本記事では、壁紙の汚れ別に掃除方法やおすすめの洗剤について紹介します。床に比べるとついつい掃除を怠ってしまいがちな壁ですが、汚れを放置すると黒ずみや黄ばみ、カビなどが発生する原因になってしまいます。


台所用中性洗剤などの洗剤や、ご自宅にある掃除道具を使って、きれいで清潔な壁を取り戻しましょう。
壁紙の汚れの正体は4種類!まずは汚れを見極めよう
いつの間にか付いている壁紙の汚れは、原因によって効果的な掃除方法が異なります。掃除を始める前に、ご自宅の壁の汚れがどれに当てはまるのか、しっかり見極めることが大切です。
| 汚れの種類 | 主な原因 | 掃除に使う主な道具・洗剤 | 対処のポイント |
|---|---|---|---|
| 黒ずみ | ホコリ、静電気、家具の擦れ | 中性洗剤(ウタマロクリーナー等)、メラミンスポンジ | 軽い汚れは中性洗剤で拭き、擦れ跡は研磨作用のあるもので優しくこする |
| 黄ばみ | 手垢、皮脂、タバコのヤニ、油はね | 重曹、セスキ炭酸ソーダ(激落ちくん等) | 酸性の汚れなので、アルカリ性の洗剤で中和させて落とす |
| カビ | 湿気、結露 | 塩素系漂白剤、消毒用エタノール | 漂白剤でカビを取り除き、エタノールで再発を防ぐ |
| 落書き | クレヨン、ペン、ボールペン | クレンジングオイル、除光液、エタノール | 油性か水性かを見極め、画材に合った溶剤で浮かせて拭き取る |
汚れの原因と、それぞれに適した掃除道具の概要は上記の通りです。
これらの汚れを落とす具体的な方法は、以下より詳しく解説します。
黒ずみ
壁の黒ずみの主な原因はホコリです。室内のホコリが静電気で壁に付着し、時間とともに溜まって黒ずんで見えます。
また、ソファや棚といった家具が壁に触れ続けることでできる擦れ汚れや、人の手がよく触れる場所の手垢が酸化して黒くなる場合もあります。比較的軽い汚れが多いため、気づいたときに早めに対処するのが壁をきれいに保つコツです。
黄ばみ(手垢、ヤニなどの油汚れ)
壁紙の黄ばみは、そのほとんどが酸性の汚れです。照明のスイッチ周りやドアノブ付近など、頻繁に手が触れる場所には皮脂汚れ(手垢)が付きやすくなります。
キッチン周辺の壁には調理中の油はねが、喫煙する方がいるご家庭ではタバコのヤニが付着し、時間とともに黄色く変色してしまいます。これらの粘着性がある汚れは、ホコリを引き寄せて黒ずみの原因になることもあります。
カビ
黒や緑、ピンクなどの斑点状の汚れはカビの可能性が高いです。カビは湿気を好み、特に結露しやすい窓の周辺や、空気の流れが悪い家具の裏、北側の部屋などで発生しやすくなります。
カビを放っておくと、アレルギーや喘息といった健康被害を引き起こす原因にもなりかねません。見た目の問題だけでなく、衛生面からも発見したらすぐに対処することが大切です。
落書き
小さなお子さんがいるご家庭では、クレヨンやボールペン、油性ペンなどによる壁の落書きも悩みの種ではないでしょうか。
落書きは、使われた画材によってインクの成分が違うため、汚れの落とし方も変わります。クレヨンのような油性の汚れか、水性ペンの汚れかを見極めて、それぞれに合った方法で対処する必要があります。無理に擦るとかえって汚れを広げてしまうこともあるため注意しましょう。
壁紙の種類によっても汚れを落とす方法が変わる
掃除を始める前に、ご自宅の壁紙が水拭きできるかを確認しましょう。日本の多くの住宅で使われている「ビニールクロス」は、塩化ビニール樹脂からできており、耐久性が高く水拭きが可能です。
見分け方は簡単で、目立たない場所に霧吹きなどで水を少しだけかけてみてください。水を弾けばビニールクロス、水が染み込むようであれば紙や布、土壁といった水拭きできない素材かもしれません。水が使えない壁紙の場合は、専用のクリーナーを使うか、専門業者への依頼を検討しましょう。
【種類別】自分で壁紙の汚れを落とす方法
壁の汚れは、原因に合った方法でなければなかなか落ちません。ここでは、ご家庭にある身近なもので効果的に掃除する方法を、汚れの種類別に解説します。
