- 冬にエアコンの暖房をつけているのに寒く感じる
- 夏にエアコンをつけたら寒いけれど、消したら暑い
こんな状況に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。エアコンをつけていて「寒い」と感じるときの対処法を、冷房・暖房それぞれの場合で解説します。
【不具合を疑う前に】エアコンの正しい冷やし方・暖め方を確認!
冬にエアコンの暖房をつけていても寒い、夏にエアコンをつけると寒いのに消すと暑い…それはエアコンの不具合ではなく、使い方が間違っているかもしれません。
まずはエアコンで効率よく部屋の気温を調節する方法を解説します。
サーキュレーターや風向き設定で部屋の空気を循環させる
あたたかい空気は部屋の上部(天井側)に移動しやすく、冷たい空気は部屋の下部(足元)にたまりやすいという性質があります。そのせいで、冬にエアコンの暖房をつけているのに寒く感じたり、夏に冷えすぎてしまったりするのです。
エアコンの風向き設定を変えるだけでもかなり体感温度が変わります。サーキュレーターを使って室内の空気を循環させるのもおすすめです。
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サーキュレーターの代わりに扇風機は使える?
全く効果がないわけではありませんが、扇風機は人に涼しい風を当てることを目的に作られているのに対し、サーキュレーターは空気を循環させる家電です。今回のような目的であればサーキュレーターのほうが効果は高いでしょう。
適切な温度・風量・モードを設定する
部屋の状況に合わせて、適切な設定にするのも大切です。
たとえば冬にエアコンの暖房をつけるときは、寒く感じたら設定温度を上げるよりもまず風量を強くしてみましょう。温風の勢いが弱いと、足元まで届く前にあたたかい空気が天井に向かって移動してしまいます。
また、省エネモードで運転しているとどうしてもパワーは下がります。スイッチを入れたばかりのタイミングはパワフルモードで運転すると、はやくあたたまるでしょう。
むやみに設定温度だけを変えても、空気の循環がうまくいってなければ快適な体感温度にはなりません。環境省によると、環境への負荷が少なく、人も過ごしやすい空調の設定温度は夏28℃、冬20℃です。この設定温度を保ちつつ、快適に過ごせる工夫をしましょう。
スイッチを頻繁にオンオフしない
エアコンで冷房や暖房を運転していて、ちょうどよい温度になったらスイッチを切っていませんか?
エアコンは室内が設定した温度になると、自動で風量を調節したり、運転を止めたり、そのとき最適な運転をする仕様になっています。
ひんぱんにスイッチを切っていると、すぐに部屋が寒くなる、または暑くなるだけでなく、再度設定温度にするために大きな電力を消費してしまいます。
快適な温度を長く保つために、部屋にいる間はエアコンをつけっぱなしにしておきましょう。
【冬】エアコンから温風が出てくるのに部屋が寒い
エアコンからは温風が出ているのにもかかわらず、部屋が暖まらない原因を3つ紹介します。
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窓からの冷気で空気が冷えている(コールドドラフト現象)
コールドドラフト現象とは、エアコンであたためられた空気が冷たい窓ガラスに当たって冷やされ、部屋の床面近くにたまる現象です。冷たい空気は下方に沈む傾向があるので、人が生活する部屋の下部は寒く感じるのです。この現象は窓の断熱性が低い住宅でよく発生します。
コールドドラフト現象の対策を紹介します。
①サーキュレーターで空気を循環させる
冒頭でも紹介しましたが、サーキュレーターを使って空気を循環させることはコールドドラフト現象に対して有効です。
窓際で冷やされた空気は自然と足元にたまってしまうので、空気の流れを作り、エアコンであたためられた空気を全体に行き渡らせましょう。
②窓下ヒーターを置く
断熱性の高い窓ガラスにリフォームしようとすると、工事の時間やお金が必要ですが、窓下ヒーターは比較的かんたんに取り入れられます。
