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エアコンの配管に化粧カバーは必要?取り付けの判断基準と費用の目安

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最終更新日: 2024年08月09日

新しいエアコンを取り付けるときに、化粧カバーを付けるかどうか迷っている方も多いかもしれません。

基本的には化粧カバーを取り付けるのがおすすめですが、カバーの設置代は屋外・屋内合わせて1~2万円ほどかかることが多いです。

高い費用を払うだけのメリットがあるのか、判断するポイントを解説します。

エアコンの配管に化粧カバーを取り付けるべき?

エアコン設置工事において、化粧カバーの取り付けはオプション扱いであり、必須ではありません。カバーがなくてもエアコンは問題なく作動します。

とはいえ基本的には、オプション料金を払ってでも化粧カバーを取り付けるのがおすすめです。

標準工事の範囲内だとテープ巻き仕上げになりますが、化粧カバーを付けると見栄えもよくなり、屋外配管は紫外線や雨風による劣化も防げます。カバーを付けた場合とテープ仕上げの場合では、以下のように見た目が変わります。

配管カバーと配管テープの見た目比較(室内)

配管カバーと配管テープの見た目比較(外壁)

ただし5年以内にまたエアコンを取り外す可能性がある場合や、見た目が全く気にならない場合は、追加費用をかけてカバーをつけるメリットは少ないかもしれません。

化粧カバーを設置する場合、室内機側は10,000円程度、室外機側は5,000円程度の追加料金を見ておきましょう。配管が長い場合はさらに延長料金がかかります。

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エアコン配管の化粧カバーの役割

エアコンの化粧カバーの役割について、もう少し詳しく説明します。

「化粧カバー」とは、室外機と室内機をつなぐ配管をおおうカバーのこと。室内の熱い空気を外に出す「冷媒管」と、冷却するときに生まれる水を室外に排出する「ドレン管」という2つの配管をまとめておおいます。

役割1.配管をすっきり見せて家の景観を保つ

外壁のエアコン配管カバー

化粧カバーの役割の1つは、配管の見た目をすっきりさせて、室内・室外の外観を美しく保つことです。

カバーをつけない場合、たいてい白色の配管テープが巻かれますが、壁紙や外壁とテープの色合いが異なる場合、ホースの存在がかなり目立ってしまうでしょう。

インテリアにこだわりたい人にとっては、せっかくコーディネートしたお部屋にテープでぐるぐる巻きのホースがぶら下がっているのは少し残念ですよね。

室外機側の配管も、家の外壁を黒やネイビー、茶色などの暗い色にした場合、白いテープはとても目立ってしまいます。

役割2.屋外配管の劣化を防ぐ

化粧カバーには、配管の劣化を防ぐという大事な役割もあります。

特に屋外に伸びている室外機側の配管は、雨風や雪、直射日光などの影響を直接受けるので、室内機側と比べてかなり劣化が早いです。特に台風などの荒れた天気のときにかかる負荷は大きいでしょう。また、野良猫が周りにいると爪とぎに使われて傷つく可能性もあります。

テープが破れたりはがれたりしてくると、その下の断熱材や配管が直接天候の刺激を受けることになり、エアコンの能力の低下につながります。配管自体が傷ついてしまったら最悪ガス漏れや水漏れなどの故障の可能性もあるのです。

エアコンに化粧カバーを取り付けるか判断する基準

エアコンの配管に化粧カバーを取り付けるべきかどうか決められない場合、以下の判断基準を参考にしてください。

カバーの部材費用や取り付け工事費を合わせると数万円の出費になるので、コストに見合うメリットがあるかどうかを自分の状況に照らし合わせて考えましょう。

インテリアや外観にこだわるかどうか

標準工事のテープ巻きは、見栄えという観点ではあまり良くありません。見た目が気になる場合は、思い切って化粧カバーをつけたほうがよいでしょう。

コストを抑えたい場合、室内側の配管は、来客の目に入る場所にあるエアコンだけ化粧カバーをつけるという手もあります。

マンションの周りの部屋や、近隣の住宅が化粧カバーを取り付けているかどうかも見てみるとよいでしょう。

周囲の住宅がみんな化粧カバーを付けている場合、自分の家だけテープ巻きなのは恥ずかしいと感じるのであれば、追加で出費してでも化粧カバーを取り付けたほうが、堂々と暮らせるはずです。

