いつの間にか部屋の壁紙にポツポツと発生してしまうカビ。見栄えが悪いだけでなく、健康被害も気になってしまいますよね。
カビ取りとしてパッと思いつくのは「カビキラー」や「カビハイター」ですが、壁を傷めてしまうのが怖くて使えない方も多いのではないでしょうか。
「壁紙のカビをどうやって掃除すればよいのかわからない・・・」という方のために、クエン酸や重曹を使った安全な落とし方や、壁紙にも使えるカビ取り剤を紹介します。
日頃から行える予防方法も紹介するので、カビでお悩みの方はぜひ参考にしてくださいね。
壁紙のカビを安全に取り除く3つの方法
壁紙に生えたカビを安全に取り除く3つの方法を紹介します。
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壁紙のカビ取りにはナチュラル洗剤が大活躍。素材を傷つけずに掃除できるため、賃貸住宅にお住いの方も安心して試してみてくださいね。
クエン酸×重曹を使った落とし方
クエン酸と重曹を使った、壁紙のカビの落とし方を解説します。
「壁紙のカビを落としたいけれど、費用はかけたくない」「壁紙のカビがそこまでひどくない」という方におすすめの方法です。
クエン酸にはカビの繁殖を抑えて汚れを浮かせる効果があり、重曹は研磨作用でカビを除去する効果があります。
掃除に取り掛かる前に、まずは「クエン酸スプレー」と「重曹ペースト」の2つのカビ取り剤を作りましょう。
<クエン酸スプレーの作り方>
【用意するもの】
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【手順1】スプレーボトルにクエン酸と水をいれる
【手順2】よく振ってかき混ぜ、クエン酸が溶けきったら完成
<重曹ペーストの作り方>
【用意するもの】
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【手順1】容器に重曹と水を2:1の割合で入れる
【手順2】水を少しずつ入れて混ぜ合わせ、壁に塗っても落ちない粘度に調整して完成
クエン酸スプレーや重曹ペーストは壁を痛めにくい洗剤ではあるものの、色落ちなどの問題が起きないか、壁の目立たないところでテストしておくと安心です。
<掃除の手順>
【用意するもの】
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【手順1】ゴム手袋を着用し、壁のカビにキッチンペーパーをあててクエン酸スプレーを吹きかけ、そのまま5分放置する(キッチンペーパーが落ちそうな時は養生テープなどで固定しましょう)
【手順2】キッチンペーパーを外し、歯ブラシに重曹ペーストをつけて壁紙のカビに刷り込む
【手順3】②の上からキッチンペーパーとラップをかけて養生テープなどで固定し、そのまま2〜3時間放置する
【手順4】キッチンペーパーとラップを外し、濡らした雑巾で水拭きする
【手順5】乾いた雑巾で乾拭きし、水分を拭き取る
【手順6】壁紙に消毒用エタノールを吹きかけて乾かす
汚れや湿気から新たなカビの繁殖を防ぐためにも、クエン酸水や重曹ペーストなどの水気をしっかりとふき取ることがポイントです。
エタノールを使った落とし方
壁紙の軽度なカビは消毒用エタノール単体でも落とすことができます。ただし漂白作用が無いため、黒ずみ汚れがきれいにならない点には注意しましょう。
体に害がなく壁材にもやさしいので、小さいお子様やペットがいる方、賃貸住宅にお住いの方におすすめの方法です。
【用意するもの】
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掃除のやり方はとてもカンタンで、消毒用エタノールをティッシュに含ませ、壁紙に押し当てたり拭き取ったりしてカビを落とします。
エタノール成分が70〜80%だと除菌効果がより高くなるので、選ぶ時は参考にしてくださいね。
またエタノールで壁紙のカビを落とす際は、カビに直接アルコールを吹き付けないのがポイントです。
スプレーの勢いでカビの胞子が舞い上がってしまい、部屋にカビが広がったり、吸い込んでしまったりする可能性があるので注意しましょう。
オキシクリーンを使った落とし方
酸素系漂白剤のオキシクリーンを使って壁紙のカビを落とす方法を紹介します。
ただし水を吸わない壁紙にしか使えない点には注意が必要です。例えば、土壁や木製の壁紙には適していません。
もしも材質がわからない場合は目立たない部分でテストし、問題なければ使用するようにしましょう。
<掃除の手順>
【用意するもの】
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【手順1】お湯100mlに付属スプーン1/8杯のオキシクリーンをいれ、よく混ぜる
