家にアリがいるということは、何かしらの原因が家にあるということです。早めに原因を見つけて対処しなければ、家の中に巣を作られてしまう場合もあります。アリの効果的な駆除方法と部屋の中に侵入させない予防方法を紹介します。
最初にアリの種類を確認
家に侵入するアリは、おもにクロアリとシロアリとに大別できます。しかしシロアリはゴキブリの仲間で、クロアリはハチの仲間と分類上の違いがあります。そのため駆除方法が違うのです。
また「黒い」シロアリもいるので、油断は禁物です。アリを見かけたら、クロアリかシロアリをしっかり見分けて適切な対処を行いましょう。
クロアリとシロアリの判別方法は、胴体で見分けが付きます。クロアリは、頭部・胸部・腹部の3つに分かれて、くびれがあるのが特徴。一方でシロアリは、くびれがありません。
この記事ではクロアリの被害について紹介していきます。シロアリ被害の点検方法や駆除に関しては、以下を参考にしてみてください。
考えられる侵入経路
アリは窓や玄関だけでなく、とにかく家のあらゆるすき間から入ってきます。アリ対策をしたあとで再び侵入されるのを防ぐために、どこから入ってきたのかを突き止めておきましょう。
- 壁の穴、ひび割れ
- 玄関のすき間、窓サッシのすき間
- ベランダの排水口
壁の穴やひび割れなど、一見大したすき間ではなくともアリにとっては広い侵入口です。古い家になるとすき間が多くなるので、アリも発生しやすくなります。
またベランダの排水口を伝って侵入する場合もあるため、高層マンションでもアリは侵入してきます。しかも一度やってくると地上の巣に帰ることはなく、植木鉢や室内に巣を作ってしまう場合があるので注意が必要です。
アリは家に侵入すると、タンスの裏や壁の中に巣を作るといわれています。産卵と子育てを安全な家のなかでするため、いつの間にか大量発生してしまう場合もあるでしょう。
自分でアリを駆除する場合
アリが侵入してくる場所をふさぐ
アリを発見したら、まずは侵入経路をふさぎましょう。いくら駆除してもアリが侵入を続けていると、キリがありません。また家の中に巣を作られると、駆除の難易度も上がってしまいます。
窓枠やドア枠の周りはアリが侵入しやすい場所です。また幅木などの周囲にある亀裂は、コーキング材などでふさぐなどしてアリ対策しておきましょう。
薬剤を使ってアリを駆除する
家の侵入口をふさいだら、室内にいるアリを駆除します。以下は薬剤を使ってアリを駆除する方法です。
- エアゾールスプレー
- ベイト剤(毒餌)
- 液剤・粒剤
アリを撃退するにはアリ専用殺虫薬剤を使ってできます。スプレーで撃退するか、ホウ酸を含むベイト剤(毒餌)を仕かける方法などがあります。
スプレーはアリの行列や数多くいるところで効果を発揮します。使用する際は、屋内用か屋外用かをよく確認してください。家で使用するときは近くで噴射すると、アリが吹き飛んでしまう可能性もあるので、少し離れた位置からスプレーしましょう。また死骸はスプレーしたあたりをふき取るか掃除機で吸って処理できます。
ベイト剤(毒餌)を利用すればアリが勝手に巣へ運び、多くのアリにダメージを与えられます。アリが食べやすいように柔らかいジェルタイプも。ただし、ペットや子どもが間違って口に入れてしまう恐れがあるので、置き場所に注意しましょう。
液剤や粒剤は主に屋外のみでの使用です。家周りに散布するだけで駆除・予防効果があり、「庭に巣穴を作られた」、「外でアリの行列ができる」という人にはおすすめです。
身近なものでもアリを駆除
薬剤を買わず、身近なものでアリを駆除することもできます。
アリを駆除できるものは以下です。
- 重曹
- 食器用洗剤
- 酢
呼吸用の穴に洗剤が入り込むと、アリは呼吸できなくなり、窒息死します。
作り方は、食器用洗剤と水を1:2の割合でスプレーボトルに入れて混ぜるだけです。スプレーを吹きかけたあとはその場所が痛んだり、シミになってしまうため、洗剤をふき取ることを忘れずに。
重曹は、油汚れや水アカなどの汚れを掃除するのに便利ですが、アリに取っては毒です。重曹で駆除する場合は、重曹と砂糖を1:1の割合で混ぜるだけ。アリをよく見かける所や侵入口となる窓辺や玄関に置いておくと食べる可能性が高く、死滅させられます。
また酢でアリをすることができます。作り方は簡単で、酢と水を1:1の割合で混ぜて完成です。アリは酢を嫌っており、かけられると動けなくなります。またアリは酢の匂いを嫌っているため予防にも効果的です。
アリの巣も駆除しておこう
アリを駆除するときは、女王アリを駆除しなければ根絶できません。女王アリは巣の深い部分に身を隠しているので、殺虫スプレーではなかなか届かないでしょう。
毒餌を設置すれば、巣ごと撃退できる可能性が高くなります。巣が作られそうな場所に、アリ用のベイト剤を置いておきましょう。
ホームセンターに売っている殺虫商品に頼らなくても、家にあるもので巣を破壊することも可能です。もしアリの巣を見つけた場合は熱湯を巣にかけ流します。