すぐに引っ越す可能性があるかどうか

エアコンを取り付ける予定の自宅に、あと何年住む予定があるかも重要な判断基準です。

すぐに引っ越してしまう場合、新居で改めてエアコンの取り付け工事を行う必要があり、そのタイミングで再び化粧カバーの設置費用もかかります

どうせ数年後に同じ金額の出費をしなければならないのであれば、引っ越すまでの数年は化粧カバーなしで過ごしたほうがコストは抑えられます。

もちろん、わずかな期間でもテープ巻きで過ごすことに抵抗がある場合は、化粧カバーを付けましょう。

海風や直射日光にさらされやすい環境かどうか

海の近くで潮風に当たる場所や、直射日光が当たり紫外線にさらされやすい場所にエアコンの屋外配管がある場合は、配管が受けるダメージも大きいです。

配管テープの劣化スピードは環境に大きく左右されます。直射日光や雨風が当たる位置だと、エアコンの寿命よりも短い5~7年程度で外側のテープがボロボロになり、配管に巻かれた断熱材が見えてきてしまう可能性があります。

断熱材が劣化して機能しなくなると、エアコンの運転効率にも影響を与えてしまいます。

潮風や直射日光が気になる位置に屋外配管がある場合、化粧カバーを付けたほうがよいでしょう。

外壁にビスを打ってもよいかどうか

屋外配管の化粧カバーは外壁にビスを打って固定しますが、設置する住宅の規約や外壁の素材によってはビスが打てないことがあるので注意が必要です。

マンションなど集合住宅の場合、賃貸でも持ち家でも外壁は共用部にあたるので、勝手に設備に穴を空けるとトラブルになってしまう可能性があります。そもそも化粧カバーの設置が可能なのか、管理会社にあらかじめ確認しておきましょう。

また、外壁の素材によっては通常のビスが使えないこともあります。エアコン工事業者に素材を伝えて相談すると安心です。

エアコンの化粧カバーは後付けが非常に難しい

室内エアコンとテープ施工の配管

一度エアコンを取り付けてしまうと、化粧カバーを後付けするのは基本的に難しいです。化粧カバーを設置できるのは、新しくエアコンを取り付けるタイミングだけだと考えておきましょう。

テープ巻きで仕上げた配管は、カバーを設置する場合と曲がり方が異なります。後からカバーをかけて壁に固定しようとすると、一度テープでまとめた配管を無理に曲げることになってしまいます。

自分で取り付けるのが難しいのはもちろん、配管を傷つける恐れがあるので、エアコン工事業者に後付けを依頼しても請け負ってくれないことがあります。

エアコン配管の化粧カバー取り付けにかかる費用相場

費用を電卓で計算する人

新設するエアコンにカバーを取り付けるときの費用

新たにエアコンを取り付けるときに配管カバーを設置すると、室内側8,000~11,000円、室外側が6,000~9,000円ほどの相場です。そのため合計費用は約14,000~20,000円ほどの相場となります。

ただし今まで使っていた既存のカバーを再利用できるなら、部材費がかからないので、室内・室外ともに3,000~4,000円ほどの相場です。

室外側(2mまで) 6,000~9,000円
室外側の延長 5,000~6,000円/2m
室外側の折り曲げ 1,000~1,500円/1か所
室内側(1mまで) 8,000~11,000円
室内側の延長・折り曲げ 1,000~1,500円/1か所

見積もり金額などを見るときは、上記の相場表を参考にしてみてください。金額に少し幅がありますが、費用はおおまかに以下の要素で決まります。

  • 配管の太さ(2分3分配管より2分4分配管のほうが高額)
  • 配管の長さ(室外2m以上、室内1m以上だと追加料金の可能性が高い)
  • 配管が曲がる回数(コーナー部品が増えると追加料金がかかる)

配管の太さには「2分3分」と「2分4分」という種類があり、これはエアコンのメーカー・機種によって定められています。2分3分のほうが安くなるからと言って、自由に変更することはできません。

配管カバーを延長する場合、配管の長さに応じてカバーはカットしますが、部材費はカバー1個分の値段になってしまうことが多いです。

配管を曲げる部分は、専用のコーナー部品を追加しなくてはいけません。そのぶんの部材費と作業費が追加となるので、1か所につき1,000~1,500円ほどの追加料金がかかるでしょう。

大手家電量販店の価格設定

大手家電量販店のエアコン取り付けにおける、配管カバー取り付けオプションの料金は以下の通りです。記載しているのは2分3分配管の価格なので、2分4分配管の場合はさらに価格が上がる可能性があります。