【手順2】①のオキシクリーンの液を壁の目立たないところに付け、変色などの問題がないかテストする
【手順3】テストで問題がなければオキシクリーンの液を清潔な雑巾に浸してよく絞り、壁紙を拭く
【手順4】雑巾をよくすすいで絞り、水拭きする
【手順5】別の乾いた雑巾で乾拭きし、水分をよく拭き取る
壁紙の素材別カビ取り方法
ここでは壁紙の素材別にカビ取りの方法を解説していきます。
壁紙のカビを取るときにまず確認すべきなのは、ご自宅の壁紙が水分を吸い取るかどうかです。というのも壁紙が水を吸うか否かでカビの取り方がかわってくるからです。
水を吸い取るかどうかの確認方法はかんたん。指に水を1滴垂らして壁にあてるだけです。
水を吸わない壁紙のカビ取り方法
水を吸わない壁紙にはタイルや水回り近くのビニール製の壁紙などが挙げられます。これらは水分を弾くので、漂白剤を用いてカビを除去できます。
用意する道具
- カビキラーなどの塩素系漂白剤
- 雑巾
- 歯ブラシ
- モップ
カビ取りの手順
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垂直な場所に漂白剤を使用するので、床などについてしまわないようにジェルのような粘度の高い漂白剤を使うことをおすすめします。
色のついた壁に漂白剤を使用すると色落ちする可能性があるので、白い壁以外の方は事前に色落ちしないか確認してから作業にとりかかってください。
水を吸う壁紙のカビ取り方法
水を吸ってしまう壁紙の場合は拭き掃除ができないので、市販の専用カビ取り剤を使用する必要があります。
以下の見出しで市販のカビ取り剤を使った掃除方法を詳しく解説しています。
土壁や木壁のカビ取り方法
土壁や木壁は水を吸収する性質があり、カビキラーなどの漂白剤を使用することができません。土壁や木壁にも使えるカビ除去スプレーを用いて掃除をしていきましょう。
土壁におすすめのスプレーはこちらです。
カビホワイトは土壁だけでなくタイルや部屋の壁紙にも使用可能なカビ取り剤です。
用途がとても幅広いので、一本持っていて損のない商品です。 木壁のカビ取りをするときはこちらの商品を使用してください。
市販のカビ取り剤を使った掃除方法
市販のカビ取り剤を使って壁紙のカビを取る方法を紹介します。
「手っ取り早く壁紙のカビを落としたい」「壁紙のカビがなかなか取れない」という方におすすめの方法です。
壁紙に使用できるタイプのものを用意
市販のカビ取り剤を使う際には、壁紙に使用可能のものを選ぶようにしましょう。
壁紙に対応していないカビ取り剤を使用すると素材を傷めたり、変色したりするおそれがあります。
ここで紹介している「カビ取り侍」は、壁紙のカビにそのままスプレーするだけで効果を発揮する便利なアイテム。
布や紙製の壁紙はもちろん、デリケートな土壁や砂壁にも使用可能です。
掃除の手順
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カビから10cm程度離れた場所から、汚れの気になる場所へスプレーします。
そのまま10~20分放置した後、水で固く絞った雑巾で汚れと洗剤をしっかりと拭き取りましょう。
壁紙が変色するのを防ぐためにも、使用の際には目立たないところでパッチテストを行うようにしてくださいね。
壁紙のカビを落とす際の3つの注意点
壁紙のカビを落とす際の3つの注意点を紹介します。
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これらを知らないまま作業すると、壁を傷ませるだけではなく、有毒ガスで危険な状態になりかねません。掃除をする前にしっかりと確認しておきましょう。
カビキラーやカビハイターは壁紙のカビに使えない
カビキラーやカビハイターは壁紙のカビには使えないので注意しましょう。
カビキラーやカビハイターなどの塩素系漂白剤には「次亜塩素酸塩」という成分が含まれています。この成分がカビ菌を殺菌し、カビの着色汚れを落としてくれています。
しかしこの次亜塩素酸塩は非常に強いアルカリ性。壁に使うと壁材を傷めたり、変色させたりしてしまうのです。できるだけ使用を控えましょう。
どうしても塩素系漂白剤を使いたい場合は、原液は100倍、スプレータイプは50倍に水で希釈してから使いましょう。
塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜてはいけない
塩素系の洗剤と酸性洗剤は絶対に混ぜてはいけません。この2つが混ざると「塩素ガス」という有毒ガスが発生してしまいます。
<塩素系漂白剤と酸性洗剤の例>
塩素系漂白剤 |
