CRMとは顧客と良好な関係を築き、リピーターになってもらうことで、利益の向上を目指すマネジメント手法、及びそれに用いるツールを指す言葉です。CRMを導入すると、顧客データを軸に契約・受注後のサポートやフォローアップを一括してできるようになります。
この記事では「建設業にCRMは必要なのか?」「どんな建設業課題の解決につながるか?」を解説。
建設業におすすめのCRM5製品を紹介するほか、活用事例も掲載したので、導入に迷った際はぜひご活用ください。
建設業にCRMは必要?解決できる課題とは
建設業は案件ごとの要件がそれぞれ異なり、関わる取引相手も多岐に渡ります。その特性から、顧客単位でのデータ統合や細かい要件の管理が難しく「CRMで管理できるのか?」「CRMの導入は必要なのか?」とお悩みの方もいるでしょう。
結論から言うと、長期的に顧客との関係を深め、継続的な取引を促進したければ必要になる可能性が高く、短期的な営業利益獲得や効率化を求める場合は不要となります。
単発や新規案件が主体ならば要らないということです。短期的に営業活動を効率化したいなどの場合はSFAの利用を勧めます。CRMは長期案件が多い、定期的なフォローアップが必要な顧客がいる場合にお勧めです。
以下にCRMが必要な場合と、CRMで解決できる課題を簡潔にまとめましたので、自社の要件を振り返ってみましょう。
建設業でCRMが必要な場合
①顧客関係の強化が必要な場合
「顧客との長期的なパートナーシップを築きたい」「過去の取引履歴やフィードバックを一元管理したい」と考える場合にCRMは必要になります。長期顧客が定着しない、顧客情報の散逸によって適切な対応ができなかったなどの課題があれば利用してもいいでしょう。
②顧客データの分析を重視する場合
「受注や顧客の動向をトラッキングし、傾向分析を行いたい」「定期的な顧客フォローアップや需要予測が重要なビジネスモデルである」場合にCRMはおすすめです。顧客ニーズや動向の把握ができていないことで受注機会を逃している、より顧客にとって最適な提案をしたいなどの悩みに対応しています。
CRMで解決できる建設業課題
1.案件ごとのプロセス管理が複雑
建設業界では案件発生後、顧客と長期的な関係が続くケースも少なくなく、膨大な顧客情報を標準化する必要があります。CRMには案件受注から入金までのプロセスを効率的に管理できる機能があり、プロジェクト管理を一括・標準化できます。
見積もり履歴や入金・支払予定など、業界特有の案件プロセスを組み込むこともできるため、建設業での利用もしやすい筈です。
2.営業ノウハウを共有できない
SFA機能を持つCRMを導入すると、社内で詳細な顧客情報を共有すると共に、営業時のやり取りやノウハウもデータとして共有できます。顧客情報と合わせて営業データを登録・管理しやすくなることから、適切な営業手法を誰でも知ることができます。
CRMに蓄積された顧客の発注履歴やクレームなどの情報は、顧客が求めていることを判断する有力な材料にもなります。
3.顧客フォローアップの仕組みが不十分
建設業ではサポートやフォローアップのため、案件終了後も顧客とのやり取りが必要になります。CRMに蓄積された情報をもとにアフターフォローを行えば、適切な提案を行えるようになります。
過去の取引情報やクレームから、最適な対応が可視化され、アラートなども設定できるため、対応に迷うことが少なくなります。後任者への引き継ぎなども楽になるでしょう。
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建設業におすすめのCRMとは?
建設業におすすめのCRMとは、建設業課題の解決につながる機能をもつCRMツールです。プロジェクトごとの進捗管理や複数の関係者との連携がしやすい製品が当てはまります。
建設業とひとことでいっても、顧客の特性や取扱い製品、案件規模によって必要な要件はかなり変わってくるため、カスタマイズ性が高い製品もおすすめです。
こんな機能を持つCRMがおすすめ
建設業でCRMを利用する場合、具体的には以下のような機能を持つ、もしくはカスタマイズできる製品がおすすめです。
機能 | 詳細 |
プロジェクト管理機能 | プロジェクトごと、案件固有の情報や変更履歴(工期変更、コスト変更など)を記録、追跡して一括管理できる機能 |
顧客フォローアップ管理機能 | 顧客ごとの情報から、メンテナンス契約や提案、アフターフォローのスケジュール管理、セグメント分けができる機能 |
SFA機能 | SFAの機能をCRM内に搭載している、もしくはSFAツールとの連携ができる機能 |
外部ツール連携機能 | 施工管理ソフトや会計ソフト、名刺管理ソフトなど既に使用している業務ツールと連携できる機能 |
モバイル端末対応 | スマホやタブレットでのアクセスに対応し、現場や営業先でリアルタイムに情報を更新できる |
「長期にわたって顧客を管理しやすいか?」「複数の関係者とのコミュニケーションが取れるか?」に焦点を充てると必要な機能を絞り込みやすいでしょう。
建設業におすすめのCRM比較5選
建設業界では具体的に、どのようなシステムが導入されているのでしょうか。建設業におすすめのCRMを厳選して5つ紹介します。
製品名 | 特徴 | 月額料金 |
Salesforce Sales Cloud | IT大手Salesforce社が提供する信頼度の高いツール | 3,300円/ユーザー~ |
