CRM(Customer Relationship Management)とは「顧客管理のためのシステム」のことです。病院でCRMを導入し患者の情報を集約すると、地域の医療施設との情報共有、救急医療や転院の際の引き継ぎがスムーズになることが期待できます。そのため近年では一般企業だけでなく、病院でもCRMを導入する例が増えています。
そこで本記事では病院・医療業界におすすめのCRM9選を紹介。選ぶポイントや導入事例も解説します。
病院・医療業界におすすめのCRM9選
病院や医療業界におすすめのCRMを9製品紹介します。
製品 | 特徴 |
foro CRM | 患者・医師データを管理し、地域医療連携が実現 |
medigle | 全国200以上の病院が導入する無料の連携システム |
Salesforce Health Cloud | 診察からアフターフォローまでの一貫管理が可能に |
eセールスマネージャー | スマホ・タブレットに対応、医療業務をしながら使える |
ペイシーメール | 来院情報を集約・分析し、経営の黒字化に役立つ |
Synergy! | セキュリティ対策が豊富、安心して患者データを管理できる |
Zoho CRM | 顧客とのやりとりを一元管理し、医療機関への販売促進につながる |
Oracle NetSuite | 営業活動全体を可視化、医薬品・医療機器の売上に貢献 |
ALL-IN | 請求書発行までひとつで完結。部署をまたがず顧客情報を管理 |
CRM選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想のCRMが見つかります。 |
「foro CRM」患者・医師データを管理し、地域医療連携が実現
「foro CRM」はメダップ株式会社が2019年にリリースしたCRMです。主な活用事例として、地域医療連携があります。「連携先管理機能」「連携先マップ機能」では、各医療機関のデータを一元管理でき、管理機能で医師情報の確認も可能です。
過去のコミュニケーション履歴の入力スペースもあり、患者ごとの細かいデータベースが作成できます。すでにデータ化されている電子カルテの情報を利用できることもあり、導入後の初期設定もしやすいでしょう。
利用料金は個別に相談の上提案されます。初期設定や利用方法に迷わないよう「定着支援プログラム」が組まれており、利用時の疑問点を確認できるところも魅力です。
価格 | 要問合せ |
無料トライアル | – |
患者情報の一元管理 | 〇 |
データ分析 | 〇 |
スマホ対応 | – |
サポート体制 | 定着支援プログラム(利用開始後1~2か月) |
セキュリティ対策 | SSL/TLS通信暗号化、国際標準規格「ISO/IEC 27001(ISMS)」の認証取得 |
「medigle」全国200以上の病院が導入する無料の連携システム
「medigle (メディグル)」は全国の医科・歯科施設データベースを利用できるCRMサービスです。全国200以上の病院で導入実績があり、特定機能病院や地域医療支援病院、DPC対象病院を中心に活用されています。施設情報は日々更新され、開院・閉院情報が共有できる点もメリットといえるでしょう。
営業活動のデータ化や紹介・逆紹介のデータ分析も可能で、診療科や施設ごとに実績の分析や効果検証が行なえます。連携先機能だけでなく、院内でも活用しやすい機能がそろっています。
無料アカウントを発行するだけで利用が開始できるため、コスト面での敷居が低い点も魅力です。有料サービスの概要や他院の事例を知りたいときは、無料の個別説明会も行われています。
価格 | 基本0円 |
無料トライアル | – |
医療機関情報の一元管理 | 〇 |
データ分析 | 〇 |
スマホ対応 | 〇 |
サポート体制 | 電話、メール、オンライン全て対応可能 |
セキュリティ対策 | 〇 |
「Salesforce Health Cloud」診察からアフターフォローまでの一貫管理が可能に
「Salesforce Health Cloud」はアメリカ、サンフランシスコに本社を置くSalesforce社の日本法人が提供するCRMプラットフォームです。
医療機関だけでなく、保険・製剤・医療機器と幅広い分野に向けたプラットフォームを展開しています。医療機関向けのサービスでは患者の情報管理が主な機能で、電子健康記録データをはじめ、今後の治療計画や患者の好みも記録できます。
Salesforce社はヘルスケア業界以外にも多くのCRMプラットフォームを提供しており、一般企業や金融機関での利用実績もあります。カスタマイズにも対応し、年3回の自動更新が行われるなどアップデート機能も充実です。
価格 | 要問合せ |
