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紙魚(シミ)とは?発生した際の駆除方法と発生させないための対策も紹介

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最終更新日: 2024年06月28日

紙魚(シミ)はその名の通り、紙を餌とする害虫。大切にしている書籍などが食べられてダメになってしまうことがあります。そんな紙魚の駆除方法や、侵入を防ぐ方法を紹介します。

紙魚の発生を防ぐには?

紙魚は紙類をエサにするので、段ボールや紙ゴミは溜めこまずに捨てましょう。書籍や掛け軸など大切な紙類は、暗い場所にしまいっぱなしにせず、定期的に明るく風通しの良い場所に出して「虫干し」するのも有効です。その他の対策にも記事内で触れています。

紙魚は人間に害がある?

紙魚は刺したり噛んだりして人間に害を与えることはありません。

紙魚はどんな虫?

本を読む人

紙の魚と書いて「シミ」と読む昆虫は、書籍などの紙製品に取りつくことで知られており、それが名前の由来になっています。日本だけでなく海外でも害虫として扱われています。

小さくてすばしっこい紙魚を、なんとか駆除したいと考えている人も少なくないでしょう。まずは紙魚の生態を詳しく解説します。

シルバーフィッシュとも呼ばれる銀色の虫

日本では紙魚と呼ばれていますが、海外では「シルバーフィッシュ」という名前を持つ昆虫です。銀色に輝く体の表面から、そのような名前が付けられました。

また紙魚以外に「衣魚」と表記する場合もあり、さらに雲母虫(きららむし)、箔虫(はくむし)という呼び名もあります。どれも生態や外見が由来です。昔の人々も紙魚の被害に悩まされており、晩夏の季語として俳句で詠まれることもあります。

紙が貴重だった上に印刷技術も発達していなかった時代には、紙魚の被害は現在と比べて相当深刻なものだったことでしょう。

紙魚の生態

紙魚は3億年前からその特徴にあまり変化のない、原始的な昆虫です。成虫になっても羽根はなく、体長は8〜10mmほどとかなり小さいです。

人間を噛むことはありませんが、紙類を食べるため書籍をボロボロにしてしまう可能性があります。

ほかの害虫と同様に高温多湿な環境を好む傾向にありますが、気温7度を下回るような環境下でも生きることができます。そのため冬場に室内で見かけることがあり、暖房のきいた部屋で活発に活動するのです。

また紙魚は寿命が長いのも特徴で、7〜8年は生きるとされています。くわえて悪条件の環境下でも生きることができ、1年ほどの絶食にも耐えるしぶとい虫です。

紙魚の好む食べ物や場所

紙魚(シミ)

紙魚の発生を防ぐためには、餌となる食べ物や好む生息環境などの特徴を把握しておくことが大切です。

紙魚にとって居心地の悪い環境を作れば、おのずと数が減っていくことでしょう。ここからは、紙魚が好む食べ物と場所を解説します。

紙魚が好む食べ物

名前の由来のとおり、紙魚には紙を好んで食べる特徴があります。特に和紙を好むため、掛け軸などを押し入れにしまっている人は被害に遭っていないか確認しましょう。穴を空けるほどではないですが、掛け軸全体をボロボロにしてしまいます。

紙以外も餌とし、衣類や虫の死骸、ほこりなど様々なものを食べます。衣類を無造作に収納していたり、掃除をしっかり行っていなかったりしただけで、紙魚を呼び込んでしまうかもしれません。

また紙魚の種類によっては、パンやクッキーなどの小麦粉でできた食品も好んで食べるので、賞味期限の切れた食品は早めに捨てましょう。

生息しやすい場所

厳しい環境下でも生存できる紙魚にも、好む条件があります。日の当たらない湿度の高い場所を好んで住み着くので、例えば風呂場やトイレ、押し入れなどは絶好の場所といえます。

