たくさんの足、ザワザワと動く姿。ゲジゲジを家で見つけると、ゾッとしてしまいますよね。見た目で人を不快にさせることもあるゲジゲジですが、実は益虫だということを知っていましたか?ゲジゲジは、他の不衛生な害虫を食べてくれる虫なのです。
「気持ち悪いし、家に放置しておくのは嫌……。でも、ゲジゲジを駆除して他の害虫が増えるのも嫌!」
そんなお悩みを解消すべく「ゲジゲジを駆除すべきかどうか」「駆除する場合のやり方」などをまとめました。ゲジゲジ発生に困っている人は、ぜひ参考にしてくださいね!
ゲジゲジは益虫!家にいると他の害虫を食べてくれる
冒頭でもお伝えした通り、ゲジゲジは益虫です。具体的には、以下のような生き物を食べてくれるんです。
- ゴキブリ
- クモ
- 蚊
- ハエ
- ダニ
- ダンゴムシ
- ワラジムシ
- シロアリ
特に強調したいのが、ゴキブリを食べてくれること!大きくて素早いゴキブリを積極的に食べてくれるゲジゲジは、ゴキブリの天敵に数えられる珍しい虫なのです。
ちなみに、ゲジゲジはムカデ綱ゲジ目ゲジ科に属する多足類の一種。小型の「ゲジ」は2~3cmほど、大型の「オオゲジ」は、5~6cmほどの大きさで、いずれも「ゲジゲジ」と呼ばれています。北海道から沖縄まで、日本中に生息する虫です。
ゲジゲジを駆除すると、害虫が増えてしまうのか?
ゲジゲジを駆除すると、ゲジゲジの餌となる害虫が増える可能性があります。駆除する前までは、ゲジゲジの存在によって「ゴキブリ」「ハエ」「蚊」などが住みにくい環境となっています。そんな中でゲジゲジがいなくなれば、害虫にとっては住みやすい安全な空間になるのです。
しかし「ゲジゲジを家の中でそのままにしておくのが嫌!」という方がほとんどですよね。ゲジゲジはその見た目の気味悪さから「不快害虫」にカテゴライズされることもあります。ゲジゲジがいることで落ち着いて日常生活を送れないのであれば、駆除してしまって問題ありません。
ただしこのとき、できることなら外に逃がしてあげるのがおすすめ。家の周辺にいるゴキブリを食べてくれることがあるからです。どうしても駆除したいという場合は、記事後半を参考にしてみてください。
ゲジゲジは人間に対しては無害!毒はあるが気にする必要なし
ゲジゲジは基本的に、人間を襲わない・噛まないと思って大丈夫。毒は持っているものの、人や犬猫サイズの動物には影響のないレベルの微弱なものです。
そもそもゲジゲジは、命の危険を感じたら自分の足を切り離して逃げるような、臆病な虫です。こちらから触ったり攻撃したりしない限り、ゲジゲジの方から攻撃することはありません。これは犬や猫に対しても同様です。
万が一噛まれたり刺されたりしたときの対処法
万が一噛まれたり刺されたりしたときは、念のため患部を流水で洗い流し消毒してください。とはいえ、ゲジゲジは綺麗好きで、病原菌や寄生虫などを持っていない虫です。特別な処置は不要で、通常怪我したときのように対処すれば問題ありません。
結局ゲジゲジは殺すべきなの?駆除するかしないかの判断基準
ゲジゲジを駆除するかしないかの判断は、「ゲジゲジと同じ室内での生活が耐えられるかどうか」を基準としてください。ゲジゲジがいると思うと、怖くて安心できない…というのであれば、むしろ駆除したほうがいいですよ。
ただし、ゲジゲジの駆除をするときは「その他の害虫対策」も必須。ゲジゲジだけがいなくなると、餌となるその他の害虫が増えてしまう可能性があるからです。特にゴキブリの対策もあわせて実施するといいでしょう。
ゲジゲジを駆除せず放置したらどうなる?