ヤマダ電機

  • 室外用化粧カバー:5,000円(2mまで)、50cm延長につき1,300円
  • 室内用化粧カバー:要見積もり

参考:エアコン工事料金の目安について|ヤマダ電機

ケーズデンキ

  • 室外配管カバー:5,500円(1mまで)、1m延長につき2,200円
  • 室内配管カバー:11,000円(2mまで)、50cm延長につき1,650円

参考:エアコン工事料金目安|ケーズデンキ

エディオン

  • 屋外配管カバー:5,500円~

参考:施工サービス|エディオン

ビックカメラ

  • 室外用配管カバー:5,500円~
  • 室外用配管カバー:11,000円~

参考:エアコン取り付け工事|ビックカメラ

ジョーシン

  • 室外化粧カバー:5,000円~(3mまで)
  • 室内側化粧カバー:10,500円(2mまで)、1m延長につき3,200円

参考:エアコン工事について|ジョーシン

ヨドバシカメラ

  • 室外配管カバー:5,500円(2mまで)
  • 室内配管カバー:7,700円(1mまで)
  • 配管延長:1mにつき2,200円

参考:エアコン設置工事|ヨドバシカメラ

ノジマ

  • 室外配管カバー:5,500円(2mまで)
  • 室内配管カバー:11,000円(1mまで)
  • 配管延長:1mにつき2,200円

参考:エアコンの設置|ノジマ

既設のエアコンにカバーを後付けする費用

カバーに合わせた配置になっていないエアコン配管に後付けでカバーをかぶせるのは、配管を傷つけるおそれがあるので推奨されていません

そのため業者に後付け工事を依頼すると、配管を傷つけないために一度エアコン本体を取り外してから、本体とカバーを取り付けることになります。

そのため、あらためて取り外し・取り付けの料金もかかってしまい、結果として工事料金が高くつきます。

エアコン取り外し 4,000~6,000円
エアコン取り付け 10,000~18,000円
配管カバー取り付け 室内:8,000~11,000円

室外:6,000~9,000円

合計:28,000~44,000円

少し高い気もしますが、自分でDIYする場合も部材費・工具を合わせて10,000~20,000円ほどかかってしまいます。

この金額さを大きいと捉えるか小さいと捉えるかは人それぞれですが、より安全に故障リスクを避けて施工してもらうための費用だと考えれば、業者に依頼する価値があるのではないでしょうか?

自分で化粧カバーを後付けできる?必要な道具と手順

前述の通り、すでにテープ巻きで取り付けられた配管はカバーを付けることを想定していません。カバーにおさめようとして無理に曲げたり力を入れたりすると、配管を傷つけてしまうリスクがあるので、基本的にはおすすめできません

ただしカバー設置に必要な部材は自分で購入できるので、リスクを理解したうえでDIYを試みることは可能です。

もしエアコン本体ごと取り付けしようと考えている場合は、以下の記事を参考にしてみてください。

用意する道具

DIYで配管カバーを後付けするときに必要な道具をまとめました。

後付け用配管カバー
  • 約1,000円~
  • 配管をおおうカバー
  • 後付けに対応した製品を選ぶ
  • さまざまな材質や色の種類がある
端末カバー
  • 約500円~
  • 配管穴部分に取り付けるカバー
コーナー用部品
  • 約500円~
  • 壁と配管のつなぎ目や、配管の曲がり角に設置する
  • 壁の段差の曲がりに合う部品や、平面でのカーブに合う部品など、曲がり角のタイプに応じて適切な製品を選ぶ必要がある
ジョイント
  • 約200円~
  • 配管カバーが1本では足りないとき、つなぎ目に接続する部品
エアコンパテ
  • 約100円~
  • 配管穴を埋める場合に使う
ドライバー
  • 約300円~
  • カバーを壁にネジで取り付けるときに使用
  • ネジ穴に合ったサイズを用意する
ハンドソー
  • 約1,000円~
  • 配管カバーの切断に使用
  • 塩化ビニルの切断に適したタイプがよい
電動ドリル
  • 約3,000円~
  • ネジだけで壁に穴があけられない場合に使用

