幼稚園に通う子どもがいる家庭で引越す場合、転園の手続きが必要です。滞りなく進めるためには、複数の転園先を決めておいたり、ストレス耐性に合わせて適切なタイミングで転園したり、子どもに寄り添って決めることが大切です。
幼稚園を転園する際に必要な手続きについて、転園先を選ぶポイントや手順を含めて解説します。
幼稚園の転園先を選ぶ5つのポイント
引越しで幼稚園の転園が必要になったとき、最初は転園先を決めましょう。特に新しい場所に行くことになると、ママ友やご近所さんのネットワークでは、幼稚園の情報をなかなか入手しにくい場合もあります。
転園先を選ぶポイントは、以下のとおりです。
1.転園先の候補は複数選んで見学を行う
転園先の候補は1つではなく、必ず複数の候補を見つけたうえで見学しましょう。たとえ相性の良さそうな幼稚園が見つかったとしても、定員がいっぱいだと転園できなくなってしまいます。
定員に空きがないときは、年度が変わる4月になってから入園することも検討しましょう。卒園する園児と入園する園児が入れ替わる時期で、入園しやすいといえます。
年度の途中でも定員に空きがあれば転園できますが、長期休暇明けなど、子どもの性格や状況に合わせてタイミングを検討することも大切です。
2.見学時に教育方針や先生の雰囲気を確認する
幼稚園の見学時、施設の教育方針を確認しましょう。幼稚園にはそれぞれ教育方針が定められており、家庭の教育方針に沿っているか確認しないと、子どもにとって大きなストレスをかけてしまいます。
あわせて先生や園内の雰囲気について確認することも大切です。たとえ親や子どもへの態度は問題なくとも、先生同士の関係性が未熟だと、子どもについての情報共有が甘くなってしまうので注意しましょう。
3.設備や費用のバランスを考える
幼稚園の施設や園庭、セキュリティなどの設備面もチェックすべきポイントです。掃除が行き届いていなかったり、設備が破損したままだったりすると、子どもを安心して通わせられません。警備員や鍵などで、入り口のセキュリティを確保しているかも重要です。
通園するにあたって費用のバランスも欠かせません。転園の際の入園費や教材費、行事費など、月々にかかる費用を整理して、ほかのメリットを含めて考えましょう。
4.自宅から近い転園先を探す
転園先の幼稚園が自宅からアクセスしやすいか確認しましょう。物が多いときや悪天候、子どもの急な病気など、日常はもちろんトラブルがあったときなどに送迎の負担が少なくなるためです。
加えて卒園後に通う小学校が決まっている場合は、校区内の幼稚園も視野に入れましょう。その校区内に転園先が見つかれば、子どもは幼稚園の友達や知り合いとの関係性を保ったまま、小学校に通えるというメリットがあります。
5.預かり保育ができるか確認する
保育園から幼稚園に転園する人は、預かり保育に対応してもらえるのか確認することも大切です。預かり保育が可能な幼稚園は多くなっていますが、中には実施していないところや定員に達している園もあります。
事前に問い合わせて確認するのと同時に、預かってもらえる時間や自治体からの「新2号認定」に必要な提出書類を確認しましょう。
幼稚園を転園する際の手順
引っ越しを理由に現在通っている幼稚園から転園する場合は、転園希望月の前月10〜15日を目途に下記の手順で手続きを行います。
1.転園先の定員を確認する
転園したい幼稚園を決める前に、優先度の高い順番に定員に空きがあるか確認しましょう。幼稚園の見学時や問い合わせ時、自治体のWebサイトで定員状況を確認できます。
また、転園予定の子どもがいるなど、定員が空きやすいタイミングを幼稚園に問い合わせておくこともおすすめです。
2.転園1か月前に幼稚園の退園手続きを行う
転園先を決めたら、転園の1カ月前までに、口頭で現在通っている幼稚園に退園する旨を伝えます。その際、転園先への提出に必要な「在園証明書」の発行を必ず依頼しましょう。
退園の旨を伝えた後は、幼稚園ごとの書式に沿って退園届を提出します。項目としては、最終登園日や転園先の幼稚園の名前、引っ越しをする転出日、引っ越し先の住所、退園理由などです。
3.転園に必要な書類を準備する
転園先が決まったら、入園に必要な書類を準備しましょう。主な書類は以下のとおりです。
- 入園願書(希望する転園先の幼稚園)
- 誓約書(希望する転園先の幼稚園)
- 在園証明書(現在通う幼稚園)
- 住民票(引越し先)
ただし幼稚園や自治体によって提出する書類が異なる場合があります。加えて、転園先によっては「入園検定」や「面接」を実施するところもあるので、早めに確認しておきましょう。
4.引越し先の自治体から補助金が受け取れるか確認する
引っ越し先の自治体によっては、補助金を受け取れるところがあります。たとえば、入園費や保育費などを補助する「幼稚園就園奨励費補助金」や「保護者負担軽減補助金」、「入園祝金」といった補助金です。
ただし自治体によって支給する条件が異なります。転園による負担を減らすためにも、入園料などを支払う前に確認しましょう。
勤務先によっては、転園先の制服代などの費用を補助する福利厚生制度がある会社もあります。
5.転園に必要な費用を用意する
転園に必要な下記の費用を用意します。
- 入園料
- 教育費(転園する月から)
- 教材や制服などにかかる費用
費用の準備ができたら、制服など幼稚園から指定された必要用品を買い揃えましょう。
卒園までの期間が短い場合は、現在の幼稚園の制服やバッグをそのまま使用できる幼稚園もあるので、確認することをおすすめします。
ただし、子どもによっては制服が1人だけ違うことを嫌がる可能性があります。子どもの気持ちを尊重したうえで決めましょう。
幼稚園を転園する際にやっておくといいこと
引越しに伴って幼稚園を転園する際、下記のポイントをやっておくといいでしょう。
子どもの気持ちに寄り添ってあげる
引越しや幼稚園を転園することは、子どもにとって今までの生活環境が変わるため、大人以上に不安になります。早く転園先や新しい住居に慣れるためにも、両親が子どもにストレスを抱え込まないようにケアしてあげることが大切です。
たとえば3歳児には今の友達とは離れるけど、新しい友達と出会えることを説明してあげることで不安を解消してあげましょう。子どもが悲しいと感じた気持ちに寄り添いつつ、ありのままに受け止めてあげることで、感情の整理整頓ができるようになります。
退園届を提出するタイミングで先生やママ友に挨拶する
転園に伴う退園届を提出するタイミングで、お世話になった先生やママ友に伝えるのもおすすめです。早めに伝えてあげると、幼稚園によっては「お別れ会」を開催してもらえるケースがあります。
お別れ会では友達にハンカチや文房具といったプレゼントを贈る慣習がありますが、幼稚園によっては「プレゼント禁止」というところもあるので、事前に先生に可否を確認しておきましょう。
子どもへの負担をかけずに幼稚園の転園手続きを進めよう
引越しに伴って幼稚園を転園するとき、転園先の候補をいくつか選んで見学した後、引越し日の1か月前を目途に決めましょう。必要な手続きを行うのはもちろん、子どもに不安やストレスを感じないように寄り添うことが大切です。
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