「大事に育てている野菜や花壇の草花たちに害虫が付いたらと思うと、いてもたってもいられない……」
植物に付く害虫にはどんな種類がいるのか、どうやって対策すれば良いのかを知っておきたいですよね。またすでに育てている植物に付きやすい害虫が分かれば、適切に予防ができます。
この記事では植物に付きやすい害虫をまとめて、それぞれの対策や注意点などを解説しています。「園芸・農作物」「ガーデニング植物」「農作物」にグルーピングしてご紹介するので、気になる項目だけチェックすることもできますよ。
害虫被害の予防には早期発見が一番大事。付きやすい害虫を把握し適切に予防することで、育てている植物を守ってあげましょう!
園芸植物・農作物全般に付く害虫の種類
園芸や農業で害虫被害を予防するには、害虫の姿形と被害の特徴を知っておくことが大切です。
以下は園芸・農業全般でよく見る害虫の一覧です。
害虫 | 被害の大きさ | 被害のある場所 |
アザミウマ | 大 | 葉、花、実 |
アブラムシ | 中 | 葉、茎 |
エカキムシ(ハモグリバエ) | 小 | 葉 |
ナメクジ・カタツムリ | 大 | 葉、花、実 |
カメムシ | 中 | 葉、花 |
バッタ類 | 中 | 葉 |
コガネムシ | 大 | 根、花、茎 |
コナジラミ | 中 | 葉 |
ダンゴムシ | 小 | 根、葉 |
ハダニ | 中 | 葉 |
カイガラムシ | 中 | 葉、茎 |
「被害の大きさ」は以下の基準で選定しました。予防措置をとる際の参考にしてみてください。
- 「花や農作物」へのダメージの強さ
- 株を枯死させる可能性の高さ
- 防除の難しさ
なかには大量発生してしまう害虫もいます。もし「自分の手に負えない」「一刻も早く正しい方法で駆除したい」という場合、専門の駆除業者に依頼するのがおすすめです。
駆除業者を探す際はぜひミツモアを利用してみてください。簡単な質問に答えるだけで複数社に見積もりを出してもらえるため、それぞれを比較してより安く・納得いくところを選べますよ。
それでは害虫の見つけ方と、被害にあった時の症状を解説します。画像で姿もあわせてチェックしていきましょう。
アザミウマ
<特徴>
体長が1~2mm程度で非常に見つけづらい害虫です。茶色っぽく細長い胴体をしており、葉や花に集団で付きます。
<被害の様子>
- 葉や花の色素が抜け、かすれたようになる
- 果実や花の縮れや変形を起こす
アブラムシ
<特徴>
春の新芽に多く発生します。体色は様々ですが緑・黒・茶色(黄色)のものが多く、大きさは1~4mmほどです。集団で植物に付いて吸汁します。またアリを引き寄せる性質があります。植物にアリがたかっていたら、付近にアブラムシがいないか探してみましょう。
<被害の様子>
- 生育不良を起こす
- 病気を媒介することがある
詳細はこちらの記事も参考にしてください。
エカキムシ(ハモグリバエ)
<特徴>
葉に曲がった白い線が現れ、白い線の中に幼虫が潜んでいます。
<被害の様子>
- 被害が進むと生育不良を起こす
詳細はこちらの記事も参考にしてください。
ナメクジ・カタツムリ
<特徴>
葉や地面にきらきら・ヌメヌメした跡を残すことで判断でき、梅雨の時期に被害が大きくなります。
<被害の様子>
- 葉や花・果実をかじって食害する
- 特にイチゴやスミレなど、背丈の低い植物が狙われやすい
詳細はこちらの記事も参考にしてください。
カメムシ
<特徴>
緑や黒の体色が多く、平べったい形が特徴。様々な色・形の種類が生息しています。
<被害の様子>
- 果樹や豆類、野菜を吸汁する
- 吸汁された作物は収穫量が大きく下がる
詳細はこちらの記事も参考にしてください。
バッタ類
<特徴>
緑や茶色の細長い体をしており、体長が比較的大きいため見つけやすいでしょう。初夏から秋頃にかけて動きが活発になります。
<被害の様子>
- 葉の外側から大きくかじって食害し、植物の生育を阻害する
コガネムシ
<特徴>
成虫はメタリックな緑色で3cmほどの甲虫。幼虫は地中に生息する白いイモムシのような外見です。幼虫がいる場所の土はふわふわと柔らかくなるため、株元の土を確認すれば見つけることができます。