配管が標準的な長さ・取り付け方法だと想定しても、すべて揃える場合は、最低でも10,000円~15,000円ほどかかるでしょう。

室内側は壁の凹凸の数だけコーナー部品を購入しなくてはいけないので、1つあたりの値段は安くても、最終的には高額になることがあります。

配管カバー後付けの手順

配管カバーは以下の手順で取り付けましょう。

  1. エアコンの配管の長さを測り、その長さに合わせて配管カバーをハンドソーやノコギリでカットする
  2. 配管カバー(壁側)を配管に合わせる(※このとき、なるべく配管を動かさないように注意)
  3. 配管穴の古いエアコンパテをはがす
  4. 新しいエアコンパテを埋め込み、端末カバーを取り付ける
  5. ドライバーを使ってネジで配管カバーを固定する
  6. カバーにすきまがある場合はエアコンパテで埋める

後付けの作業で最も気を付けなければならないことが、配管の損傷です。作業のときに配管を傷つけてしまうと、損傷部分からガス漏れや空気漏れ、ドレン管からの漏水が生じるリスクがあります。

室内配管はあまり余裕を持たせず、ぴったりと取り付けられているケースが多いです。そこに無理な力を加えると、配管に不具合が生じるおそれがあります。

自分で化粧カバーを取り付けるときのリスク

配管カバーを自分で後付けすることもできますが、リスクを認識した上でDIYすることが大切です。

自宅のエアコン設備に合わせて配管カバーの加工が必要

配管は、多様な経路をたどってなされています。一直線に伸びている部分もあれば、緩やかに曲がっている部分もあるでしょう。直角に折れていたり、時には90度以上曲がっていたりすることもあるのです。

カーブやコーナーに対応するアイテムもありますが、そのような道具では対応できず、配管カバーそのものを加工しなければならないケースもあります。

経験豊富な専門業者であれば、カバーに手を加えることはさほど困難ではありませんが、素人が行うにはハードルの高い作業といえます。

誤ってエアコンを損傷させる可能性がある

業者によって取り付けられたエアコンや配管は、ムダのないように施工されています。隙間なく、余分な動きをしないようにホースが設置されているのです。

エアコンの構造に詳しくないまま力任せに作業すると、配管を損傷してしまう恐れも。エアコンの配管ダクト内を循環している、熱を運ぶための「冷媒ガス」という物質が漏れてきてしまう可能性があります。

もしもガス漏れが起こると、エアコンの稼働効率が下がり、冷暖房の効きが悪くなります。場合によってはエアコン本体の故障や水漏れにもつながるので、自信がない方はプロに相談するのがオススメです。

関連記事:エアコンの冷媒ガスを補充・チャージする方法と、必要かどうかチェックするポイント | ミツモア

不安な場合は無理せずプロに依頼するのがおすすめ

自分で配管カバーを設置することも可能ではありますが、少しでも不安を感じる場合は無理せずエアコン取り付け業者に依頼しましょう。

プロに依頼することで次のような安心が得られます。

  • 家の配管の配置に合わせた適切な加工がしてもらえる
  • 素人が施工するよりも配管損傷のリスクが少ない
  • 外壁の高所での作業もしてもらえる

エアコンを新しく取り付けるときは家電量販店に依頼する手もありますが、既設のエアコンの場合はエアコン業者に直接依頼するのがおすすめです。

さまざまな種類や色がある!おすすめの化粧カバー

エアコンの配管カバーにはさまざまな種類があり、色にもバリエーションがあります。後付けに対応しているおすすめの配管カバーを紹介します。

スリムダクトLD(因幡電工)

エアコン配管用の部品を多く販売している因幡電機産業の製品。配管の長さに合わせたカットがしやすく、後付けに向いています。

配管カバーの色見本

アイボリー、ホワイト、グレー、ブラック、ブラウンの5色展開で、壁紙や外壁の色にも合わせやすいです。

※色の画像はイメージです。実際の製品の色味とは異なります。

万能ジャバラ(フソー化成)

ジャバラになっている配管カバー。ストレートタイプよりも柔軟に曲がるので、平面の段差や、コーナーの曲がりにも対応できます。

あらかじめカバーに切れ込みが入っているので、後付けがしやすいです。

ウォールコーナー(因幡電工)

配管穴から出て垂直に曲がる部分を保護するために使うのがウォールコーナーです。こちらの製品も5色のカラー展開があります。

後付けに使えるのは、そのままかぶせてネジで留めるだけで壁に取り付けられるタイプです。壁の穴から配管を通すのと同時に設置しなければならない筒状のタイプを選ばないよう気を付けましょう。

コーナー部品(因幡電工)

配管の曲がり角に設置するコーナー部品です。壁側と部屋側に分かれたカバーを合わせてネジで留めるつくりになっています。

配管が壁にぴったりくっついていると難しいですが、多少のスペースがあれば後付けに使うことも可能です。

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