ちゃんと定期的に掃除しているのに、トイレから嫌な臭いがしてお困りではありませんか?
トイレの臭いが消えない時、見づらい位置の汚れが取りきれていなかったり、掃除を忘れがちな場所に臭いの原因物質が残っていたりする可能性があります。
そのため便座を拭き掃除したり、目に見える部分をブラシで擦ったりするだけでは解決しない時があります。
トイレが臭いときの原因と解決方法、臭いの予防方法などをこの記事で確認しましょう。
掃除していてもトイレの臭いが消えない原因
掃除をしていてもトイレの臭いが気になる場合、原因を正しく特定できていないかもしれません。
トイレの臭いには5つの原因が考えられます。それぞれ詳しく確認してみましょう。
壁や床など便器外に飛び散った尿が掃除できていない
ふたを閉めずに水を流したり男性が立って用を足したりすると、便器だけでなく床や壁にも見えない水滴が飛び跳ねます。尿ハネや水ハネに気づかず掃除できていないと、アンモニア臭の原因となります。
便器と床の間も掃除しづらく、臭いの元が溜まりやすい場所です。
トイレ掃除のときは便器に意識が向きがちですが、便器の外が臭いの発生源になることもあります。壁や床、便器との隙間に黄ばんだ汚れがないかチェックしてみましょう。
便器に尿石がこびりついている
尿石とは、尿の成分が細菌の働きで変質し、ミネラルが固まって出来たものです。水に溶けにくい成分でできており、その名称の通り石のように固まっています。放置すると嫌な臭いや見た目、トイレのつまりなどの原因となります。
尿石は、水や洗剤を少し流したり、トイレブラシで軽くこすったりするだけでは取り除けません。また、ぱっと見で分かる部分は綺麗でも、ふち裏など分かりにくいところにこびりついていることもあります。
便器の封水が減って下水の臭いが上がってきている
トイレの汚れが原因で臭うのではなく、便器の封水切れによって下水の臭いが上がってきてしまうことがあります。
便器内に溜まっている水は「封水」といい、下水から臭いや虫が上がってくるのを防ぐふたの役割を果たしています。トイレを長期間使用していないなどの理由で封水の水量が減ると、下水の悪臭が漂ってしまうことがあります。
トイレブラシに雑菌が繁殖している
使い終わったトイレブラシをそのまま収納していませんか?掃除に使った後のトイレブラシは汚れており水分も多いため、雑菌が非常に繁殖しやすいです。放置しているとカビや悪臭の原因になってしまいます。
黒カビが生えている
トイレの空間で黒カビが発生して、モワッとした汗臭いような臭いが発生しているかもしれません。
狭い室内で水を大量に使うトイレは、湿気がこもりがちな場所です。雑菌やホコリなどが蓄積すると、あっという間にカビが繁殖します。
特にトイレタンクの中、便器の裏側、便器と床の隙間、換気扇などはカビが発生しやすい箇所です。
トイレの臭いの発生源になりやすい箇所と解決方法
トイレの臭いが発生しやすい箇所は9か所あります。臭いの解決方法と併せて確認しましょう。
壁や床
見落としがちですが壁や床は尿ハネによって汚れやすく、臭いの発生源になっていることがあります。
壁や床はお掃除シートや洗剤で拭き掃除する
トイレの壁紙や床の掃除には、除菌効果が高いお掃除シートを使いましょう。普段から便器の拭き掃除とあわせて行うのがおすすめです。
床の素材によっては、以下の物も使えます。
- クッションフロア:中性洗剤またはクエン酸、柔らかい雑巾
- フローリング:中性洗剤、柔らかい雑巾
- タイル:塩素系漂白剤またはクエン酸、メラミンスポンジ
クッションフロアやフローリングには、ぬるま湯と中性洗剤を使いましょう。ただしフローリングは湿気に弱いので、速やかに乾拭きをしてください。
タイルの場合は中性洗剤のほかに、カビ汚れに効果的な塩素系漂白剤も使用可能です。しつこい汚れには、「激落ちくん」などのメラミンスポンジを使うのがおすすめです。カビっぽい臭いが気になる場合は、塩素系漂白剤を使用してみましょう。
またクッションフロアとタイルには、「水またはぬるま湯100ml+大さじ1杯のクエン酸」で作るクエン酸水を使うこともできます。尿ハネによるアンモニア臭や黄ばみ汚れにお悩みなら、クエン酸水で拭き掃除しましょう。
便器と床の間
便器と床の間は掃除の際に見落としやすく、汚れが蓄積して臭いの原因箇所になります。
隙間にお掃除シートを差し込んで掃除する