具体的には湿度70%、気温20度以上が紙魚にとっては快適な環境です。夏場はこの条件に合致する場所がたくさんあるため、押し入れやクローゼットに紙類を収納している人は、定期的に外に出して虫干しをしましょう。

虫干しの方法は後ほど詳しく解説します。

紙魚を駆除する方法

殺虫剤

人間への直接的な害の少ない紙魚ですが、家に現れてしまった場合は対処しておきたいところです。

ここでは紙魚を駆除する方法として3つ紹介します。必要に応じた対処ができれば、すばしっこいの紙魚を家から一掃できるでしょう。

殺虫剤を吹きかける

スプレータイプの殺虫剤を吹きかけるのが、もっともスタンダードで確実な駆除方法です。汎用的なタイプでも十分な効果がありますが、ゴキブリ用などの強力な殺虫剤もおすすめです。

特に害虫には、「シフェノトリン」「イミプロトリン」と呼ばれるピレスロイド系の成分が有効なので、購入の際は殺虫剤に含まれる成分をチェックしましょう。ピレスロイドは速効性があり、小さくて素早い紙魚でも少しの量で駆除できます。

ただし、書籍に殺虫剤を吹きかけると汚れの「シミ」ができてしまうので、扱いには要注意です。もちろん食品の近くで使わないよう心がけるのは、言うまでもありません。

ホウ酸団子を置く

紙魚は小さい上に神出鬼没のため、見つけた際に近くに殺虫剤がないことあるでしょう。

家の中に紙魚がいると分かった際は、「ホウ酸団子」を現れやすい場所に設置しましょう。紙魚はタンパク質を好むので、餌と間違えて食べさせることで、ホウ酸の毒によって駆除できます。

ホウ酸団子は市販されていないため自作する必要がありますが、作り方は簡単です。じゃがいも1/2個・ホウ酸200g・小麦粉30g・砂糖15g、そして適量の油を用意しましょう。あまり馴染みのない人も多いホウ酸ですが、薬局などで購入できます。

じゃがいもをすりおろし、ほかの材料とともに袋に入れて耳たぶほどの固さになるまでこねましょう。小麦粉は固さを調整するのにも使えます。こねたものを団子状にし、ラップやお皿の上で2日ほど干せば、ホウ酸団子の完成です。

ホウ酸の致死量は、成人で10~20g程度、幼児は5~7g程度と言われています。幼児やペットに対しては特に危険が大きいため、取り扱いには十分に注意しましょう。

ふかしたじゃがいもでも可能

ふかしたじゃがいもで隠れた紙魚を誘い出して、一網打尽にする方法も有効です。

ふかしたじゃがいもをペースト状にして厚紙や紙皿の上に置き、紙魚の集まりやすいところに2日ほど設置しておくだけで効果を得られます。

大好物のタンパク質に寄ってきた紙魚とじゃがいもを一緒に処分すれば、手を汚すこともありません。

紙魚の発生を防ぐための対策

ラベンダー

できることならば、不快な害虫である紙魚を家に侵入させないようにしたいところでしょう。大切にしている衣類や書籍を食べられるのは避けたいのに加え、駆除も面倒です。

ここでは紙魚の発生を防ぐ対策を紹介します。

苦手なラベンダーの香り

害虫は臭いに敏感な特徴を持っており、苦手な臭いを感知したときには素早くその場から離れる習性があります。紙魚はラベンダーの香りを嫌うため、ラベンダーのアロマを焚いたり、芳香剤を置いたりするだけでも対策として有効です。

ラベンダー以外のハーブでも効果があるので、お気に入りの香りがある人は効果が出るか焚いてみて確認するのもいいでしょう。

またアロマオイルを紙魚が出やすい場所に垂らしておくのも、方法のひとつです。

部屋を乾燥させる

紙魚は湿気を好むため、部屋の湿度を下げ乾燥した状態にしておくのも手です。極端に湿度を下げる必要はなく、40〜50%にしておくことで紙魚の動きを鈍らせることができるでしょう。

