SFAは「営業支援システム」と呼ばれ、営業活動を効率化・最適化するためのツールです。SFAといえばBtoBの業種になじみあるシステムで、銀行でも導入が進んでいます。
本記事では、銀行業界が抱える営業上の課題点を整理したうえで、おすすめのSFAを紹介します。機能や料金、サポート体制などをチェックして、最適なシステムを選びましょう。
銀行業界が抱える営業上の課題
最近、銀行でも積極的にSFAの導入が進んでいます。その背景には、銀行業界で営業情報が一元化されていないことや、顧客ニーズが多様化し、購買行動が複雑になっていることがあります。さらに、法改正への対応が難しくなっている点も挙げられます。
営業情報の共有がされていない
銀行業界ではそれぞれの営業担当者の手腕によって、業績が決まる傾向にある組織が多々あります。各担当者が独自に営業活動を進めており、担当者間で情報共有がなされていないケースが珍しくありません。営業活動がブラックボックス化・属人化している状態といえます。
そのため担当者が途中で代わるなどした場合、引き継ぎに時間がかかったり、引き継いだ担当者の生産性が落ちたりする問題が起こりがちです。
多様化した顧客ニーズへの対応が難しい
現代の金融業界では顧客が求めるサービスや商品がますます個別化し、画一的な提案では満足を得ることが難しくなっています。たとえば、住宅ローンを検討している顧客は、金利だけでなく、返済プランの柔軟性や将来のライフイベントに応じたアドバイスを期待します。
こうした顧客のニーズに的確に応えるためには、営業担当者が専門知識を高めると同時にデジタルツールを活用した個別対応の強化が不可欠となっています。
複雑化した顧客の購買行動への対応が難しい
現代の顧客はインターネットやモバイル端末を活用して、銀行の商品やサービスを事前に調査し、比較検討することが一般的になっています。このように情報が簡単に手に入る環境下では、顧客が購買行動を決定するまでのプロセスがこれまで以上に複雑化し、銀行の営業活動に新たな課題をもたらしています。
銀行の営業担当者は「店頭での提案」だけでなく、デジタル上での情報発信やオンライン相談など、顧客接点を拡大することが重要となります。
規制強化や法改正への対応が必要である
近年、金融業界では規制強化や法改正が相次いでおり、銀行もその影響を大きく受けています。マネーロンダリング対策や金融商品の適正販売、サイバーセキュリティの強化など、銀行が遵守すべきルールは年々増加しており、これに適切に対応することが求められています。
こうした状況の中で銀行には従来以上に厳格なコンプライアンス体制が求められています。法令や規制の変更に迅速に対応するだけでなく、営業活動においても適正な手続きを徹底し、顧客に対して透明性の高いサービスを提供することが重要です。
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銀行業界がSFAを導入するメリット
銀行業界がSFAを導入することで、情報の属人化を解消し、顧客対応の質を向上させることができます。さらに、AIを活用した営業活動の最適化やコンプライアンスの強化にもつながり、より効率的で安全な営業体制を実現できます。
情報の属人化を解消できる
SFAを導入することで、営業情報の共有が一元化され、全ての営業担当者がリアルタイムで同じ情報にアクセスできるようになります。これにより、顧客との関係や商談状況に関する正確な情報が迅速に共有され、営業活動の一貫性が保たれるようになります。営業担当者は、他のメンバーの記録や更新内容を確認できるため、営業情報の属人化が解消され、より効率的で効果的な顧客対応が可能になります。
顧客対応の質を向上できる
SFAを導入することで顧客の取引履歴や過去の相談内容、資産状況などのデータを一元管理し、営業担当者が迅速かつ適切に対応できる体制を構築できます。
たとえば、個人顧客であれば、ライフイベントに応じた金融商品の提案が可能になり、法人顧客に対しては、経営状況に基づいた資金調達や事業支援の提案がスムーズに行えるようになります。これにより、顧客ごとにパーソナライズされた対応が可能となり、満足度の向上につながるのです。
利益向上に繋がる営業活動の提案ができる