無料トライアル | 30日間 |
患者情報の一元管理 | 〇 |
データ分析 | 〇 |
スマホ対応 | 〇 |
サポート体制 | 要問合せ |
セキュリティ対策 | 要問合せ |
「eセールスマネージャー」スマホ・タブレットに対応、医療業務をしながら使える
- 5,500社超、185業種以上の幅広い企業で導入実績を誇るSFA
- スマホアプリで営業活動を報告し、1回の入力で顧客情報などに一括反映
- 導入から運用定着まで専任の活用アドバイザーが徹底サポート
eセールスマネージャー Remix Cloudは5,500社以上、185業種以上の幅広い企業に導入されているSFAです(※)。スマホアプリで営業活動を報告し、1回の入力で顧客情報、タスク管理、活動履歴などに一括反映される「シングルインプット・マルチアウトプット」機能により、営業担当者の入力負担を軽減します。
また専任の活用アドバイザーが徹底的にフォローし、稼働と定着まで3カ月間でオンボーディングできるように支援を実施するなど、手厚いサポート体制も特徴です。
※2024年5月時点
価格 |
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無料トライアル | – |
患者情報の一元管理 | 〇 |
データ分析 | 〇 |
スマホ対応 | – |
サポート体制 | 導入サポート、稼働サポート、定着サポート |
セキュリティ対策 | – |
「ペイシーメール」来院情報を集約・分析し、経営の黒字化に役立つ
「ペイシーメール」は患者の来院情報やデータ分析に特化したCRMツールです。病院では、患者の継続的な来院が利益につながります。
個別の来院情報をデータ化することで、マーケティングが可能です。継続来院している人と、途中で来院しなくなった患者の違いをデータから分析できます。
データ分析だけでなく、チェックしなければならない項目の分析結果を配信し、実行できる支援やノウハウを提供するまでがペイシーメールの役割です。「来院しなくなる患者が多いけれど、何を変えればよいか分からない」という場合でも、活用できるでしょう。導入費用は150,000円、月額29,800円です。
価格 | 導入費15万円、月額2万9,800円 |
無料トライアル | – |
患者情報の一元管理 | 〇 |
データ分析 | 〇 |
スマホ対応 | 〇 |
サポート体制 | – |
セキュリティ対策 | – |
「Synergy!」セキュリティ対策が豊富、安心して患者データを管理できる
- 無駄のない使いやすい管理画面と高いセキュリティが特徴の国産CRM
- WebやECサイト、SNSなどさまざまな経路からの顧客データを一元管理
- 蓄積データをもとにメールやLINEでのターゲティング配信を自動で実現
Synergy!(シナジー)は、集客から顧客情報の一元化、プロモーション、分析まで一貫して行える国産CRMツールです。
必要な機能のみに厳選した使いやすい管理画面と高いセキュリティが特徴で、WebサイトやECサイト、SNSなどさまざまな経路からの顧客データを集約して管理可能です。
また蓄積したデータをもとに、メールやLINEでの指定タイミングやターゲティングでの自動配信が可能で、効果的な顧客へのマーケティング活動を実現します。
価格 | 初期費用11万8,000円、月額1万5,000円~ |
無料トライアル | – |
患者情報の一元管理 | 〇 |
データ分析 | 〇 |
スマホ対応 | 〇 |
サポート体制 | サポートセンター、活用支援サービス |
セキュリティ対策 | 不正アクセス検知、暗号化、権限設定、操作ログ、強制ログオフ、二重ログイン検知 等 |
「Zoho CRM」顧客とのやりとりを一元管理し、医療機関への販売促進につながる
- 全世界で25万社が導入している営業支援ツール(※)
- タスクのリマインダー機能とAIによる最適な連絡時間帯の提案で営業効率化
- 初期費用ゼロで月額2,640円から利用可能(※)
Zoho CRMは、全世界で25万社以上に導入されているCRM/SFAです。導入効果として1人あたりの売上高が41%向上したというアンケート調査結果もあります(※)。
タスクのリマインダー機能で対応漏れを防止できるほか、AIが取引先との過去のやりとりから最もつながりやすい連絡時間帯を自動で提示。
また初期費用は0円で料金月額2,640円で利用可能です。しかも柔軟なカスタマイズが可能なため、自社に最適な形で利用できます。
※ゾーホージャパン株式会社(2024年5月時点)
価格 |
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無料トライアル | 15日間 |
