家庭菜園や家の中に発生したダンゴムシを放置していると、植物に害を与える恐れがあるため早めの駆除が大切です。
この記事ではダンゴムシの特徴や発生原因を解説し、オススメの駆除剤を紹介します。
薬剤を使わないダンゴムシの駆除方法は?
ダンゴムシが苦手とする木酢液、コーヒー液、酢を用いると効果的に駆除することができます。他にも、空き缶で落とし穴を作ってダンゴムシを捕獲する方法があります。
ダンゴムシが家の中に発生する理由は?
風呂場や洗面台などの水まわりや床下から家の中に侵入してきます。ダンゴムシは湿気が多く、日差しが当たらない場所を好んで生息する習性があります。
ダンゴムシについて知ろう
子供たちに人気の虫のひとつでもあるダンゴムシ。日本でよく見られるのは「オカダンゴムシ」と呼ばれる種類です。
ここでは、ダンゴムシの生態や特徴、発生場所や時期、ワラジムシとの違いについて解説します。
ダンゴムシの生態・特徴
「ムシ」という名前を持つものの、大まかな分類上ダンゴムシはカニやエビと同じ甲殻類に属する生き物です。皮膚呼吸を行っているため湿気の多い場所を好みますが、水中では生きていけません。
ダンゴムシの大きな特徴は、外敵から身を守る方法として体を丸くする習性があげられます。
ダンゴムシの体は14の節に分かれており、体長は約1㎝です。一般的な寿命は約3〜4年と言われています。
ダンゴムシが発生する場所と時期
ダンゴムシは、ジメジメとした湿気が多く暗い場所を好みます。
ダンゴムシが好む場所 |
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昼間は天敵から身を守るために隠れていますが、夜になると活発に動きます。
主な活動時期は2〜11月頃です。真冬の寒い時期は地中や石の下などに隠れていることが多いです。繁殖期を迎える4〜9月には大量発生します。多いときは1度に100匹を超える幼虫を産むこともあります。
ワラジムシとの違い
「ワラジムシ」はダンゴムシによく似た生き物です。人の生活に被害を及ぼすことはないものの、見た目の気持ち悪さから「不快害虫」に分類されます。
見た目がそっくりなので「どっち?」となることが多いですが、以下の点で違いが見られます。
ダンゴムシ | ワラジムシ |
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ワラジムシは刺激を与えても丸くなることはありません。見つけたときに逃げ足が早いのもワラジムシの特徴です。また全体的に平べったい格好をしています。
このように生態に違いは見られますが、どちらも同じ方法で駆除することができます。ワラジムシが発生したときは、ダンゴムシの駆除方法を試してみてくださいね。
ダンゴムシ駆除方法とおすすめアイテム紹介
ダンゴムシの駆除方法には「薬剤を使う方法」と「薬剤を使わない方法」の2つがあります。
薬剤あり | 薬剤なし |
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家庭菜園やガーデニングなどで薬剤の使用を控えたい方でも、効果的に駆除できる方法を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
薬剤を使った駆除方法3選
薬剤を含むアイテムを使用すると確実にダンゴムシを駆除することができます。発生の状況や特徴に合わせて適切なものを選ぶのがオススメです。
スプレータイプの殺虫剤 |
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誘引タイプの殺虫剤 |
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粉末散布剤 |
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【一番手っ取り早い】スプレータイプの殺虫剤 |
スプレータイプの殺虫剤は、数匹いる場所に吹きかければピンポイントで駆除できます。すぐに吹きかけられるよう、家の周りに置いておくのがおすすめです。
「虫コロリアース」はダンゴムシだけでなく、さまざまな害虫をまとめて退治してくれる優れもの。速効性・致死効果ともに抜群です。
ノズルは2WAY仕様に設計されており、通常噴射とノズル噴射を簡単に切り替えることが可能です。ノズル噴射はダンゴムシが好んで生息する狭い場所で活躍します。
