SFAとは、顧客情報や商談情報などの営業情報を一元管理する営業支援システム。限られた時間で成果を出すことが重要視される現代において、SFAを新たに導入する企業は年々増加しています。
なかでもAI搭載のSFAは、パターン化された営業業務を自動化できるため、より業務の効率化を図ることが可能です。
そこで本記事では、AI搭載のおすすめSFAを4製品紹介し、選び方から導入のメリット・デメリットまで詳しく解説していきます。
SFAにおけるAI機能とは
SFAにおけるAI機能は営業チームがより効率的で効果的に業務を進められるように支援する高度な技術です。
AIは営業データや顧客情報をリアルタイムで分析し、予測や提案を行うことで、営業活動を最適化します。これにより、営業担当者はデータに基づいた意思決定を行い、時間やリソースを無駄にすることなく、成果を最大化できます。
以下はSFAにおけるAI機能の具体例です。
機能 | 特徴 |
---|---|
成約確度の予測 | AIが過去の商談データを分析し、現在の案件の成約確度をスコアリングします。 |
アラート機能 | AIが顧客の行動履歴を分析し、営業担当者に「今フォローすべき」というアラートを出します。 |
自動データ入力・情報整理 | 商談メモやメール、名刺情報をAIが解析し、自動でSFAに入力・整理します。 |
会話解析・音声認識 | 商談の録音データをAIが解析し、営業トークの改善点を提示します。 |
SFAにおけるAI機能は営業の戦略立案や商談の進行をサポートするツールとして、営業力を高めるために欠かせない要素です。
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AI搭載のSFAでできること
SFAにAIが搭載されることにより、営業プロセス全体の生産性と効率性が飛躍的に向上します。具体的には、営業データの予測分析や次に取るべき最適なアクションの提案、自動化機能によって業務負担を軽減することができます。
営業データの予測分析
AI搭載のSFAは過去の営業データを分析し、未来の売上や商談の進展状況を予測する機能を備えています。これにより、営業チームは今後の売上目標を達成するために、どの商談に注力すべきかを明確に把握できます。
AIは顧客の行動パターンや過去の商談結果をもとに成約の可能性が高い案件を特定し、売上の予測を提供します。この予測情報を活用することで、営業戦略をよりデータに基づいて立案し、リソースの最適化が可能になります。
最適な次の行動提案
AI搭載のSFAでは営業担当者が次に取るべきアクションを提案します。商談の進捗状況や顧客との関係性に基づき、どのタイミングでフォローアップを行うべきか、どのようなアプローチが最適かをAIが導き出します。
この機能により、営業担当者は感覚や経験に頼ることなく、AIが提示する最適な行動計画に従って商談を進めることができ、成功率が高まります。また、営業活動が体系的に進むため、個々の営業担当者のパフォーマンスも向上します。
新規顧客を自動で特定
AIは顧客データや市場動向を分析することで、最もアプローチすべき新規顧客を自動で特定します。
営業チームはターゲット顧客を自分たちで一から探し出す手間を省き、AIが提供するリストをもとに効率的に新規開拓を進めることができます。これにより、営業担当者は無駄なく新規顧客をターゲットにでき、アプローチの効率が格段に向上します。
商談に使える文書の自動生成
商談に必要な文書を自動生成する機能も提供しています。この機能の特徴はAIが顧客との過去のやり取りや商談履歴を基にして、状況に応じた適切な文書を自動的に作成できる点です。営業担当者が手動で文書を作成する手間を省くだけでなく、商談に必要な文書が常に正確で一貫性のある内容で提供されるため、営業活動の効率が大きく向上します。
営業活動のパフォーマンス分析
AI搭載のSFAは営業チーム全体のパフォーマンスをリアルタイムで分析し、営業活動の改善点を示します。営業担当者の活動を追跡し、成約率や商談の進行状況をもとに、どの営業手法が効果的だったのか、どの部分に改善の余地があるのかをAIがフィードバックします。
このデータに基づいて、営業戦略や個々の担当者への指導が行えるため、営業チーム全体の業績向上に繋がります。また、パフォーマンス分析は、営業プロセス全体の効率化にも寄与します。
AI搭載のSFAを導入するメリット
AI搭載のSFAを導入することで営業の成功パターンが分析でき、成果を上げやすくなるだけでなく、パターン化された営業業務を削減できます。また、AIにいよるデータの自動整理機能により、ナレッジの共有がスムーズになったり、顧客へ最適な提案ができることで顧客満足度の向上につながったりします。
