部屋用消臭剤を効果的に使うには、置き場所や種類ごとの使い方を意識するのがポイントです。
適切な置き場所や使い方を知るために、消臭剤の仕組みも解説します。
またたくさんの消臭剤の中から、人気アイテムをタイプ別に紹介します。
消臭剤と脱臭剤の使い分け
「脱臭剤」も消臭剤と同じように、イヤな臭いをなくすアイテムです。
ただし取り除く臭いの選別はできないため、アロマや芳香剤などの良い香りも弱まってしまいます。
消臭剤と脱臭剤の違いを把握することで、適した場所で使用できるでしょう。
脱臭剤は臭いの分子を吸着
臭い分子を吸着し、空気中から取り除く役割を果たすのが脱臭剤です。
脱臭剤に使われる「竹炭」「備長炭」などの炭は、表面に目に見えない小さな穴がたくさんあります。この穴が臭い分子を吸着し取り除く仕組みです。
また吸着能力を高める処理をした、「活性ねんど」が用いられることもあります。
消臭剤のように、特定の臭い成分と化学反応を起こすのではなく、臭い分子なら種類を問わず吸着するのが特徴です。
イヤな臭いはもちろん、心地よい香りも吸着することもあるため、芳香剤との併用は避けたほうが無難です。
広い部屋に使うなら消臭剤がおすすめ
脱臭剤で臭いを取り除くには、空気中の臭い分子が脱臭剤の中を通らなければいけません。
そのため脱臭剤の使用は、冷蔵庫・靴箱・トイレなど、締め切った狭い空間に向いています。
リビングや寝室など広い空間で使用すると、部屋中の空気が脱臭剤を通るのは難しく、その分脱臭の働きを実感しにくいからです。
広い部屋には消臭剤を、狭い空間には脱臭剤をというように、場所によって使い分けるとよいでしょう。
消臭剤を効果的に使うコツ
消臭剤で効果的に臭い成分を中和させるには、置き場所を工夫するのがコツです。
臭いの性質を理解し、消臭剤が働きやすい場所へ置くと、臭い成分と反応しやすくなります。
臭いの発生源の近くにセット
イヤな臭い成分の多くは、発生源の近くにとどまります。
特に風がない部屋の中では、発生源付近の狭い範囲に臭い成分がたまるため、消臭剤は「発生源のそば」に置くと効果的です。
靴箱の臭い対策なら靴箱の中へ、キッチンの三角コーナーの臭い対策には三角コーナー横へ、トイレの臭いには便器の近くへ消臭剤を置きます。
臭いの発生源にできるだけ近い場所へ消臭剤を設置すれば、周りに臭いが広がるのを防ぎつつ、その場で消臭可能です。
悪臭は空気より重いため低い位置に
できるだけ「低い場所」に消臭剤を置くのもポイントです。イヤな臭いの成分は空気より重いため、自然にしていると下にたまっていきます。
下にたまった臭い成分へアプローチするには、消臭剤を低い場所に置いたほうが効率がよいでしょう。たとえばトイレの消臭なら、棚の上ではなく床に置いたほうが働きを実感しやすいはずです。
低い場所へ消臭剤を置くときは、中身がこぼれないよう、転倒しにくい場所を選びます。特に小さな子どもやペットのいる家庭では、安全性を考慮し、簡単に触れられない場所へ設置します。
空気がたまりやすい場所に置く
部屋の中の「空気だまり」を見つけることも、消臭剤の効果的な使用につながるコツです。
空気だまりにある空気はなかなか動かないため、1度臭い成分がたまると、不快な臭いが解消しにくくなってしまいます。
空気だまりができやすいのは、部屋の隅のほこりがたまりやすい場所です。
消臭剤を置いても臭いが改善しないなら、空気だまりを見つけ、そこへ消臭剤を置くと、解消するかもしれません。
特にゴミ箱が近くにあるなら、その付近にイヤな臭いの成分がたまっている可能性があります。
