ガーデニングや家庭菜園の大敵「アブラムシ」。大切に育ててきた植物を守るために、なんとか駆除したいですよね。この記事では、アブラムシが発生する原因や被害を紹介しつつ、おすすめの駆除・予防方法を解説します。
アブラムシを駆除できるおすすめ殺虫剤は何?
駆除効果で選ぶなら「ベニカXファインスプレー」がおすすめです。予防効果も約1か月間続きます。ペットや赤ちゃんと一緒に暮らしている方は安全性が高い「ベニカマイルドスプレー」がおすすめです。
家にあるものでアブラムシを駆除する方法はある?
牛乳・重曹・石鹸の内、1つでも家にあれば、簡単にアブラムシの駆除剤を作ることができます。詳しい作り方は記事内で紹介しているので参考にしてみてください。
【無農薬】アブラムシの駆除方法7つ
農薬を使わないアブラムシの駆除は、人体への影響がないため、赤ちゃんがいても安心して使うことができます。
「野菜などの食べ物を育てているからあまり農薬を使いたくない」「赤ちゃんと一緒に暮らしているるから駆除剤を使うのが心配」という方は以下で紹介する方法を取るようにしましょう。
無農薬で行えるアブラムシの駆除方法 |
駆除法①アブラムシを手で取り除く
植物で発生しているアブラムシの数が少ない場合におすすめの方法です。数が多い場合には、手間がかかってしまうため、以下で紹介している別の方法をとりましょう。
直接アブラムシに触れたくないという方は、次の見出しに書いてある「粘着テープや歯ブラシで取り除く」を参考にしてみてください。
駆除法②粘着テープや歯ブラシで取り除く
アブラムシが発生したばかりの時期であれば、粘着テープや歯ブラシで取り除く方法がおすすめです。
テープを使用する際は、粘着力が弱めのものを使用するようにしましょう。粘着力が強すぎると、葉が破れてしまうことがあります。歯ブラシを使用する際もできるだけ毛が柔らかいものを使用しましょう。
駆除法③テントウムシを利用する
ビニールハウスで植物を育てている方であれば、「テントウムシをハウスのなかに入れる」方法がおすすめです。購入にかかる費用は、テントウムシ100頭で約8,000円~10,000円ほどです。
主にナナホシテントウ、ナミテントウがアブラムシを食べます。中には、アブラムシを食べない種類も存在します。ニジュウヤホシテントウという虫はナス科を中心とする植物を食べる草食性なので、アブラムシを食べてくれません。
駆除法④牛乳スプレーを手作りする
牛乳が乾くときに膜となって縮み、アブラムシを窒息死させる仕組みです。牛乳が乾燥しないと効果が無いので、晴れた日の午前中に行うと効果を発揮できます。
アブラムシの駆除が完了したら、植物を水で洗い流しましょう。牛乳スプレーをかけたまま放置すると、カビが生えたり、植物が枯れてしまったりといった悪影響を与えてしまいます。
駆除法⑤石鹸水スプレーを手作りする
噴射後、10分程でアブラムシを駆除することができます。駆除後は早めに水で植物を洗い流すようにしましょう。そのままにしておくと、植物が枯れてしまう可能性があります。
駆除法⑥重曹スプレーを手作りする
使用する前には、必ず良く振ってから吹きかけるようにしましょう。ある程度乾いたら十分に水で洗い流しましょう。
【農薬】アブラムシの駆除・予防に使えるおすすめ薬剤4選
おすすめ薬剤 | 特徴 |
ベニカXファインスプレー |
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ベニカマイルドスプレー |
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オルトランDX粒剤 |
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モスピラン・トップジンMスプレー |
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アブラムシの駆除や予防に使える薬剤を選ぶ際は、駆除効果の高さだけでなく、安全性も考えることが大切です。特にペットや赤ちゃんと一緒に住んでいる方は安全性の高い薬剤を使用しましょう。
【幅広い植物に使える】ベニカXファインスプレー
住友化学園芸の「ベニカスプレー」シリーズは、ガーデニング愛好家から高い評価を受けている駆除・防虫スプレーです。
即効性の駆除成分と、1カ月ほど持続する防除効果が期待できます。アブラムシ以外には、ハダニ・ハスモンヨトウ・ケムシ・ハバチなどに効果あり。
花などの植物に病原菌が侵入するのを防ぎ、うどんこ病・黒星病・灰色かび病への対策も同時に行うことができます。
値段 | 767円(Amazon) |
内容量 | 450ml |
適用植物 |
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適用外の植物 |
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ペットや赤ちゃんへの影響 | あり |
予防効果 | あり(1か月) |
【安全性が高い】ベニカマイルドスプレー
化学殺虫成分不使用で、ペットや赤ちゃんと一緒に暮らしている方でも安心して使うことのできる薬剤です。化学合成剤に耐性のある害虫も駆除することができます。
食品成分からできた薬剤のため、野菜や花への被害もなく、使用回数の制限もありません。
値段 | 634円(Amazon) |
内容量 | 420ml |
適用植物 |