営業の成功パターンが分析でき、成果を上げやすくなる
AI機能は無数の営業活動を自動で分析し、成功パターンを明らかにしてくれるというメリットがあります。
成功をパターン化させることで再現性が高くなるため、一定の成果を上げ続けることができる営業体制が実現します。
優秀な営業マンのノウハウを全ての従業員に共有できるので、企業全体の売り上げ向上を図ることができるでしょう。
パターン化された営業業務を削減できる
営業アシスタントなどのパターン化された営業業務は、AI機能によって大幅な削減が可能です。たとえばデータの収集や登録、検出などの業務は、すべてAIによって自動化でます。
アシスタント業務に費やしていた時間を他の業務に割くことができるため、会社全体の生産性の向上はもちろん、人件費の削減にもつながるでしょう。
ナレッジの共有がスムーズになる
AI搭載のSFAは営業担当者が蓄積したデータを自動で整理し、組織全体で活用できる形にします。たとえば、成功した営業トークや効果的な提案資料をAIが解析し、他のメンバーにも共有することで営業スキルの属人化を防ぎます。
また、新人営業担当者も過去の成功事例を活用しながらスムーズに業務を進められるため、チーム全体の営業力が向上します。
顧客満足度の向上につながる
AIを活用することで顧客のニーズをより正確に把握し、最適な提案ができるようになります。過去の購買履歴や問い合わせ内容をAIが分析し、個々の顧客に合った製品やサービスを提案することで、「営業が自分のことをよく理解してくれている」と感じてもらいやすくなります。
また、適切なタイミングでフォローをおこない、迅速な対応が可能になることで、顧客との信頼関係を築きやすくなります。その結果、リピート率の向上や口コミによる新規顧客の獲得にもつながります。
AI搭載のSFAの活用例
AI搭載のSFAの活用例を3社紹介します。
リードタイムを削減し、顧客フォローを改善
株式会社パフは顧客フォロー改善のためにSFAのAI機能を活用しました。予定の登録機能を活かしてスケジュール管理を徹底し、メールの送信履歴の自動記録機能を用いることリードタイムを一カ月に短縮。新たな商談のきっかけ作りを実現しました。
導入前の課題
- 提案からクロージングまでのリードタイムが長すぎる
- さまざまなツールの併用で営業業務が複雑化
クロージングに平均3ヶ月かかっており、この長さが顧客の熱量の低下や失注を引き起こしていました。営業担当者が他のタスクに追われる中で、クライアントへのフォローが後回しになり、結局は商談が遅延してしまうケースが多かったです。
他社SFA/CRMとExcelを併用していたものの、顧客情報データベースとしての役割しか果たせておらず、案件管理に活用されていませんでした。そのため、営業活動の効率化が進まず、情報の整理や共有が手間となっていました。
導入後の効果
- リードタイムを一カ月に短縮
- 顧客フォローの改善
営業アクションの予定登録を徹底し、その実行状況をペアでチェックする仕組みが導入されたことにより、リードタイムが1ヶ月に短縮されました。これにより、営業担当者が顧客への連絡を忘れずに実行するようになり、商談の進行がスムーズになりました。
Mazrica Salesでは、メールの送信履歴がシステムに記録されるため、どの顧客にどのメールが送られたかを簡単に確認できるようになり、情報共有がスムーズになりました。さらに、データを一括管理できるようになったことで、手厚くフォローすべき顧客を抽出でき、その結果、新たな商談のきっかけを作り出すことができました。
情報の一元化によるマーケティング施策の効果を可視化
TIS株式会社はマーケティング施策の効果を可視化するためにSFAのAI機能を活用。顧客情報や営業情報を一元化し、マーケティング施策に関する情報を紐付けすることで施策の効果の可視化を実現しました。
導入前の課題
- 情報共有の不足
- マーケティング施策の効果が不明
施策が案件化しているのか、営業に引き継いだ後にどう進展したのかなどといった情報共有ができていなかった。そのため、施策がどのように成果につながったか把握できず、改善に繋げることができなかった。
導入後の効果
- 情報共有とデータ活用の促進
- マーケティング施策の可視化
すべての顧客情報や営業活動が一元化され、社員全員が同じ情報にアクセスできるようになった結果、社内でのコミュニケーションや情報交換が円滑になりました。
また、マーケティング施策に関する情報がシステムに記録され、案件にキャンペーンコードを紐づけて管理することができるようになりました。これにより、キャンペーン別の案件数や受注率などをリアルタイムで可視化でき、施策の効果を簡単に把握することが可能になりました。
