顧客情報の一元管理を担えるシステムのCRM。昨今では銀行をはじめとした金融機関でも導入が進んでおり、変化し続ける顧客ニーズへの対応に活用されています。
この記事では銀行・金融業界におすすめのCRMを8製品紹介。CRMが注目される理由やメリット、選び方を解説しました。ぜひ比較・検討の参考にしてください。
銀行・金融業界でCRMが注目される理由
銀行・金融業界でCRMが注目されている背景には、いくつかの重要な要因が関係しています。その中でも、「2025年の崖」と呼ばれる現象が大きな影響を与えていると言われています。
「2025年の崖」とは日本企業が直面する重大なデジタル課題です。老朽化した基幹システムの更新、IT人材不足、システム更新に伴うリスク、そしてデジタル競争力の維持が主な論点となっています。企業は、システムの近代化と技術革新への対応を迫られており、この問題は単なるテクニカルな課題を超えて、企業の存続と成長に関わる重要な経営戦略となっています。
この「2025年の崖」に対処するための有効なツールとしてCRMが注目されています。CRMは顧客のニーズに応じた適切な提案やサポートを提供するためのツールであり、顧客情報を一元管理することで、各顧客のライフステージや取引履歴に基づいた個別対応を可能にします。また、データ分析機能を活用することで、顧客行動のトレンドを把握し、戦略的な意思決定を行うための情報を提供します。
CRM選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想のCRMが見つかります。 |
銀行・金融業界がCRMを導入するメリット
銀行や金融業界がCRMを導入することで、顧客情報の一元管理を通して顧客のニーズに合った提案ができたり、データ分析により新しい施策を立てるための視点やアイデアを得られたりします。さらに、CRMが国際基準に準拠して設計されていることで、コンプライアンスの強化にもつながります。
顧客情報を一元化し、適切な提案ができる
銀行や金融機関では顧客の取引履歴や口座情報、ローンの申込状況、投資商品の契約内容など、膨大な情報を管理しています。しかし、これらのデータが複数のシステムや部門に分散している場合、必要な情報に迅速にアクセスするのが難しくなり、顧客対応が非効率になることがあります。
CRMを導入することで、これらの情報を一つのプラットフォーム上に統合でき、銀行のスタッフは顧客の状況を瞬時に把握できるようになります。たとえば、ある顧客が住宅ローンを利用している場合、その返済状況だけでなく、給与振込口座や資産運用の取引履歴もCRMで一元管理されるため、顧客のライフステージやニーズに応じた提案が可能となります。
データ分析による戦略的意思決定につながる
CRMには収集された膨大な顧客データを整理・統合し、それを詳細に分析する機能が備わっています。この分析を通じて、顧客の行動パターンやニーズを把握でき、銀行の営業戦略やマーケティング施策に新たな視点をもたらします。
また、データ分析を活用することで、リスク管理や収益予測といった分野でも重要な示唆を得ることができます。収益性の高い顧客セグメントを特定し、その顧客層に向けたサービスの拡充や重点的なリソース配分を行うことで、収益最大化の戦略を立案することができます。
コンプライアンスの強化につながる
CRMの多くは国際基準に準拠して設計されており、データの安全性を確保するための高度なセキュリティ機能を備えています。これにより、顧客データの不正アクセスや漏洩を防ぎ、法令順守に対する組織の信頼性を高めます。また、アクセス権限の管理やデータ暗号化、ログ追跡機能などが統合されているため、誰がどの情報にアクセスしたかを正確に記録し、不正行為やヒューマンエラーを抑止することができます。
銀行・金融関連企業のCRM導入事例
銀行・金融関連企業のCRM導入事例を3社紹介します。
イオン銀行
イオン銀行では2019年に、これまで使っていた顧客紹介システムから営業支援システムを中心としたCRMへと大幅な刷新を実施。従来は口頭や紙、Excelで管理していた案件情報や営業活動の報告を同じシステムで一元化しました。
