コンセントのプラグ部分が曲がっているとき、そのまま使うべきか悩んだことのある人は多いでしょう。しかし、そのまま使うと想定外のトラブルが発生してしまうこともあるのです。
本記事では、コンセントプラグが曲がっていた場合の正しい対処法や交換方法を紹介します。
コンセントプラグは曲がったまま使える?
「曲がったコンセントプラグをそのまま使用してもいいの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
ここでは考えられるリスクとコンセントプラグが曲がってしまう原因についてみていきます。
曲がったまま使うのは危険!
コンセントプラグが曲がったまま使用すると、接触不良によって電気回路がショートしてしまう可能性があります。また接続した機器が故障したり、火災に発展したりする可能性も否めません。
コンセントの差込口は目のつきにくい場所にあることが多いため、気付かないうちに上記のトラブルに発展してしまう危険性があるのです。
コンセントプラグが曲がっていることに気付いたときは、そのまま使うのではなく、修理するか買い替えることをおすすめします。
コンセントプラグが曲がる原因
コンセントプラグが曲がってしまうのには以下のような原因があります。
コンセントプラグが曲がる原因
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人通りの多い場所にコードを通していると、足が引っかかってしまったり、上から物を落としてしまったりする可能性が高くなります。
また上から重い物を置いていたり、収納ボックスの底にしまっていたりするなど、収納方法に問題があると変形してしまう恐れもあるでしょう。
曲がったコンセントプラグの交換方法
曲がってしまったコンセントプラグは、電気工事士などの資格を持っていなくても自力で交換することが可能です。
ここからはコンセントプラグの交換に必要な道具と手順、作業上の注意点について解説します。
曲がったプラグの交換に必要な道具
コンセントプラグを修理するためには、以下の道具が必要です。
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本格的な修理を検討しているのであれば、上記の道具が最低限必要ですが、応急処置的な修理作業の場合は「太めのプラスドライバー」「カッター」「ハサミ」でも代用できます。
ただし、簡易的な修理作業の場合は耐久性が下がるため、頻繁に抜き差しする場所のコンセントプラグには不向きです。
コンセントプラグ交換の手順
コンセントプラグを交換する際には、以下の手順で作業を行います。
①コードの先端部分をニッパーで切り離す
②コードを割いて2本にする ③2本に分けたコードの皮膜をワイヤーストリッパーで2cm程度除去する ④剝き出しにした銅線を右回りにねじる ⑤プラグのネジを緩めて分解する ⑥プラグの中にある2つのネジを緩める ⑦端子のネジに銅線を右回りで巻きつける ⑧巻きつけられていない銅線のひげがないか確かめてドライバーでカバーを取り付ける |
ワイヤーストリッパーとニッパーが用意できず、ハサミとニッパーを使った簡易的な修理になる場合は、上記手順のニッパーをハサミで代用し、ワイヤーストリッパーをカッターで代用しましょう。
ネジに銅線を巻きつける際には2本の銅線が触れ合わないように注意が必要です。もしコンセント内で触れ合ってしまうと燃えて溶けてしまう危険性があります。また銅線のひげが出ているとプラグをつないだ際に火花が出ることもあるので気を付けましょう。
また以下のようにコンセントプラグの交換の手順をわかりやすく説明している動画もあるので参考にしてみて下さい。
プラグを素手やペンチで元に戻すのはNG
自力で修理作業を行う際、変形したプラグを素手やペンチで元に戻そうとするのは、状況を悪化させてしまう可能性がある他、非常に危険を伴うのでやめておきましょう。
素手やペンチを使って元の状態に戻しても、プラグとコードの接触が悪くなっていたり、ペンチで挟んだ部分が劣化してしまったりしていると、漏電やショート、火災が発生する可能性が高まります。
多くのメーカーでは購入から一定期間、修理保証に対応しているため、自力で修理するよりはメーカーに直接問い合わせたほうが、安全かつ確実に修理できるでしょう。
自力でのプラグ交換はリスクがある
自力でコンセントプラグを交換することで、以下のようなリスクが発生します。自力での修理を検討している人は、必ず確認しておきましょう。
銅線の切断や火花が飛び散る可能性
ワイヤーストリッパーやカッターで皮膜を除去する作業を行うと、銅線が切れてしまったり傷ついた導線に電気が通ったりすることで、火花が飛び散る原因になりかねません。
分解してつなぎ直すだけなので、非常に単純な作業にも思えますが、少しのミスで事故につながる危険性があります。作業を行うのであれば、下調べをしっかりした上で慎重に進めましょう。
また、機器の消費電力が高いと熱を持ちやすくなるため、場合によってはプラグの持ち手部分が溶けてしまう可能性もあります。
交換用のプラグを選ぶときは、できるだけ丈夫な素材を選びましょう。
メーカーの保証が受けられなくなる場合も
自力で修理を行うと修理作業の成功・失敗に関わらず、メーカーの保証を受けることができなくなる場合があります。
