国内でよく見かける蚊の種類は、限定されています。活動地域や時間帯は異なりますが、駆除や予防の仕方は同じです。この記事では、おもな蚊の種類や生態、発生を防ぐ方法を見ていきましょう。
日本にいる蚊の種類は?
世界には3,500種類以上の蚊がいますが、日本では100種類ほど存在しています。 そのなかでも、人間を刺して吸血するのは20種類。さらに代表的な種類は「ヒトスジシマカ(ヤブカ)」「アカイエカ」「チカイエカ」3種類です。
蚊の発生を防ぐ方法は?
ボウフラの時点で駆除することが、蚊を大量発生させないポイントです。 ボウフラを駆除するなら、粒状の駆除剤を撒くのがおすすめです。下水溝、植木鉢の受け皿、廃タイヤなど、水が溜まりやすい場所はとくに注意しましょう。
日本にいる蚊の種類
世界には3,500種類以上の蚊がいますが、日本に限定すると、100種類ほど存在します。
そのなかでも、人間を刺して吸血するのは20種類。さらに代表的な種類は3種類まで絞られます。
よく室内などで見かけることが多い代表的な種類は「アカイエカ」「チカイエカ」。不快な「ぶーん」という音を立てるのは、ほとんどの場合はアカイエカです。
屋外で見かけることが多い代表的な種類は「ヒトスジシマカ(ヤブカ)」です。
ヒトスジシマカ(ヤブカ)
体長 | 発生時期 | 発生場所 | 活動時間 | 分布 | 被害 |
約4.5mm | 5~10月 | 屋外
日陰 |
日中 | 全国
(北海道、青森を除く) |
デング熱
ウエストナイル熱 |
「ヒトスジシマカ」は、俗に「ヤブカ」と呼ばれる種類で、野外で見かけることが多い蚊です。直射日光を避けて、湿度の高い日陰などに多く発生します。
体は全体的に黒く、名前にあるように「一筋の白っぽいシマ模様」が特徴的。4.5mmほどとやや小ぶりな体長が特徴です。
青森よりも北の地域では、見かけることはあまりありません。しかし気候変動などの影響で、活動範囲が広がりつつあります。
ヒトスジシマカは、デング熱やウエストナイル熱といった伝染病を媒介するので、注意が必要です。とくに「デング熱」は、2014年に日本で69年ぶりの感染例が出て、話題になりました。
アカイエカ
体長 | 発生時期 | 発生場所 | 活動時間 | 分布 | 被害 |
約5.5mm | 4~10月 | ドブ
室内 |
夜中 | 全国 | ウエストナイル熱 |
「アカイエカ」は、名前のとおりの赤みがかった茶色が特徴です。5.5mmほどの体長でヤブカより少し大きめなのが特徴ですが、チカイエカとそっくりなので見分けがつきにくい蚊です。
国内に幅広く生息していて、夏の夜によく聞く「ぶーん」という不快な音は、ほとんどがアカイエカなのだとか。
活動時間帯は夜間です。ドブや下水から発生し、春から秋にかけて長い期間活動します。越冬するときは、洞穴などで過ごします
人の血を吸うほか、ペットの血も吸います。そのため「フィラリア」など、動物の感染症に注意が必要です。
チカイエカ
体長 | 発生時期 | 発生場所 | 活動時間 | 分布 | 被害 |
約5.5mm | 1年間 | ビル
地下 |
夜中 | 全国 | ウエストナイル熱 |
「チカイエカ」はイエカの1種。サイズと色が、アカイエカとほぼ同じで、見分けは非常に困難です。
ビルや地下鉄の排水ちかくなどに生息していて、1年中暖かい場所にいるので、冬眠をせずに1年中活動しているのが特徴。
冬に蚊が刺してきた場合は、チカイエカの可能性が高いでしょう。
ユスリカやガガンボは吸血しない
日本でよく見る「蚊に似ている虫」として、「ユスリカ」や「ガガンボ」などの種類がいます。しかしこれらの虫は、人間や動物を刺すことはありません。
ただし、ユスリカの死骸はアレルギー症状を引き起こしたり、ガガンボの幼虫は穀物への食害を起こしたりと、被害が無いわけではありません。
ユスリカを見分けるときは、「止まったときに、羽を“八の字”に開いたまま」である点に注目しましょう。
ガガンボは蚊よりもかなり大きく、1本1本が体長よりも長い脚が特徴的です。
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蚊のライフサイクルや生態
上記のように種類が分かれている「蚊」ですが、生態やライフサイクルは、おおむね共通しています。
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蚊の卵がふ化するまで1~2日、さなぎになるまで7~10日、成虫になるまで2~3日ほど。
わずか10日前後で卵から成虫に変化するのです。蚊の種類によって寿命は異なりますが、平均するとおよそ半月〜1カ月ほどのあいだ生きます。
とくに産卵をするメスのほうが、オスに比べて長生きする傾向があるそうです。
吸血するのはメスだけ
人間や動物から吸血する蚊は、産卵期のメスだけです。
産卵期でないときは、オスもメスも、花の蜜や果物の糖分を主食にしています。
メスが吸血をする理由は、産卵の際に必要な栄養を補給するためです。二酸化炭素や汗のニオイ、温度などを感知して、吸血減となる生き物に近寄っていきます。
ちなみに、自分の体重と同じくらいの量を吸血するので、血を吸った後の蚊は、体重が2倍になります。
蚊に刺されると「かゆい」のはなぜ?
蚊に刺されると、うっとうしい「かゆみ」が発生しますよね。
これは、刺されるときに蚊の唾液が入り込むことで、体内にアレルギー反応が起きるからです。
蚊の唾液には、「抗凝血作用物質」という成分が含まれています。血が固まるのを防ぐ成分で、これによりスムーズに吸血することができるのです。
ちなみに、蚊は温度・二酸化炭素・水分という要素を感知して、吸血対象を探しています。そのため体温が高めの人や、汗っかきな人は蚊に刺されやすいのです。
また、血液がO型の人が刺されやすいという実験結果や、足特有のニオイの原因物質によって蚊が誘引されるなど、いろいろな条件が明らかになっています。
蚊の発生を防ぐ方法
家の周辺で蚊の発生を防ぐには、「繁殖しやすい水場がないか」という点に着目しましょう。
ボウフラの段階で駆除できるかどうかが、蚊の大量発生を防げるかどうかに大きくかかわります。
ボウフラを駆除して蚊の発生源を防ぐ
ボウフラの時点で駆除することが、蚊を大量発生させないことに繋がります。
ボウフラを駆除するなら、粒状の駆除剤を撒くのが有効です。下水溝、植木鉢の受け皿、廃タイヤなど、水が溜まりやすい場所にはとくに注意しましょう。
また塩水で駆除する方法もあります。水中の塩分濃度を濃くすることで、適応力のないボウフラは死んでいくのです。ただし近くで植物を育てている場合、塩分で植物までダメージを与えてしまう恐れもあるため注意しましょう。
庭の手入れも大事
草むらも好みます。草むらや雑木林、竹やぶなどは蚊の発生場所というよりは、蚊が休んだり隠れたりする場所です。
蚊は、草が生えておらず、風通しのよい環境を苦手とします。庭に雑草が生えている場合は放置せず、こまめに手入れすることで蚊が存在する場所を減らせるでしょう。
雑草の量が多い時は除草剤を使うなど、対策を取ることも必要です。
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