適切な会計ソフトを導入できていないと、無駄が多かったり会計基準に対応できなかったりして困るかもしれません。適切なタイミングで会計ソフトを乗り換えて、業務の効率化を図ることが大切です。事前にデータの移行方法やサポート体制も確認しましょう。
会計ソフトの乗り換えタイミングはいつ?
会計ソフトは適切なタイミングで乗り換えることで、会計業務の混乱を最小限に抑えられます。乗り換えに適切な四つのタイミングを紹介します。
法人化や事業規模を変更するとき
法人化するタイミングで会計ソフトを乗り換えるのも一つの手です。
個人事業主から法人成りをすると、所得税と法人税を分けて計算する必要があったり、財務諸表に表示する科目が違ったりします。必要な会計処理が変わることから、個人事業主用と法人用で会計ソフトを分けているケースも多いようです。
また事業規模が拡大して課税事業主になったタイミングや、経理作業を効率したいタイミングで会計ソフトを乗り換えるのもよいでしょう。課税事業主は消費税の処理が必要な他、大きな事業運営を行うとなると、膨大な量の経理作業が必要になります。
新しい会計ソフトを用いることで、法人や課税事業主に特有の会計処理に素早く対応できることも大きなメリットです。
税金の法改正時や会計基準が変更されるとき
消費税率や会計基準が変更されるときは、会計ソフトの乗り換えにちょうどよいタイミングです。基準となる数値が変わるため、古いものを使い続けるよりも手間がかかりにくいでしょう。
法改正時や会計基準の変更時に、オンプレミス型からクラウド型に乗り換えるのもアリです。クラウド型なら消費税率や法改正に変更が生じたときも、無料で自動アップデートされます。
会計ソフトに求める機能が変化したとき
事業成長に伴い会計ソフトに求める機能が変化が変わる場合があります。事業規模拡大に伴い、経営指標のために必要な管理会計の重要度が増し、より複雑な指標を管理できるソフトが必要になるかもしれません。
また異種業種への進出や合併などで業種が変わることでソフトに求める機能が変化することもあります。その業種に特化した会計ソフトに乗り換えることで、経理の効率が最大化されるでしょう。
便利な機能を使って効率アップをしたいとき
会計ソフトの機能は単に経理処理を行って、財務諸表や申告書を作成するだけではありません。会計データをもとに毎月自動でレポート作成してくれるものもあれば、他のシステムと連動してさらなる効率化を図れる場合もあります。
オンプレミス型の古い会計ソフトを使っていて、機能が少ない場合やサポートが終了した場合は、ソフトを乗り換えることで利便性が大幅に向上するでしょう。
AIを活用した自動入力や自動読み取り、会計処理に詳しくなくても分かりやすいデザインなど、求める機能がない場合も乗り換えに適したタイミングです。
顧問税理士とデータを共有するため
顧問税理士とデータを共有するために会計ソフトの乗り換えが必要になるケースも考えられます。同じ会計ソフトを利用すると、使い方についての質問もできる点は大きなメリットです。
なお税理士や会計事務所では、複数の会計ソフトと互換性のある会計ソフトを利用していることが多いようです。互換性がある場合は無理して乗り換えする必要はないでしょう。
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乗り換えの前に確認すべき4つのこと
スムーズな乗り換えをするためには、事前に乗り換えの注意点について把握して、手順やサポートについて確認しておくことが大切です。
会計ソフトによって乗り換えの方法が異なります。オンプレミス型とクラウド型では導入方法が全く異なるので、タイプを変えて乗り換えするときは注意が必要です。
また乗り換え前と乗り換え先の会計ソフトで、データの形式が異なって移行に手間取るケースもあります。データ移行の方法についてもあらかじめ確認しておきましょう。
乗り換えによる明確なメリットがあるか
会計ソフトの乗り換えを行う際は、過去のデータを移行するのにかなりの時間と手間がかかります。乗り換え作業と乗り換え後の手間を考えると、明確なメリットがなければマイナスになるかもしれません。
失敗を避けるためにまずは「現在使っている会計ソフトにはどのような問題があるのか」や、「どんな機能を備えたソフトに乗り換えたいのか」といった情報を言語化しておくことが大切です。
価格や知名度・機能の豊富さだけにとらわれず、導入後に使いやすいかどうか、効率化が期待できるかを基準に選びましょう。
データの移行が簡単にできるか
データを簡単に移行できるかどうか確認することは、乗り換え作業の負担を軽くするために重要です。
知名度の高い会計ソフトなら、他社ソフトのデータをインポートできるケースが多く、手動での入力が必要ありません。ただし、乗り換え前のソフトのデータと互換性があることが必要です。
CSVなどの反映しやすい形式にデータを抽出する、ひと手間が必要な場合もあります。乗り換え前のソフトにデータのエクスポート機能がない場合は、手動でデータ入力をしないといけないので莫大な時間がかかるでしょう。