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適用外の植物 |
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ペットや赤ちゃんへの影響 | なし |
予防効果 | なし |
【土にばらまくだけ】オルトランDX粒剤
住友化学園芸の「オルトラン粒剤」は、植物を育てている土の中に混ぜ込むだけ。
根から植物全体に殺虫成分が浸透していき、約1カ月持続する防除効果を得られます。
アブラムシ以外には、アオムシ・ハモグリバエ・コガネムシなどに有効です。
値段 | 865円(Amazon) |
内容量 | 200g |
適用植物 |
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適用外の植物 |
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ペットや赤ちゃんへの影響 | あり |
予防効果 | あり(1か月) |
【花の病気も治療】モスピラン・トップジンMスプレー
おもにトマトやキュウリ、ナスなどの野菜や花に対して効果が期待できる薬剤です。
アブラムシ以外には、コナジラミ・アザミウマなどに対して駆除効果が期待できます。また、うどんこ病・炭そ病・葉かび病などを予防、そして治療する効果があります。
値段 | 813円(Amazon) |
内容量 | 1000ml |
適用植物 |
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適用外の植物 |
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ペットや赤ちゃんへの影響 | あり |
予防効果 | あり(1か月) |
【無農薬】アブラムシの予防法
アブラムシが発生してから予防をおこなってもアブラムシの発生を止めることはできません。
アブラムシは年中発生するため、常に予防を行っておくことで植物への被害をなくしましょう。
予防法 |
予防法①コーヒースプレーを手作りする
コーヒースプレーは駆除効果はないですが、アブラムシを忌避する効果があります。
使うコーヒーの種類はなんでも大丈夫です。インスタントコーヒーや缶コーヒーを使用することができます。
手間はほとんどかかりません。コーヒーをそのまま植物に吹きかけるだけです。実のなる植物の場合は、成長を阻害することがあるので、使用を控えましょう。
吹きかけた後に、水で洗い流す必要がないため、簡単にアブラムシの予防ができます。
予防法②2つの違う植物を植える
2つの違う植物を植えることによって害虫の発生を予防することができます。互いの成長によい影響を与え合え、病原菌の増幅を防いだり、成長を促進してくれる効果があります。
このような、互いに植物の生育によい影響を与える植物を一緒に植えることを「コンパニオンプランツ」と呼びます。
野菜や花と一緒にハーブを植えると、アブラムシを強力に忌避する効果があり、おすすめです。しかし、相性が悪い植物同士もあるため、コンパニオンプランツを行うときは、植物同士の相性を調べてからにしましょう。
アブラムシが嫌う植物 | 相性の良い植物 |
カモミール | キャベツ・白菜・たまねぎ |
コリアンダー | キャベツ・レタス・トマト |
バジル | トマト |
予防法③ローズマリーの虫よけスプレーを手作りする
ローズマリーの香りを使って、虫よけスプレーを作ることができます。
ローズマリーには忌避効果があるため、ガーデニングや家庭菜園の回りに散布したり、防虫ネットにスプレーを吹きかけておくことでアブラムシ対策が行えます。
手順 |
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予防法④黄色い粘着シートを使う
アブラムシは黄色いものに集まる習性があります。植物の回りに、捕虫用の黄色い粘着シートを使用することで、集まってきたアブラムシを一掃することができます。
ただし後で大量のアブラムシが付着しているシートを処分する必要があるため、見た目に抵抗がある場合は注意してください。
予防法⑤木酢液やニームオイルを使う
木酢液 | 二ームオイル |
木酢液とニームオイルの大きな魅力は、天然成分であるため、安全性が高く、ペットや人体に影響を及ぼさない点です。
木酢液(もくさくえき)は、炭を燃やしたときに生じる煙を液化させたもの。アブラムシをはじめとする、多くの虫が嫌うニオイを放ちます。ニームオイルとは「ニーム」という木から取れた油のことで、忌避効果を持っています。
どちらも水で薄めて使う必要があるため、原液を購入した際はラベルに書かれた希釈濃度を確認してから使いましょう。
木酢液はネット通販の場合1,000円以下で買えることが多く、ニームオイルは安価なもので1,000〜2,000円ほどです。
予防法⑥ハッカ油を使う
ハッカ油は、天然成分のハーブを使用しているため、安全性が高い商品として知られています。
原液で購入する場合は、水で希釈してからの使用がおすすめです。そのまま使用すると濃度が高すぎて、植物が枯れてしまうことがあります。
また、すでに希釈してある「ハッカ油スプレー」もあるため、わざわざ希釈するのが面倒さいという方は、ホームセンターで売られている商品を購入するようにしましょう。
予防法⑦太陽の光を反射させる
アブラムシは太陽の光を嫌う習性があるため、葉っぱの裏側に潜んでいることが多くあります。
そのため、日光を反射させることでアブラムシが寄り付くのを予防することができます。