eセールスマネージャーRemix Cloud | 定着率95%!導入から稼働、定着まで手厚いサポート | 3,300円/ユーザー~ |
HubSpot Sales Hub | 無料プランあり!初めての導入でも安心 | 2,400円/ユーザー~ |
Zoho CRM | SFAの機能も!営業活動全般の効率化に貢献 | 1,680円/ユーザー~ |
kintone | 会社に応じて必要な機能を自由にカスタマイズ、建設業に特化した機能も | 1,000円/ユーザー~ |
「Salesforce Sales Cloud」IT大手Salesforce社が提供する信頼度の高いツール
- 企業の環境にあわせてカスタマイズが可能なシステム
- AIによる精度の高い顧客分析と営業プロセスの自動化で営業効率を向上
- 月額3,300円からと低予算でも導入しやすい価格設定(※)
Salesforce Sales Cloudは企業環境に合わせた柔軟なカスタマイズが可能なCRM/SFAシステムです。AIによる精度の高い顧客分析や営業プロセスの自動化により、営業効率を大幅に向上させます。
またモバイルアプリにも対応しており、外出先からもリアルタイムに顧客情報や商談状況の確認・更新が可能です。柔軟なカスタマイズにも対応し、月額3,300円から利用できるプランもあるため、企業規模や業種を問わず導入しやすいシステムです。
さらに、セールスフォース・ジャパン社が提供する豊富なツールと連携できることが強みです。たとえばMarketing Cloudというツールを使うと、カスタマージャーニーの構築やメルマガの配信、プッシュ通知、ソーシャルメディアへの配信といったマーケティング施策が実行できます。
※株式会社セールスフォース・ジャパン(2024年5月時点)
初期費用 | 0円 |
月額料金 |
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無料トライアル | 30日間 |
プロジェクト管理 | ◯ |
顧客データ管理 | ◯ |
SFA機能 | ◯ |
外部ツール連携 | ◯ |
サポート体制 | アシスタント機能、メール、電話 |
「eセールスマネージャー Remix Cloud」定着率95%!導入から稼働、定着まで手厚いサポート
- 5,500社超、185業種以上の幅広い企業で導入実績を誇るSFA
- スマホアプリで営業活動を報告し、1回の入力で顧客情報などに一括反映
- 導入から運用定着まで専任の活用アドバイザーが徹底サポート
eセールスマネージャー Remix Cloudは5,500社以上、185業種以上の幅広い企業に導入されているSFA・CRMツールです(※)。スマホアプリで営業活動を報告し、1回の入力で顧客情報、タスク管理、活動履歴などに一括反映される「シングルインプット・マルチアウトプット」機能により、営業担当者の入力負担を軽減します。
また専任の活用アドバイザーが徹底的にフォローし、稼働と定着まで3カ月間でオンボーディングできるように支援を実施するなど、手厚いサポート体制も特徴です。
※2024年5月時点
初期費用 | 0円 |
月額料金 |
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無料トライアル | 30日間 |
プロジェクト管理 | ◯ |
顧客データ管理 | ◯ |
SFA機能 | ◯ |
外部ツール連携 | ◯ |
サポート体制 | オンボーディング、サポートデスク、活用支援サイト |
「HubSpot Sales Hub」表示が可能な無料プランあり!初めても導入でも安心
- 世界120カ国以上の19万4,000社(※)を超える顧客数
- 導入から12カ月後の成約件数は平均で55%(※)増加
- 生産性の向上を図るため、必要な情報に限定して表示
HubSpot Sales Hubは顧客との関係強化と成約率の向上に役立つ機能をまとめた営業支援プラットフォームです。世界120カ国以上の19万4,000社(※)で利用されています。
導入から12カ月後の成約件数は平均で55%(※)の増加率となっています。取引作成件数の増加率は28%(※)にのぼるなど、取引件数を増やしている企業がほとんどです。
行動追跡や収益追跡、売上予測など高度な分析機能が搭載されており、チーム全体の管理がしやすくなっています。また、セールスオートメーションやAI機能は、顧客とのつながりを深めるのに必要な情報を得るのに役立ちます。より生産性を高められるように、次にすべきことがわかりやすくなるツールです。
※ HUBSPOT社(2024年5月時点)
初期費用 | 0円 |
月額料金 |
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無料トライアル | 30日間 |
プロジェクト管理 | ◯ |
顧客データ管理 | ◯ |
SFA機能 | ◯(プラン次第) |
外部ツール連携 | ◯ |
サポート体制 | チャット、メール、電話、学習コンテンツ |
「Zoho CRM」SFAの機能も!営業活動全般の効率化に貢献
- 全世界で25万社が導入している営業支援ツール(※)
- タスクのリマインダー機能とAIによる最適な連絡時間帯の提案で営業効率化
- 初期費用ゼロで月額2,640円から利用可能(※)