その結果、商談成約率の上昇や報告にかかる業務負荷の軽減など、さまざまな成果を発揮。担当者のログイン率からみえる利用率は95%以上まで向上したとのことです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券ではシステムのサポート終了を契機に、現行のクラウド型CRMへと刷新。
その中でもFAの活動履歴や顧客との面談記録など既存システムに蓄積されたデータの活用や、周辺システムとの連携が大きな課題となっていたとのことです。ベンダーとの連携のもと、CRMをひとつの軸としたハイブリッドな環境を個別で構築することで対応を進めました。
現在ではアドバイザリー型ビジネスを推進するべく、データ基盤の構築から各種フローの運用までデータドリブンな運用を進めています。
北日本銀行
北日本銀行では、CRMの導入以降、各営業所が持っていた情報を営業本部がリアルタイムで確認できるようになりました。
各営業所・担当者の進捗情報を把握でき、スピード感のある対応が実現。営業店と本部が足並みを揃えて、顧客への提案を推進できるようになったそうです。
銀行・金融業界がCRM導入する時の選び方
自社に必要な機能が備わっているか
銀行・金融業界がCRMを導入する際には、「自社に必要な機能が備わっているか」をしっかり確認することが重要です。
たとえば、顧客のライフステージや取引履歴に基づいた詳細な顧客プロファイルを作成できる機能は、個々の顧客に合わせた金融商品の提案に役立ちます。また、融資の審査状況や顧客対応履歴を一目で把握できる機能があれば、業務効率が大幅に向上し、顧客満足度も高まります。
加えて、データ分析機能やレポート作成機能も、銀行や金融業界にとっては重要なポイントです。これらの機能を活用することで、顧客行動のトレンドを把握したり、営業戦略を最適化したりすることが可能になります。
誰でも操作しやすいシステムか
CRMは、顧客情報の管理やデータ分析などの複雑な業務を効率化するツールですが、その機能を十分に活用するためには、現場のスタッフが迷わず使いこなせることが前提となります。
銀行や金融機関では直感的に操作できるインターフェースや、分かりやすい画面設計を備えたCRMが求められます。たとえば、必要な情報をすぐに検索できる検索機能や、ドラッグ&ドロップで簡単にデータを整理できる操作性があれば、従業員の負担を大きく軽減できます。
また、スマートフォンやタブレットに対応しているシステムであれば、外出先での利用やリモートワーク時にも対応でき、さらに業務効率が向上します。
システムの拡張性は高いか
まずAPI連携がスムーズに行えるかどうかが大きなポイントとなります。銀行や金融機関は、多くの場合、既存の基幹システムやコアバンキングシステムなど、複数のシステムを併用しています。CRMがこれらのシステムと連携できる場合、データを一元管理するだけでなく、部門間でのデータ共有が容易になり、業務全体の効率化が図れます。
さらに、カスタマイズや新機能の追加が可能なCRMであることも重要です。モジュールを追加できる設計や、業務フローの変更に柔軟に対応できるCRMであれば、システムの寿命を延ばし、追加コストを抑えることができます。
銀行・金融業界におすすめのCRM8選
銀行をはじめとした金融関連企業におすすめのCRMを8製品紹介します。
Salesforce Sales Cloud
- 企業の環境にあわせてカスタマイズが可能なシステム
- AIによる精度の高い顧客分析と営業プロセスの自動化で営業効率を向上
- 月額3,300円からと低予算でも導入しやすい価格設定(※)
Salesforce Sales Cloudは企業環境に合わせた柔軟なカスタマイズが可能なCRM/SFAシステムです。AIによる精度の高い顧客分析や営業プロセスの自動化により、営業効率を大幅に向上させます。
またモバイルアプリにも対応しており、外出先からもリアルタイムに顧客情報や商談状況の確認・更新が可能です。柔軟なカスタマイズにも対応し、月額3,300円から利用できるプランもあるため、企業規模や業種を問わず導入しやすいシステムです。
さらに、セールスフォース・ジャパン社が提供する豊富なツールと連携できることが強みです。たとえばMarketing Cloudというツールを使うと、カスタマージャーニーの構築やメルマガの配信、プッシュ通知、ソーシャルメディアへの配信といったマーケティング施策が実行できます。
※株式会社セールスフォース・ジャパン(2024年5月時点)
