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転勤の引越し費用は誰が負担する?会社負担の費用や必要な手続きを解説

最終更新日: 2024年01月17日

引越しを伴う転勤の辞令を受けたときに気になるのは費用負担の割合です。多くの場合、会社都合の引越しであれば、費用は会社持ちです。しかし具体的にどの費用を負担してもらえるのか分からないことも多いでしょう。家族がいるのであれば、家族が一緒に引っ越す場合の交通費なども負担してもらえるのか気になりますよね。

この記事では、転勤のための引越しでかかる費用のうち、会社負担になるものと自己負担になるものの例や家族が引っ越す場合の料金も負担してもらえるのか、転園・転校を含む手続きについても解説しています。転勤の予定がある方はぜひ参考にしてください。

転勤の引越しにかかる費用の内訳

高層ビルと青空

まずは転勤引越しにかかる費用の内訳を確認しましょう。

  • 引越し業者へ支払う料金
  • 新居の初期費用
  • 新居への交通費・宿泊費
  • 退去時の修繕費・クリーニング代
  • 新居で使用する家具・家電の購入費
  • ペットや自動車、バイクなどの輸送費

これらの料金は会社負担になるものと、自己負担になるものがあります。

会社負担になる費用

笑顔でOKサインをする人

転勤による引越しの費用のうち、通常必要だと認められるものは会社負担になります。以下にその具体例を挙げます。

引越し業者の料金

荷物の搬入・搬出やスタッフの人件費、トラックのチャーター代など、引っ越すときに必ずかかる料金は会社が負担してくれます。

敷金・礼金・仲介手数料

新たに物件契約をした際に発生する敷金や礼金、仲介手数料も会社が負担してくれることがほとんどです。敷金や礼金は1~2か月分の家賃として設定されていることが多く、初期費用の大部分を占めます。これらの負担がなければ引越しもしやすくなるでしょう。

ただし、新居の前家賃や旧居の日割り家賃などは負担してもらえないことが多いです。

新居までの移動費・宿泊費

引越しの当日にかかる交通費や、退去手続きが終了しておらずやむを得ずホテルに宿泊する場合などにはその宿泊費も負担してもらえます。

退去時にかかる修繕費・クリーニング代

今いる物件を退去する際に、借主負担となる修繕費やクリーニング代が発生した場合は会社負担になります。

不明点は必ず会社に問い合わせる

以上4点は転勤による引越し費用の中で会社負担になりやすい項目です。しかし会社によって規定が異なるため、これは会社負担だろうと思い込んで行動すると思わぬ出費が発生する可能性があります。

転勤が決まったら必ず、費用を負担してもらえるか、負担してもらえるならその範囲を確認しましょう。

自己負担になる費用

旅支度をして計算機を持つ人

転勤による引越し費用のうち自己負担になるものを簡単に説明すると、限られた人が該当することがらの料金です。以下に具体例を5つ紹介します。

引越し業者のオプション料金

「会社が料金を負担してくれるし、時間的な余裕も少ないから荷造り・荷ほどきサービスつきのプランにしたい」と思われるかもしれません。しかしそのようなオプションサービスの料金は個人的に依頼したという扱いになるため、自己負担になります。

新居で使う家具・家電の代金

引越しに伴い、家具や家電を新調した場合の費用は原則的には自己負担です。家具や家電に求めることは人それぞれであるため、一律的に基準を定めることが難しいためです。

しかし会社に全額負担はしてもらえなくとも、半額負担や一部負担をしてもらえるケースもあります。念のため会社側に確認してみましょう。

ちなみに海外赴任の場合は家具や家電の購入・設置費用も含めて会社側が全額支払うことが多いです。海外赴任の場合は最低限必要なものを揃えるだけでも社員に大きな負担がかかると考えられているためです。

グランドピアノなど取扱いに注意が必要なものの輸送費

グランドピアノや観葉植物、美術品などの取扱いに特別な注意が必要なものを運ぶときには別料金が発生することがほとんどです。この場合、別料金となってしまった輸送費は自己負担となる点に注意が必要です。