患者情報の一元管理 | 〇 |
データ分析 | – |
スマホ対応 | 〇 |
サポート体制 | ウェビナー、サポートサービス、ユーザーコミュニティ |
セキュリティ対策 | 要問合せ |
「Oracle NetSuite」営業活動全体を可視化、医薬品・医療機器の売上に貢献
- 360度の顧客ビューで関係性を強化
- ERP、CRM、Eコマースを統合したオムニチャネル
- 217ヵ国以上の導入実績で世界対応
Oracle NetSuiteは、顧客の全体像をリアルタイムで把握可能な顧客管理システムです。見込み客から販売、サポートまでの全プロセスを一元管理し、顧客との関係強化に貢献します。
ERP、CRM、Eコマースを統合し、オムニチャネル戦略を強化でき、異なる販売チャネル間での顧客体験を一貫性あるものにします。217ヵ国以上での導入実績があり、多言語や複数通貨に対応しています。グローバル市場でのビジネス拡大もサポートします。
NetSuiteは高度なカスタマイズが可能で、企業の成長や変化に柔軟に対応できます。開発プラットフォーム「SuiteCloud」を利用して、特定のビジネスニーズに合わせたカスタマイズが行えます。
価格 | 要問合せ |
無料トライアル | – |
患者情報の一元管理 | 〇 |
データ分析 | – |
スマホ対応 | – |
サポート体制 | 要問合せ |
セキュリティ対策 | 要問合せ |
「ALL-IN」請求書発行までひとつで完結。部署をまたがず顧客情報を管理
「ALL-IN」は経営に必要な機能がひとつにまとまったシステムです。在庫管理から請求書発行までひとつで完結するので、部署をまたがずに情報管理を行えます。
「コックピット機能」で病院や医療系会社の経営状況を見える化できるのもポイント。現状把握に必要な50の指標から設定目標との差分も確かめられます。属人化を脱却した安定経営が実現するでしょう。
価格 | 初期費用30万円~、月額利用料金6万円~(人数によって変動) |
無料トライアル | 要問合せ |
患者情報の一元管理 | 〇 |
データ分析 | 〇 |
スマホ対応 | 〇 |
サポート体制 | セミナー 等 |
セキュリティ対策 | 要問合せ |
病院向けCRMの選定基準
病院で使うCRMを選ぶ際の選定基準としては、以下の3点のようなものがおすすめです。
- 病院の運営体制に合っているか
- 使い勝手がいいか
- サポート・セキュリティは充実しているか
病院の運営体制に合っているか
CRMを導入する際は、病院の運営体制に合っているかを意識しましょう。
病院の体制に合ったものだと、科同士やバックオフィスとのやり取り・連携がスムーズになるといったメリットがあります。一方でCRMには製品によって機能も様々なので、合わないものを選んでしまうと余計な業務が増えることも。どんな風に活用したいのか、しっかりビジョンを持ったうえで検討するのがよいでしょう。
使い勝手がいいか
病院用にCRMを選ぶときは、タブレットやスマホからアクセスできるか、操作性が高いかといった使い勝手を重視しましょう。
タブレットやスマホから扱えると、デスクにいちいち戻らなくても病院内で業務をこなす傍らで操作可能です。また直感的に操作できる仕様であれば、「試用期間中に離脱する」「入力が面倒で使わないスタッフが出てくる」といった問題が出てくる心配もありません。
サポート・セキュリティは充実しているか
CRMを病院へ導入する際は、サポート体制・セキュリティ対策が整っているか等も確認しておきましょう。
サポート体制が充実していると、ITシステムに不慣れな場合も支援してもらえたり、病院に合った形でシステムが運用できるよう手伝ってもらえたりします。
一時的なシステム障害やトラブルがあったときのためにも、サポートが充実しているかは大切な選定要素です。病院の場合、一時的な情報共有の遅れによって、患者に大きな問題が発生する可能性があるからです。
また権限の制限、データの二重保存といったセキュリティ対策も、患者データという命にも関わりかねない情報を扱う上で大切になってきます。病院へ導入しても問題ないか、しっかり確認して選びましょう。
病院がCRMを導入するメリット
病院がCRMを導入するメリットとしては以下の4点が挙げられます。
- 患者データの一元管理が可能になる
- 業務上の無駄を削減できる
- 医療機関同士の連携がスムーズになる
- 正確な在庫管理が実現する
患者データの一元管理が可能になる
病院がCRMを導入する大きなメリットとして、患者の情報を一度に確認できることがあげられます。それぞれの担当者が個別にデータを保管するのではなく、一元管理を可能にすることで情報が明確になるでしょう。
