近年の日本では100Vよりもパワフルな200Vの家電が増えています。電圧が上がると家電の稼働効率が良くなり便利ですが、使用するには自宅の電圧を200Vに切り替えなければなりません。
200Vへ切り替えるメリットと業者の選び方を紹介します。
200Vのコンセント工事はいくらかかる?
200Vのコンセント工事の相場は50,000~100,000円です。詳しい内訳は記事内で解説しています。
200Vのコンセント工事は何時間かかる?
200Vのコンセント工事は早ければ1時間、工数の多い工事でも1日あれば完了します。
200Vの工事費用相場と所要時間は?
200Vの工事に関する費用 | |
コンセントの増設 | 5,000円~7,000円 |
コンセントの交換 | 12,000円~14,000円 |
200V専用線の引き込み | 15,000円~ |
ブレーカーの交換 | 80,000円~ |
電線が100V対応の場合は、引き込みが必要となるため、50,000~100,000円程度が費用相場です。
100Vと200Vではコンセントの形が異なるため、コンセント交換や新設は必須です。
100Vはコンセントの穴が「縦に」並ぶなじみのある形状ですが、200Vのコンセントは穴が「横に」並び、逆U字型の穴が付いてるものもあります。
工事にかかる費用は自宅の現状によっても変わるため、まずは複数の業者から見積もりを取って費用相場を判断するようにしましょう。
工事は意外と簡単!1時間で終了することも
200Vの電圧を利用するには「単相3線式」という配線方法が取られます。「単相3線式」とは、3本の電線を使うことで100Vと200Vの電圧を同時に使える配線方式のことです。
ほとんどの家庭はこの3本の電線が、分電盤に届いているため、屋内の配線工事を行うだけで、200Vの電圧を利用することができます。
自宅の配線方式がわからない方は、分電盤を開けて電線の本数を確認しましょう。
分電盤を開けて、アンペアブレーカーの上下に「3本」の電線が入っている、もしくは、電柱から家に引き込んでいる電線が3本であれば、「単相3線式」です。
工事内容が簡単なため、早ければ1時間程で工事が終わります。長くても1日あれば終わらせることが可能です。
100Vと200Vを両方とも使うことができる
「200Vへ変更してしまったら、100V用の家電は使えなくなるの?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、心配ありません。
工事後も100Vの電圧と200Vの電圧を同時に使い続けることができます。
工事費用が高くなるケース
工事費用が高くなるケースは以下のような場合が考えられます。
- 配線を伸ばす必要がある
- 分電盤に空きがない(子ブレーカーが追加できない)
- 配線を隠すため、モールを取り付ける
- 二線式から三線式に引き込む
- 室外配線の際にEV管やPF管を取り付ける
工事費用が見積もり時と変わらないようにするためには、施工内容や工事費用をしっかりと確認する必要があります。
複数の業者を比較して、自分にあった業者を見つけましょう。
電圧を200Vにすると何が変わる?電気代は?
電圧を100Vから200Vに変えることで、電気代や使える家電の数にはどのような変化が起きるのでしょうか。
電気代は変わらない
電圧を100Vから200Vに上げても電気料金に差はほとんどありません。電気料金に影響するのは「消費電力」であり、「電気を押し出す力」である電圧はほとんど関係がないのです。
電圧が上がると消費電力量も上がりそうに思えますが、電圧が上がると電流がその分下がるため、結果的に消費電力の数値は変わりません。
例えば600Wの消費電力を100Vと200Vで使った場合を見てみましょう。「電圧」×「電流」で「消費電力」求めることができます。
100Vの場合、電流(A―アンペア)は600W÷100で求められ6Aとなります。そして消費電力は100×6=600です。
200Vの場合、電流は600W÷200=3Aとなり、消費電力は200×3=600で、消費電力は変わらない事がわかります。
以下の記事では、電圧や電流、消費電力の関係について詳しく解説しています。
より多くの家電を使えるようになる
アンペア数は決められた量しか流れません。1つの家電で大量に消費してしまうと、使える家電が減ってしまいます。
しかし、電圧を100Vから200Vに変えると、使用するアンペア数が半分になり、多くの家電を使うことができます。
【電気自動車】充電速度が早くなる
200Vのコンセントにすると、100Vのコンセントの充電速度より2倍早く充電することができます。
例えば、出力が1.2kWの100Vコンセントを使用した場合、20時間充電してバッテリーが満タンになります。しかし、出力が3.0kWで200Vコンセントの場合は、10時間でバッテリー100%です。
電気自動車を購入した人の多くはコンセントを200Vに変更しています。
差し込み口の形状が変わる
100Vのコンセントの形状は縦に穴が2つ並んでいます。
200Vのコンセントの形状は横向きの穴が2つ並んでいて、その下に逆U字型の穴が空いています。
また、200Vのコンセントに100Vの家電のプラグを差し込んで使うことはできません。使えそうだからと、差し込まないようにしましょう。
200Vの工事はDIYできる?