同じピアノであっても電子ピアノであれば通常の荷物と同じように運搬することもあるため、どの荷物が別料金になるか事前に引越し業者に確認をしておくことをおすすめします。

ペット輸送代

転勤先にペットも連れていく場合はペットの輸送代が発生します。ペット輸送専門業者に依頼した場合、この料金も自己負担になります。

自家用車がある場合は車に乗せて一緒に引っ越すことができます。この場合のガソリン代などの燃料費は会社側に負担してもらえることが多いです。しかしケースバイケースな部分もあるため、必ず会社側に確認を取りましょう。

自動車・バイク

遠方に引っ越す場合や自動車などを複数台所有している場合は陸送をすることが一般的です。この料金は一般的に自己負担となります。しかし会社によっては一部料金を負担をしてくれることもあります。

会社負担の転勤引越しの注意点

負担金額の上限があることも

引越し料金を会社に負担してもらえるといっても、負担金額に上限が設定されていることがあります。単身者と扶養家族がいる人と異なる上限金額を設定している場合もあれば、一律○○円のように定めている企業もあります。引越しが決まったら負担金額に上限があるのか、支給の条件などを確認しましょう。

引越し業者が選べないことがある

転勤が多い企業であれば、特定の業者と一括契約を結んでおり、提携業者を利用すれば料金は会社都合としていることもあります。勤め先が引越し業者と提携していることのメリットは、引越し業者探しに悩まずにすむことです。

デメリットは引越し業者が選べず、引越し料金を立て替えるときの自己負担金額をコントロールできないです。後から支払った料金が返還されるとはいえ、立替金の負担が大きくなるのは困りものです。落ち着いて新生活をはじめられなかったという声も見られます。

会社負担の転勤引越しをするときのポイント

転勤時に会社に引越し費用を負担してもらえるのであれば、以下の3つのポイントを確認してください。

どのように負担されるかをチェック

引越し費用が会社負担であってもひとまずは社員が立て替えることが多いです。しかし企業によっては各種請求書を業者から送付してもらうことで社員に金銭的負担を与えずに引越しをさせることもあります。担当者に必ず確認しましょう。

立替払いが必要ならば会社の負担金はいつ頃得られるかが重要です。書類や手続きの不備がなければ転勤の翌月か、引っ越したタイミングによっては翌々月に振り込まれることが一般的です。

領収書は会社名義で書いてもらう

引越し業者の作業料金などの領収書は、なるべく会社名義で書いてもらいましょう。社内ルールにより、個人名義の書類では経費として認めないと定められていることがあるためです。

行き違いが無いよう見積もり時と契約時に必ず「転勤で引っ越すため、会社名義で領収書を書いてください」と引越し業者に伝えましょう。担当部署や担当者、支払い方法の確認をされることが多いため、あらかじめ会社側に確認することが大切です。

いつまでに手続きをすれば良いのか担当者に確認する

引越し料金を会社側に負担してもらうためには、社内で定められた手続きを行うことが必須といえます。転勤が決まったときに手続きの内容や期日について必ず確認しましょう。

転勤の引越しに必要な手続き

やることリスト

転勤で引っ越すときは時間的余裕がないことが多いにも関わらず、やるべきことや手続きが多いです。転勤時にやるべきことを、単身者、単身赴任、家族と引っ越す場合の3つにわけてご説明いたします。

引越しをするときに手続きが必須なのは以下の3つです。

  • 電気、ガス、水道などライフラインの契約変更
  • インターネット回線の契約変更
  • 転出届・転入届の提出

単身者の場合

単身者であれば、ライフライン、インターネット回線の契約変更と転出届・転入届の提出を忘れずに行えば大きな問題はありません。マイナンバーカードをお持ちであれば引越しから90日以内に住所変更手続きを行う必要があります。

注意が必要なのはインターネット回線の開通日です。転勤の辞令から引越しまでは長くとも1か月、平均2週間で準備をしなければなりません。インターネット回線契約の変更をしても、事務手続きや開通手続き完了までのタイムラグがあるため、入居してすぐにインターネット回線を利用できないことがあります。