また自力でコンセントプラグを修理した後、何らかの要因で発生した損害については、メーカー保証の対象外となるため、注意しなければなりません。
方法を調べてみても自力で修理できる気がしないと感じたり、修理後に何らかの事故が発生するのが心配だと感じたりする場合には、コンセントプラグが変形しているのを確認後、すぐにメーカーに問い合わせましょう。
もしくは、思い切って買い替えることをおすすめします。
プラグの交換は修理店に依頼すると安心
プラグの交換を検討するのであれば、修理店に依頼するのが最も安全で安心です。
修理店にお願いすれば、プロの知見を持って修理してもらえます。場合によってはコンセントの差込口や、電化製品自体の故障に気付いてもらえ、根本的な問題を解消できる可能性も高まるでしょう。
このように、専門の業者だからこそわかることもあるので、メーカーか修理店に問い合わせてみることを、おすすめします。
コンセントやプラグにありがちなその他のトラブル
コンセントやプラグは日常的に使うものですが、時にトラブルを起こすこともあります。よくあることや、その対処法を見ていきましょう。
接続不良
プラグをしっかり差し込んでいるのに電化製品が動かないときは、コンセント裏の電線が接続不良を起こしている可能性があります。
その場合は他のコンセントに電化製品を差してみて、問題なく動作するかどうかをチェックしましょう。使える場合は、コンセントの配線が断絶しているのかもしれません。
他のコンセントでも使えない場合は、電化製品の故障、分電盤のブレーカーが落ちている、分電盤そのもののトラブルが考えられます。
対応種類が違う
近年ではアース線がピン状になった3ピンプラグが増えてきています。コンセントのカバーを外してアース線をつながなくてもよいのが特徴です。
しかし家庭用のコンセントの多くは穴の数が二つあるため、新しい家電のプラグをコンセントに差せないというトラブルが増えています。
2ピンのプラグなら3ピン用のコンセントでも問題なく使えますが、3ピンのプラグは2ピン用コンセントには差さりません。変換アダプタを使うか、コンセントを交換する必要があります。
濡れたコンセントを触ることによる感電
水で濡れたままの手でコンセントに触ると感電してしまう危険性があるため注意しましょう。もちろん水で濡れてしまったコンセントに触るのも避けましょう。
もしもコンセントが水で濡れてしまった場合は、分電盤で対応するコンセントのブレーカーを落とし専門業者に相談してください。
コンセントが水回り近い位置に設置されている場合は、コンセントカバーをして保護するとよいでしょう。
たこ足配線やトラッキング現象による火災
コンセントは使い方によって火災につながってしまうことがあるので注意しましょう。
コンセントタップに複数の機器をつなぐ「たこ足配線」では、もともと供給可能な電力量を超えてしまい発熱する危険性があります。
壁に設置されているコンセントは15Aまでの電流が利用できるので、電気機器を複数使う際には電力量を超えないようにしましょう。
またコンセントにほこりがたまると、そのほこりが湿気を吸収してプラグに電流が流れ、発火につながってしまう危険性もあります。これが「トラッキング現象」です。
トラッキング現象を起こさないためにも定期的にほこりを掃除するようにしましょう。またほこりの侵入を防ぐコンセントカバーを使うのもおすすめです。
家電のプラグにアースが必要な理由
冷蔵庫や電子レンジのプラグには、必ずアース線が付いているのをご存知でしょうか。接続しなくても使うことは可能ですが、家電にはアースをつなぐことが推奨されています。
アースの役割や、必要な理由について見ていきましょう。
感電を防ぐ
家電が故障したり水をかぶったりすると、漏電が起こる可能性があります。漏電は感電のリスクが高まるだけでなく、最悪の場合火災の原因にもなりかねません。
アースをつないでおけば、たとえ漏電しても余分な電気が地面に流れます。つまり感電のリスクを軽減できるのです。
また落雷があったときにも効果を発揮します。アースは屋内の家電製品に過剰な電流が伝わるのを防いで、破損や漏電から守ってくれます。
電磁波対策
電子レンジなどの家電だけでなく、壁の内側を走っている屋内配線など電気が流れるところには必ず電磁波が発生します。過剰な電磁波は人体に影響を与えるといわれているのです。
アースには余分な電磁波を逃がす働きがあります。電磁波対策で悩んでいる場合は、アースを必ずつなぐようにしましょう。
また静電気にもアースは有効です。静電気とは、物質が帯びているプラスとマイナスの電気が接触したときなどに放電する現象をいいます。「たかが静電気」と思うかもしれませんが、家電の場合は発火の原因になることもあるので注意しましょう。
ノイズの防止
アースには家電や電子機器の誤作動を招く、ノイズの防止効果もあります。ノイズとは、電磁波による電気回路の乱れのことです。
ノイズが発生すると、無線LANがつながりにくい、テレビやラジオにノイズが入るなどの問題が発生しかねません。家電が正しく作動しないばかりか、発火などの重大な事故につながる可能性も考えられます。
ノイズが発生しそうな家電にはアース線、もしくは3ピンプラグが付いています。正しく接続して、ノイズ対策をしておきましょう。
プラグ交換したのに動かないならコンセントの問題かも