また、消臭剤のビーズは風に当たると蒸発しやすいため、空気だまりへの設置は消臭剤を長持ちさせるのにも役立つ方法です。
消臭剤の種類
消臭剤は主に「スプレータイプ」と「置型タイプ」の2種類があります。
臭いの気になる場所へ直に吹きかけられるスプレータイプと、消臭効果が長続きする置型タイプ。
それぞれの特徴を把握することで、場所やシーンに合わせた使い方ができるでしょう。
即効性の高いスプレータイプ
今すぐに臭い対策をしたいなら、「即効性」が特徴のスプレータイプが役立ちます。イヤな臭いのする場所にスプレーするだけで、すぐに臭い成分を消せるからです。
ただし消臭成分が働くのは、スプレーを吹きかけたときに限られます。長時間の持続性はないため、ある程度時間がたつと、再び臭いが気になりはじめることも。
来客にあわせてスプレーしておくというように、必要なタイミングで使うことをおすすめします。
またスプレータイプは詰め替え用が販売されているため、コストパフォーマンスの良さも魅力です。
臭いを吸収する置型タイプ
置型タイプの消臭剤は、臭いを吸収する働きが長期間続くのが特徴です。
1度設置すれば、消臭剤がなくなるまでの期間、空間全体に対する臭い対策が続きます。
スプレーのようにその都度使う必要がないため、臭い対策に手間をかけたくないときや、常時臭い対策が必要な場所向きです。
常に部屋に置いておくアイテムのため、インテリアになじみやすい、デザイン性が高い消臭剤も販売されています。
消臭剤の選び方
店頭をチェックすると、消臭剤にはたくさんの種類があることがわかります。何を基準に選べば良いか迷ってしまう人もいるでしょう。
そこで消臭剤選びの基準となる「香り」「成分」「粒子のサイズ」について解説します。
香料の有無・香りの種類
香りの有無は消臭剤の使用感を左右します。よい香りの消臭剤でも、イヤな臭いと混ざると不快感が増すかもしれません。
また日ごろから香水や柔軟剤など、香りのするアイテムを使っている場合、消臭剤も香り付きだと、いろいろな香りが混ざってしまうでしょう。このような場合は無香料の消臭剤がおすすめです。
ほかに香りのあるアイテムを使っていないなら、香り付きの消臭芳香剤で空間にふんわり香り付けできます。イヤな臭いを香りでカバーしたり、良い香りに変えたりする働きを期待できるでしょう。
ローズや柑橘などさまざまな香りがあるため、好みのものがみつかるはずです。
含まれている消臭成分の安全性
消臭剤を選ぶときは、成分にも注目しましょう。
消臭成分としてさまざまな化学物質が配合されているアイテムもあるため、どのような成分が使われているか確認しておくと安心です。
化学物質の使用量が安全に使える基準内の消臭剤であったとしても、子どもやペットにとっては刺激が強いことも考えられます。
使用する環境に合わせ、植物由来の消臭成分を用いた消臭剤も検討するとよいでしょう。
粒子の細かさ
スプレータイプの消臭剤を選ぶときは、粒子のサイズも確認します。
全体にまんべんなく吹きかけやすく、臭い成分をキャッチしやすい「細かな粒子」のスプレーを選ぶと効果的です。
粒子の大きいスプレーでは、消臭剤のかかる場所にムラができてしまいます。かからない場所ができるため、効果的に消臭できません。
また大きな粒子は下に落ちやすいため、空間に広がらないどころか、床を汚してしまう可能性もあります。
スプレータイプのおすすめ消臭剤
今すぐに対策したい臭いには、即効性の高いスプレータイプの消臭剤が役立ちます。
部屋の臭い対策に役立つものから、プロユースの強力なものまで、消臭剤のラインアップはさまざまです。
中でもおすすめのアイテムを、4種類ご紹介します。
イヤな臭い全般に幅広く対応!