これから紹介する手順を参考にして、真っ白できれいな壁を取り戻しましょう。
黒ずみ
全体的なくすみや軽い擦れによる黒ずみは、比較的簡単に落とすことができます。軽い黒ずみであれば、ご家庭にある台所用中性洗剤や、手肌に優しく家中使える「ウタマロクリーナー」のような住宅用中性洗剤で十分きれいになります。
まずは洗剤を使った基本的な拭き掃除から試してみましょう。
用意するもの
黒ずみ掃除に必要な道具は以下の通りです。
- 中性洗剤(ウタマロクリーナー、台所用中性洗剤など)
- 雑巾2枚(水拭き用と乾拭き用)
- メラミンスポンジ(部分的な擦れ汚れがある場合)
- バケツまたは洗面器
特別な道具は必要なく、身近なものだけで対応できるのが黒ずみ掃除の良いところです。
掃除の手順
壁紙を傷めないために、以下の手順で優しく汚れを落としていきます。
- 水500mlに中性洗剤を2〜3滴入れて洗剤液を作る
- 雑巾を洗剤液に浸して固く絞る
- 汚れの外側から内側へ向かってポンポンと叩くように拭く
- きれいな水で絞った雑巾で洗剤を拭き取る
- 乾いた雑巾で水分を完全に拭き取る
家具の擦れ跡にはメラミンスポンジが効果的ですが、強く擦ると壁紙の表面を削ってしまうため、必ず目立たない場所で試してから使用してください。
黄ばみ(手垢やヤニ)
手垢やタバコのヤニなどの酸性油汚れには、中性洗剤では対処できません。酸性の汚れにはアルカリ性の重曹やセスキ炭酸ソーダを使うことで、汚れを中和させて効果的に落とすことができます。
スプレーボトルを活用すれば、広範囲の黄ばみも効率良く掃除できます。
用意するもの
黄ばみ掃除には以下のアイテムを準備しましょう。
- 重曹またはセスキ炭酸ソーダ
- スプレーボトル
- ぬるま湯(約40℃)
- 雑巾2枚
- ゴム手袋
市販の「セスキの激落ちくん」などのスプレータイプを使えば、洗剤を作る手間が省けて便利です。
掃除の手順
アルカリ性洗剤を使った黄ばみ落としは次の手順で行います。
- ぬるま湯100mlに重曹小さじ1を入れてスプレーを作る
- 黄ばみ部分にスプレーして5分間放置する
- 汚れが浮き上がったら乾いた雑巾で拭き取る
- 水拭きで洗剤成分をしっかり除去する
- 最後に乾拭きで仕上げる
セスキ炭酸ソーダは重曹よりもアルカリ性が強いため、頑固なヤニ汚れには特に効果的です。ただし、壁紙への影響も強いので、使用量は控えめにしましょう。
カビ
壁紙のカビは見た目の問題だけでなく、アレルギーや喘息の原因にもなる厄介な存在です。カビを根本から除去するには、塩素系漂白剤の殺菌・漂白作用を利用することが最も効果的です。
作業時は必ず換気と保護具の着用を忘れずに行いましょう。
用意するもの
カビ取り作業に必要な道具と保護具は以下の通りです。
- 塩素系漂白剤(ジェルタイプまたはスプレータイプ)
- 消毒用エタノール
- ゴム手袋、マスク、保護メガネ
- キッチンペーパー
- 雑巾数枚
漂白剤は刺激が強いため、保護具は必ず全て着用してください。
掃除の手順
カビの除去と再発防止は以下の手順で行います。
- 窓を開けて換気扇を回し、保護具を全て着用する
- キッチンペーパーに漂白剤を染み込ませてカビ部分にパックする
- 15〜30分放置してカビを分解させる
- パックを剥がし、水拭きで漂白剤を完全に除去する
- エタノールをスプレーして乾拭きし、カビの再発を防ぐ
漂白剤の成分が残ると壁紙の変色につながるため、水拭きは念入りに行いましょう。
落書き
お子さんの落書きは使われた画材によって落とし方が異なります。クレヨンは油分、水性ペンは水溶性、油性ペンは有機溶剤といったように、それぞれの性質に合った溶剤を使い分けることが重要です。
画材の種類を見極めて、適切な方法で対処しましょう。
用意するもの
落書きの種類に応じて以下の溶剤を準備します。
- クレンジングオイル(クレヨン・色鉛筆用)
- 消毒用エタノール(水性ペン用)
- 除光液または無水エタノール(油性ペン用)
- きれいな布やコットン
- 中性洗剤と雑巾
溶剤は壁紙の色落ちを引き起こす可能性があるため、必ず目立たない場所でテストしてください。
掃除の手順