仕訳データの移行の他にも初期設定や勘定科目および部門の設定、期首残高は手動で入力が必要です。これまでどのように設定していたかあらかじめ確認しておきましょう。
乗り換えのサポートがあるか
新しい会計ソフトに乗り換える際は分からないことも多く、慣れない作業で思わぬトラブルが発生することもあるでしょう。
乗り換えのサポートがあれば、乗り換え時の不安を少しでも減らせます。分からないことがあれば、電話やチャットで確認できる体制があるかどうかを確認しておきましょう。体験談やFAQが公開されている場合は、困ったときの助けになるはずです。
また会計ソフトの乗り換え作業を代行してくれる、サポートサービスを提供しているところもあります。乗り換えに十分な時間を割けない場合は、代行サービスに頼るのも一つの手です。
Macに対応しているか
会計業務をMacで行っている場合は特に注意が必要です。会計ソフトによってはMacに対応していないものもあるので、必ず乗り換え前に確認しましょう。
オンプレミス型の会計ソフトでMacに対応しているものは、あまり多くありません。わざわざ会計業務用にWindows®のパソコンを購入したり、Windows®の仮想デスクトップを構築したりするのは現実的ではありません。
Macを利用している方は、Macでも対応しているクラウド型の会計ソフトを選ぶとよいでしょう。
会計ソフトを乗り換えるときの手順
会計ソフトの乗り換えでは、必要な準備を済ませておくことでスムーズに乗り換えられます。会計ソフトを乗り換える時の一般的な乗り換えの手順について解説します。
①乗り換え先のソフトと貸借対照表の準備
乗り換え先のソフトを初めて使う場合は、何かと手間取るかもしれません。新しい会計ソフトもすぐに使えるように、登録や初期設定を済ませておくとその後の作業がスムーズです。ソフトの準備の他に、貸借対照表も用意しておきましょう。当期の開始残高は手動で入力するケースが多いため、すぐに当期の開始残高を確認できる状態にしておくことが大切です。
②古い会計ソフトのデータを出力する
会計ソフトを乗り換えるときはまず、これまで使っていた会計ソフトからデータをエクスポートしておきましょう。
③新しい会計ソフトに入力する
次に古い会計ソフトからエクスポートしたデータを新しい会計ソフトに入力します。データインポートができるかどうかで具体的な手順や作業期間に大きな違いが生じます。
データインポートできる場合
データのインポートができる場合は、古い会計ソフトからエクスポートしたデータをインポートして間違いがないか確認するだけです。複数の会計ソフトと互換性があって、開始残高や勘定科目もインポートできるソフトを選ぶと非常に簡単にデータの移行ができるでしょう。
データインポートできない場合
データのインポートができない場合や互換性がない場合は、手動でデータの入力を行います。数カ月以上に渡るデータを移行するのは現実的ではありません。インポートができない場合は、区切りのよいタイミングで新しいソフトを使い始めましょう。
④設定や移行したデータに誤りがないか確認する
最後に乗り換え先の会計ソフトの設定や移行したデータに誤りがないか確認します。特にテンプレートの登録で自動化される勘定科目や取引先などのデータや設定には間違いがないか特に注意するといいでしょう。
過去の会計データの扱いはどうすべきか?
過去の会計データを移行することには大きなメリットがあります。ただし移行には大きな労力がかかるケースもあるので、状況に応じた判断が必要です。
過去のデータを移行して乗り換える
過去のデータを新しい会計ソフトに移行することには、大きなメリットがあります。第一にこれまで使っていた会計ソフトを、解約したりアンインストールしたりできます。余計な維持費を節約できる他、パソコンの容量を節約することも可能です。
また過去のデータを移行することは財務状況の分析にも役立ちます。過去の残高試算表と比較したり、5期比較財務諸表を用いて分析を行ったりできるでしょう。
ただし乗り換え前後の会計ソフトによってはデータの引き継ぎに大きな手間がかかります。メリットとデメリットを比較・検討して判断することが大切です。
過去のデータを移行しないで乗り換える
データの移行作業に時間がかかりそうな場合は、データを引き継がないという方法も考慮しましょう。
その場合はキリのよい期首から、新しい会計ソフトを使い始めるというのが一般的です。過去のデータはCSVとしてダウンロードするか、これまでの会計ソフトに残しておきます。
新年度が始まってから会計ソフトの乗り換えを決めた場合、1年後を待ってから乗り換えるのは現実的ではありません。そこまで仕訳の量が多くなければ、期首にさかのぼって入力するとよいでしょう。
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