生活の中で発生する、生ゴミ・たばこ・汗・トイレ・ペットなどのイヤな臭い全般に対応できる消臭剤なら、「東芝エアリオンスプレーデオドライザー」がおすすめです。
化学反応で臭い分子を無臭にするため、イヤな臭いを逃しません。さまざまな臭いに強力に働きかけますが、天然の香り成分は消臭しないため、よい香りだけ残します。
加えてホルムアルデヒドやアセトアルデヒドといった、有害物質の除去も可能です。
1回につき2~3秒の使用でスピーディーに臭いを解消できるため、今すぐに消臭したいときに向いています。
化学物質が気になる方に!
「P&G ファブリーズ ミストラル」は、トウモロコシ由来の成分とクエン酸により、気になる臭いをすっきり解消します。天然成分のため、化学物質が気になる人にもおすすめです。
通常の布用タイプの消臭剤と比べ、スプレーの粒子が細かいのもポイントです。小さな粒子によって、部屋全体の臭い成分に対しまんべんなく対策できます。
使用するときには、丸く円を描くようにすると、部屋全体に行き渡りやすいでしょう。10畳なら5秒、8畳なら4秒というように、広さの半分の秒数だけスプレーするのが目安です。
医療や介護現場に向けて作られた消臭剤
「ニオイをオフする」から「ニオフ」と名付けられた「パナソニック ニオフ プロユース消臭剤」は、医療や介護の現場に向けて作られた消臭剤です。
便臭や尿臭といった、気になるトイレの臭いを効果的に消臭するほか、ベッドまわりなどのニオイが気になる空間にも使用できます。
臭い分子は消臭成分の亜鉛イオンによって、臭いのない状態へ分解され、消えてなくなります。化学反応が起こった後、臭いが戻ることはありません。
肌に触れても安心な成分のみで構成されているのも特徴です。口に入れたときの毒性がないことや、アレルギー反応に対するテストもクリアしているため、子どもや高齢者のいる場所でも安心して使えます。
消臭効果もある安全な除菌剤
「ジェームズマーティン フレッシュ・サニタイザー」は外食チェーン店を運営する企業のグループ会社が、安全に使える除菌剤を作りたいという思いで開発したアイテムです。
除菌剤ではありますが、臭いのもととなるバクテリアや菌類の除菌により、アンモニア臭や加齢臭の対策に役立つと実証されています。食品添加物のみで構成されているため、口に入っても安心な点も特徴です。
小さな子どもやペットのいる家庭では、化学成分で構成された消臭剤の使用が心配な場合もあるでしょう。口に入れても害のない成分でできている消臭剤なら、安心して部屋中に使えます。
置型タイプのおすすめ消臭剤
消臭剤には、効果が長期間続く置型タイプもあります。
食事をする場所なら嗅覚に影響しない無香タイプが適切ですし、寝室や玄関などであればほのかに香るタイプを選ぶのも良いでしょう。
商品選びの参考になる、おすすめ消臭剤4種類を紹介します。
気になる生ゴミ・トイレ・汗・たばこの臭いに
「小林製薬 無香空間」は、臭いを吸収するビーズとアミノ酸系の消臭成分で、生ゴミ・トイレ・汗・たばこなどの臭いを減らします。臭いの発生源の近くに置くと、たまっている臭いを消臭できます。
イヤな臭いと混ざる心配のない無香タイプのほか、ほんのり香る微香タイプもあるため、置く場所に合わせて選ぶと良いでしょう。
ドラッグストアで手軽に購入できるため、購入しやすいのもポイントです。
コストをかけず手軽に臭い対策をしたい人に向いています。
華やかな香りが魅力!