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酸性洗剤 |
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塩素ガスは最悪の場合、死に至ることもある非常に危険なガスです。絶対に混ぜないようにしましょう。「まぜるな危険!」表示のある洗剤には、特に注意が必要です。
一方で、上記で紹介しているオキシクリーンなどの酸素系漂白剤は有毒ガスを発生させることはありません。安心して使用してくださいね。
メラミンスポンジは表面のカビしか落とせない
普段の掃除でも大活躍するメラミンスポンジは、壁紙の表面に見えているカビしか落とせないので注意しましょう。
カビは奥まで根を張る性質があるため、表面の掃除だけではカビを除去することができません。
メラミンスポンジでの掃除を続けているとカビが広がり、あとで取り返しのつかない状態になってしまうことも。壁紙のカビ掃除は、重曹やエタノールを上手に使って根本まで除去しましょう。
壁紙にカビができる原因
そもそも、いったいどうして壁紙にカビが発生してしまうのでしょうか。ここからは、壁紙にカビが生える原因について解説していきます。
カビは以下の条件下で活発に発生します。
<カビの発生条件>
- 気温25~30℃
- 湿度70%以上
- ホコリなどの養分がある
この中でも壁紙のカビは湿度が原因になっていることが多く、ここから考えられる原因は次の2つです。
<壁紙のカビの原因>
- 換気不足による湿度の上昇
- 温度差によって生じた結露
- 屋根からの雨漏り
部屋の環境と照らし合わせて、壁紙の黒い汚れはカビなのかどうかを確認しましょう。
換気不足による湿度の上昇
壁紙にカビが生えるいちばんの原因は、換気不足による湿度の上昇です。
換気が足りないと湿気がこもり、部屋の湿度が徐々に上がってしまいます。カビは湿度の高い場所に発生しやすいので、換気が十分に行われない部屋ではカビが生えやすくなるのです。
特に部屋の湿度が特に高くなるのは次の3つのタイミングです。
- お風呂に入った後
- 料理を作るとき
- 食事をするとき
また意外に思われるかもしれませんが、人間の体温でも部屋の湿度は上がります。ふつうに生活しているだけでも、部屋の湿度は高くなってしまうのです。
温度差によって生じた結露
外気との温度差で生じた結露もカビの原因です。
「えっ、結露って壁紙にも起こるの?」と思うかもしれませんが、しっかりと断熱できていないと壁にも窓ガラスなどのような結露が起こってしまいます。
壁の結露は外気の影響を受けて冷たくなった壁と、室内の温度に差があることで起こります。壁紙が結露の水分を吸収し、カビが発生しやすい環境になってしまうのです。
天井からの雨漏り
意外と気づきにくいのが天井からの雨漏り。高い所から低い所に流れていくため、屋根や天井が雨漏りしていると、雨水が天井裏に溜まり、カビが発生します。
また雨水は上から下に落ち、壁紙などに染み込んで
少量の雨でもカビが発生する原因になるので、雨漏りしていることがわかったらなるべく早く雨漏り対策を行ってください。
壁紙のカビを予防する7つの方法
壁紙にカビが生えるのを防ぐ4つの予防方法を紹介します。
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セスキ炭酸ソーダでカビ予防
セスキ炭酸ソーダは重曹と炭酸ナトリウムからなるアルカリ性の洗剤。カビの除去効果はありませんが、栄養となる汚れを落としたり、菌の働きを抑えたりすることができます。
セスキ炭酸ソーダを使ったカビ予防はとてもカンタン。まずはセスキスプレーを作りましょう。
<セスキスプレーの作り方>
【用意するもの】
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【手順1】スプレーボトルに水200mlとセスキ炭酸ソーダ小さじ1/2を入れる
【手順2】ボトルのふたを閉めてよく振り、セスキ炭酸ソーダが溶けきったら完成
<セスキ炭酸ソーダでカビ予防する方法>
【手順1】壁紙にセスキスプレーをシュッと吹きかける
【手順2】乾いた布で優しく拭き取る
セスキ炭酸ソーダは100均やドラッグストアでも購入することができます。ぜひ試してみてくださいね。
定期的に換気する
定期的な換気はカビ予防に非常に効果的です。換気によって湿度が低く保たれ、カビの活動を抑えられるのです。
カビの活動が活発になる湿度は70%以上。換気をすれば部屋の湿度は60%以下になり、カビが活動しにくい環境を作れます。
またカビの栄養源になる壁紙に付着していたゴミやホコリなどの汚れも、換気をすれば室外に出すことができます。栄養がなければカビも繁殖できません。