Zoho CRM
- 全世界で25万社が導入している営業支援ツール(※)
- タスクのリマインダー機能とAIによる最適な連絡時間帯の提案で営業効率化
- 初期費用ゼロで月額2,640円から利用可能(※)
Zoho CRMは、全世界で25万社以上に導入されているCRM/SFAです。導入効果として1人あたりの売上高が41%向上したというアンケート調査結果もあります(※)。
タスクのリマインダー機能で対応漏れを防止できるほか、AIが取引先との過去のやりとりから最もつながりやすい連絡時間帯を自動で提示。
また初期費用は0円で料金月額2,640円で利用可能です。しかも柔軟なカスタマイズが可能なため、自社に最適な形で利用できます。
※ゾーホージャパン株式会社(2024年5月時点)
F3(エフキューブ)
- 総合的な顧客データ管理と活用の最適化
- 柔軟な顧客接点と連続的な関係構築
- 自由な条件に基づく詳細データ検索
F3(エフキューブ)は顧客情報の効率的な管理と活用を可能にするCRMです。金融機関のビジネスモデルに適応しながら、顧客データを集約し、これを基にした詳細な分析が可能です。
顧客のニーズに応じて接点をカスタマイズする機能を提供します。申込みから契約までのプロセスをデジタル化して簡素化し、顧客満足度を向上させます。さらにAPIを活用して外部データと連携し、よりパーソナライズされたサービス提供が可能です。
F3(エフキューブ)のデータベースは自由な検索条件を設定できるため、特定の顧客セグメントや市場ニーズに応じたデータ抽出が可能です。定例検索や見込み先の抽出も容易で、これにより効率的なマーケティング活動と営業戦略の策定が実行できます。
COLLABOS CRM
- LINEとの連携でAI自動応答を実現
- 従業員の稼働率管理も可能
- 使いやすい顧客情報データベースを提供
COLLABOS CRMは、企業のコールセンター業務に特化した機能を持つ、クラウド型の顧客情報管理システムです。
電話やメールに加えてLINEにも対応しており、画像を使った顧客とのやりとりが可能です。
オペレーターの稼働率算出など、従業員の管理ツールとしても活用できます。また、AI搭載のチャットボットを活用することもでき、これにより顧客の自己解決を促進し、人件費の削減も狙えます。
顧客対応に関する情報と既存の顧客情報を自動的に紐付けも可能で、業務の効率化を実現します。初期費用11万円、利用者一人あたり5,280円から導入できます。
BankNeo for CRM / SFA
- 操作性に優れ、顧客と向き合う時間を創出
- 一元管理で即時にデータを確認でき提案力を強化
- 渉外担当者のサポートと情報のリアルタイム共有
BankNeo for CRM / SFAは使いやすさを徹底追求して設計されています。業務の自動化と効率化により、セールススタッフは煩雑な事務作業から解放され、「顧客と向き合う時間」を増やすことができます。
タブレット端末を活用すれば、案件状況が一目で把握できます。営業チームは迅速に戦略的な判断を下し、成果を出すための行動計画を立てることが可能です。詳細なシミュレーションを行うことが可能で、ワンランク上の提案活動を実現します。
渉外担当者が外出先で登録した情報をリアルタイムで管理者が確認できる機能を提供しています。これにより上司や同僚は報告を待たずに最新の動向を素早く把握でき、必要に応じて即時のサポートが可能です。
eセールスマネージャー Remix Cloud
- 5,500社超、185業種以上の幅広い企業で導入実績を誇るSFA
- スマホアプリで営業活動を報告し、1回の入力で顧客情報などに一括反映
- 導入から運用定着まで専任の活用アドバイザーが徹底サポート
eセールスマネージャー Remix Cloudは5,500社以上、185業種以上の幅広い企業に導入されているSFAです(※)。スマホアプリで営業活動を報告し、1回の入力で顧客情報、タスク管理、活動履歴などに一括反映される「シングルインプット・マルチアウトプット」機能により、営業担当者の入力負担を軽減します。
また専任の活用アドバイザーが徹底的にフォローし、稼働と定着まで3カ月間でオンボーディングできるように支援を実施するなど、手厚いサポート体制も特徴です。
※2024年5月時点
Synergy!