また、窓下ヒーターには結露を防止する効果もあります。部屋のあたたかい空気が冷たい窓ガラスに当たって冷やされ、水滴になるのが結露の仕組みです。窓下ヒーターによって室温と窓ガラスの温度差をなくすことで、結露の発生がおさえられます。
③長めのカーテンに変える
丈の長いカーテンをつけるのも、コールドドラフト現象の防止に効果があります。できれば厚みのある断冷素材で、床面に届く長さのカーテンがよいでしょう。
カーテンで遮ることで室内の空気が窓ガラスにふれるのを防げば、冷たい空気の発生をおさえられます。
とはいえ、外が明るい時間帯もずっとカーテンを閉めておくのは現実的ではないでしょう。日が差し込む時間はカーテンを開けて太陽光の温かい熱を取り込み、日没が近づいたらすぐに閉めるとよいです。カーテンとともに雨戸を閉めるとより効果があります。
④断熱性の高い窓ガラスにリフォームする
既存の窓を「二重窓」または「複層ガラス」に交換するのもおすすめです。リフォームには安くない費用がかかりますが、窓からの冷えに対しては大きな効果が得られます。
「二重窓」とは、サッシを2枠設けて窓を2枚設置した状態です。2枚の窓の間には断熱効果を発揮する空気層が生まれ、室内と室外の温度差が小さくなります。
「複層ガラス」は2枚のガラスを重ねて作られた窓で、近年建てられた住宅には多く使用されています。ガラスの間には空気を含む層が生まれるため、熱の移動を遮断するのに効果てきめんです。
部屋が乾燥していて湿度が低い
室温は高いはずなのに肌寒く感じるときは、部屋の湿度が低い可能性があります。同じ温度でも、乾燥していて湿度が低いほうが寒さを強く感じるのです。
一般的に、室内で快適に過ごせる湿度は40~60%と言われています。湿度計を置き、湿度が低くなりすぎていないかチェックしましょう。乾燥しやすい部屋には加湿器を置いたり、洗濯ものを部屋干ししたりするとよいです。水の入ったコップを置いておくだけでも一定の効果がありますよ。
ただしあまり湿度が高すぎると住宅には悪影響です。結露が発生し、カビの繁殖につながってしまうので注意しましょう。
ドア下や窓からすきま風が入り込んでいる
ドア下や窓枠と窓の間など、部屋のわずかなすきまからあたたかい空気が逃げ、冷たい空気が入り込んでいる可能性もあります。特に築年数の古い住宅ほど、もともとの気密性も高くない上に、建物の劣化によってどうしてもすきまができてしまいます。
すきまを防いで対策しましょう。
特に手軽なのは、Amazonなどの通販サイトや、100円ショップでも購入できる「すきまテープ」を窓のサッシ部分やドア枠に貼る方法です。すきまを埋めれば冷たい外気の侵入を遮断できます。
ただし貼付部分が汚れたままテープを貼るとカビが発生するため、掃除をしてから貼りましょう。また、後からできたすきまではなく、本来すきまがあるはずの部分に後からテープを貼り付ける場合、貼っても窓の開閉に問題がないか確認が必要です。
【冬】ときどきエアコンの運転が止まる
暖房を稼働している最中に、何度も運転を停止してしまう場合、エアコンが「霜取り運転」をしている可能性があります。
室外機が凍って「霜取り運転」をしている
エアコンがときどき運転中に動かなくなり、10分前後経つとまた動き出す…という状況の場合、「霜取り運転」をしている可能性が高いです。
エアコンの暖房を稼働させると、室外機の中にある「熱交換器」が冷たくなります。そこに空気が触れて結露し、凍って霜がつきます。熱交換器についた霜を溶かすのが霜取り運転です。
霜取り運転が作動すると暖房が一時停止してしまうので、ひんぱんに作動すると部屋の中があたたまりにくくなります。故障ではないので、霜取り運転が終わるまで待つしかありません。
エアコンに負荷がかかると霜がつきやすくなって霜取り運転の回数が増えてしまいます。エアコンの設定温度を低くしたり、フィルター掃除を小まめにしたりして、エアコンの負荷を軽減してあげましょう。
【冬】エアコンから温風が出ない
エアコンの送風口付近に手を当ててみても、あたたかい風があまり感じられない…ということがあるかもしれません。そんなときは、何らかの理由でエアコンの能力が下がっている可能性があります。