<被害の様子>
- 成虫は葉や花を食害する
- 幼虫は地中で根を食害する
- 理由が分からず植物の調子が悪いときは、地中でコガネムシの幼虫が根を食害している可能性がある
こちらの記事も参考にしてください。
コナジラミ
<特徴>
1mm程度の白く小さな虫で、葉裏に集まって吸汁します。
<被害の様子>
- 葉の色が悪く、かすれたようになる
- 病気を媒介することがある
センチュウ
<特徴>
体長1mm弱でほとんど目に見えることはありません。土中に生息し、植物の根に寄生します。
<被害の様子>
- 株が弱り最終的に枯死する
- 根にこぶのような丸い粒が発生する
詳細はこちらの記事も参考にしてください。
ダンゴムシ
<特徴>
黒い体をしており触ると丸くなります。枯れた植物や落ち葉の下に多く見られます。
<被害の様子>
- 柔らかい新芽、腐りかけの植物に群がる
- パンジーなど背丈の低い植物が狙われることが多い
詳細はこちらの記事も参考にしてください。
ハダニ
<特徴>
葉の裏に寄生する0.5mmほどの小さな虫です。茶色や赤色をしており、じっと見ていると動いているのが分かります。
<被害の様子>
- 葉がかすれたようになり、色が悪くなる
- 被害が進むと、葉裏に薄いクモの巣状の糸が張られる
- 真夏の暑く乾燥した時期に被害が大きくなる
カイガラムシ
<特徴>
白、褐色、赤など様々な体色の種類がいます。体長数ミリの小さなものから、1cm近い大きなものまで様々です。貝殻のような固い蝋(ろう)で覆われており、ほとんどの種類が自力で移動できません。
<被害の様子>
- 集団で吸汁し株を弱らせる
- ベタベタとした分泌物を出しアリを呼び寄せる
【草花・庭木の種類ごと】園芸植物に付く害虫の種類
自分が育てている植物に付きやすい害虫を、優先してチェックしましょう。代表的な園芸植物に付きやすい害虫を、植物の種類ごとに一覧にしました。
植物 | 付きやすい害虫 | 被害の大きさ | 被害のある場所 |
バラ | クロケシツブチョッキリ(バラゾウムシ) | 大 | 花、芽 |
チュウレンジハバチ・アカスジチュウレンジ(ハバチ類) | 大 | 葉、茎 | |
カミキリムシ | 大 | 茎 | |
キク科 (ひまわり、デイジーなど) |
アワダチソウグンバイ | 中 | 葉 |
シソ科 (ミント、ローズマリーなど) |
ベニフキノメイガ | 中 | 葉、芽 |
スミレ科
(ビオラ、パンジーなど) |
ツマグロヒョウモン | 中 | 葉、花 |
ツツジ科
(ツツジ、サツキなど) |
ルリチュウレンジ(ハバチ類) | 中 | 葉 |
それでは各害虫の概要について写真とともに見ていきましょう。
バラに付く害虫
【クロケシツブチョッキリ(バラゾウムシ)】
<特徴>
体長2~3mmの黒い甲虫です。バラのつぼみや新芽が黒くなることで被害が判別できます。
<被害の様子>
- バラの花が咲かなくなる
- 被害が進むと株が枯死する
【チュウレンジハバチ・アカスジチュウレンジ】
<特徴>
成虫は胸のみが赤く、黒い羽を持つ2cm程度の羽虫です。ハチと名が付きますが、ハチのイメージとは異なる外見をしています。
幼虫は緑色で小さなアオムシのような外見です。多くはバラの葉裏に集団で付きます。
<被害の様子>
- 幼虫がバラの葉を食害する
- バラの茎に現れた「縦の黒い線」は、チュウレンジハバチの産卵跡
- 孵化(ふか)した幼虫はバラの茎を裂いて出てくる
【カミキリムシ(テッポウムシ)】
<特徴>
成虫は触覚の長い大きな甲虫、幼虫は白いイモムシで「テッポウムシ」とも呼ばれます。幹の中に住んで内側から食害するのが特徴です。株元におがくずや糞があることで発見できます。
バラ以外にも、カエデ、柑橘などの樹木を食害します。
<被害の様子>
- 成虫に食害された部分の茎や枝が折れる
- 成虫が木に穴を開けて産卵する
- 幼虫(テッポウムシ)が木を内側から食いつくし、直径1cmほどの穴を開けて巣立っていく
詳細はこちらの記事も参考にしてください。
