触れると危険な虫にはさまざまな種類があります。やけど虫もそのひとつです。今回の記事では、やけど虫の基本情報や発生エリア・見かけた際の対処法などについて紹介します。


うっかり触って炎症を起こさないよう、正しい知識を身につけておきましょう。
やけど虫に触れるとどうなる?
やけど虫に触ると、やけどの痕に似た水ぶくれとヒリヒリした痛みが襲ってきます。 死骸でも、体液が体に残っているやけど虫に触ってしまうと有毒なので、むやみに触らないよう注意しましょう。
やけど虫をみかけたときの対策方法は?
農作業中やキャンプ中にやけど虫を発見したときは、まずは触らないようにすることが重要です。 触ってしまった場合はすぐに水で洗いましょう。水がないときにはウェットティッシュなどできるだけ水分が含まれているもので代用してください。
やけど虫とは?
「やけど虫」は触れるとやけどのような炎症を起こす害虫です。まずはやけど虫の基本情報を確認しておきましょう。
正式名称は「アオバアリガタハネカクシ」
「やけど虫」という名前は通称で、正式には「アオバアリガタハネカクシ」といいます。やけど虫はハネカクシ科に属する虫の一種です。青い羽根をもつためこの名前がつけられました。
ハネカクシ科の虫は非常に種類が多く、日本だけでも2,000種類以上もいるとされています。体長は種類によって異なりますが、今回紹介するやけど虫は小さい方で、体長は6〜7mmです。
ただ、小さいからといって毒性が弱いというわけではありません。体液には人間に害を及ぼす毒が含まれており、触れたとき皮膚に起こる症状がやけどに似ていることから「やけど虫」の通称が付けられました。
具体的な症状は別の項目で紹介しますが、触ってしまうと水ぶくれや痛みなどの症状が出ます。
やけど虫は甲虫の仲間!飛ぶことができる
やけど虫の形はアリに似ていますが、実はカブトムシなどと同じ「甲虫」に分類されます。ハネカクシとは「コウチュウ目ハネカクシ上科ハネカクシ科」に属する昆虫の総称です。やけど虫の姿からは想像がつかない人も多いかもしれませんが、飛ぶこともできます。
甲虫自体は世界で30万種ほどいるとされており、日本だけに絞っても8,000種ほどの種類が生息しているといわれています。甲虫の中で知名度が高いのは、カブトムシやコガネムシ・ホタル・テントウムシなどでしょう。
やけど虫の生態
この項目では、上記の項目では紹介できなかった生態や発生するエリア、時期などを紹介します。やけど虫の生態をさらに詳しく知っておくことで、後ほど紹介する具体的な対処方法も把握しやすくなるでしょう。
やけど虫の発生エリアや発生時期
生息地 | ほぼ全土に生息。畑、水田、湿った草地にいる。 |
発生時期 | ほぼ一年中。特に6~8月に大量発生する。 |
屋内への侵入経路 | 夜間灯火につられて窓から侵入する。 |
アオバアリガタハネカクシ(やけど虫)は日本全国に分布しており、特に水田や畑のような湿った土地を好みます。水田や畑で農作業していたり湿った土地の近くに住んでいたりする場合は、被害に遭う可能性が高くなるでしょう。
雑草や落ち葉の下に生息していることもあり、キャンプやハイキングなどでの被害も多く報告されています。レジャーなどで自然豊かなところに足を運ぶ際にも、やけど虫に注意しなければなりません。
特に夏の時期は肌の露出が多くなるため、やけど虫の多い地域に行くときは上から何かを羽織るなどの工夫が必要です。
6~8月は特に注意
やけど虫が大量に発生する夏は、特に気をつけなければなりません。やけど虫は温暖で湿度が高い環境や時期を好むため、6〜8月は特に過ごしやすい時期なのです。
ただし他の季節にまったく被害がないわけではありません。やけど虫はほぼ1年中見られる虫であり、いつでも見かける可能性があります。春や秋にも被害にある危険性はあるため、冬になるまでは油断しない方がよいでしょう。
冬になると土の中や土手に隠れるので、生きた状態で見かけることはほとんどなくなります。
やけど虫に触れると出る症状と治療法
もしやけど虫に触ってしまった場合はどうなるのでしょうか。体液が肌に触れると起こる症状と、治療法を確認しておきましょう。
やけどに似た水ぶくれとヒリヒリした痛み
やけど虫に触ると、やけどの痕に似た水ぶくれとヒリヒリした痛みが襲ってきます。
毒針を刺すわけではなく、ハネカクシの仲間の体液に含まれる「ペデリン」が皮膚につくことで炎症が起こります。
もし死骸だとしても、体液が体に残っているやけど虫に触ってしまうと、十分に有毒です。もし死骸を見つけても、むやみに触らないよう注意しましょう。
ステロイド軟こうや内服薬で治療
やけど虫に触れたことによる腫れには、ステロイド軟こうや内服薬での治療が有効です。薬自体はドラッグストアでも販売されているため、簡単に入手できます。
ただしステロイド軟こうは、長期間使うと重大な副作用を起こす可能性もある薬です。3日ほど塗っても効果が見られない場合は皮膚科に相談することをおすすめします。
炎症がひどい場合も皮膚科に相談した方がよいでしょう。抗生物質などの内服薬も併用して治療することで治りがよくなります。
症状が治まるまでどのくらいかかる?