室内機、室外機が汚れて運転効率が下がっている
まず室内機で確認したいのがフィルターやフィンの汚れです。ホコリがフィルターやフィンにたまった状態では風の通りが悪くなり、エアコンの効きが悪くなることがあります。
室内機のメンテナンス
室内機が正常な場合、室外機にゴミやホコリが詰まっていないか確認します。吹き出し口がふさがっていると運転効率が落ち暖房の効果が得られません。
室内機の汚れはエアコンの作動効率を下げます。なかなか暖まらないときは、以下の手順で定期的に掃除を行いましょう。
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いきなりフィルターを外してしまうとホコリが舞い散るため、取り外し前に軽く掃除機をかけましょう。エアコン裏面から掃除機をかけるとホコリがフィルターの目に詰まってしまうので注意します。
汚れが落ちない場合は中性洗剤を水で薄め、やわらかいブラシで洗うとフィルターを傷めずに掃除ができます。
室外機のメンテナンス
室外機のメンテナンスを長い期間していないと汚れがたまり、エアコンの作業効率が下がります。外に設置するため室外機は基本的に汚れには強いですが、定期的に掃除を行うことが大切です。
掃除機やほうきなどで室外機の表と裏にたまったゴミを取ってきれいにしましょう。吹き出し口がふさがっていると効率低下の原因になるため、30cmくらいは空けるようにします。
また室外機に直射日光が当たって熱くなると、排熱のためにより多くの電力を使用するため効きが悪くなります。
【要修理】エアコン内部の冷媒ガスが漏れている
エアコンの風が冷たくもあたたかくもない場合、エアコン内部に充填されているはずの冷媒ガスが漏れて少なくなっているかもしれません。
エアコンは冷媒ガスの働きで熱のやり取りをし、室内の空気を冷やしたりあたためたりしています。この冷媒ガスがなんらかの理由で減ると、エアコンはただ風が出るだけで部屋の温度を調節する能力が落ちてしまいます。
冷媒ガスが少なくなった場合は補充するしかありません。また、配管や本体の破損でガス漏れが発生しているのであれば、修理も必要です。
素人には難しい作業なので、業者に依頼して点検やガス補充、修理をしてもらいましょう。
【夏】エアコンをつけると寒く、消すと暑い
夏にエアコンをつけると肌寒く感じるのに、消したらすぐに厚くなってしまうことに悩む方も多いのではないでしょうか。
冷たい空気が部屋の下部にたまっている
冒頭でも解説した通り、冷たい空気は足元にたまりやすいです。特にエアコンの風が下向きになっていると、冷気が人の生活する高さにかたまって必要以上に寒く感じることがあります。
サーキュレーターで冷気をかきまぜる、エアコンの風は上向きにするといった方法で、部屋全体の温度を均一にしましょう。
エアコンの風が身体に当たっている
冷風が直接身体にあたっていると、実際の設定温度よりも寒く感じます。同じ温度の場所でも、風があるだけで体感温度が下がるのです。
エアコンは扇風機と違って直接風を受けて涼しくするものではないので、身体に冷風が当たらないように風向きを調節しましょう。
風を上向きにしておけば、冷たい空気がまんべんなく下まで降りてくるはずです。
部屋の湿度が高い
周りの空気の湿度が高いと、実際の温度以上に暑く感じる傾向にあります。エアコンを消すとむっとした暑さを感じるけれど、つけると寒い…それは部屋がじめっとしているからかもしれません。
そんなときは、除湿モードで運転をしてみましょう。空気を冷やすのではなく、湿度を下げることで、快適に過ごせることがありますよ。
【夏/冬】学校や職場でエアコンの設定温度が合わない
自分で身体をあたためる対策をとる
学校や職場では、自由に温度設定を変えられないことも多いです。そんなときは、なるべく身体を冷やさないよう自衛の策をとりましょう。
カーディガンやパーカーなど着脱しやすい服をはおる
最もかんたんな温度調節の方法は、着る服の量を調節することです。
特に夏場は屋外がとても暑いので薄着になる人が多いですが、室内の寒さに対応できるよう、はおれる服やストールを常備しておきましょう。