落書きの画材別に適切な方法で汚れを落とします。
- クレヨンはクレンジングオイルを布につけて叩くように汚れを浮かせる
- 水性ペンはエタノールで外側から中心に向かって叩き拭きする
- 油性ペンは除光液を少量ずつ使って汚れを布に移し取る
- どの場合も最後は中性洗剤で拭いてから水拭きする
- 仕上げに乾拭きして完了
強く擦ると汚れが広がってしまうため、根気よく叩くように作業することがポイントです。
洗剤の比較:壁紙の汚れ落としに向いている洗剤一覧
壁紙掃除を成功させるには、汚れの種類に合った洗剤選びが重要です。ここでは、家庭でよく使われる洗剤や道具が、どの汚れに効果的なのかを一覧表でまとめました。
| 洗剤の種類 | 黒ずみ | 黄ばみ | カビ | 落書き | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 中性洗剤 (ウタマロクリーナー、台所用洗剤) |
◎ | △ | × | ○ (水性のみ) |
壁紙に最も優しい。濃度は薄めて使用 |
| 重曹 | ○ | ◎ | × | △ | 粉のまま使うと傷がつく。必ず水に溶かす |
| セスキ炭酸ソーダ (セスキの激落ちくん) |
○ | ◎ | × | × | アルカリ性が強い。素手で触らない |
| 塩素系漂白剤 (カビキラー、ハイター) |
△ | △ | ◎ | × | 必ず換気。他の洗剤と混ぜない |
| 消毒用エタノール | △ | △ | ○ (予防) |
◎ (水性・油性) |
火気厳禁。速乾性で作業しやすい |
| メラミンスポンジ | ◎ | ○ | × | △ | 強く擦ると壁紙の表面を削る |
| クレンジングオイル | × | △ | × | ◎ (クレヨン) |
使用後は中性洗剤で油分除去が必要 |
| 除光液 (アセトン含有) |
× | × | × | ◎ (油性ペン) |
壁紙の色落ちリスク高。目立たない場所でテスト |
◎:非常に効果的 ○:効果的 △:やや効果あり ×:効果なし・使用不可
汚れの種類と洗剤の相性を理解することで、効率的に壁紙をきれいにできます。特に注目すべきは、中性洗剤の万能性です。軽い黒ずみから水性の落書きまで幅広く対応でき、壁紙へのダメージも最小限に抑えられます。
効果的な洗剤選びのポイントは以下の通りです。
- 迷ったらまず中性洗剤から試す
- 油汚れにはアルカリ性洗剤が効果的
- カビには必ず塩素系漂白剤を使用
- 落書きは画材の種類を見極めてから対処
また、複数の汚れが混在している場合は、軽い汚れから順番に落としていくのがコツです。いきなり強い洗剤を使うと、壁紙を傷める原因になりかねません。
洗剤の保管にも注意が必要です。特に塩素系漂白剤は、他の洗剤と離して保管し、誤って混ぜることがないようにしましょう。正しい洗剤選びと安全な使用方法で、壁紙を長持ちさせながらきれいに保つことができます。
汚れが落ちない場合は壁紙の補修も検討しよう
汚れが落ちない場合、最終手段として壁紙を補修するという手もあります。「汚れの範囲がそこまで広くないし、壁紙を貼り替えるのはもったいない・・・」といったケースでは、補修を検討してみましょう。
壁紙に使える補修グッズは、ホームセンターやネットで簡単に入手することができます。
壁紙補修方法の一例
壁紙の補修方法は主に、テープなどを貼って隠す方法と塗料を塗る方法の2種類があります。
修正テープのように汚れの上からピタッと貼って使用することができます。アイボリー以外にライトアイボリーの色味もあるので、ご家庭の壁紙の色に合わせて選びましょう。
液体を汚れの上に直接塗って隠すことができます。キャップにマニキュアのような刷毛がついているので、細かい汚れを隠すのにも最適です。
どうしても取れない壁紙汚れはプロに掃除を依頼しよう
どうしても取れない壁紙の頑固な汚れは、プロの壁紙クリーニング業者にきれいにしてもらうのも方法のひとつです。
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壁紙をきれいにして、見た目も暮らしもきれいにしましょう!
