も差し引きます)。

暗号資産で商品を購入した場合

保有している暗号資産を使って商品を購入した場合は暗号資産を譲渡または売却した扱いになります。商品としては購入ですが、暗号資産としては譲渡や売却にあたるため損益を認識する考え方です。

暗号資産の譲渡時の価額が取得時の価額を上回っていればその差額が所得額になり、逆に下回っている場合は差額が損失額になります。

NFTに紐づく資産を暗号資産で購入する場合もこのケースに該当すると考えられるので、NFTを暗号資産で購入した場合は確定申告で忘れずに含めるようにしてください。

暗号資産同士を取引した場合

暗号資産同士を取引した場合は、単に交換しただけと考えてしまうと収益を認識しにくく、確定申告に含めるのを忘れてしまう場合があるため注意が必要です。

暗号資産同士の交換は、ある暗号資産で別の種類の暗号資産を購入したことになるため、暗号資産で商品を購入した場合に準じて考えます。別の暗号資産を購入する際、保有していた暗号資産を売却して所得が生じていれば、税額計算に含めなければいけません。

購入した暗号資産の取得時の価額が売却した暗号資産の取得時の価額を上回る場合は、その差額が所得額にあたります。

NFTの確定申告の留意点

NFTの確定申告の留意点
NFTの確定申告の留意点

NFTの利益に関して、2021年10月時点では税制上の取扱いが明確になっていません。NFT取引で生じた所得の区分の考え方のほかにも、税額計算や確定申告では留意すべき点がいくつかあります。

NFT取引をする場合は、以下で紹介する点にも注意しながら行うようにしてください。

NFTの損益計算に関わる情報の記録について

NFT取引では、株式投資や暗号資産取引のように証券会社や取引所から取引明細が発行されるわけではありません。確定申告をするときに損益計算ができるように、自分で記録をつけて残しておく必要があります。

そのためNFT取引をする際には、売買の日時・購入または売却したNFTの品目・購入時や売却時の価格・手数料など、損益計算に関わる情報を記録しておくことが大切です。

確定申告の時期が近づいてから集計を始めると、記憶を辿ったり過去の取引履歴を確認したりするのに時間がかかることがあります。余計な手間をかけないためにも、管理台帳を作成して取引の度に記入しておきましょう。

NFT取引の消費税の考え方

「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(国税庁)」では、国内の暗号資産交換業者を通じた暗号資産の譲渡に消費税は課されない旨が記載されています。これは消費税法上、支払手段および支払手段に類するものの譲渡は非課税とされているからです。

一方でNFT取引の場合は、暗号資産取引とは性質が異なるため、国内で取引した場合でも消費税は非課税にならないものと考えられます。暗号資産もNFTもデジタル資産だからという理由だけで、消費税の非課税の規定まで同様に適用されるわけではありません。

NFT取引は支払手段というより資産の譲渡としての性格が強いため、消費税の課税対象となると考えたほうが良いでしょう。

美術品として売却する場合の非課税規程

美術品等を売却した場合で所得区分が譲渡所得にあたるケースでは、金額が30万円以下であれば一般的に所得税は非課税になり、譲渡所得の計算には含まれません。

NFTアートを売却して、事業所得や雑所得などではなく譲渡所得に該当する場合は、当規定に準じた扱いになり金額が30万円以下であれば非課税になる可能性が考えられます。

しかし非課税になるのは法律(所法9条・所法令25条)上「生活に通常必要な動産」です。デジタル資産が動産に当たらない場合には、当規定の対象外となり非課税にならない可能性があります

NFT取引の必要経費の考え方

NFT取引の必要経費の取扱いについて、国から具体的に発表がされているわけではないため、一般的な必要経費の考え方に基づいて経費を計上することになります。所得税の計算で計上できる必要経費とは、収入を得るために要した費用です。

売却時の手数料だけでなく、たとえばネット回線利用料やパソコン等の購入費用についても、NFT取引のために必要な支出であると認められる額は、必要経費に算入できると考えられます。

監修税理士のコメント

京浜税理士法人 横浜事務所 - 神奈川県横浜市青葉区たちばな台

NFT取引を巡る課税関係については、国税庁から明確な指針が示されていないため、現時点(2021年10月時点)では、取引の実態に応じて判断する必要があります。上記に記載した内容はあくまでも一つの考え方となりますので、実際の取引が発生した場合には、顧問税理士に確認した上で、税務上の対応を検討する必要がある点にご留意ください。
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NFT取引で利益を得ると確定申告が必要になることがあります。取引ごとに記録をつけて、確定申告の際にスムーズに損益計算をできるようにしておきましょう。

NFTの課税関係については不透明な部分が多く、今後何らかの発表が国から行われて税金の取扱いが変わる可能性があります。最新の情報に基づいて確定申告をする必要があるので、所得区分の判断や税額計算で迷った場合は税理士に相談するようにしてください。

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この記事の監修税理士

京浜税理士法人 横浜事務所 - 神奈川県横浜市青葉区たちばな台

横浜市青葉区を拠点として、個人及び中小規模法人のお客様を中心に税務サービスを提供しております。 「小規模事務所ならではのフットワークの軽さ」「代表税理士の顔が見える安心感の提供」をモットーに、日々お客さんのお役に立てるよう業務に邁進しております。
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