3つの首(首・手首・足首)やお腹をあたためる
首・手首・足首には太い血管が通っているので、この3点をあたためると血流がよくなり、全身のあたたかさが保たれます。ネックウォーマーや靴下を活用しましょう。
また、お腹の冷えから胃腸の調子を崩す人も多いです。腹巻やカイロ、ブランケットでお腹を守りましょう。
温かい飲み物を飲む
冷えから身体を守るために大事なのは、身体を芯からあたためることです。温かい飲み物を飲んで、内側から体温を上げましょう。
特に夏は冷たい飲み物を摂取したくなってしまいますが、エアコンで身体が冷えているときはあたたかい飲み物を選んでみてください。
周囲に相談する
思い切って周りの人に相談して、エアコンの設定温度を変えるのも1つの手です。寒いと思っていても言い出せない人が他にもいるかもしれません。
同じフロアでも場所によって体感温度が異なることもよくあります。暑がりの人と寒がりの人で席を調整したり、サーキュレーターを設置して空気を循環させ、なるべく部屋の温度を均一にしたりといった工夫もできるでしょう。
エアコンによる冷えが自律神経の乱れにつながることも
主に夏、エアコンが強く効いている室内に長時間いたり、暑い屋外と寒い室内の行き来をひんぱんにしていると、自律神経が乱れて「冷房病(クーラー病)」になることがあります。
大幅な気温変化に継続してさらされることで、体温を上げるときにはたらく交感神経と、下げるときにはたらく副交感神経のバランスが崩れてしまうのです。
これを防ぐには、前述のように服装の調整や飲み物によって身体をあたため、芯から冷やさないように注意する必要があります。
ちなみに冬場も屋外と室内の気温差は大きいですが、厚着をするので夏みたいな冷房病の症状は起きにくいとされています。
故障が疑われるときは業者に修理を依頼しよう【費用相場は?】
窓からの冷気侵入やエアコンのメンテナンスをしても室内が暖まらない場合はエアコンの故障が考えられ、業者の力を頼らざるを得ません。業者に依頼する必要性や修理の費用相場をみてみましょう。
故障やガス漏れの場合は修理が必要
自力で対策をしても問題が解決しない場合は、エアコン本体の故障やガス漏れを疑いましょう。特にガスが漏れている場合は、正しい方法で補充しなければ暖房器具として使えません。
しかしエアコンの構造は複雑で、専門知識がない素人の手では修理が困難です。さらなる故障にもつながりかねないため、修理やガスの補充が必要なときはプロの手を借りましょう。
エアコン修理にかかる費用
エアコンは修理するパーツによって費用が大幅に変動します。たとえば冷媒ガス漏れの原因となる配管などの修理は27,000~50,000円、ガス補充のみであれば15,000~20,000円ほどで済みます。
室外機が故障している場合、基板の修理なら24,000~36,000円ほどですが、交換の必要があれば100,000円を超えることもあります。
エアコンは室内機と室外機がセットになって稼働し、一カ所に不具合が発生すると他のパーツに負担がかかりさらに故障する場所が増えやすい精密機械です。そのため修理費用は予想以上に高くなります。
また依頼する業者によって費用は変動するため、コスト削減には業者選びが重要です。多数の業者が登録する「ミツモア」を利用すると相見積もりが無料で取得でき、各社の料金比較が簡単にできます。
買い替えて交換したほうが安い場合も
故障した箇所によっては大がかりな修理が必要になり、エアコン新品を購入して取り付けるよりも高い修理代がかかってしまうことがあります。
本体価格と工事費を合わせた新品の取り付けにかかる費用の目安は以下の通りです。エアコンのサイズにもよりますが、修理に10万円前後かかってしまう場合は交換を検討しても良いでしょう。
- 6畳用:6万円前後
- 8畳用エアコン:6.5万円前後
- 10畳用エアコン:7.5万円前後
エアコンの取り付けや取り外し、処分にかかる費用は以下の記事も参考にしてみてください。
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