フレグランスオイルを配合した「エステー 玄関・リビング用 消臭力 プレミアムアロマ」は、香水のような香りが魅力です。
イヤな臭いを吸着し分解するナノパウダー配合のろ紙で臭い対策をしつつ、華やかな香りが部屋全体へ広がります。
常に置いておくアイテムのため、香水瓶を思わせるようなデザイン性に優れた容器を採用しているのもポイントです。生活感が出すぎず、部屋にもなじみやすいでしょう。
すき間にも置けるコンパクトな消臭剤
シンプルな薄い容器の「P&G ファブリーズ ファブリーズ置き型 無香」は、ちょっとした隙間にも置けるのが特徴です。玄関やリビング・キッチンなどに置いてあっても邪魔になりません。
クローゼットや靴箱の中にも無理なく入ります。縦置きはもちろん横置きにしても使えるため、場所に合わせて設置可能です。
臭いを吸収するのは、容器の中に詰まっている「ニオイ吸引ゼリー」で、アンモニアや酸性のニオイのほか、硫黄系の臭いまで分解消臭します。
100%植物由来の消臭成分で安心!
「ハル・インダストリ 消臭ビーズ 600g」は、マツ・ヒノキ・スギなど10種類以上の樹木のエキスがブレンドされた消臭剤です。100%植物由来の消臭成分を用い、イヤな臭いを中和し無臭にできます。
消臭効果はアミューズメント施設やゴミ処理場でも使われているほどです。空間の広さや臭いの強さに合わせた分量の消臭ビーズを使えば、しっかり臭い対策できます。
600gの消臭ビーズは、10畳までの部屋にぴったりのサイズです。消臭剤そのものも無香料のため、香りに敏感な人でも安心して設置できます。
部屋用消臭剤の役割
消臭剤の役割は、配合されている化学成分で臭いを消すことです。
そのため使用によって臭い成分そのものが減り、部屋の臭いが気にならなくなります。
似た役割をする芳香剤は、香りによって臭いを気にならなくするもののため、役割が違う点に要注意です。
化学成分でイヤな臭いを中和
気になる臭いを化学成分で中和させ、なくすのが消臭剤です。対象となる臭い成分が空気の流れでやってくると、消臭剤がその成分を取り込み、化学反応により変化させます。
臭いのもととなる成分を分解し減らすことで、不快な臭いをなくす役割があります。
ただし臭い成分を中和させて消臭する仕組みのため、消臭剤に含まれる化学成分が対象としない臭いの場合は、除去できません。
そのためどのような臭いに対応している消臭剤か、確認した上で使用すると効果的です。
芳香剤には消臭効果がないものも
消臭剤と同じように臭い対策に用いられる「芳香剤」は、香り成分によって、気になる臭いを紛らわす役割をします。
消臭芳香剤と記載されていない場合、消臭効果はないため、臭い成分そのものは消えていません。
そのため強い臭いのある場所では、香りが加わり不快感が増す可能性があります。イヤな臭いと芳香剤の香りの相性に注意が必要です。
芳香剤は、リビングや寝室など臭いがそれほど気にならない場所で、ふんわり香らせるのに向いています。
臭いの原因を知って根本から対処するという方法も
消臭剤を使えばたしかに簡単に部屋の臭いを消すことができますが、それでは臭いの原因を取り除いたことにはなりません。
キッチン、トイレ、お風呂など、場所ごとに臭いの原因は異なります。
原因を探って臭いを根本から除去すれば、消臭剤を買う必要もなくなりますよ。
▽キッチンの排水口やシンク下の臭いが気になる方はこちら
▽トイレの臭いが気になる方はこちら
▽お風呂の臭いが気になる方はこちら
▽洗面所の臭いが気になる方はこちら
消臭剤でお部屋のイヤな臭いを解決
生活をしていると、キッチンの生ゴミや寝具にしみついた汗・トイレの臭いなど、さまざまな臭いが気になることがあります。
気になる臭いは部屋用の消臭剤を使えば対策可能です。置型であれば、臭いの発生源の近くで、できるだけ低い位置に設置します。
すぐに消したい臭いや、来客前の掃除の一環として使うなら、スプレータイプが有効です。部屋や臭いの気になる箇所に吹きかけるだけで、簡単に消臭できます。
紹介したアイテムを参考にしつつ、香料の有無や香りの種類、消臭成分は天然由来か化学成分かなどをチェックすれば、自宅の臭い対策にぴったりの消臭剤をみつけられるでしょう。