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雇用形態の種類一覧|社会保険の加入条件や採用のポイントもわかりやすく解説

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最終更新日: 2024年06月28日

「雇用形態の種類ってどのようなものがあるの?」「社会保険の加入条件がわからない」このような疑問をお持ちではないでしょうか。

従業員の雇用形態には正社員や契約社員をはじめ、アルバイトやパートタイマーなど、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を知っておけば、適切な労務管理や自社に合った採用計画が実現するでしょう。

種類ごとの特徴はもちろん、社会保険の加入条件や雇用形態の変更方法についてもわかりやすく解説します。

雇用形態の種類

ミーティング風景

雇用形態は企業と従業員が結ぶ雇用契約の類型です。正社員や契約社員、アルバイト、パートタイマー、派遣社員など、さまざまな種類があります。

企業との契約内容や労働時間などの諸条件によって、分類されるのが特徴です。

正規雇用

正規雇用は正社員のことで、雇用期間の期限がなく、所定の労働時間をフルタイムで働く場合がほとんどです。

しかし正規雇用といっても「正社員」「短時間正社員」の2つに分類されます。

正社員

正社員は雇用期間の期限がなく、所定の労働時間をフルタイムで働く社員のことを指します。

安定した収入を得られるとともに社会保険にも加入でき、企業によっては、交通費や住宅手当などさまざまな福利厚生が受けられるが特徴です。

また、企業側としては正社員を雇用することで、長期的な視点を持って人材を育てられるメリットがあります。

短時間正社員

短時間正社員とは、所定の労働時間が一般的な正社員に比べて短い正社員です。

期間の定めがない雇用契約を結んでおり、さらに基本給や賞与・退職金などの算定方法が、フルタイムで働く正社員と同じなのが特徴です。

政府の働き方改革の推進や、多様な働き方を認める企業が増えたことによって、近年注目されている雇用形態と言えるでしょう。

企業は短時間正社員を雇用することで、社員の柔軟な働き方を実現でき、人材の定着率や生産性の向上が期待できます。

ただし、社員間に不公平感が広がる可能性もあるので、事前に社内の理解を得る努力が必要です。

非正規雇用

非正規雇用は契約社員やアルバイト、パートタイマーなどが該当します。正規雇用との主な違いは雇用契約の期間が決められている点で、企業は必要な期間のみ雇用できるのが特徴です。

ただし、契約期間が満了するまで合理的な理由のない解雇はできず、一定の条件の下で適正な手続きを経なければいけません。

パートタイム・アルバイト

パートタイムとアルバイトは、主に短時間で臨時的・補助的に企業に雇われるのが特徴です。アルバイトの立場と法的な違いはなく、働く時間や期間によっては社会保険の適用も受けられます。

雇用主との話し合いにより、勤務時間や勤務日を自由に決められるのが労働者側のメリットで、雇用期間が5年間を超えた場合は無期雇用に転換もできます。

勤務日数によっては福利厚生が受けられないこともあり、賞与も支給されないケースが多いです。

一方、企業がパートタイム労働者を雇うメリットは、必要なタイミングで必要な期間だけ人員を雇い入れることができる点です。

ただし、人材の流動や入れ替わりが激しく、長期的な人材育成が難しいデメリットもあります。

派遣労働者

派遣労働者とは人材派遣会社と雇用契約を結び、他の企業に派遣されて仕事をする、いわゆる派遣社員です。給与の支払いも派遣元の企業となります。

企業と直接雇用契約を結ぶ正社員とは違い、希望条件に合った仕事がしやすい点や、自分の状況に応じて仕事を変えられる点が派遣社員側のメリットです。

派遣先企業側は人件費の削減や業務効率化を期待できますが、自社への帰属意識が薄いため、責任ある仕事を任せられないケースも少なくないようです。

契約社員

契約社員は雇用主である企業と、一定の期間を定めて雇用契約を結んだ社員です。雇用契約を結べる期間は最長3年となっています。

ただし特定の専門知識を有している人や定年後の継続雇用の場合は、最長5年まで雇用契約を結べる場合もあるのです。

企業が必要なスキルを持った人材を効率的に確保でき、状況によって柔軟に人員の増減ができますが、契約の更新を拒否される可能性もあります。

嘱託社員

嘱託社員は嘱託制度によって雇用された社員のことを言います。法的には嘱託社員の規定はなく、定義も曖昧なのが実態で、労働条件や各種待遇は企業によってさまざまです。

一般的には医者や弁護士などの特殊な知識や技能を持った人に依頼する場合や、定年を迎えた人を再雇用する場合に、嘱託社員で雇用するケースが見られます。

こちらも企業が必要なスキルを持った人材を効率的に確保でき、状況によって柔軟に人員の増減ができますが、契約の更新を拒否される可能性もあります。

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雇用形態と混同しやすいケース

集まるチームメンバー

正社員や契約社員といった雇用形態と混同されやすいのが、企業と業務委託契約を結んでいる事業主や家内労働者などです。企業と雇用契約を結んでいるわけではなく、法的には対等な立場として契約を結んでいます。以下で詳しく見ていきましょう。