「ゲジゲジを放置しておいたら家の中で増えちゃうんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。しかしゲジゲジは、土と湿気のある場所で産卵するため、室内で増えることはほとんどありません。家から餌となる虫がいなくなったり、ゲジゲジの好む環境でなくなったりした場合は、自然といなくなります。
家で見かけるゲジゲジが増えた場合は、外からやってきたことが考えられます。あまりにも頻繁に見るようであれば、家にいる「ゲジゲジの餌となる害虫」が増えている可能性も。その場合、餌となる害虫の対策をすることをおすすめします。
気持ち悪いゲジゲジを駆除するおすすめの方法4選
ここまで解説してきたようにゲジゲジは益虫なので、できるなら逃がしてあげるのがおすすめです。ちりとりやバケツのようなものに追い込んで、そのまま外に捨てるというやり方です。
しかし、このやり方だとゲジゲジにかなり近づかなくてはいけませんし、最悪逃がしてしまうこともあります。確実に駆除したいのであれば、以下の4つの方法がおすすめです。
- 熱湯をかける
- 殺虫剤や燻煙剤を使う
- 毒餌を仕掛ける
- 駆除業者に頼む
おすすめ駆除方法1:熱湯をかける(特別なアイテム不要)
ゲジゲジは熱に弱いので、熱湯をかけて駆除するのがおすすめです。お湯を沸かしている間に逃げられてしまうので、見つけたらまずは、バケツやいらない箱などをかぶせて閉じ込めておきましょう。
熱湯をかけられないような場所なら、丸めた新聞紙で叩き潰すという方法でも大丈夫です。しかしこの方法だと床が汚れてしまうので注意してくださいね。
おすすめ駆除方法2:殺虫剤や燻煙剤
ゲジゲジはゴキブリのように室内に巣を作るわけではないので、出くわしたときに殺虫剤を使用するのが一番確実です。
ゲジゲジ用の殺虫剤には、殺虫成分が含まれているものと、瞬間冷却で殺すタイプのものの2種類があります。ペットや小さな子供がいる家庭の場合、殺虫成分が使用されていない「瞬間冷却スプレー」が安心です。
また、バルサンのような燻煙剤も有効。ゲジゲジが屋内で大量発生することは少ないですが「餌となる虫が多い」「ジメジメして土がある」などの環境が合わさると床下で増えてしまうことがあります。こういったときには、燻煙剤で一網打尽にしてしまいましょう。ゲジゲジ以外の害虫にも効くのが嬉しい点ですね。広範囲のゲジゲジやその他の害虫を一気に駆除したい場合におすすめの方法です。
使用の際は、ペットや小さい子供が直接吸い込まないように注意してくださいね。
ちなみにゲジゲジ専用の殺虫剤・燻煙剤は少なく、ムカデ用の商品がゲジゲジにも有効なことが多いです。「対象の害虫」の欄を確認し、ゲジゲジに対応しているアイテムを使用しましょう。
おすすめ駆除方法3:毒餌を仕掛ける
ゲジゲジが発生を繰り返す場合は、置型のゲジゲジ用毒餌を設置するのが効果的です。玄関先や家の周りなど、ゲジゲジの侵入経路付近に置きましょう。
毒餌には誘引成分(ゲジゲジをおびき寄せる効果を持つ成分)が含まれないものも多いです。その場合は、ゲジゲジを見かけやすい場所に多めに設置しましょう。
毒餌もムカデ用の商品が多いため「対象の害虫」の欄を確認してみましょう。
おすすめ駆除方法4:専門の駆除業者に頼む
「ゲジゲジがどこから発生しているのか分からない」「気持ち悪くて近づくのも嫌」このような場合は、専門の駆除業者に依頼するのもひとつの手です。
また、ゲジゲジは餌となる虫が多いと発生しやすいため、その他の害虫退治を一緒にしてもらうのも良いでしょう。
ゲジゲジ退治の相場は30,000円~100,000円程度。2階建ての広い家全体をお願いする場合は、10万円以上になることもあります。駆除の範囲や侵入経路の対策有無・アフターサービスなどによっても料金に差が出るので、見積もりを取ってみましょう。
業者に相談する際は、ミツモアの無料一括見積もりを利用してみてください。あなたの地域や予算・求める条件にピッタリの業者(複数)が見積もりを出してくれますよ!
ゲジゲジの予防方法!家に入れないための対策とは?