植物のまわりに光反射テープをくるくると巻き付けたり、苗を植えている土の面にアルミシートを敷いたりしてみましょう。不要なCDを吊り下げておくのも効果的です。
予防法⑧剪定で新芽を切り落とす
アブラムシは新芽を好むため、剪定を行わず、新芽を大量に放置しているとアブラムシが寄ってくる原因になります。
年に1~2回を目安に剪定を行うことで、無駄な新芽を切り落とすようにしましょう。しかし、新芽をただ切るだけでは、成長を阻害することになってしまいます。
剪定を行う際は、込み合った枝をなくして風通しを良くすることが大切です。無駄な枝部分だけを切り落とすようにしましょう。
予防法⑨植物を防虫ネットで囲う
アブラムシが植物に棲みつくのを物理的にブロックする方法です。あらかじめ防虫ネットで囲んでおけば、害虫が棲みつくのを防ぐこともできます。
しかし、防虫ネットで囲んでいても何かの拍子にアブラムシが侵入することがあります。他の予防法と合わせて対策をとることで、より高い予防効果を発揮できます。
アブラムシが発生する原因と生態
原因①窒素分の多い肥料を与えすぎている
肥料の中でも、特に窒素成分の多い肥料を与えすぎると、アブラムシが棲みつくようになります。窒素は、植物がアミノ酸を生成する働きを強める効果を持っていて、アミノ酸はアブラムシが大好物です。
対処法としては、窒素を多く含む肥料の使用を控えたり、窒素とカリウムを合わせて使用する方法があります。
原因②植物同士が密集していて、風通しが悪い
アブラムシは太陽光が苦手です。そのため、日光が届かず、風通しの悪い場所で繁殖する傾向があります。
対処法は、「植物同士の間隔をあける」「日当たりの良い場所で育てる」の2つです。植物同士の感覚をあけたいが移動させられないという方は、剪定を行って風通しをよくしましょう。
アブラムシの生態
アブラムシは、カメムシ目アブラムシ科に属する昆虫です。体長は1.5~3mm程度の小さな虫。集団で植物のつぼみや新芽、葉の裏にくっついていることが多く、口針を刺して植物から汁を吸うことで、栄養源にしています。
4~11月のあいだ発生に多く発生し、成虫は冬を迎える前に死滅します。卵の状態で越冬し、春ごろから活動を始め、繁殖期を迎えると、羽を持つ「有翅型」のアブラムシが発生して、活動範囲を一気に広げます。
繁殖力が強く、春から夏にかけてはメスだけで「単為生殖」をおこない、卵を産まずに子孫を増やします。1日に十数匹を産み、わずか10日ほどで幼虫から成虫に成長します。
アブラムシの大量発生は、植物が枯れてしまったり成長を阻害されたりする原因になるのです。
アブラムシを放置するとアリが集まる
アブラムシは植物から汁を吸うとき、肛門から「甘露」という液を出します。この甘露が放つ甘いニオイを求め、アリが集まって来ます。一方、アリはアブラムシの天敵となる昆虫から守っています。
アブラムシを放置していると、アリも大量発生してしまうため、早急に駆除するようにしましょう。
アブラムシの被害を受けやすい植物
アブラムシは多くの植物に発生するため、特定の植物だけに発生することはありません。しかし、特にアブラムシの被害を受けやすい植物は以下の通りです。
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アブラムシを放置することで起こる植物の病気
アブラムシは、ただ植物に棲み付くだけでなく、直接的に被害を及ぼします。植物の樹液を吸われることで、生育を阻害して枯れてしまうことも。
ウイルス病を媒介して、植物が育たなくなり、収穫量が減ってしまうこともあるため、アブラムシを見つけたら早急に駆除が必要です。
生育に悪影響を与える「すす病」
アブラムシの排泄物が原因で、植物の葉や枝、三木の表面などが「すす」のように黒くなってしまうことがあります。これは「すす病」と呼ばれてる病気です。
葉から光を取り込めなくなって光合成が阻害されることもあります。直接的に植物を枯れさせることはないですが、生育に悪影響を与えます。
「すす病」にかかってしまった葉や実は必ず取り除いておきましょう。
植物が枯れてしまう「モザイク病」
アブラムシの媒介による病気として代表的なのがモザイク病です。葉や花弁がまだら模様に変化するので、名前のとおり「モザイク」のように見えます。
モザイク病にかかってしまった植物に対する治療法はなく、そのまま枯れてしまいます。対策としては、モザイク病にかかった植物を株ごと処分するのが一般的です。
【まとめ】アブラムシの発生を未然に防ぐことが大切
この記事では、アブラムシが発生する原因や被害を紹介しつつ、おすすめの駆除・予防方法を解説してきました。ポイントをまとめます。
- アブラムシは、寄生した植物に様々な悪影響を与える
- アブラムシが寄り付く前に、対策を打っておくことが大事
- 駆除・予防に即効性を求めるなら、薬剤を使用する
アブラムシは繁殖が速いため、見つけてから駆除するよりも、最初から植物に寄りつかないよう予防することが重要です。
もし大規模な庭などで発生したら、大量発生して植物の間を行き来しないように、早めに駆除して被害を抑えましょう。
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大量に発生したアブラムシを駆除するのは骨の折れる作業です。専門業者に依頼して確実に駆除することも検討してみましょう。
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