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労働基準法が定める年間休日の考え方│最低ラインは105日

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最終更新日: 2024年06月28日

労働者を雇う際は、労働基準法に基づき規定の休日を設ける必要があります。年間休日の最低ラインを割ってしまうと、法的な罰則や従業員から訴訟を起こされるリスクがあるため注意しましょう。

人事の担当者や経営者は、労働基準法における休日のルールや年間休日の最低ラインについての理解を深め、より働きやすい職場を実現させましょう!

年間休日の平均日数は?

年間休日の平均日数は120日前後であるといわれています。しかし業界や職種によって差があります。

年間休日の最低ラインは?

年間休日の最低ラインは105日です。しかし条件によっては105日以下でも違法でない場合があるため、詳しくは記事内を参考にしてください。

年間休日の最低ラインは105日

パソコンで仕事中の女性

年間休日は「毎週1日」または「4週間を通じて4日間」の設定が最低ラインです。

1日8時間勤務の場合、年間休日の最低ラインは105日ですが、多くの企業が週休2日制の120日前後を採用しています。

「毎週1日」または「4週間を通じて4日間」の設定が必要

労働基準法では「法定休日は少なくとも毎週1日、または4週を通じて4日以上」「労働時間の上限は週40時間」と定められてます。

これらの条項を守れていれば、休日数を何日に設定するかは経営者の判断になります。

また「週休制の法則」による法定休日以外に、就業規則によって夏季休暇・年末年始休暇・祝日が定められている場合は、年間休日としてカウントされます。

週休2日制を採用すれば年間休日は「120日」前後

週休2日制を採用している一般的な企業が労働基準法をもとに設定している年間休日の平均日数は「120日前後」です。

1年間では104日前後の土日があり、それに16日間の祝日を合わせれば120日。さらに夏季休暇や年末年始休暇を設定している企業であれば、年間休日は120日以上となります。

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労働基準法が定める年間休日とは

ビジネスマン オフィス 夜 デスクワーク

労働基準法では休日・休暇に関する規定が定められています。それぞれの用語の意味を踏まえて、休日のルールについて理解していきましょう。

法定休日と法定外休日

法定休日とは「法律で定められている休日」、法定外休日とは「法律で定められていない休日」です。労使間の取り決めで定めた法定休日以外を法定外休日と言い、所定休日と呼ぶ会社もあります。

法定休日とは「週に1日以上、または4週間に4日以上の休日」を指し、リフレッシュ休暇やアニバーサリー休暇などの会社が独自に定めている休日は、法定外休日として扱われます。