便器と床の隙間は、掃除用のヘラもしくは使わなくなったカード類と、除菌効果のあるお掃除シートを使って掃除できます。掃除の手順は以下の通りです。
- 掃除シートにヘラやカードを挟み、隙間に差し込む
- 汚れが付かなくなるまで拭く
奥に入り込んだ汚れも取れるよう、しっかり隙間に差し込みスライドさせましょう。汚れが付かなくなるまで拭いたらお掃除完了です。
家庭によっては、隙間にコーキング剤(接着剤)が詰められていることがあります。その場合は、お掃除シートのみで拭き掃除をしてください。
便器のふち裏(リム裏)
便器のふち裏は上から見ると隠れているため掃除の手が届きにくく、黄ばみや黒ずみ汚れが雑巾のような臭いを発してしまいます。
黄ばみ汚れは湿布法で除去
ふち裏を含む便器の黄ばみは、洗剤でパックして汚れに浸透させる湿布法を使って掃除しましょう。手順は以下の通りです。
- トイレ内を換気する
- 汚れにサンポールなどの酸性洗剤をかける
- 薬剤の上からトイレットペーパーをはりつけ、さらに洗剤をかける
- 3~5分ほど放置する
- ブラシで洗い流す
黄ばみ落としに使う洗剤は、刺激臭が強いため扱いに注意しましょう。軽い黄ばみ汚れを掃除するときや、なるべく人体や環境にやさしい洗剤を使いたい場合は、クエン酸でも掃除できます。
黒ずみ汚れは塩素系漂白剤で分解
黒ずみの元となっているカビや雑菌を落とすには、菌を根っこから分解できる「塩素系漂白剤」がおすすめです。
そのなかでも「スクラビングバブル」は、高い洗浄力に定評があります。便器にかけるだけでジェル状の液体が密着し、2~3分放置して流すだけで掃除が完了します。
塩素系漂白剤は、酸性の洗剤と混ぜると塩素ガスが発生してたいへん危険なので、同時に使わないように注意してください。
ふち裏掃除に便利なブラシ
ふち裏掃除の際は、奥まで掃除しやすい形状のものを選びましょう。
キクロンのトイレブラシは上側にも毛先が伸びており、フチ裏の奥まで掃除しやすい便利なブラシです。もちろん下側の白い毛先を使って、便器内を掃除することもできます。
温水洗浄便座(ウォシュレット)
温水洗浄便座は、外して掃除するハードルを高く感じて放置してしまいがちな箇所です。しかし掃除しないと、尿ハネや雑菌によって臭いを発生させてしまいます。
温水洗浄便座を外して掃除する
温水洗浄便座は掃除がしやすいように、簡単に取り外しができる作りをしています。動画を参考にして取り外してみましょう。ただしメーカーによって外し方に違いがあるため、必ず事前に取扱説明書などで確認してください。
温水洗浄便座の掃除の手順は以下の通りです。
- トイレのフタ、便座を取り外す
- 便座の裏から脱臭フィルターを外し、水洗いする
- 便座の裏と便器本体を拭き掃除する
- 細かい部分は、綿棒などで掃除する
- よく乾燥させた脱臭フィルターを取り付け、便座を戻す
脱臭フィルターは傷がつかないように優しくこすって水洗いします。洗った後はほこりやカビを防ぐため、水気をよく切ってください。
便器本体も、隙間に黄ばみや尿石が溜まって悪臭を放つため、忘れずに掃除してください。柔らかい布で水拭きすればOKですが、汚れがひどい場合は台所用の中性洗剤を使いましょう。
便器内の封水(水たまり)
便器内の封水(水たまり)が減っていると、下水の臭いが逆流して悪臭が発生します。
封水切れが起きる原因は主に4つあります。
- 封水の蒸発:トイレを長期間使っておらず、封水が蒸発する
- 誘引現象:排水管の圧力が変化し、封水が吸い込まれる
- 毛細管現象:排水管の奥に髪の毛などが詰まり、封水がつたって流れ出る
- トイレタンクの不具合:水を流しても封水が溜まらない
蒸発した封水は注ぎ足す
トイレを長期間使っておらず封水が蒸発してしまった場合は、コップ1杯分の水を注ぎ足すだけで解決できます。
時々封水が切れる場合は再度水を流す
集合住宅で時々封水が切れている場合、誘引現象が発生しているでしょう。誘引現象は、水を流す時に排水管の圧力が下がって封水も一緒に引き抜かれる現象のことで、2階建て以上の建物で起こります。
この場合はもう一度水を流すことで、封水を再び溜められます。
封水の水位が下がっていたら排水管を洗浄する
トイレを使用していても封水が少ない場合、排水管の奥に髪の毛などが詰まり、封水が少しずつ便器内から流れ出る毛細管現象が起きているかもしれません。パイプクリーナーを使って排水管を洗浄しましょう。