アリは70℃以上の熱に熱を浴びると死滅します。また、大量の水で溺死させる効果も。シンプルですが確実に巣を撃退できる方法といえます。
手に負えない・床下からの発生は業者に任せる
以下の悩みを持った方は業者に任せてみると良いでしょう。
- アリが大量発生して手に負えない
- アリがどこから侵入しているか分からない
- アリが床下からわいてくる
アリが手負えなくなるくらい大量発生しているときは、業者に任せるのが得策です。
また発生源や発生原因がわからい対処は困難です。根本が解消されない限りは、アリがまた増えてくることがあります。
またアリが床下から侵入してきたら、シロアリの巣が発生原因の場合も。クロアリは、たんぱく源としてシロアリを捕食する習性があるのです。
これらの原因を判断するところから駆除・予防までまとめて依頼できるので、業者に任せるのが手っ取り早くて効果的と言えます。
アリを駆除するときのおすすめスプレー
室内で見かけたときに速攻退治「おすだけアリアーススプレー屋内用」
アースの「おすだけアリアーススプレー屋内用」は、室内でアリを見かけたときにおすすめです。
使い方は簡単で、スプレーをアリに直接かけ、即効退治するだけ。
またアリが嫌う成分を含んでいるため、吹きかけたところに寄り付かない忌避効果もあります。
アリが侵入してくる窓辺や玄関口あたりに、吹きかけておくいいですね。この寄り付かせない効果は1ヶ月程持続します。
屋外・室内、どこでも使える「アリフマキラー」
フマキラー「アリフマキラー」は、庭など屋外や室内のアリ駆除に効果的です。
アリの巣穴や行列に直接かけると、冷却効果で速攻でアリを駆除させることができます。
屋外で見かけたアリを速攻で駆除したい、巣を根絶させたいという方におすすめです。
人体に影響が少ない、殺虫力を持つ天然成分の除虫菊エキス「ピレトリン」を使用しています。そのため室内でも使える商品です。
またスプレーしたところに、1週間ほどアリが寄り付かない忌避効果もあります。
部屋中のアリをまとめて駆除「アリワンプッシュ」
フマキラーの「アリワンプッシュ」は、屋外だけでなく、室内でも使えるアリ駆除スプレーです。
部屋でスプレーすると、薬剤がすみずみまで広がり、アリをまとめて駆除できます。直接アリにかけなくても駆除ができる優れモノです。
また「アリワンプッシュ」は忌避効果が高く、最大で2か月程持続します。
アリが侵入してきそうな窓や玄関まわりにスプレーしておくといいですね。
巣穴にかけると薬剤によって、2週間程アリの出入りが防止できるとも言われています。
侵入させない予防法もチェック
庭など家の周りでできる予防法
アリを侵入させない方法として、家中の穴をふさぐ手段がありますが、ドアや窓などの小さな穴はふさぎようがありません。代わりにこれらの周辺にアリを駆除する薬をまきます。
アリを寄せ付けない商品には、アース製薬の「虫 コロリアース」のようなパウダー状のものがあり、これを庭や家の周辺にまくとアリの侵入を予防できます。
使い方は簡単です。外壁に沿って約5cm幅の帯状に、1mあたり10~20gの薬剤をまきましょう。風向きを考慮し、ペットや洗濯物にかからないようにします。
また侵入経路が分かっている場合は、そこに忌避剤を使用すれば侵入しづらくなります。
家の中でできる予防法
家の中で出来る対処法は、以下。
- 家の掃除
- ハッカ油などのニオイを使う
- 部屋の隅にベイト剤を設置しておく
アリは餌につられて家に侵入してくるので、何よりもまず、部屋を掃除しておくことが大切です。また食べ終わったお菓子の袋や、アルコール類の缶なども放置せず、早めにゴミ出ししておきましょう。
どうしても家のなかでゴミを保管しておかなければいけないときは、生ゴミや食べかすなどは2重のビニール袋で密閉しておきましょう。
また部屋のディフューザーとして、防虫効果のあるハッカ系のニオイや、アロマ系のニオイを使用するのも有効です。
念には念を入れたいという方は、あらかじめ部屋の隅にベイト剤を置いておきましょう。ゴキブリホイホイなどと一緒に設置して、定期的に交換することで防虫効果を維持できます。
手に負えなくなる前に対策を!
家に侵入してくるアリは、ほとんどがヒメアリやイエヒメアリなどです。これらは家のいたるすき間から侵入してきます。アリを発生させない手段としては、シンプルにすき間を埋めることが大切です。
どうしてもアリが入ってきてしまう場合は、駆除スプレーや毒餌を利用するとよいでしょう。ほかにもアリが嫌がる匂いをまいたり、家を清潔にしたりすることも効果的です。
アリは巣を作るとあっという間に数が多くなります。手に負えなくなる前に対策を施しましょう。
害虫駆除・害獣駆除のプロを探すならミツモアがおすすめ
ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったプロに害虫駆除・害獣駆除の見積もりの依頼ができます。
手に負えなくなった害虫・害獣の駆除は、悩む前にまずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?