業務委託契約の事業主

業務委託契約を結んでいる事業主は、正社員やアルバイトのように、企業と労使関係にはありません。あくまでも業務上のパートナーとして、契約を結んでいるのが特徴です。

企業に労働力を提供するのではなく、報酬と引き換えに契約内容にある業務を遂行し、その成果物を提供します。

立場としては企業と同等の事業主であるため、依頼主である企業から、業務の進め方や時間配分などに関して指示を受けることはありません。納期までに決められた成果物を納品すれば良いので、基本的にはどういった働き方をしても自由です。

家内労働者

家内労働者とは、委託元である企業から部品や原材料などの提供を受け、製品の加工や製造などを行って報酬を受ける立場の人を言います。

一人で作業をしている人もいれば、同居している家族と作業をしている人も少なくありません。いわゆる「内職」と呼ばれる仕事が家内労働者に該当します。

製造業者から部品の加工や組み立てを依頼されている場合が多く、一般家庭のガスや水道の検針を家内労働者が担っているケースもあります。

自営型テレワーカー

自営型テレワーカーとは、業務委託元である企業から依頼を受け、パソコンをはじめとした情報通信機器を活用して、自宅やそれに準じた場所で仕事をしている人を言います。

インターネットやパソコンが定着している現代社会特有の働き方で、立場としては業務委託契約の事業主と変わりません。インターネット環境さえあれば、場所を選ばず自由に働けることがメリットです。

子育てや介護をしながら自宅で働いている人や、ホテル・図書館・カフェなど、自分の好きな場所で仕事をしている人が多いようです。

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直接雇用と間接雇用の違い

社内ミーティングをする男女

正社員や非正規社員以外にも、雇用形態には「直接雇用」と「間接雇用」という違いで区別することもできます。

直接雇用

直接雇用とは、その名の通り企業と直接契約を結ぶことです。労働者は雇用関係にある企業で業務を行い、報酬もその企業からもらいます。

正社員をはじめ、契約社員やアルバイト、パートタイマーなどが当てはまります。

間接雇用

間接雇用とは、業務を行う企業と直接契約は結ばず、人材派遣会社などの仲介企業と契約する形態です。

給与も仲介企業からもらうのが特徴で、いわゆる派遣社員と呼ばれる立場や業務請負などが該当します。

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雇用形態ごとの保険加入について

保険の加入手続き

雇用形態によっては、給料や勤務時間だけでなく、加入できる社会保険の種類も異なってきます。

正社員の場合はすべて加入できますが、その他の雇用形態であれば加入できない場合もあるため、注意しましょう。

労働災害保険

労働災害保険は、労働者の業務または通勤における負傷に対して、必要な保険給付を行い、社会復帰の促進等の事業を行う制度です。

労働災害保険は社会保険に加入している社員が対象であるち認識している人も多いですが、労働災害保険の対象範囲に雇用形態は関係ありません。

正規でも非正規でも、パートでもアルバイトでも労働災害保険は適用されます。

雇用保険

雇用保険とは、労働者の雇用の安定と再就職、失業した際に支給される制度です。雇用保険の適用対象となる労働者は以下の通りです。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上の雇用見込みがあること

この条件を満たしていれば、正規・非正規関係なく雇用保険に加入することができます。

厚生年金保険

厚生年金保険とは、20歳以上60歳未満の国民全員が必ず加入する国民年金に上乗せされる保険です。正社員は会社と契約を結んだ時点で自動的に加入している保険です。

正社員以外の方は、以下の条件に当てはまる場合は加入対象になります。

  • 1週の所定労働時間が一般社員の4分の3以上
  • 1月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上
  • 週の所定労働時間が20時間以上あること
  • 雇用期間が1年以上見込まれること
  • 賃金の月額が8.8万円以上であること
  • 学生でないこと
  • 厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の法人・個人の適用事業所、および国または地方公共団体に属する全ての適用事業所に勤めていること

