勤務形態という言葉は固定労働時間制・フレックスなどの制度からテレワーク(リモートワーク)・出社といった働き方まで幅広く使えます。
しかし、その意味の幅広さゆえに使い方に迷う人もいるのではないでしょうか。「勤務形態の種類には何がある?」「勤務形態と雇用形態は違うの?」など疑問もさまざま。
本記事では勤務形態の各種類、雇用形態との違いを解説します。勤務形態を理解して、人材採用に役立ててください。
勤務形態とは
勤務形態とは働き方の形式を意味する言葉です。労働する時間や場所によって働き方を分類したものになりますので、固定労働時間制やフレックスタイム制、シフト制、時差出勤、テレワーク(リモートワーク)なども勤務形態といえます。
そのほかの例として、介護施設開設時に提出が必要な「従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表」という書類では、従業員のシフトパターンを勤務形態と呼んでいます。
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労働時間制度で分類した勤務形態
労働基準法では、法定労働時間が定められています。これに沿って働く勤務形態は固定労働時間制に該当します。それに対して、より弾力的な労働時間をとれるのが変形労働時間制、フレックスタイム制、事業場外労働時間のみなし制、高度プロフェッショナル制度、管理監督者です。
固定労働時間制
固定労働時間制は始業・終業時間が決まっている勤務形態です。古くからオフィスで働く事務職などに多く取り入れられています。
1日に8時間(40時間/週)勤務を基本として、就業規則で定められた勤務時間に勤務します。
メリット
- 従業員の労働時間が決まっているため、勤怠管理がしやすい
- 月次の人件費の算出が容易
- 労働スケジュールが決まっており、従業員が予定を立てやすい
デメリット
- 多忙になる月末や年度末の勤務スケジュール調整が必要
変形労働時間制
変形労働時間制は繁忙期・閑散期のある小売業や飲食店などで多く導入されています。
労使協定を締結することにより、一定期間を平均した1週間あたりの労働時間が法定労働時間(8時間/日、40時間/週)を超えない範囲で、長時間・短時間労働の調整が可能になります。
一定期間の労働時間の平均が法定労働時間を超えない範囲で、従業員が始業・終業時間を自由に決められるフレックスタイム制(フレックス制)も変形労働時間制の一種です。
メリット
- 繁忙期と閑散期の差がある業種の場合、労働時間の調整が容易
- 残業代を削減できる
- 従業員のライフスタイルに合わせた労働時間の調整が可能
デメリット
- 勤怠管理が複雑
フレックスタイム制
あらかじめ決められた総労働時間の範囲内で、始業・終業時刻や働く時間を従業員が⾃ら設定できる変形労働時間制の一種です。多くの場合は全員が出勤するコアタイムを設けていますが、コアタイムは必要というわけではありません。労働者が働く⽇も自由に選択することも可能です。
メリット
- 従業員が仕事と⽣活の調和を図れる
- 従業員の働き方が効率化でき、生産性の向上が期待できる
デメリット
- 社内会議や商談の時間をあわせにくくなる
- 自己管理ができない従業員には向かない
みなし労働時間制(裁量労働制)
勤務時間を把握するのが難しい場合または労働者本人が勤務時間等を管理した方がよい場合などに導入されています。
みなし労働時間制は、労働基準法によってさらに3つにわけられます。
事業場外みなし労働時間制 | 従業員が社外で働く際に会社が労働時間を把握できないため、決められた労働時間を働いたものとみなす制度。取引先に常駐して働く場合などに適用される。 |
専門業務型裁量労働制 | 専門性が高く、業務を遂行する際に従業員の裁量に委ねる必要がある場合に、実際の労働時間にかかわらず決められた労働時間を働いたものとみなす制度。厚生労働省により「専門業務型裁量労働制」が適用できるのは19の職種に限定される。 |
企画業務型裁量労働制 | 会社の中枢で企画・立案・調査などに従事する従業員が、自らの裁量で業務を遂行する場合に適応される。実際の労働時間にかかわらず決められた労働時間を働いたものとみなす制度。 |
メリット
- 従業員が自分のペースで仕事を進めることができる
- 残業代が発生しない
デメリット
- 残業代が発生しないため、従業員のモチベーションが下がる可能性がある
高度プロフェッショナル制度
一定の年収要件を満たし、高度な専門的知識を要する業務に就く人に限定される制度です。労働基準法に定められた労働時間や休憩、休日などに関する規定が適用されず、自らで決める裁量権が与えられます。金融ディーラー、コンサルタント、研究開発職などに見られます。
メリット
- 効率的な業務により労働時間を短縮でき、従業員のワークライフバランスを改善できる
デメリット
- 長時間労働につながりやすい
- 残業代や深夜手当がつかない
管理監督者
労務管理において経営者と一体的な立場にあるため、労働基準法で定められた労働時間、休憩、休日の制限を受けません。ただし、特別な権限や職務内容、待遇を得ている人でなければ管理監督者には該当しません。
メリット
- 残業代や休日出勤手当を支払う必要はない
- 深夜割増賃金は支払われる
- 年次有給休暇が付与される
デメリット
- 長時間労働につながりやすい
勤務形態と似た言葉との違い
「勤務形態」と混同されやすい言葉に、雇用形態と勤務体系があります。勤務形態と雇用形態は異なる意味の言葉ですが、勤務形態と勤務体系は似ています。
勤務形態と雇用形態の違い
勤務形態は「働く方法・時間」を表しますが、雇用形態は「雇用契約の種類」を表しています。勤務形態と雇用形態の違いを考えるには、履歴書を想像してみましょう。履歴書には基本的に勤務形態の欄はありません。一方で、雇用形態は記載が必要です。
勤務形態は主に
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などの働く手段や時間、それらを決めるルールを指しています。
一方で、雇用形態は
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など雇用契約の種類を表しています。
雇用形態について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
勤務形態と勤務体系の違い
勤務形態と同じく、勤務体系も厳密な定義はない言葉です。そのため、両者が混同して使用されていることも少なくありません。しかし、勤務体系は日勤や夜勤などを表すと考える人が多い傾向にあります。
用例の1つとして、「manage 勤怠」という勤怠管理システムがあります。この勤怠管理システムでは「勤務体系」の設定画面があり、短時間勤務などの勤務形態から就業時間まで細かく設定できるなど、勤務形態と勤務体系が使い分けられています。
勤務形態を理解して、希望にあった働き方を見つけよう
勤務形態を理解することで、よりその企業がどんな働き方をしているのか見極めることができます。
「どんな勤務形態をとっているのか」「その勤務形態は果たして自分の生活の中に組み込みやすいのか」を考えて就職活動や転職活動をおこなえば、より失敗しないキャリアプランの形成に結びつくでしょう。
勤務形態を理解してより良い企業探しに役立ててください。
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