封水が溜まらない場合はトイレタンクを確認
水を流しても封水が溜まらない場合は、トイレタンクの不具合が考えられます。タンク下部から伸びているオーバーフロー管から、補助水管という細いチューブ状の部品が外れていた場合、つけ直すことで解決できます。
トイレタンクの中
なかなか確認する機会のないトイレタンクの中が、臭いのもとになることがあります。水が溜めっぱなしのトイレタンクは、気温が高い時期には黒カビが発生しやすくなります。
タンク内の軽いカビは中性洗剤で洗浄する
タンクの中には樹脂製やゴム製の部品が多いため、傷めないように中性洗剤で洗浄します。タンク内のカビがひどい場合、メーカーは自力での洗浄を推奨していないため、業者に清掃を依頼しましょう。
軽いカビ汚れは、以下の手順で洗浄します。
- 止水栓を閉める
- レバーを回し、タンク内を排水する
- タンクの蓋を取り外し、水または中性洗剤で清掃する
- 中ぶたを掃除する
- タンク内を水または中性洗剤で掃除する
- ふたを開けたまま、しっかり乾燥させる
- パーツを戻し、止水栓を開ける
掃除が終わった後は洗剤が残らないようにしっかりと水洗いして、丸1日を目安に乾燥させましょう。カビは乾燥に弱いので、除菌に効果的です。
換気扇
トイレはほこりが溜まりやすく、換気扇が多くのほこりを吸い込んでいます。ホコリはカビの養分になるので、掃除せずにいるとカビの臭いの原因となります。
1年に1~2度換気扇を掃除する
1年に1~2度の頻度で、定期的にトイレの換気扇を掃除しましょう。また換気扇フィルターを使えば、掃除が楽になります。
換気扇を掃除する手順は以下の通りです。
- 換気扇を止めて電源プラグを抜く
- カバーに掃除機をかける
- カバーとファンを外して、水または中性洗剤で洗う
- 本体側を拭き掃除する
- 各パーツをしっかり乾燥させてから取り付ける
カバーとファンを洗う際に洗剤を使う際は、必ず中性洗剤にしましょう。アルカリ性の洗剤や塩素系漂白剤は、プラスチック部品を傷つけるおそれがあります。
洗い終わったら部品は、風通しのいい場所でしっかり陰干ししてください。乾ききらないまま元に戻すと、カビが発生しやすくなります。
天井の換気扇本体を拭き掃除する際は、水か中性洗剤、またはお掃除シートを使いましょう。
トイレブラシなどの掃除用具
トイレの掃除用具を使用後にそのまま収納すると、雑菌やカビが繁殖して悪臭のもととなります。
掃除用具は使用後に水洗いして乾かす
トイレ掃除用のブラシやラバーカップなどは、使用後に水洗いして庭やベランダでしっかり乾燥させ、臭いを防ぎましょう。収納に使っている受け皿も忘れずに洗浄・乾燥させます。
また2週間~1カ月に1回は、トイレブラシを念入りに洗浄するのがおすすめです。バケツに水をため、塩素系漂白剤で漬けおきしましょう。30分ほど放置したら、ベランダなどで半日ほど乾燥させて完了です。
ブラシのお手入れをするのが面倒に感じる方は、使い捨てのトイレブラシもおすすめです。
トイレマット・スリッパ・便座カバー
トイレマットやスリッパ、便座カバーを洗わずに使い続けると、尿ハネが付着したままとなり、アンモニア臭に繋がります。
1週間に1度を目安に洗濯する
トイレマットやスリッパ、便座カバーはいずれも1週間に1度洗濯するのが理想です。最低でも月に1~2度は洗濯し、雑菌の繁殖やアンモニアの蓄積を抑えましょう。
トイレの臭い除去に使える洗剤
トイレの臭いを解消するために使える効果的な洗剤を、2つ紹介します。
サンポール
サンポールは便器の内側に付着した頑固な汚れを落とすために設計された洗剤であり、トイレ掃除の際に役立つ優秀アイテムです。酸性の性質を持ち、アルカリ性の汚れである尿石に効果抜群です。
塩素系の洗剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生するため、掃除のときには単体で使用しましょう。
トイレハイター
花王の「トイレハイター」は塩素系の洗剤です。塩素(次亜塩素酸ナトリウム)の力で、汚れや雑菌を強力に分解してくれます。
サンポールと違い液性はアルカリ性なので、黒ずみ汚れに対してより効果的です。ただし酸性の液体と混ぜると有毒な塩素ガスが発生するので、クエン酸やサンポールとは併用しないでください。
トイレの消臭剤は臭いの根本を除去できないので注意!