キク科(ひまわり、デイジーなど)の植物に付く害虫
【アワダチソウグンバイ】
<特徴>
灰褐色で1~2mm程度の虫が密集していたら、アワダチソウグンバイの可能性があります。株全体に集団で付き、吸汁するのが特徴です。
<被害の様子>
- 葉がかすれたようになり色が悪くなる
- 排せつ物により、葉や茎がすすけたようになる
シソ科(ミント、ローズマリー、大葉など)の植物に付く害虫
【ベニフキノメイガ】
<特徴>
体長1~2cmほどで細い胴体の幼虫です。緑色に赤茶色の筋が入った外見をしています。クモの糸のようなもので葉をつづり、中に隠れるのが特徴です。
<被害の様子>
- 葉がレース状にかすれる
- 新芽が積極的に食害される
スミレ科(ビオラ、パンジー、スミレなど)に付く害虫
【ツマグロヒョウモン】
<特徴>
黒地にオレンジのラインが入ったイモムシ(ケムシ)です。スミレの周りを蝶が飛び始めたら、卵が産み付けられていないか確認しましょう。
<被害の様子>
- 食欲旺盛なため、発見が遅れると株が枯死することがある
ツツジ科の植物に付く害虫
【ルリチュウレンジ(ハバチ類)】
<特徴>
成虫は青黒い光沢のある2cm程度の羽虫。幼虫は緑色で小さなアオムシのような外見です。体には褐色の水玉模様があります。
<被害の様子>
- 幼虫は葉裏に集まり、葉を食害する
【作物の種類ごと】農作物に付く害虫の種類
農作物に現れやすい害虫の一覧です。育てている植物に付きやすい害虫をチェックしてみてください。
植物 | 付きやすい害虫 | 被害の大きさ | 被害のある場所 |
ナス科 (トマト、ナス、ミニトマトなど) |
ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ) | 中 | 葉 |
ナス科、レタス、トウモロコシ | タバコガ | 大 | 葉、実、花 |
ウリ科 (きゅうり、かぼちゃなど) |
ウリハムシ | 大 | 葉、花、実 |
アブラナ科 (キャベツ、ブロッコリーなど) |
モンシロチョウ(アオムシ) | 大 | 葉 |
アブラナ科 (大根、カブなど) |
カブラハバチ | 中 | 葉 |
サツマイモ | イモムシ類 | 中 | 葉 |
柑橘類 | アゲハチョウ | 中 | 葉 |
ナス科(トマト、ナス、ミニトマトなど)の植物に付きやすい害虫
【ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)】
<特徴>
成虫はテントウムシに似た外見をしていますが、体表につやがなく黒星模様が多いのが特徴。幼虫は体長5mm程度の小さな黄色い虫で、背中にとげが生えています。成虫・幼虫いずれも葉を食害します。
<被害の様子>
- 葉に網目模様の噛み跡を残す
詳細はこちらの記事も参考にしてください。
【タバコガ】※ナス科以外にも、レタス、トウモロコシに付く
<特徴>
35mmほどのイモムシです。果実の中に入って食害するため見つけづらく、農作物への被害が大きい害虫です。
<被害の様子>
- 花や実に数ミリの穴を開け、内部を食害する
ウリ科(きゅうり、かぼちゃなど)の植物に付きやすい害虫
【ウリハムシ】
<特徴>
成虫は光沢のある黒や赤の体をした、1cm弱の羽虫です。幼虫はウジ虫の様な姿をしています。
<被害の様子>
- 葉を丸く切り抜いたように食害する
アブラナ科(キャベツ、ブロッコリーなど)の植物に付きやすい害虫
【アオムシ】
<特徴>
モンシロチョウの幼虫で緑色の青虫です。成虫は葉の表や裏に、黄色いごまのような卵を産みます。モンシロチョウがアブラナ科の植物に飛来していたら、卵を産み付けている可能性が非常に高いと考えられます。
<被害の様子>
- 短期間で株が食べ尽くされることがある
【カブラハバチ】
<特徴>
1.5mmほどの小さな黒いイモムシで、集団で発生することがあります。大量発生すると葉が食べ尽くされてしまうことがあります。
<被害の様子>
- 葉脈を残して葉を食害する
サツマイモに付きやすい害虫
【イモムシ類】
<特徴>