顧客情報や売上に関する情報を一元管理
Spready株式会社は社内の顧客情報や売上に関する情報を一元管理するためにSFAのAI機能を活用。案件ボードの活用で営業管理やタスクの進捗を把握することで、導入から数カ月で顧客情報や売上の一元管理体制を実現しました。
導入前の課題
- 進捗管理が属人的になりやすい
- 営業活動の透明性が低い
エンタープライズ領域の営業活動では担当者との信頼関係が重要となり、営業プロセスが個人に依存しやすい傾向がありました。そのため、営業の進捗状況が可視化されにくく、チーム全体での共有が難しくなっていました。
また、営業活動の透明性が低く、営業プロセスを一元管理し、誰がどの案件をどの段階で進めているのかを明確にすることが求められていました。
導入後の効果
- 顧客情報を一元管理し、透明性の確保を実現
- 『案件ボード』を活用し、受注前・受注後の管理や社内タスクの進捗を直感的に把握可能に
『案件ボード』を活用することで、受注前後の営業管理や社内タスクの進捗を直感的に把握できるようになり、売上管理も一元化されました。
さらに、顧客情報も導入から数カ月で一元管理可能な体制が構築できたため、社内の情報共有がスムーズになり、透明性の確保にもつながっています。
AI搭載のSFAを導入する際の注意点
AI搭載のSFAはメリットだけでなく、性能がデータの品質に左右されたり、従業員にもある程度のAIリテラシーが求められたりするデメリットもあります。また、AI非搭載のSFAに比べて高額になる傾向があるので、費用対効果を見極めながら慎重に導入を検討する必要があります。
AIの性能は入力されるデータの品質に依存する
AI搭載のSFAを導入する際のデメリットの一つとして、AIの性能は入力されるデータの品質に大きく依存することが挙げられます。AI機能を最大限に活用するためには、正確で整合性のあるデータが必要です。
AIは大量のデータを基に学習し、パターンや傾向を把握します。そのため、データが不完全であったり、一貫性がない場合、AIの予測精度が低下する可能性があります。たとえば、営業履歴データが一貫していない場合、新しい商談の提案やフォローアップに関するアドバイスが不正確になることがあります。
使いこなすには従業員のAIリテラシーが必要となる
AI機能を最大限に活用するためには、営業担当者や管理者が適切なスキルや知識を持っていることが重要です。
AI搭載のSFAはデータの分析や予測機能、提案機能などを含んでいますが、これらの機能を活用するためにはAIの基本的な理解が必要です。従業員がAIがどのように動作するかを理解していない場合、提供されるデータの意味やAIの出す提案の妥当性を正しく評価できない可能性があります。
導入コストが高額になる場合がある
AI搭載のSFAは導入コストが高額になる場合があります。AI搭載のSFAは、AI非搭載のSFAの機能を超えて、データ解析、予測、提案などの高度な機能を提供しているため、AI非搭載のSFAよりも高額になる傾向にあります。
企業はコストを慎重に見積もり、AI機能の導入が自社の営業プロセスにどれだけの価値をもたらすかを評価することが重要です。費用対効果を考慮し、最適なSFAを見極めましょう。
AI搭載のSFAの選び方
AI搭載のSFAを選ぶ際は、必要なAI機能が搭載されているかや既存データとの連携は容易かを確認しましょう。
必要なAI機能が搭載されているか
AI搭載のSFAを選ぶ際に重要なのは、自社の営業活動に必要なAI機能が搭載されているかどうかを確認することです。
たとえば、次のアクションのタイミングや内容を高精度でアドバイスしてくれる機能が必要なのか、顧客データの整理や管理やリードスコアリングの自動化などが必要なのかで選ぶべき製品が変わってきます。導入を失敗しないためには、AIに任せたい業務とそうではない業務を仕分け、必要な機能を明らかにしておくことが重要です。
既存データとの連携がスムーズにおこなえるか
AI搭載のSFAを選ぶ際には、既存の営業データとスムーズに連携できるかどうかも重要なポイントです。営業活動においては、過去のデータや顧客情報の整理が欠かせません。AI機能が有効に活用されるためには、これらのデータとの連携がスムーズであることが必要不可欠です。
さらにSFAが提供するデータインポート・エクスポート機能の確認が必要です。CSVファイルのインポート機能やAPI連携ができるかどうかは、新しいシステムにスムーズに移行するために重要です。
AI搭載のおすすめSFAを4製品紹介します。
製品 | 特徴 |
Salesforce Sales Cloud | 営業の活動記録や売上予測など、あらゆる業務を自動化できる |