一時的な応急処置ではなく、臭いの解決策として消臭剤を使用することはあまりおすすめできません。消臭剤に殺菌力や洗浄力はないためです。
消臭剤は臭いの成分を吸い取ったり、別の香りで打ち消したりすることはできますが、臭いの原因を除去することはできません。そのため消臭剤でその時だけ臭いを解消できたとしても、効果が切れた際には臭いが悪化しているおそれがあります。
臭いの根本を解決したい場合は、掃除や除菌などの対処法を試しましょう。
トイレのしつこい臭いを予防する方法
トイレを綺麗に掃除しても、今まで通りの使い方をしていればまたすぐにトイレ内が汚れてしまいます。そこで、臭いを予防する簡単な3つの対策を行い、綺麗な状態を長く維持していきましょう。
家族全員が座って用を足す
男性は洋式トイレを立って使用することがあるかもしれませんが、家族全員がトイレを座って使えば汚れ防止に効果的です。
立ったままだとどうしても床や壁など様々なところに尿ハネしやすくなってしまいます。トイレを座って使うことで尿が飛び散りにくく、掃除の手間を減らすことができるでしょう。
汚れがたまりやすい箇所をこまめに掃除する
トイレの臭いは、除去しきれていない汚れが主な原因です。トイレが汚れたらなるべくすぐに掃除をするようにしましょう。時間を開けずに掃除をすることで、汚れがこびりつく前に対策することができます。
また、見えないところも尿ハネなどで汚れがどんどん蓄積していくので、週に1度は隅々まで念入りに掃除をする習慣をつけましょう。
ふたを閉めてから水を流す
用を足した後、水を流すときは必ずふたを閉めてから流すようにしましょう。ふたを開けたまま水を流すと、わずかな水しぶきが床や壁に飛んで汚れ、臭いの原因となってしまいます。
床や壁の汚れと臭いを防ぐためにも、忘れずにふたを閉めてから水を流してください。
プロのトイレクリーニングで臭いをリセットするのもおすすめ
臭いの原因が特定できない時や、対処法を試しても臭いが取りきれない時は、プロにクリーニングを依頼してみてはいかがでしょうか。嫌な臭いをリセットし、すっきりとしたトイレ空間を取り戻すことができます。
プロにトイレクリーニングを依頼するメリット
プロにクリーニングを依頼すると、臭いの原因となる汚れに合わせて、業務用の強力な洗剤を使い分けてくれます。自分で市販の洗剤を使うよりも汚れが落ち、仕上がりが良いでしょう。
また、プロは汚れがつきやすい場所を熟知しています。そのため、自分では見落としていた部分の汚れも綺麗にし、臭いの原因を徹底的に除去してもらえます。
一度プロの手で綺麗にすると、汚れがつきにくくなり普段のお手入れが格段に楽になるのもメリットです。自然とお掃除のモチベーションも上がり、臭いの気にならない清潔な状態を保つことができるようになるでしょう。
トイレクリーニングの料金相場
自力では臭いに対処しきれない場合、プロのクリーニング業者に任せるのも1つの手段です。基本料金とオプション料金を合わせて、15,000円〜27,000円ほどで依頼できます。
基本料金の相場
一般的なトイレクリーニングの基本料金は7,000円〜11,000円程度です。
ただし、業者や地域によって料金が異なることがあるため、依頼する前に相場や見積もりをしっかり確認することが大切です。
オプション料金の相場
代表的なオプション料金として、汚れ防止コートやタンク内の除菌、換気扇洗浄、ワックスがけなどがあります。
料金の目安は以下の通りです。
オプションの種類 | 費用相場 |
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汚れ防止コート | 1,200円~3,000円 |
タンク内除菌クリーニング | 1,500円~3,400円 |
換気扇内部洗浄 | 2,000円~5,000円 |
床ワックスがけ | 3,000円~5,000円 |
トイレクリーニングのプロは相見積もりで探そう
自力で対処できないトイレの臭いや汚れには、プロのクリーニングも選択肢の一つです。適切な方法でトイレを清潔に保ち、快適な生活環境を維持しましょう。
トイレクリーニングを依頼できるプロを探すなら、無料一括見積もりプラットフォームであるミツモアのご利用がおすすめです。
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