ノシメマダラメイガの幼虫は、お米など様々な食品を餌とする害虫の一種です。食品への害を防ぐためにも、正しい駆除方法を知っておきましょう。この記事ではノシメマダラメイガの生態から駆除方法、予防策まで紹介します。
ノシメマダラメイガはどこに卵を産む?
ノシメマダラメイガは蛾の仲間で、お米や小麦粉などの食品に卵を産み付けます。ノシメマダラメイガは一度に数百個ほど産卵するため、米びつの中に1匹の幼虫を見つけた場合、想像以上の数が潜んでいる可能性が高いと考えておきましょう。
ノシメマダラメイガに有効な対策は?
ノシメマダラメイガの幼虫対策として、食品を密閉した容器で保存することは有効です。またトウガラシやニンニクなど、ノシメマダラメイガが嫌う食べ物を米びつの近くに置くのも良いでしょう。
ノシメマダラメイガの生態と発生源
「ノシメマダラメイガ」の幼虫はお米や小麦粉を食べる厄介な害虫です。予防や駆除の方法を知るために、まずはノシメマダラメイガの特徴を確認していきましょう。
ノシメマダラメイガの生態
蛾の仲間である「ノシメマダラメイガ」は、お米や小麦粉などの食品に卵を産みつけます。
一回の産卵で、数百個ほど産卵するため、米びつの中に1匹の幼虫を見つけた場合、卵が産み付けられている可能性が高いです。
卵からふ化して幼虫になると食品へ被害を与えます。食害するのは、幼虫の時期だけで、成虫になると、食害を起こすことはありません。
幼虫からサナギに成長する際には、周辺のお米を糸でまとめ始めます。お米を米びつから取り出す時に塊のような物があれば、ノシメマダラメイガが住み着いている証拠です。また、成虫になると、羽が生えて、家を飛び回ります。
特に春から秋にかけては頻繁に繁殖活動を行うため、卵や小さな蛾を見つけた時はすぐに駆除した方がよいです。
色 | 体長 | |
卵 | 乳白色 | 0.4㎜ |
幼虫 | 頭部:茶色
胴体:オレンジ |
2~3mm |
蛹 | 黄褐色 | 8㎜ |
成虫 | 灰褐色・赤褐色 | 7~8㎜ |
「お米」と「卵」を見分けるのは難しい
お米 | ノシメマダラメイガの卵 | |
色 | 乳白色 | 乳白色 |
体長 | 5~6㎜ | 0.4㎜ |
お米とノシメマダラメイガの卵はどちらも色が乳白色であるため、色で見分けることは難しいです。
体長で比較しても見分けることはできません。ノシメマダラメイガの卵が小さすぎて、目視で見つけられないからです。
ノシメマダラメイガの発生源
ノシメマダラメイガがお米に侵入する経路は、主に以下の2つです。
- 製造過程でお米に入ってしまった
- お米を保存している袋のわずかな隙間から侵入してきた
- お米袋を食い破って侵入した
製造過程でお米袋にノシメマダラメイガが入ってしまうことがあります。特に、白米より玄米の方が侵入される可能性が高いです。
また、お米の保存袋には、袋の破裂や荷崩れを防止するため空気穴が空いています。ノシメマダラメイガの幼虫はわずかな隙間を食い広げて侵入することがあります。
対処法としては、食い破られる心配がないようにお米袋ではなく、「プラスチックの容器に保存しておく」のがおすすめです。
ノシメマダラメイガが天井から落ちてくるのはなぜ?
食品類が置かれていない天井であってもノシメマダラメイガの幼虫が天井に発生することがあります。
天井で、ノシメマダラメイガの幼虫が発生するのは、天井裏にいるネズミの死骸を餌として食べるからです。
築年数が経っていたり、天井裏の点検を怠っているとネズミが棲みつくようになり、ノシメマダラメイガが繁殖する原因ができてしまいます。天井裏の点検は年に1~2回を目安に行うことが大切です。
ネズミの繁殖が疑われる場合、駆除剤を使ったり、業者に依頼して点検してもらったりするのがおすすめです。以下の関連記事では、簡単にできるネズミの駆除方法について紹介しています。
ノシメマダラメイガの駆除方法
駆除方法 | こんな場合におすすめ |
①お米ごと捨てる |
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②お米を水洗いする |
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③お米を天日干しする |
|
④掃除機や殺虫剤を使用 |
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①完全に駆除したいならお米ごと捨てる
食害を受けてしまうお米まで捨ててしまうのはもったいないですが、ノシメマダラメイガの発生源を完全に絶ちたいという方は、お米ごと捨ててしまう方法がおすすめです。
ノシメマダラメイガは繁殖力が強いため、完全に駆除しないと、再びお米に発生することがあります。
②お米の水洗いで浮いてきた幼虫を駆除
1度に大量のお米を水洗いしてしまうと幼虫が浮かなくなることがあるため、何回かに分けて水洗いしましょう。
お米を水に漬けてしばらく待てば、水で窒息した幼虫が浮いてきます。後は水と一緒に流してしまえば完了です。
洗米をする際に浮いてくるお米があれば、幼虫と一緒に捨てておきましょう。浮いてくるお米は、ノシメマダラメイガの食害を受けています。
米びつが空になるまで、毎回「水につけて幼虫を駆除する」作業が必要になるため、一気にノシメマダラメイガを駆除したい場合には向きません。
③固形物・ペットフードなどは天日干し
ノシメマダラメイガの幼虫は光を嫌うため、日に当ててしまえば食品から逃げていきます。天日干しをする際は食品にまんべんなく日が当たるように、新聞紙などの紙の上に広げるのがコツです。
食品を外に長く置きすぎると乾燥しすぎてしまうため、30分~1時間を目安に天日干しを行いましょう。
天日干しをしている食品に、鳥が寄ってくる可能性があるため、天日干しをしている間は見張っておくか、網目のあるカゴで食品を覆っておくようにしましょう。
②【成虫】掃除機や殺虫剤で駆除
部屋にノシメマダラメイガの成虫が飛んでいる場合は、掃除機で吸い取ったり、殺虫剤をかけて駆除することができます。
お米に潜んでいる幼虫に掃除機や殺虫剤を使用しても、お米も一緒に処分することになるので、あまりおすすめできません。
掃除機で吸い取ったら他のゴミと一緒に捨てるだけで大丈夫です。殺虫剤で駆除した場合も、ゴミ箱に捨てて処分するようにしましょう。
ノシメマダラメイガの人体への影響は?