Sales Force Assistant | AI秘書機能で一人ひとりに合わせた営業支援が可能 |
Eight Team | 名刺情報をAIで簡単にデータ化し、共有できる |
Mazrica Sales | AIがリスク分析や類似案件をアドバイス |
Salesforce Sales Cloud

- 企業の環境にあわせてカスタマイズが可能なシステム
- AIによる精度の高い顧客分析と営業プロセスの自動化で営業効率を向上
- 月額3,300円からと低予算でも導入しやすい価格設定(※)
Salesforce Sales Cloudは企業環境に合わせて柔軟にカスタマイズができるSFAシステムです。AIによる精度の高い顧客分析や営業プロセスの自動化によって、営業効率を大きく向上させられます。
またモバイルアプリにも対応しており、外出先からもリアルタイムで顧客情報や商談状況の確認・更新が可能です。さらに、柔軟なカスタマイズが可能であり、企業の規模や業種に応じたプランが用意されており、月額3,300円から利用できるため、多様な企業にとって導入しやすいシステムです。
さらに、セールスフォース・ジャパン社が提供する豊富なツールと連携できることが強みです。たとえばMarketing Cloudというツールを使うと、カスタマージャーニーの構築やメルマガの配信、プッシュ通知、ソーシャルメディアへの配信といったマーケティング施策が実行できます。
※株式会社セールスフォース・ジャパン(2024年5月時点)
料金 |
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Sales Force Assistant

- 顧客情報や案件情報をもとにAIが営業をアシスト
- 商談内容を集約した「一日一覧」機能あり
- 新たな顧客との出会いに有用なリレーションマップ
Sales Force Assistantは現場の営業社員をサポートするSFAです。AIによって、顧客管理や商談管理、案件管理やクレーム管理などの情報をもとに営業活動をサポートしてくれます。
各担当者の商談内容は「一日一覧」の日報画面に集約され、連絡事項やスケジュールなども共有されます。マネージャーはこの日報を確認するだけで、営業担当者の状況を把握できるでしょう。
カスタマーシート、コンタクトマップ、リレーションマップを使うことで、顧客間のつながりを可視化。既存顧客から新規顧客を紹介してもらうなど、新たなつながりをつくれる可能性があります。
料金 |
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Eight Team

- 5,000社以上の中小企業への導入実績(※)
- シンプルな名刺管理機能
- 外部サービスとの連携で名刺情報のさらなる活用へ
「Eight Team」は5,000社以上の中小企業に選ばれている、ビジネスネットワークのためのSFAです(※)。大量の名刺情報を一元管理でき、部門横断的に活用できる点が評価されています。
名刺を撮影するだけで、AIによる情報のデータ化・共有が可能。全ての出会いを見込み顧客につなげ、営業のチャンスを広げることができます。
HubSpot(CRM)と連携させることで、名刺情報を営業はもちろん、カスタマーサービスからオペレーションにまで活用することも可能です。また、kintoneと連携すれば名刺情報を案件や顧客管理に活用することができます。
※Sansan株式会社(2025年3月時点)
料金 |
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Mazrica Sales

- 2,800社以上で利用されているSFAシステム(※)
- AIによる過去の類似案件分析で次回アクションを推奨
- Gmailとの連携で自動情報取り込みとメール履歴管理が可能
Mazrica Sales(マツリカセールス)は、2,800社以上で利用されているSFA/CRMシステムです。取引先の企業情報や財務情報など多くの情報を自動取得し、常に最新の情報を確認できます。営業の進捗はカード形式で表示され、ひと目で把握可能です。
またAIが過去の類似案件から想定されるリスクを示したり、最適な次回アクションを提案してくれます。さらにGmailと連携することで、メールから自動的に必要な情報を取り込み、手入力の負担を減らせます。メールの履歴管理もできるため、営業担当の変更時にも過去のやり取りを簡単に確認できます。
※株式会社マツリカ(2024年12月時点)
料金 |
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