SFAを活用することで顧客の行動データを分析し、最適なアプローチのタイミングを見極めることが可能になります。たとえば、ローンや投資商品の申し込み履歴、Webサイトでの閲覧行動などの情報をもとに、見込み客の関心を予測し、適切な提案を自動的に提示できます。これにより、潜在的なニーズを逃さず、より収益性の高い営業活動を実現できます。
コンプライアンス強化につながる
SFAの導入により、営業プロセスの記録をデータとして残し、申請・承認のフローを明確に管理できるため、不適切な取引の防止につながります。たとえば、投資商品の販売においては、適合性原則(顧客のリスク許容度に応じた提案)を遵守した記録をシステム上で管理することで、監査時の対応がスムーズになります。また、マネーロンダリング対策として、SFAを活用し、不審な取引の履歴を分析・監視することで、リスクの早期発見にも寄与します。
銀行業界向けSFAの選び方
銀行業界でSFAを選定する際には、柔軟にカスタマイズできるかどうか、モバイル端末との連携が可能であるか、そして高いセキュリティ水準を備えているかを確認することが重要です。
銀行独自の営業プロセスに沿ったカスタマイズができるか
銀行業界では営業活動がほかの業界よりも複雑で、多様な業務プロセスに対応する必要があります。銀行の業務や課題に合わせて、柔軟に機能を拡張したりカスタマイズできるSFAを選ぶことが大切です。
たとえば、法人向け融資や個人向けの資産運用商品の提案といった銀行特有の業務に対応するためには、SFAがこれらに合わせた調整ができる必要があります。また、画面の操作やワークフローの設定を簡単に変更できるシステムを選べば、導入後の使いやすさも格段に向上し、運用負担も軽減されます。
モバイル端末との連携が可能か
銀行業界向けSFAの選び方において、モバイル端末との連携が可能かどうかは非常に重要です。
銀行の営業活動は、顧客との直接的なやり取りが多いため、外出先でもリアルタイムに顧客情報や商談状況を確認・更新できることが求められます。モバイル端末との連携ができるSFAを選ぶことで、営業担当者は外出中でもスムーズに顧客対応が可能になり、効率的に業務を進めることができます。
セキュリティレベルが高いか
セキュリティレベルが高いかどうかも銀行業界にとって極めて重要です。
銀行業界は、顧客情報や取引データの機密性を確保する必要があり、そのためSFAを選ぶ際には高いセキュリティ機能が備わっているかを確認することが欠かせません。データが暗号化される仕組みになっているかやISO規格等のセキュリティ基準を満たしているかを確認しましょう。セキュリティレベルが高いSFAを選ぶことで、外部からの不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減し、顧客の信頼を維持することができます。
銀行業界におすすめのSFA6選
銀行業界におすすめのSFAをいくつか紹介します。いずれも評価の高いシステムなので、気になる製品があれば、積極的に資料請求や問い合わせをしてみましょう。
Salesforce Sales Cloud
- 企業の環境にあわせてカスタマイズが可能なシステム
- AIによる精度の高い顧客分析と営業プロセスの自動化で営業効率を向上
- 月額3,300円からと低予算でも導入しやすい価格設定(※)
Salesforce Sales Cloudは企業環境に合わせた柔軟なカスタマイズが可能なCRM/SFAシステムです。AIによる精度の高い顧客分析や営業プロセスの自動化により、営業効率を大幅に向上させます。
またモバイルアプリにも対応しており、外出先からもリアルタイムに顧客情報や商談状況の確認・更新が可能です。柔軟なカスタマイズにも対応し、月額3,300円から利用できるプランもあるため、企業規模や業種を問わず導入しやすいシステムです。
さらに、セールスフォース・ジャパン社が提供する豊富なツールと連携できることが強みです。たとえばMarketing Cloudというツールを使うと、カスタマージャーニーの構築やメルマガの配信、プッシュ通知、ソーシャルメディアへの配信といったマーケティング施策が実行できます。
※株式会社セールスフォース・ジャパン(2025年1月時点)
GENIEE SFA/CRM
- 営業フローに合わせた豊富な管理機能
- データ分析機能による営業アプローチの提案
- コンプライアンス対応と情報管理の強化
GENIEE SFA/CRMは金融機関の営業フローに最適化された管理機能を備えており、取引履歴や契約状況、顧客の資産状況を一元的に管理できます。営業担当者は、顧客ごとの情報をリアルタイムで確認し、最適な提案を行うことが可能です。