健康保険

健康保険とは、日頃から被保険者が保険料を支払うことにより、病院の受診や薬の処方等の万が一の出費時に負担を軽減できる制度です。

非正規雇用の場合は全員が加入できるものではなく、上記で提示した厚生年金保険の対象となる者のみが加入することができます。

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雇用形態の変更方法

オフィス街のビル風景

雇用形態の種類を変更する際には手続きが必要です。労働契約の再締結や書面の交付、社会保険料の改定など、雇用形態に応じた手続きを行います。

正社員からパートタイムに変更する場合

雇用形態を正社員からパートタイムに変更する場合は、まずはじめに労働契約を結び直します。トラブル回避のためにも雇用契約書を作成し、契約内容の変更を書面で掲示しましょう。

契約を変更した場合でも、次のいずれかの条件を満たしている場合は社会保険の被保険者になります。

  • 1週の所定労働時間が一般社員の4分の3以上
  • 1月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上

なお固定賃金の変更などにより、雇用形態変更後3か月間の平均給与額に2等級以上の差が出た場合は、社会保険料の改定手続きが必要です。双方の合意があったとしても、就業規則を下回った労働条件は法律で認められていないので注意しましょう。

派遣社員を直接雇用する場合

派遣社員を正社員など直接雇用に変更する場合、次の3つの点に注意する必要があります。

  • 派遣元企業は派遣先企業の直接雇用契約を雇用期間終了後に制限してはならない
  • 派遣労働者を直接雇用に切り替える場合、派遣先企業は派遣元企業に紹介手数料を支払わなければならない
  • 派遣期間中に派遣先企業が直接雇用すると、派遣元企業から債務不履行および不法行為による損害賠償を請求されるおそれがある

ただし、紹介予定派遣に関しては派遣期間中の雇用契約締結が法律で認められています。直接雇用の際には上記の点に留意して契約を結びましょう。

派遣社員を直接雇用する場合、社会保険および雇用保険の資格取得手続きが必要です。所得税においては年末調整の対象になるため、前職の源泉徴収票を回収しましょう。

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役員や自営業の雇用形態の書き方

仕事を進める自営業の男性

役員や自営業の方は会社に雇われて働いていません。しかし転職や住宅購入の手続き時などで雇用形態を聞かれることもあるでしょう。その場合は雇用形態の欄に「役員」や「自営業」と書きます。回答先が求めている情報にあわせて記載するとよいでしょう。

雇用形態別の採用時のポイント

雇用形態の異なる男女

これまで様々な雇用形態について説明してきましたが、実際の採用におけるポイントを知りたいという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、「正社員・契約社員」「パート・アルバイト」「業務委託」の採用時のポイントについて説明します。

正社員・契約社員を採用する際のポイント

正社員・契約社員には、長期的に活躍してくする中核的存在を期待しているため、自社の理念やビジョン、今後の目標などを伝え、マッチしている人を採用することがポイントです。

入社後の研修体制や自社で働くことで描けるキャリアプランを提示するなど、求める人材が集まるように工夫しましょう。

パート・アルバイトを採用する際のポイント

パート・アルバイトの雇用形態の場合は、自身の空いている時間をうまく使って働きたい方が多いです。

そのため、働く曜日や時間を自由に設定できる仕組みや、働きやすい人間関係や職場であることをアピールしましょう。

また、将来的に正社員雇用も視野に入れている場合は、その趣旨も記載しましょう。

業務委託を採用する際のポイント

業務委託は雇用形態ではないため、どの成果物に対して、どれだけの報酬がもらえるのかを明確にすることが大切です。

すでに業務委託を行っている社員の働き方を提示し、月にどのくらいの仕事があるのか、仕事量の波はとの程度なのか、仕事でかかわる人はどのような方が多いかなどを記載するようようにしましょう。

雇用形態に合わせた適切な労務管理を

パソコン画面

雇用形態とは何か、言葉の定義やそれぞれの形態の特徴、メリット・デメリットを解説しました。

雇用形態は正規雇用と非正規雇用、直接雇用と間接雇用など、さまざまな切り口で分類できます。正社員や契約社員、派遣社員、アルバイトなど、それぞれの立場で雇用契約の内容や働き方が異なり、法的な扱いにも違いがあります。

企業が労働者を雇い入れる際には、無計画に雇用してしまうと将来の人員構成に問題が生じてしまうため、メリットデメリットを踏まえて計画的に雇用することが重要です。

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