Zoho CRMは、全世界で25万社以上に導入されているCRM/SFAです。導入効果として1人あたりの売上高が41%向上したというアンケート調査結果もあります(※)。
タスクのリマインダー機能で対応漏れを防止できるほか、AIが取引先との過去のやりとりから最もつながりやすい連絡時間帯を自動で提示。
また初期費用は0円で料金月額2,640円で利用可能です。しかも柔軟なカスタマイズが可能なため、自社に最適な形で利用できます。
※ゾーホージャパン株式会社(2024年5月時点)
初期費用 | 0円 |
月額料金 |
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無料トライアル | 15日間 |
プロジェクト管理 | -(カスタマイズ次第) |
顧客データ管理 | ◯ |
SFA機能 | ◯ |
外部ツール連携 | ◯ |
サポート体制 | ウェビナー、相談窓口、ユーザーコミュニティー |
「kintone」会社に応じて必要な機能を自由にカスタマイズ!建設業に特化した機能も
- 導入社数3万社を突破したノーコードの業務アプリ作成ツール(※)
- 名刺管理ソフトや会計ソフトなど200種類以上のサービスと連携
- 日・英・中・スペイン語に対応し海外拠点と共通の環境で利用可能
kintone(キントーン)は、導入社数3万社を突破した(※)、業務アプリをノーコード・ローコードでつくれるツールです。
情報の保存場所や更新履歴がすぐに見つかり、いつでもどこでも複数人で情報共有できるため、情報の属人化を解決できます。
会計ソフトや名刺管理ソフトなど200種類以上のサービスと連携が可能です。拡張機能を使いこなすことで、活用の幅が広がり、効率的に業務を進められます。
さらにアプリストアから用途に合ったサンプルアプリを選び、自社に最適なツールにカスタマイズできる高い柔軟性が特徴です。日・英・中・スペイン語に対応しているため、海外拠点がある企業にもおすすめです。
※2024年5月時点
初期費用 | 0円 |
月額料金 |
|
無料トライアル | 30日間 |
プロジェクト管理 | ◯(カスタマイズ次第) |
顧客データ管理 | ◯(カスタマイズ次第) |
SFA機能 | ◯(カスタマイズ次第) |
外部ツール連携 | ◯ |
サポート体制 | オンライン相談、セミナー、メール、電話 |
建設業でのCRM活用事例【2社紹介】
建設業でCRMを導入するといっても、どのように活用してどの部分で業務を効率化できるのかイメージしにくいかもしれません。ここでは、実際の活用事例を2社紹介します。
「住友不動産」案件ごとの情報を一元管理で工事担当者の業務改善を実現
住友不動産株式会社は高層ビルやマンション、注文住宅、戸建再生事業から都市開発まで、建築業界大手の不動産企業です。
複数事業を展開する中でも注文住宅事業において、施工管理における品質向上の仕組みづくりのためCRMを活用。工程管理の品質向上と業務効率化を実現させています。
注文住宅事業本部では150名を超える工事担当者が各現場の施工管理を行っています。
施工管理における品質は、工事担当者個人のスキルや経験に依存する部分が多く、品質にバラつきが出るのが問題視されていました。
どの工事担当者でも同質の工程管理を可能にすることが課題となっていたのです。
CRM導入前は各工事段階での写真撮影・記録・保管をアナログで管理。デジカメで撮影したものをオフィスに持ち帰り、専用のサーバーにデータを移動させていました。
そこでCRMを導入したことで、会社に戻らずとも現場で情報入力から共有までできるようになりました。
現場での働き方にも柔軟に対応でき、またデータ入力も簡単に行えるようになったことで業務が大きく改善されたのです。
「東邦レオ」進捗管理の効率化で案件取り逃しの37.5%削減に成功
東邦レオ株式会社はマンションやビルの緑化システムの設計から販売、施工までを手掛けている会社です。
営業力強化のためCRMを活用。その結果、顧客からの受注の取り逃しを軽減させることに成功しました。
競合他社の増加により営業力の強化が必要になったのが課題であり、CRM導入のきっかけになっています。
従来はプロセスマネジメントのために各社員から文書の提出を依頼し、それらをまとめてPCに入力することを始めました。しかし、それは膨大な業務量を生み出し土日出勤をしないと追いつかない状態に。
そこでCRMを導入したことで、社員それぞれのPCやスマホから入力可能になり、それらの情報はツール上で共有できるようになったのです。
案件の進捗管理を効率化し、案件に優先順位がつけられるようになったことで「そのプロセスで契約不成立しやすいか」が明確化。
そのデータを基に、より成約率を高められる営業戦略が立てられるようになったのです。
建設業のCRM導入で最後に押さえるべきポイント
建設業でCRMを成功させるためには、単に導入すれば良いというわけではありません。自社の課題は何かを正確に把握し、目標の達成のためにはどうすればいいか考えて導入することが大事です。
CRMはあくまでもツールであり、データ入力の習慣化や情報共有の意識改革など、継続的な取り組みがなければ、思うように効果が出ない可能性もあります。
CRM導入は「コスト」ではなく「投資」であると捉えることが重要です。短期的な費用対効果だけでなく、長期的な顧客関係と企業の成長可能性を見据えて決めるといいでしょう。
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