サツマイモには多くのイモムシ類が付く可能性があります。代表的なのは「スズメガ」の幼虫で大型のイモムシです。褐色や黒の体をしており、60mm以上の大きさになる種類も多いことが特徴です。
<被害の様子>
- 食事量が多く、短期間で多くの葉がなくなることがある
柑橘類に付きやすい害虫
【アゲハチョウ】
<特徴>
アゲハチョウは柑橘類の果樹のみに産卵する性質があります。柑橘類の近くを蝶が舞い始めたら、産卵されている可能性が非常に高いと考えられます。幼虫の食事量は多いものの大量発生することはあまりありません。
<被害の様子>
- 短期間で多くの葉が食害されることがある
植物に付く害虫を無農薬で予防する方法
害虫を予防するには、農薬を使わない対策と農薬を使った対策を状況に応じて取り入れましょう。
日常の害虫対策では、農薬を使わない方法を中心に行うのがポイント。過度に農薬を使ったために土壌のバランスが崩れ、別のトラブルの原因になることもあるからです。農薬は害虫の被害が実際に見られた時や、毎年飛来する害虫対策としてスポット的に使いましょう。
①トンネルやネット(物理的に遮る)
飛来して産卵するタイプの害虫に有効なのが、ネットによる防除。害虫の活動が活発になる3月~4月頃にネットや寒冷紗(かんれいしゃ)などをかけ、害虫の産卵・食害を予防します。
②ハーブなどの無農薬スプレー
害虫の嫌がる成分が入った無農薬のスプレーを作って散布しておきます。代表的な無農薬スプレーは以下の通りです。
- 木酢液スプレー
- 唐辛子+アルコール(酢)スプレー
- ミント(ハッカ油)スプレー
- ラベンダーオイルスプレー
上記のスプレーは幅広い種類の害虫に対し忌避効果があると言われています。ただしあくまでも「忌避」であり、駆除力がない点には注意。1~2週間に1回程度、定期的に散布することで効果を発揮します。
③トラップ
害虫の好む臭いや色などを使っておびき寄せ、駆除する方法です。代表的な害虫トラップは以下の通りです。
- ビールトラップ(ナメクジ・カタツムリ)
- フェロモントラップ(コガネムシ、蛾など)
- 粘着トラップ(アブラムシ、アザミウマなど)
④夜間の明かりに気を付ける
多くの害虫は、夜間の照明の明かりにつられてやってくることがあります。特に蛍光灯・白熱灯の明かりは虫を寄せ付ける力が大きいため、以下の対策を取りましょう。
- 室内や庭の明かりをLEDライトに代える
- 外が暗くなり始めたら、速やかにカーテンやシャッターを閉める
⑤コンパニオンプランツ
害虫被害を防止するには株の健康状態を良好に保つことが大切です。以下の方法は株を健康的に育てる効果があり、害虫を寄せ付けづらくします。
- コンパニオンプランツを育てる
- 連作を避ける
「コンパニオンプランツ」とは、近い場所で育てるとお互いに助け合う性質がある植物同士のこと。代表的な組み合わせとしては「アブラナ科(キャベツ、大根など)とセリ科(ニンジン、パクチーなど)」「トマトとバジル」などがあります。
そして「連作」とは、同じ場所で同じ科の植物を何年も育て続けることをいいます。連作は土壌の栄養バランスを偏らせ「ネコブセンチュウ」などの害虫を発生させる大きな要因になるのです。
一度バランスを崩した土壌を改善させるのは難しいので、連作は避けて幅広い種類の植物・野菜を栽培するようにしましょう。特にアブラナ科やウリ科、ナス科の野菜は連作障害を起こしやすいため注意します。
農薬を使って害虫対策する時のポイント
一定の害虫が大発生している、毎年同じ時期に害虫被害に遭う。そんな時は農薬を適切に使用し害虫駆除・予防を行います。農薬を使用する場合は以下の点に注意が必要です。
- 「使用できる植物」「適用害虫」を確認する
- 用法用量を守って正しく使用する
- 暑い日や風の強い日は避けて使用する
- 帽子、ゴーグル、手袋など肌を保護する物を着用した上で使用する
農薬を直接吸い込むと健康被害が起こる可能性もあります。特に小さな子供がいる時間帯の使用は避け、近隣に配慮して農薬を使用しましょう。
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