【長時間効く】誘引タイプの殺虫剤 |
誘因タイプの殺虫剤は大量発生している場所で使用し、ダンゴムシに食べさせて駆除します。粒状タイプや固形タイプがあり、長期間効果を発揮しやすい点が特徴です。
設置場所によっては、ペットやお子さんが誤って口にする危険性があります。ペットやお子さんがいる家庭での使用は控えた方がよいでしょう。
「デナポン」は地面にまくだけでダンゴムシを退治できるアイテム。散粒容器に入っているため手を汚さずに使用できます。
ネキリムシ類やハスモンヨトウなど、駆除が困難な潜伏害虫にも効果を発揮します。
ダンゴムシが大量発生している場所にまいておけば、寄ってきたときに食べさせて駆除できますよ。
「ダンゴ虫退治」は固形タイプの誘引殺虫剤です。置くだけでダンゴムシが勝手に毒エサを食べてくれるので、駆除が楽チン。
雨や散水などの影響を受けにくい作りになっているので、持続性もバッチリです。
【家への侵入をバリアする】粉末散布剤 |
粉末散布剤はバリア機能を持つ持続性の高い殺虫剤です。ダンゴムシが大量発生している場所にまくと、一気に撃退することができます。発生前に庭や家の周辺にまいておけば、家の中などへの侵入を防ぐ効果も期待できます。
スプレータイプでも紹介した「虫コロリアース」の粉末タイプです。大量発生したダンゴムシに直接まけば、まとめて駆除することができます。雨風に強いため、持続効果は1ヶ月と長いのも特徴です。
薬剤を使わない駆除方法4選
「家庭菜園やガーデニングをやっているから薬剤を使うのはちょっと……」という方には、以下の4つの駆除方法をオススメします。殺虫剤と比べて多少の準備は必要ですが、どれも高い効果が期待できます。
薄めた木酢液 |
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コーヒー液 |
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薄めた酢 |
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空き缶落とし穴 |
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【殺虫効果が高い】薄めた木酢液 |
薬剤を用いない方法の中で最も殺虫効果が高いのが木酢液です。木酢液は木炭を作るときに出る水蒸気を冷やし、液化して作られます。
ダンゴムシは木酢液から放たれるくん製のようなニオイが苦手です。そのため忌避剤としての効果も期待できます。
使用前には約300〜1000倍に水で薄めておきましょう。原液のまま使用すると、花や野菜にダメージを与えてしまう恐れがあります。
木酢液には、作物の生育を促進する効果や土壌内の微生物を活性化させる効果もあります。ガーデニングや家庭菜園で使う駆除剤としてピッタリです。
【ダンゴムシを退散させる】コーヒー液・薄めた酢 |
コーヒーの香りや酢のニオイを嫌うダンゴムシの習性を利用する方法です。液体をスプレーボトルに入れて発生場所に吹きかけると、ダンゴムシを退散させることができます。
コーヒーを使用するときは、スプレー時に衣服についてシミにならないように注意してください。汚れてもいい服を着用したり、タオルを用意したりしておくとGoodです。またダンゴムシはコーヒーがらは好んで食べるので、コーヒーがらをまくと逆効果になる点にも気をつけましょう。
酢はそのまま使用すると、きついニオイが周辺に残ります。そのため水で20倍ほど薄めてから吹きかけるようにしましょう。薄めても効果は弱まらないので安心してくださいね。
【大量に捕獲できる】空き缶落とし穴 |
自作する手間はかかるものの、薬剤を用いずに大量に駆除できる方法です。ツルツルした表面を登れないダンゴムシの習性を利用します。落とし穴に落ちたダンゴムシは上部に上がってくることができません。
用意するもの |
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作り方 |
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空き缶はコーヒー以外のものを使用してください。ダンゴムシはコーヒーのニオイを嫌うため、逆に近寄らなくなってしまいます。
捕獲できたダンゴムシを死滅させるには、誘引タイプの殺虫剤を入れておくとよいでしょう。
100均の駆除グッズは効果ある?