夏季・年末年始休暇は年間休日に含まれる

就業規則により休日として定められている場合、夏季休暇や年末年始休暇は年間休日に含まれます。

ただし年間休日は社員全員に適用される休みでなければならないため、社員に向けた休暇取得の徹底が重要となります。

有給休暇は年間休日に含まれない

有給休暇は法定休日であるものの、会社が定める公休日ではありません。同じ会社で働いていても、人によって付与される日数や取得できる時期が異なるからです。

年間休日とは、条件に関わらず労働者全員が取得できる最低日数を指します。そのため個人によって取得日数が異なる有給休暇は年間休日には含まれません。

休日出勤時の給与計算について

法定休日と法定外休日で労働した場合、賃金の割増率が変わります。

法定休日に労働する場合は、割増率が35%以上となり、時間外労働に対する時間外手当はつきません。

法定外休日の場合は、週の労働時間が40時間を超えた際に25%以上の割増賃金が発生し、40時間を超えていない限り割増賃金は発生しません。

さらに休日・法定外休日で深夜に労働した場合には、25%の深夜手当が加算されます。

法定休日で深夜に働いた場合は35%+25%(深夜手当)。法定外休日では25%+25%(深夜手当)となります。

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年間休日の最低ライン105日のメリット・デメリット

街角のビジネスウーマン

経営者からすれば、従業員の休日を少なく設定することは一見するとメリットのある行為に思えるかもしれません。

しかし一般的な企業の平均休日は120日前後であるため、105日は少ないという印象を持たれてしまうデメリットもあります。

メリット・デメリットを把握したうえで、自社に合わせた適切な休日日数を設定しましょう。

105日休日のメリット

繁忙期の人員調整や作業の調整を行いやすくなる点は、年間休日を105日にするメリットです。

休日を多く設定すれば交代要員として社員をその分多く雇わなければならないため、人件費や採用コストを抑えることもできます。

飲食業や旅行業などの業界は、季節や時期で業務の忙しさが異なるため、休日を法定休日である105日ギリギリに設定している企業も多いです。

休日を105日に設定している企業は、繁忙期に出勤数を増やし、閑散期にまとめて休日を取ることでバランスを維持しましょう。

105日休日のデメリット

休日を少なめに設定している場合、求人で採用者が集まらない可能性が上がります。

前述したとおり一般的には120日前後を年間休日に設定している企業も多いため、ブラックという印象を与えてしまうことがあります。給与面や福利厚生などの待遇が良くても、休日が少ないというだけで敬遠してしまう求職者も…。

また105日の場合「満足な休みがとれない」「友人や家族との時間がとれない」といった理由から、モチベーションの低下や離職率向上にもつながりやすくなります。

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年間休日が105日以下でも違法にならないケース

ビジネスウーマン、オフィス

年間休日が105日以下になると、労働基準法違反として罰則が科されます。ですが条件次第では105日以下の休日でも労働基準法違反にはなりません。

どういった条件であれば違反にならないか、しっかり理解しておきましょう。

週の労働時間が短い場合

労働時間が1日8時間以内・週40時間内であれば、労働基準法には抵触しません。

例えば1日6時間労働を週に6日勤務した場合、1週間の労働時間は36時間となります。この働き方であれば年間休日は52日前後。しかし週に1日以上の休日を挟む週6日勤務という形式であれば、労働基準法には抵触しません。

つまり、労働時間を短く設定すれば年間の休日数が少なくとも罰則の対象とはならないのです。

36協定を締結している場合

36協定では時間外労働の上限を月45時間、年360時間と定められており、この範囲内であれば休日数が少なくとも違法ではありません。

36協定とは時間外労働や休日労働に関する協定のことです。

時間外労働や休日労働に対して法所定の割増賃金を支給することで、36協定の上限までは労働基準法に違反しなくなります。

時間外労働の上限は月45時間・年360時間。複数月平均が80時間以内(休日労働を含む)、月100時間未満(休日労働を含む)、月45時間を超えるのは年間6カ月までです。

関連記事:36協定とは?時間的な要件や罰則、対策方法をわかりやすく解説│ミツモア

年間休暇の有給休暇を含めて設計している場合

年5日は必ず有給を取得する有給義務化を活用し、年間休日100日と年次有給休暇5日を合わせて105日にすることも可能です。

フルタイム労働者の場合、有給休暇は入社後6ヶ月働くと10日もらえます。フル消化は難しい場合でも、有給義務化によって年5日は必ず有給で休めるため105日になるというわけです。

ただし前提として、労働基準法36条をクリアしていることが必須なので、該当者の出勤状況には注意を払いましょう。

特殊な労働形態を採用している場合

変則労働制を採用している場合は、労働時間は1日単位ではなく月単位や年単位で換算されるため、年間休日105日の適用外となります。

旅行業界やタクシー業界、ホテル業界など、繁忙期と閑散期がある企業に向いていると言えるでしょう。

またフレックスタイム制や裁量労働制を採用している場合にも、年間休日の取り決めの適用外となることがあります。

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年間休日が105日以下で違法になった場合の罰則

レッドカードを提示する男性

労働基準法による年間休日の取り決め適用内である働き方を採用している場合、年間休日が105日以下は法定休日の付与義務違反となります。

6か月以下の罰金または30万円以下の罰金を支払う必要があります。時間外・休日及び深夜の割増賃金支払い義務違反も同じです。

36協定を締結していたとしても、違反した場合には罰金を支払うこととなり、上記動揺6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

労働基準法違反になるケースや罰則について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

関連記事:労働基準法違反となる9つのケース 違反事例や労働者ができる対応も紹介|ミツモア

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