これまでの検査結果・診療記録・投薬記録など、通院する患者にとって重要な情報が診療の度に表示されます。新たな記録は随時追加され、データ管理や更新がスムーズです。
患者の記録だけでなく、医師・看護師が目を通しておきたい書類もデータベースに保存できます。紙ベースで資料を保存する必要がなくなり、いつでも情報が取り出せるところもCRMの魅力です。
業務上の無駄を削減できる
CRMは情報共有にかかる手間を軽減できます。患者の情報を口頭で他部署やスタッフに伝える必要がなく、医師や看護師の引き継ぎも簡単です。データベースにアクセスするだけで情報共有ができ、情報共有漏れによるミスのリスクも減るでしょう。
またセキュリティを意識したCRMは外出先からのアクセスも可能です。責任者が院外に出張しているときも、CRM上で情報確認ができます。院内にとどまらず情報共有ができることで、電話やメールでの連絡が不要となり事務的な作業も大幅に減少するでしょう。
手間のかかる作業が減ると、スタッフごとの生産性もアップします。
医療機関同士の連携がスムーズになる
病院は多くの医療関係の機関とやり取りをします。提携病院や地域医療にかかわるクリニックとのコミュニケーションも、CRMで一元化が可能です。
「どの医療機関が転院先の候補になるか」「受け入れ可能な病院はどこなのか」が分かるようになると、効率のよい判断も可能でしょう。救急医療など、迅速な判断が求められるときにもCRMの情報は役立ちます。
正確な在庫管理が実現する
病院でCRMを導入すると、患者への投薬状況や使用機器のデータもあわせて管理できます。
使い捨て医療機器の使用状況や、投薬情報を入力することで発注のタイミングが分かり、在庫不足にいち早く気づけるでしょう。CRMを活用して、一定期間ごとの自動発注を計画することも可能です。
病院向けCRMの導入事例
病院でCRMを導入し課題解決した事例を2つご紹介します。
前方連携の紹介数を見える化して地域医療連携を推進
導入前の課題 |
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導入後の効果 |
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「患者さんがこの地域で適切な医療を受けられる体制を整える」と話すのは、創立90周年を迎えた地域病院の院長です。医療機関別の前方連携における紹介数が見えないために、どこに課題があるのか分からず、データがあっても活かせていませんでした。
CRM導入後は全体の紹介数の傾向や、個別の医療機関の紹介数の推移などを自由に見れて、データが活用できるようになったといいます。前方連携と後方連携を強化し、地域医療連携を推進しているそうです。
訪問記録を一元化して月30時間分の業務時間を削減
導入前の課題 |
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導入後の効果 |
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神奈川県に位置する、高度急性期医療を支える病院では、過去の訪問記録を各担当者がバラバラに管理していたため、どういう意図で訪問して、次に何をすれば良いのかが不明瞭でした。加えて前方連携活動の重要性がスタッフに浸透しないという課題があったそうです。
CRM導入後は他の担当者とシームレスに情報を共有でき、資料作成の際も手軽に必要なデータを抽出できるようになったといいます。業務効率化につながり、月30時間分の業務時間を削減できました。
また過去の活動記録を記録して他の担当者に共有することで、1度目の訪問で得られた情報を元に2回目訪問を行えるようになったそうです。前回得られた情報をトーク展開の土台として持てるため、スタッフは以前より安心して訪問活動を行えるようになりました。
CRMの導入で病院・医療機関のDXを実現
病院でCRMを導入すると、患者の情報管理や医療機関同士の連携が容易になります。情報共有にかかっていた時間を削減し、業務効率化も果たせるでしょう。
導入のメリットやCRMの特徴を理解し、適したサービスを選ぶことが大切です。IT機器に慣れないスタッフが多い場合は、全員が使いこなせるかどうかも確認しながら導入を検討する必要があります。
ぴったりのCRM(顧客管理システム)選びはミツモアで
CRM(顧客管理システム)は製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりのCRM(顧客管理システム)が見つかります。
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