近年の新築住宅は200V対応の電線を引き込んでいますが、古い家屋では100V対応の電線を引き込んでいることが多いです。
ここではDIYするための資格や手順について紹介します。
「電気工事士」の資格が必要
電圧の切り替え工事のDIYに慣れていても自力でしてはいけません。コンセント工事には「電気工事士」の資格が必要です。無資格で工事を行うと法に触れてしまいます。
電線の取り扱いは非常に危険で、配線を間違えると火災や事故を起こす可能性があります。
工事費用を安くしたいと思っても、「電気工事士」の資格を持っていない場合には、業者に依頼するようにしましょう。
【資格が必要】200Vの工事方法
200Vの工事方法について紹介します。
①(単相3線式でない場合)電線から200Vの電源を引き込む
家の配線が単相3線式になっているか確認しましょう。
分電盤を開けアンペアブレーカーの上下に「3本」の電線が入っている、もしくは、電柱から家に引き込んでいる電線が3本であれば、屋内配線だけで200Vを使うことができます。
単相3線式ではなかった場合には、屋外から電線を引き込む必要があります。
②電力量計(電力メーカー)に交換する
200V用の電力量計(電力メーカー)に交換します。
③200V用のブレーカーを設置する
ブレーカーを屋外に設置する場合には、既存の分電盤をそのまま使用することができます。
分電盤内の空きスペース、もしくは、既存の分電盤の横にブレーカーの増設が可能です。
新しいブレーカーに交換する場合は、専用回路が増やせるものを選ぶと便利です。専用回路は、電力消費量の大きい家電の設置に必要な回路のことです。
特にエアコンには専用回路が必要で、以下の記事で、詳しく解説しています。参考にしてみてください。
④機器へ配線する
ブレーカーの状況に合わせて、コンセントに配線していきます。天井裏や床下に配線する場合には、追加で工事が必要です。
屋外の外壁に配線をする場合には、モールを用意しておくと、配線をまとめることができます。
【賃貸の方】200Vに変えたい場合はどうする?
賃貸物件で電圧を変えたい場合には、どこに依頼すればよいのでしょうか?
工事をする際に、確認すべき点を紹介します。
管理会社や大家さんに確認を取る
200Vに変更したくても、許可を取らずに工事を行ってはいけません。
勝手に工事をした場合は、罰金を取られる可能性があります。必ず管理会社や大家さんに許可を取ってから行いましょう。
工事費用を負担してくれる可能性がある
契約書に「契約期間中の修繕条項」または「設備等に冷暖房設備の記載」がある場合には、電気工事費用やエアコン取り付け費用などを負担してくれる可能性があります。
原状復帰の必要があるか確認する
使える電圧を変更したり、取り付け工事を行う前に、必ず原状復帰が必要かどうかを確認しましょう。また、費用負担の割合も確認しておくと安心です。
賃貸物件では、退去時に、借りた部屋を本来の状態に戻す義務があります。
原状復帰の費用負担をめぐって入居者と管理会社がトラブルになるのを避けるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。
200Vに変更するタイミングはいつ?
オフィスにエアコンを導入する場合
オフィスは広いため、エアコンを十分に効かせるには200Vのエアコンに交換する必要があります。
例えば、12畳用のエアコンや大型の冷蔵庫を使いたい場合には200Vへの工事が必要です。
オフィスを移転するという方は、200Vに対応しているのかを見て物件を選ぶと良いでしょう。
【家庭用】パワフルな家電を使いたい場合
<消費電力の大きい家電>
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上記の家電に対して不便を感じている、もしくは、購入予定がある方は、「100V」から「200V」に上げるとパワフルな家電を使えるようになります。
例えばエアコンの場合なら、100Vの製品よりも200Vの製品の方がパワーがあるため、快適な温度になるまでの時間短縮が可能です。
日本製の家電は基本的に100Vで動くため、日常生活において問題はありません。しかし電圧の上限を上げておくと、使える家電の選択肢を広げることができます。
新築や増築を予定している場合
新築や増築時に200Vへの工事を行った方が、後から工事するよりも配線や見た目をすっきり仕上げることができます。
建設後の後付けは、工事費用が高額になる可能性もあるので、早いうちに200Vに対応させておきましょう。
電気自動車を購入した場合
電気自動車を購入した場合には、自宅で充電しなければならないため、電圧(V)を変えることをお勧めします。
100Vのコンセントから200Vのコンセントへ変換することで、充電時間が約1/2に抑えられることも。
電気自動車をいつでも使えるようにしたい方は、購入時に200Vへの変更を検討しましょう。
業者に依頼するときのポイント
適当に業者をえらんでしまうと、工事後に高額な費用を請求されることも。
業者を選ぶ際に必要なポイントを紹介します。
見積もり内容が詳しくかかれている
業者に見積もりをしてもらった後、見積もり内容が正確か確認するようにしましょう。
施工内容に曖昧な点を見つけたら、依頼する業者に詳しく聞いて理解することが大切です。しっかりとした説明ができない場合には、業者の変更を検討する必要があります。
また、「丁寧な対応」をしてくれるかどうかも重要です。口コミや評判で判断するのではなく、直接説明を聞いて判断しましょう。
保証やアフターサービスが充実している
保証やアフターサービスが充実しているかも重要なポイントです。
工事後、不具合が起きた場合でも無償で点検してくれる業者なら安心して依頼することができます。
後から欠陥が見つかっても、保証やアフターサービスがなければ、有料で工事することになってしまいます。
複数の業者を比較する
できるだけ安く100Vから200Vへの工事をしてもらうためには複数の業者を比較することが必要です。
1つの業者しか見積もりを取っていないと、正確な費用相場を把握することができません。
業者には、少なくとも3つの業者からは見積もりを取りましょう。
業者選びがめんどくさいという方は、ミツモアの自動見積もりがおすすめです。無料で最大5社の業者から見積もりを取ることができます。
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