入居したその日や翌日から仕事でインターネット回線を使用するのであれば、モバイルルーターのレンタルサービスを利用することをおすすめします。スマートフォンのテザリングでもインターネットは利用できますが、接続が安定しないことがあるためビジネス用途には向きません。

単身赴任の場合

単身赴任をするときも、ライフラインやインターネット回線の手続きが必要です。

単身赴任の場合は、住民票の移動をしなくても良いケースがあります。毎週末元の家に帰るなど、生活の拠点が元の家にあると判断される場合や、単身赴任が1年未満など短期間の場合は住民票を移さなくてもよいとされています。

しかしながら住民票を移動しないと次のようなデメリットがあります。

  • 選挙に参加できない
  • 運転免許証の更新ハガキが旧住所に届く
  • 自治体などから送付される重要書類を受け取れない

住民票を移さないと免許証などの公的書類の住所変更ができず、身分証明書として利用できなくなります。なるべく住民票は移動するようにしましょう。

家族と引っ越す場合

子供がいる場合には転園・転校の手続きが必要です。引越しが決まった時点で子供が通っている保育園や幼稚園、学校に相談しましょう。

幼稚園や小中学校であれば、転園・転校の際に提出する書類はそれほど多くありません。しかし注意が必要なのは保育園の転園と高校の転校です。

保育園を転園するときは入園するときと同じ申請をしなければなりません。引越し先が待機児童の多いエリアであれば、新規入園の家庭が優先されるため転園できない可能性もあります。

また高校は義務教育ではないため、転校するには転入先の学校の条件を満たす必要があります。欠員募集をしている学校で、面接や学力試験に合格すれば転校が認められます。本人の意向も十分に汲んだうえで転校先を探しましょう。

ご紹介した手続きのほかにも、NHKと受信契約を結んでいるのであれば、そちらの住所変更も必要です。引越しに伴うNHKの受信契約については以下の記事に詳細があります。あわせてご覧ください。

引越し見積もりで料金を比べる

引越し業者を選ぶときのポイント

見積書にトラックの模型が乗っている

もし転勤引越しで利用する業者を自分で選べるのであれば、できるだけ安く依頼できる方法を知りたいですよね。業者を選ぶポイントは通常の引越しと大きく変わりません。しかし転勤による引越しは、時間的猶予が少ないことがほとんどです。素早く、安い料金の引越し業者を探すポイントに絞ってご紹介します。

一括見積サイトを利用する

引越し業者を探すときには相見積もりが大切です。料金相場が分かるだけでなく、より安い料金で作業をする業者を簡単に見つけられます。相見積もりをするときは一括見積サイトの利用をおすすめします。

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サービス内容をチェック

複数業者からの見積を得られたら、料金とサービス内容を確認しましょう。それぞれの特徴を比較検討することで、満足のいく引越しをしやすくなります。

料金だけに注目してしまうと、梱包資材を別途用意する手間があったり、荷物の搬出入の手伝いをすることになったりと、金銭的・体力的に負担が増えてしまうことがあります。

利用者からの口コミを確認する

大手ではなく中小の引越し業者を利用するならば、口コミのチェックは必要不可欠です。全国展開している大手業者であれば、統一されたマニュアルがあるためどの営業所に依頼しても均質なサービスを受けられます。しかし中小業者はその業者ごとに得意な分野が異なり、同じような料金であってもサービス内容が異なることが珍しくありません。

一括見積サイトであれば業者のユーザーページから口コミが確認できることがほとんどです。そのほかにも検索エンジンで検索して確認する、SNSの評判をチェックするなどの方法があります。

転勤に伴う引越しでよくある疑問

最後に、転勤引越しでよくある疑問を3つご紹介します。

後から家族が引っ越すときの費用は自己負担?

事情を説明し許可が下りれば会社負担になることが多い。しかし全額負担になるとは限らず、半額など一部負担になることもある。

引越し手当は課税される?

原則として非課税。ただし着後滞在費は住宅手当にあたると判断されるため課税の対象。

転勤による引越し費用が全額自己負担でも法的には問題ない?

転勤時の引越し費用の負担について、法的な取り決めはない。ただし就業規則などに記載があるにも関わらず支給されない場合は就業規則違反となる。