ペデリンが皮膚について起こる炎症は「線状皮膚炎」と呼ばれ、やけど虫による症状の場合10日〜2週間ほどで治まると言われています。
しかし人によっては、跡が消えるまで時間がかかってしまうことも。症状が出たら、早めに皮膚科を受診することをオススメします。
症状自体は軽度なものから重度なものまであります。最初に付いた毒が少なくても、やけど虫に触った手で知らずに他の部分を触ってしまうとペデリンが付いてしまい、重症化するケースもあります。
毒が目に入ると、最悪の場合失明してしまう可能性も。目に異常を感じたら放置せずに眼科に相談することをおすすめします。
やけど虫を見かけたときの対処法・侵入を防ぐ方法
農作業中やキャンプ中にやけど虫遭遇したとき、まずは触らないようにすることが重要です。やけど虫を見かけたときの注意点や、万が一触ってしまったときの対処法を紹介します。
死骸でも触れないようにする
やけど虫が死んでいても体液に毒が残っています。死骸だからといって素手で触るのは危険です。処理したいときには、火ばさみやトングでつまむ・ほうきではくなど直接触らずに済む方法を選びましょう。
もちろん生きているやけど虫にも触れてはいけません。動き回る虫には触ってしまいやすくなりますので、見つけたら殺虫剤で駆除しましょう。
触れたらすぐ洗浄を
うっかりやけど虫に触れてしまった場合は、ただちに水で洗う必要があります。水がないときにはウェットティッシュなどできるだけ水分が含まれているもので代用しましょう。水分によってペデリンが取り除かれ、炎症が起きるのを防げます。
ただしやけど虫の毒は触れてから半日ほどたってから症状を引き起こすため、やけど虫に触れてもリアルタイムでは気づけないかもしれません。
触れてしまったとき早めに対処できるよう、やけど虫の出やすい場所や特徴を覚えておきましょう。
侵入を防ぐ方法
やけど虫の侵入を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
家の電気をLEDにすると侵入予防に効果的です。LEDは蛍光灯と比べて虫が近寄りにくいため、他の虫を寄せ付けない効果も期待できるでしょう。誘蛾灯をベランダに取り付ける方法も有効です。
また、網戸に忌避剤を散布することによって、やけど虫に侵入される可能性を下げることができます。やけど虫専用の虫除けスプレーはないので、幅広い虫に効果があるスプレーを使用することをおすすめします。
他にも、庭に蚊取り線香を焚いたり、洗濯物に虫がついていないかチェックしたりするのが有効です。
やけど虫に触ってしまったらすぐ対処しよう
今回は、やけど虫の基本情報や対処方法などについて紹介しました。やけど虫は小さいながらも危険な毒を持っています。死骸にも毒が残っているので、安易に触らず適切な方法で処理しましょう。
やけど虫に対する対処方法を正しく理解し、万が一触ってしまったときには迅速な対応が必要です。室内への侵入を防ぐ工夫も、触れるとやっかいなやけど虫への対策になるでしょう。
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