コスパよくダンゴムシを駆除したい方は、100均の駆除グッズを使用してみましょう。100均で購入できる「ダンゴムシ殺虫」は粒状の薬剤で、ダンゴムシが発生している場所にまくとかなりの効果が期待できます。
ダンゴムシ以外の害虫も駆除するなら「害虫忌避」がオススメです。ダンゴムシに限らずアリやムカデ、ナメクジなどあらゆる虫に効き目があります。
ダンゴムシが発生する原因と被害
ダンゴムシを放置すると、ガーデニングや家庭菜園の花や農作物が被害を受けてしまいます。適切に予防するためには、発生原因を知ることが大切です。
ダンゴムシが大量発生する原因
ダンゴムシが大量発生する原因には以下の3点が考えられます。
- 湿気と好物がある場所
- 大量の産卵
- 集団行動をとる習性
ダンゴムシは日差しの当たらない湿気の多い場所と好物があれば、カンタンに棲みつきます。落ち葉やジメジメした土、作物の新芽などがある場所にはダンゴムシが大量発生しやすいスポットです。家の中では、水まわりや床下が大量発生する原因になります。特に高断熱機能を持つ住宅の床下は温かく多湿になりやすいため、ダンゴムシが発生しやすいです。
快適な場所では繁殖が活発になります。繁殖期には1度に100を超える幼虫を産むこともあり、その卵が一気にかえると大量発生につながります。
集団で行動する習性も大量発生の原因のひとつです。暖かくなると、集団で冬眠している大量のダンゴムシが一斉に動き出します。
ダンゴムシによる被害
ダンゴムシは土壌を豊かにしてくれる益虫です。落ち葉だけでなく昆虫や小動物の死骸も食べてくれるため、土の中の有機物が分解しやすい状態にしてくれます。
しかし植物の新芽をはじめ、葉や茎、根も食べてしまうことから害虫としての側面があるのも事実です。ダンゴムシは雑食で、特に柔らかい葉や若い茎、果実を好んで食べます。
ガーデニングや家庭菜園をしている場合、ダンゴムシを放置すると花や野菜が大きな被害を受けてしまう可能性があります。ダンゴムシの食害によって、葉に穴が空いたり欠けたりする被害が見られます。苔の隙間に棲みついた場合の被害は甚大で、苔床を浮き上がらせることもあるのです。
被害にあいやすい植物 |
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ダンゴムシを寄せ付けないための予防法
ダンゴムシの大量発生を防ぐためには、ケース別で分けて対策する必要があります。
食害を予防する | 家への侵入を予防する |
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予防は2〜3月にかけてと11〜12月にかけて講じるのがオススメです。冬眠から目覚める前と卵が孵化する前にあらかじめ対策を打っておくことで、ダンゴムシの大量発生を防ぐことができます。
ダンゴムシによる食害を防ぐ方法
ダンゴムシによる食害を防ぐ方法は以下の4つです。
- エサになるものを取り除く
- 湿気のある場所を作らない
- ハーブを活用する
- オルトランをまく
まずはダンゴムシの餌になるものを取り除きましょう。枯葉や落ち葉、腐った野菜、花がらなどは放置せず、定期的に掃除することが肝心です。
好物を一掃したら湿気をなくします。土は3〜5cmほど定期的に掘り起こして乾燥させ、湿気を飛ばしましょう。ダンゴムシの温床になりがちなプランターや植木鉢は、こまめに移動させ風通しをよくします。
忌避(きひ)剤として活用できるのがハーブです。取り入れるとオススメなのがスペアミントとペパーミントの2つ。石の下などに隠れている虫をはい出させる効果があるため、予防や駆除に適しています。
「オルトラン」を土にまく方法も一定の予防効果が期待できます。1ヶ月に1回のペースで使用すれば、花や野菜が食害を受けるのを防ぐことが可能です。ただしオルトランは農薬の一種なので、育てている植物への影響が気になる方は使用を避けた方がベターでしょう。
家の中にダンゴムシが侵入するのを防ぐ方法
家の中でダンゴムシが侵入しやすい場所は、風呂場や洗面台、トイレなどの水まわりです。湿気が多い場所に集まりやすいため、普段から除湿を心がけることが大切です。風呂場は換気扇や浴室乾燥機能を利用して湿気を防ぎましょう。こまめに窓を開けたり除湿機を活用したりして、部屋全体の風通しをよくするのも効果的です。排水口の掃除も忘れないように行います。
忌避(きひ)剤には重曹が適しています。家の周辺や玄関に粉末を直接まいておけば、ダンゴムシの発生を防げます。人間への害はないため、お子さんのいる家庭でも安心して使用することが可能です。
ただし、家庭菜園やガーデニングのダンゴムシ対策には適していない点に注意が必要です。種や苗を植えた場所に使用すると、植物の発芽や生育を抑制してしまいます。
【まとめ】適切に駆除してダンゴムシによる被害を防ごう
ダンゴムシの駆除には薬剤の使用が効果的ですが、薬剤を使わなくても駆除できる方法があります。家庭菜園やガーデニングでの食害を防ぐためには、駆除に加えて湿気をなくす努力も大切です。
ご自身の状況に合わせて適切な駆除方法・予防方法を実践してみることをおすすめします。
植物を育てている方で、ダンゴムシ以外の虫に困っている場合は以下の記事も参考にしてみてください。