換気時間は5~10分程度を目安に行いましょう。2時間おきに換気するのが理想的ですが、難しい場合は可能な範囲でも大丈夫ですよ。
注意点として、雨の日は外気の湿度が高いため、換気をするとかえって室内の湿度を上げてしまう原因になります。
換気がしづらい環境や時期であれば、除湿機を使うことで換気と同じように湿気を抑えることができます。
特に梅雨の時期は除湿機を積極的に活用しましょう。
家具を壁から離して設置する
家具を壁から離して置くのも、カビ予防に有効な方法です。
カビが繁殖するのに必要な湿気は、狭いところによく溜まります。家具を壁から離しておくと、壁と家具の隙間を風が通りやすくなるため、湿気が溜まりにくくなるのです。
湿気が溜まりやすいベッドや、湿気を放出する冷蔵庫などは、10cmほど壁から離しておくとよいでしょう。タンスなどの通常の家具は壁から5cmを目安にしてくださいね。
月に1回こまめに掃除する
壁紙にカビができるのを防ぐためにも、月に1回はこまめに掃除するようにしましょう。
カビの栄養となるホコリや汚れを除去することで、繁殖の防止につながります。
掃除の際には壁紙を軽く拭き掃除し、汚れやホコリを落としましょう。またセスキ炭酸ソーダのスプレーをあわせて使うと、より高い予防効果が期待できます。
結露対策を行う
先述のとおり、壁紙にカビができる原因のひとつに結露があります。窓が結露し、回りの壁や床に水が伝ってしまうためにカビができてしまうのです。
結露によるカビを防ぐには結露防止シートや新聞紙を貼り付けるのがおすすめです。
結露防止シートはサイズが様々あるので、自宅の窓にあった大きさを選びましょう。
また二重窓やセルロースファイバー断熱によっても結露を防ぐことができます。
セルロースファイバーとはパルプでできた断熱材で、新聞紙をリサイクルして作られています。
結露やカビを防ぐだけでなく、シロアリやゴキブリなどの害虫予防、高い防音・防火性能などメリットの多い製品です。
和室のカビ予防には漆喰を塗るのがおすすめ
和室もカビ予防が大切ですが、景観を損ないたくないですよね。そんな方は漆喰を塗ることでカビ予防することをおすすめします。
漆喰の原料である消石灰は強アルカリのため、カビが繁殖できないのです。
とはいっても漆喰は4~5年かけて徐々に中性になるため、長期的な防カビ効果は望めません。漆喰を防カビ目的で壁に塗る方は定期的に塗り替えしましょう。
壁紙の張り替えや塗装は逆効果
「カビがひどいから、もう壁紙を張り替えちゃおう・・・」なんてお考えの方、ちょっとお待ちください!
壁紙を張り替えてもカビは除去できないって、知っていましたか?ここではカビが発生した壁紙を張り替える時に覚えておいてほしいことを紹介していきます。
壁紙を張り替えてもカビは除去できない
壁紙を張り替えても、残念ながらカビは除去できません。
カビは表面だけでなく、下地まで根を張って住み着いている可能性が高いです。そのため、カビを除去せずそのまま壁紙を張り替えても一時はきれいになりますが、再発してしまうおそれがあるのです。
カビがひどくて壁紙を張り替えたい場合は、一度掃除してからにしましょう。
のりに防カビ剤を配合した壁紙も効果はあまり期待できない
壁紙によっては接着剤に防カビ剤が配合されたものがありますが、接着力を保つためには防カビ剤をあまりいれることができず、壁紙全体の腐敗を防ぐことはできません。
あくまで接着剤自体にカビが生えないようにするためだと考えましょう。
カビを隠すために上から塗装するのもNG
カビを見たくないからといって、壁紙の上から塗装して隠すのもNGです。
たしかに一時は見た目がよくなりますが、塗料の中でカビが増殖し、壁紙や壁材が広い範囲で劣化してしまうおそれがあります。
最終的には大規模なカビ除去やリフォームの施工が必要になり、ただカビを取るだけとは比べものにならないほどの大きな手間やコストがかかってしまうことも。
壁を塗装する場合も、まずはしっかりとカビの根本を断つことが必要です。
自分でカビを取るのが難しい場合は業者に依頼しよう
自分で壁紙のカビを取るのが難しい場合は、クリーニング業者に作業を依頼するのがおすすめです。
カビは「サイレントキラー」とも呼ばれ、アレルギーや皮膚炎、ひどい場合は真菌症の原因となってしまいます。
家族の健康のためにも放置することなく、しっかりと対処するようにしましょう。
ミツモアで壁紙クリーニングを依頼する!
自分でいろいろと壁紙のカビ対策をしてみたけれど解決しない場合は、クリーニング業者に掃除を依頼しましょう。
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壁紙をきれいにして、カビに悩まない快適な生活を手に入れましょう!