プラグを直したのに電気機器が正常に動かない場合は、コンセントが故障している可能性があります。そのような場合はコンセント自体の修理・交換が必要です。
また家電を使う際にアース対応していないコンセントをアース対応に交換したい方もいらっしゃるでしょう。
ここではコンセントの交換方法や業者に依頼する費用を解説していきます。
コンセントの交換には資格が必要
コンセント本体の交換は電気工事・配線工事に該当します。これらの工事は、電気工事士の有資格者でないと行えません。電気を扱う工事は、漏電や感電などの重大な事故につながりかねないからです。
「自分でできるから」「費用がかかるから」と、無資格でコンセントの交換を行うと、電気工事士法違反に抵触します。また工事中に火災などが発生し、周囲の家や他人に損害を与えた場合には、多額の損害賠償を請求される可能性もあります。
何より感電や転落など、自分自身に危害が及ぶリスクも否めません。コンセントの交換・増設は資格を持った電気工事専門業者に依頼するようにしましょう。
ちなみにコンセントカバーだけを交換する場合は資格がなくても自分で作業することができます。カバーはホームセンターやネットなどで購入可能です。
コンセントの交換・修理にかかる費用
業者にコンセントの修理を依頼する場合、費用相場は3,000~5,000円となっています。
またコンセントの交換を依頼した際にかかる費用の相場は以下の通りです。
新品のコンセントに交換 | 3,000~5,000円 |
200V用コンセントに交換 | 4,000~8,000円 |
防水コンセントに交換 | 5,000~7,000円 |
コンセントの交換工事を依頼する際の費用は「作業費+本体価格+出張費」の3つで構成されます。しかし業者によっては「作業費」の価格だけ提示しているところや「作業費+本体価格」を提示しているところなど様々なので注意が必要です。
業者に依頼する際には現地調査をしてもらって必ず見積もりをとることをおすすめします。
業者選びの際は相見積もりを
コンセント交換工事の業者を選ぶときは、必ず相見積もりを取りましょう。相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取ることです。有資格者がいることが最低条件ですが、複数の業者を比較することで費用の相場も見えてきます。
見積もりを比較する際にチェックしておきたいのは、費用の内訳が記載されているか、他の業者と比べて極端に安くないかという点です。あまりにも安過ぎる場合は、技術面やサービス面で期待できないかもしれません。
複数の見積もりを一括して取りたいときは「ミツモア」が便利です。簡単な質問に答えるだけで、近隣のコンセント交換のプロ最大5人から無料で見積もりが届きます。じっくり比較検討できるだけでなく、強引な売り込みもないので安心です。
家庭用コンセント・プラグの種類
コンセントやプラグには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
ここでは代表的なコンセントやプラグの種類をみていきましょう。
マルチメディアコンセント
マルチメディアコンセントは通常のアース付きコンセントと一緒にLANケーブルやTVケーブルも差し込むことができます。
1か所から複数のケーブルを引くことが可能なので配線がごちゃごちゃせず部屋がすっきりします。
テレビの周辺にインターネット配線をする際に便利です。
マグネットコンセント
マグネットコンセントはその名の通りマグネットがついていて、磁石でコンセントとプラグをつなぎます。
コンセントとプラグが外れやすいため、コードに引っかかって転倒したり電気製品の落下による事故を防げます。
このように安全性が高いため、頻繁に人が通る場所に取り付けるのがおすすめです。高齢者や小さなお子さんがいらっしゃる家庭でもマグネットコンセントを使うと安心でしょう。
USB充電用コンセント・プラグ
USB充電用コンセントはスマホやタブレット端末を充電するために使われることが多いです。USBポートとコンセントプラグがセットになっています。
USBポートとプラグはそれぞれ分解して持ち運ぶことができるので外出時に便利です。
アンペア数が大きいと充電できるスピードが早いため、購入の際には確認してみるとよいでしょう。
3ピンプラグ
一般的なコンセントプラグといえばピンが2つある2ピンタイプを思い浮かべますが、OAタップにはピンが3つの3ピンタイプのプラグが使用されていることもあります。
3ピンプラグは静電気や感電を防ぐアースの役割をするピンが1本追加されているのが特徴です。
2ピンプラグしかさせないコンセントの場合は、3ピンプラグを2ピンプラグに変換するアダプタを利用するとよいでしょう。
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曲がってしまったコンセントプラグをそのまま使い続けるのは、非常に危険です。
そのためコンセントプラグが曲がっていることに気がついたら、すぐに自力で修理するか、メーカーや修理店に問い合わせし、早急に修理・交換を行いましょう。
またコンセントや電化製品自体が故障していると考えられる場合には、自力でなんとかしようとせずに、業者に相談することをおすすめします。
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