もし誤ってノシメマダラメイガの卵を食べてしまっても、人体に悪影響を及ぼすことはありません。また、食害を受けたからといって家にあるお米を処分する必要もないです。
ノシメマダラメイガの予防策
ノシメマダラメイガの幼虫を駆除した後は、必ず予防対策を行っておきましょう。米を新しく購入した際にも予防対策を行っておくことで、ノシメマダラメイガの発生を予防することができます。
密閉した容器で保存する
ノシメマダラメイガはわずかな隙間があれば侵入し、産卵することができます。成虫から食べ物を守るために、お米や小麦粉・ペットフードなどの食品は密閉型の頑丈な容器にいれましょう。
身近なものではペットボトルなどが代用品として挙げられます。市販で売られている米びつを購入するのもおすすめです。
お米や小麦粉・ペットフード以外にも、ノシメマダラメイガの幼虫は油分の多い食べ物を好みます。チョコレートやクッキーなど油分が多い食べ物を常備している場合は、お菓子専用の容器も購入しておきましょう。
防虫剤を使う
ドラッグストアやスーパーには、ノシメマダラメイガの習性を利用したお米専用の防虫剤が販売されています。防虫剤を使えば、米びつの中に入れておくだけでノシメマダラメイガの予防が可能です。
手間をかけずに発生を予防したい場合に向く方法ですので、今後お米にノシメマダラメイガの幼虫を発生させないためにも試してみましょう。
米唐番
市販で売られている唐辛子は、忌避効果や期間が曖昧で、いつのまにか忌避効果が薄れ、大量発生することがあります。しかし、米唐番は忌避効果が保証されており、4~8か月も忌避できます。
忌避効果がなくなったら、ケースの中に入っている唐辛子ゼリーも無くなるため、取り替えの目安が付きやすいです。
価格 | 590円(Amazon) |
タイプ |
(吊るすことも可能) |
忌避効果 | 夏:4か月
夏以外:8か月 |
唐辛子を使うのはおすすめできない
唐辛子はノシメマダラメイガに対して高い忌避効果を発揮するといわれています。しかし、唐辛子をお米の中に直接入れるのはあまりおすすめできない方法です。
長期間、唐辛子を米びつに入れ続けていると、段々と忌避効果が弱くなり、ノシメマダラメイガの発生を抑えることができなくなってしまうからです。また、市販の唐辛子は生産地や発育環境も異なるため、どの唐辛子でも忌避効果があるとは言えないのです。
唐辛子を使用する場合は、忌避効果を維持できる期間や効果が照明されている商品を購入するようにしましょう。以下で唐辛子を用いた「おすすめの防虫剤」を紹介しています。
七味唐辛子はノシメマダラメイガが発生しやすい
唐辛子はノシメマダラメイガの予防に効果的と言われていますが、七味唐辛子はノシメマダラメイガがの好物で、発生する原因になります。
袋に入った七味唐辛子は、ノシメマダラメイガが幼虫が食い破って侵入することがあるため、プラスチック製の容器に移し替えておきましょう。
蚊取り線香は忌避効果が保証されていない
蚊取り線香を使用しても、ノシメマダラメイガに対して忌避・駆除効果を発揮できるわけではありません。幼虫が米袋内に侵入している場合には、蚊取り線香を使用しても忌避できないのです。
ノシメマダラメイガは発生から防ごう
ノシメマダラメイガの幼虫が発生してしまった食品は、駆除する方法があっても抵抗感からすべて破棄してしまう人も多いかもしれません。大切な食料を無駄にしないためにも、ノシメマダラメイガは発生前の予防が重要です。
頑丈な密閉容器に食料を入れれば、成虫が侵入して産卵するのを物理的に防げます。またノシメマダラメイガの習性を利用して、トウガラシやニンニクを米びつの近くに置いておくのも有効な予防法です。
もし発生してまった場合は、ノシメマダラメイガを増やさないよう早めに対処しましょう。
以下の関連記事では、ノシメマダラメイガ以外のお米にわきやすい虫について解説しています。