AIを活用したデータ分析機能を備えており、顧客の行動履歴をもとに、最適なアプローチのタイミングや提案内容を導き出すことができます。これにより、見込み客の成約率を高め、収益向上につなげることが可能になります。
GENIEE SFA/CRMは、アクセス権限の細かい設定や承認フローの自動化により、情報管理の厳格な運用が可能です。また、商談履歴や契約内容をシステム上で記録・監査できるため、法規制に準拠した営業活動を確実に実施できる環境を提供します。
Sansan
- 名刺管理を活用した高精度な顧客データベースの構築
- 高度なセキュリティとコンプライアンス対応
- 既存のCRMとのスムーズな連携で営業活動を強化
Sansanの名刺管理機能を活用することで交換した名刺を高精度でデータ化し、組織内で共有できる顧客データベースを構築できます。これにより、営業担当者が異動や退職しても、顧客情報が社内に蓄積され、引き継ぎの負担を大幅に軽減できます。
また、高度なセキュリティ対策が施されており、金融機関の厳格なコンプライアンス基準を満たすシステムとして評価されています。たとえば、アクセス権限の細かい設定、情報の暗号化、操作履歴の記録などにより、個人情報や機密情報の適切な管理を実現しています。
名刺情報をSansanで一元管理し、そのデータを既存のCRMに連携させることで顧客情報の入力作業を削減し、営業担当者の業務負担を軽減します。
AppSuite(アップスイート)
- プログラミングの知識不要の柔軟なカスタマイズ性
- 高度なデータ管理とワークフロー機能で情報の属人化を解消
- 統合的な顧客管理でクロスセルやアップセルがしやすい
AppSuiteはノーコード・ローコードで自由にアプリをカスタマイズできるため、金融機関の業務に最適なSFAを構築できます。
SFA機能とワークフロー機能を組み合わせることで営業活動の一元管理を実現します。これにより、顧客対応履歴や商談進捗がチーム全体で共有され、情報の属人化を防ぎ、スムーズな引き継ぎが可能になります。
顧客の全体像を一元的に把握できる顧客管理機能を提供しており、銀行の営業担当者は顧客のニーズに応じた金融商品を提案しやすくなります。顧客の過去の取引履歴や金融商品利用状況をもとにクロスセルやアップセルを実現できるため、売上の向上にもつながります。
BankNeo for CRM / SFA
- 操作性に優れ、顧客と向き合う時間を創出
- 一元管理で即時にデータを確認でき提案力を強化
- 渉外担当者のサポートと情報のリアルタイム共有
BankNeo for CRM / SFAは使いやすさを徹底追求して設計されています。業務の自動化と効率化により、セールススタッフは煩雑な事務作業から解放され、「顧客と向き合う時間」を増やすことができます。
タブレット端末を活用すれば、案件状況が一目で把握できます。営業チームは迅速に戦略的な判断を下し、成果を出すための行動計画を立てることが可能です。詳細なシミュレーションを行うことが可能で、ワンランク上の提案活動を実現します。
渉外担当者が外出先で登録した情報をリアルタイムで管理者が確認できる機能を提供しています。これにより上司や同僚は報告を待たずに最新の動向を素早く把握でき、必要に応じて即時のサポートが可能です。
F3(エフキューブ)
- 総合的な顧客データ管理と活用の最適化
- 柔軟な顧客接点と連続的な関係構築
- 自由な条件に基づく詳細データ検索
F3(エフキューブ)は顧客情報の効率的な管理と活用を可能にするCRMです。金融機関のビジネスモデルに適応しながら、顧客データを集約し、これを基にした詳細な分析が可能です。
顧客のニーズに応じて接点をカスタマイズする機能を提供します。申込みから契約までのプロセスをデジタル化して簡素化し、顧客満足度を向上させます。さらにAPIを活用して外部データと連携し、よりパーソナライズされたサービス提供が可能です。
F3(エフキューブ)のデータベースは自由な検索条件を設定できるため、特定の顧客セグメントや市場ニーズに応じたデータ抽出が可能です。定例検索や見込み先の抽出も容易で、これにより効率的なマーケティング活動と営業戦略の策定が実行できます。
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