ゲジゲジは、家の中で増えるのではなく外から侵入します。家に入れないためはどうするべきか、ゲジゲジの特性を踏まえて対策を紹介します。
そもそもどこから発生するのか?ゲジゲジの好む場所や産卵時期
ゲジゲジが好む環境は、次のようなところです。
- 落ち葉や石の下
- 暗くて湿気があるところ
- 餌となる虫が多く生息しているところ
基本的には土の上が好きなゲジゲジ。家に入る理由としては、「暗くて湿気がある」「餌が豊富にある」というゲジゲジの好む環境があるから。家の中には、次のような侵入経路を使って入ってきます。
- 床下の隙間
- 排水溝
- 窓
- 換気扇
- 室外機のホース
体が細いので、数ミリの隙間であってもするりと中に入ってしまいます。換気扇や室外機のホースには、虫よけネットをかけると安心ですよ。
ゲジゲジの活動時期は、主に春先から秋にかけて。特に梅雨どきには多く発生します。産卵時期も同じく、5月から秋ごろまでに断続的に行われます。そのため、冬以外は予防が必要になるということですね。
卵には湿気を必要とするので、湿った土に産卵します。
ゲジゲジ予防1:換気と掃除
ゲジゲジ予防の基本は、家の換気と掃除です。「家の湿度を上げない」「餌となる虫を増やさない」ことで、ゲジゲジが寄り付かない環境にしましょう。ゲジゲジが好む「ゴキブリ」「ハエ」などの害虫を寄せ付けないために、家の中にホコリや食べかすを放置せず、生ゴミは外に置かないなどの工夫が必要です。
また、予防効果を最大化するには、家の中だけではなく家の周りを含めた掃除が大切。ゲジゲジは雑木林のような自然の中から餌を求めてやってきます。侵入経路となる家の周りを綺麗にすることで、より高い予防効果が見込めるのです。
ゲジゲジ予防2:忌避効果のある薬剤
日当たりが悪い・風通しが悪いなどの理由から、家がゲジゲジの好みやすい環境にある場合、掃除に加えて「忌避効果のある薬剤」を使用しましょう。
忌避効果のある薬剤は、家の周りを囲うようにまくことで、屋内へのゲジゲジの侵入を防ぐ効果があります。多くは1~2ヶ月ほど効果が持続するため、ゲジゲジがよく発生する梅雨どきから秋にかけて定期的にまいておくことがおすすめです。
ゲジゲジ予防方法3:アロマ
ゲジゲジは、ミントやヒノキなどの強い香りを嫌うと言われています。薬剤を使いたいくない場合(無農薬で予防したい場合)は、「アロマオイル」や「ヒノキの香りの忌避剤」などを活用しましょう。
ゲジゲジが嫌うと言われているアロマには、次のようなものがあります。
- ミント
- ゼラニウム
- ティートゥリー
- シトロネラ
ただしペットがいる場合は、アロマオイルの使用を控えたほうがいい場合も。使用前に獣医師に確認するなど、危険がないかを確かめた上で使用してください。
ゲジゲジ・ムカデ・ヤスデの違い!害虫はムカデだけ
同じ多足類でしばしば間違えられる「ゲジゲジ」「ムカデ」「ヤスデ」の3種類。その見た目や危険性の違いをまとめました。
ゲジゲジ | ムカデ | ヤスデ | |
特徴 | 褐色の細い胴体を持ち、触覚や足が長い、非常に素早く動く | 赤黒くツヤツヤした胴体に、中程度の長さの足、そこそこ素早く動く | 黒や黄色などの胴体で足は短い、非常にゆっくりと動く |
大きさ | 3~5cm | 6~20cm | 1~3cm |
人への危険性 | 低い
・基本的に、人を噛まない |
高い
・人にも積極的に噛みつく ・アナフィラキシーショックの危険性あり |
やや低い
・人を噛まない 触ったり踏んだりすると、悪臭を出す ・体液が目に入ると危険 |
食性 | ゴキブリ、クモ、蚊などの虫 | ゴキブリやクモなどの虫、カエルやナメクジなどの小動物 | 腐った草木 |
好む環境 | 湿度の高い場所
餌となる虫の多い場所 |
湿度の高い場所
餌となる虫や小動物の多い場所 |
湿度の高い場所
落ち葉の多い場所や植木鉢の下など |
このなかで注意すべきはムカデのみ。体が長く、足が胴体に比べて短い虫がいたら、それはムカデの可能性が高いです。また、いかにも毒がありそうな体の色も特徴的ですね。
ゲジゲジやヤスデは放っておいても大丈夫ですが、ムカデだった場合はすぐに駆除するようにしましょう。
ちなみに、この3種の駆除方法はほとんど一緒です。殺虫剤はこれら全てに効くものも多いので、1つ持っておいてはいかがでしょうか。