- 無駄のない使いやすい管理画面と高いセキュリティが特徴の国産CRM
- WebやECサイト、SNSなどさまざまな経路からの顧客データを一元管理
- 蓄積データをもとにメールやLINEでのターゲティング配信を自動で実現
Synergy!(シナジー)は、集客から顧客情報の一元化、プロモーション、分析まで一貫して行える国産CRMツールです。
必要な機能のみに厳選した使いやすい管理画面と高いセキュリティが特徴で、WebサイトやECサイト、SNSなどさまざまな経路からの顧客データを集約して管理可能です。
また蓄積したデータをもとに、メールやLINEでの指定タイミングやターゲティングでの自動配信が可能で、効果的な顧客へのマーケティング活動を実現します。
GRMarketing
- 初期費用0円、無料トライアル30日間、月5,500円から使用可能(※)
- 売上、原価、見積などの管理を一元化し、経理業務も大幅効率化
- シンプルで使いやすい操作性とCSV出力機能で作業を簡素化
GRMarketingは、ブラウザ1つで顧客管理と営業支援がおこなえるCRMです。売上、原価、見積などの管理を一元化でき、見積・請求書作成、売上集計もシステム1つで完結するため、経理業務も大幅に効率化できます。
またシンプルで使いやすい操作性と、システム上のデータをCSV出力できる機能により、作業の簡素化を実現します。
小規模から大規模までフレキシブルに対応可能で、30日間の無料トライアルを利用して使用感を試せます。料金は初期費用0円、5,500円/月からとなっています。
※株式会社イーグリッド (2024年5月時点)
CRMで金融業界のサービス向上を実現
銀行をはじめとした金融業界では、さまざまなCRMの導入が進んでいます。顧客情報を一元的に管理し、必要なタイミングで確認できるCRMは、顧客からの問い合わせが多い銀行では特に重宝するでしょう。
また導入の際には「操作性の高さ」や「システムの拡張性」などに注目しながら、自社に合ったシステムを慎重に選択することが重要です。試用版を利用できる製品も多いので、使い勝手や操作性などをチェックしてから導入するとよいでしょう。
以下の記事では、おすすめのCRM各製品の機能や特徴を比較しています。ぜひ、あわせて製品選びの参考にしてください。
ぴったりのCRM(顧客管理システム)選びはミツモアで
CRM(顧客管理システム)は製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりのCRM(顧客管理システム)が見つかります。
ぴったりのCRM(顧客管理システム)を最短1分で無料診断
従業員数や欲しい機能などの項目を画面上で選択するだけで、最適なCRM(顧客管理システム)を最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。
ぴったりの料金プランも一緒にお届け
希望条件に沿った料金プランも製品と一緒に診断します。概算金額を見積もりからチェックして、理想のプランを探してみましょう。
診断結果は最大5製品!比較・検討で最適なCRM(顧客管理システム)が見つかる
最大で5製品の診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬ製品との出会いもあるかもしれません。
ミツモアなら、ぴったりのCRM(顧客管理システム)がすぐに見つかります。