湿度が40%を下回ると、風邪を引きやすくなってしまうので、乾燥のしすぎには要注意です。

侵入経路を塞ぐ

紙魚が家に入り込めないよう物理的に侵入経路を塞ぐのも、効果を期待できる対策です。

紙魚は小さな害虫なので、壁のちょっとしたひび割れでも侵入経路になります。気になっていたひび割れがある場合は、修復を業者に相談してみましょう。ほかにも窓や玄関の隙間からも入ってくるので、テープなどで塞ぎましょう。

ただ、無数にある隙間を完璧に塞ぐのは難しく、前述したアロマを焚いたり、部屋を乾燥させたりといったほかの対策との併用がおすすめです。

日頃からできる紙魚対策

ロボット掃除機

紙魚の駆除や発生に悩まされないためには、日頃からの対策も欠かせません。ちょっとした配慮が、結果的に紙魚が棲みつきにくい環境を作ることにつながります。

最後に、すぐに実践できる日頃からの紙魚対策を3つ紹介します。

部屋を清潔に保つ

無造作に積まれた衣類や書籍は、紙魚にとって恰好の住処です。無駄な物のないきれいな部屋は紙魚にとっては好ましくないので、部屋は常に清潔に保つよう心がけましょう。

本棚や机、タンスなどの家具の裏側にも紙魚は潜んでいます。普段は掃除しない場所も、定期的に掃除するのが大切です。

また押し入れやクローゼットにも紙魚はよく現れます。物を詰め込みすぎないように気をつけ、たまには開けっ放しにして換気をし、整理整頓しましょう。

紙類を減らす

紙魚は紙を餌とするため、ダンボールや不要な紙は溜め込まずに、こまめにゴミに出すように心がけましょう。

また書籍も紙魚を引き寄せる要因になるので、家の掃除を兼ねて、読まなくなった書籍は売却するなど処分しましょう。

ただし紙魚は、1年は餌を食べずに生存できます。家に入り込んでしまった紙魚に対しては、紙類を処分してもそれがすぐに駆除にはつながらない点は注意が必要です。

捨てられない紙類は虫干し

お気に入りの書籍や家族が大切にしている掛け軸など、処分できない紙類は定期的に「虫干し」をして、紙が含んでいる湿気を飛ばしましょう。

虫干しとは、久しく使っていない物を取り出して、風通しのよい場所で日光に当たる作業で、古くから行われています。ただ書籍や掛け軸は直射日光に当てると変色してしまうので、屋内など日陰で時間をかけて行いましょう。

本は90〜180度の角度に開き、数時間放っておくだけでも効果があります。掛け軸は広げて、床の間などに飾っておくだけで湿気を飛ばせます。ただ掛け軸はデリケートなため、風を直接当てないように注意しましょう。

紙魚対策をして発生を防ごう

紙魚(シミ)

紙魚は人間を噛むなどの被害はない害虫ですが、大切にしている書籍などをダメにしてしまう可能性があります。

小さくて素早いので、殺虫剤以外にホウ酸団子やふかしたじゃがいもを設置しておけば、十分な効果が期待できます。ただ小さな子どもやペットのいる家庭は、ホウ酸の扱いには注意しましょう。

ラベンダーの香りを焚くだけでも対策になるので、紙魚の侵入を許したくない人はぜひ試してみてください。また屋内を清潔な状態に保つことも対策になります。定期的な掃除を心がけましょう。

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紙魚は人間を噛むなどの被害はない害虫ですが、大切にしている書籍などをダメにしてしまう可能性があります。対策としては以下のような方法が挙げられます。

  • ホウ酸団子(毒エサ)を設置
  • ふかしたじゃがいもでおびき寄せてから退治
  • 紙魚が嫌いなラベンダーの香りを焚いて侵入防止
  • 定期的な掃除

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