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床暖房のデメリットって?つけたときの費用感や代わりになる方法も紹介

最終更新日: 2023年09月11日

足元から暖かい床暖房に憧れる人は多いでしょう。しかし床暖房の設置には、見逃せないデメリットもあります。床暖房の設置を検討する上で、知っておきたいメリットとデメリットを紹介します。それぞれの詳細をしっかり検討し、後悔のない決断をしましょう。

床暖房のデメリット

電気

床暖房の設置を考える上で知っておきたい、床暖房のデメリットを解説します。設置してから「こんなはずじゃなかった」と後悔する結果にならないよう、床暖房の現実をしっかり頭に入れておきましょう。

設置費用が高い

床暖房の最大のデメリットは、初期費用が高い点です。リフォームを例に床暖房の設置費用を見ていきましょう。

費用は設置方法によって異なります。既存の床の上に暖房ユニットを取り付ける「直張り」の場合、1畳当たりの費用は約5万~8万円です。一方で床をはがして暖房ユニットを取り付ける「張り替え」の場合、1畳当たりの費用は約8万~11万円です。

また床暖房のタイプによっても、設置費用は変動します。床暖房には熱源機で熱したお湯を使って暖める「温水式」と、電熱線ヒーター内臓のパネルを設置して暖める「電気式」があり、温水式の場合、さらに25万~100万円程度の費用がかかります。

エアコンに比べて電気代が高くなりがち

電気代が高額になりやすいのも、床暖房のデメリットです。床暖房にかかる電気代は、タイプによって異なります。8畳の部屋で1日8時間使用した場合の1カ月の電気代は、下記の通りです。

  • 温水式:約3,300~3,900円
  • 電気式:約2,700~6,000円

エアコンで部屋を暖めた場合の1カ月の電気代(8畳の部屋で1日8時間使用)は、約3,600~4,080円なので、使い方によっては床暖房の方が低コストな場合もあります。

しかし床暖房を使用する場合、他の暖房器具と併用するケースが多いため、結局エアコンのみの方が低コストになる場合がほとんどです。

温水式の場合メンテナンスが必要

タイプによってはメンテナンスに高額な費用がかかるのも、床暖房のデメリットです。作りがシンプルな電気式の場合、メンテナンスをしなくても30~50年程度使い続けられます。

一方温水式の場合には、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。10~15年に一度のペースで熱源の交換が必要で、一度のメンテナンスに約20万~40万円の費用がかかります。

またパイプを循環する液体に不凍液を使っている場合には、10年に1度程度のペースで不凍液の交換も必要です。一度の交換で5万円前後の費用がかかります。

なかなか暖かくならない

快適な室内温度になるまでに時間がかかるのも、床暖房のデメリットといえるでしょう。温風を出して部屋の空気を暖めるエアコンやストーブと違い、部屋全体が暖まるまでに1時間程度はかかってしまいます。

床暖房のみで部屋を暖めようとした場合、寒い部屋で屋内の空気が暖まるのをじっと待たなくてはなりません。寒さが厳しい季節は、苛立ちを感じるシーンもあるでしょう。

ただし床暖房のタイマー機能を活用すれば、起床や帰宅に合わせて部屋を暖めておくことも可能です。タイマーをうまく活用して、デメリットを克服しましょう。

低温やけどの危険性がある

床暖房を導入するなら、低温やけどを警戒しなくてはなりません。低温やけどとは44~50℃のものに、長時間触れ続けることで起きるやけどを指します。

床暖房は表面温度が30℃程度まで上昇する暖房器具です。そのままでは低温やけどのリスクは低いですが、長時間同じ場所に座ったり寝そべったりすることで、接触している部分の温度が上がり、リスクが上昇してしまいます。

ぬくぬく気持ちがいい床暖房は、つい寝そべって使いたくなるものです。しかしそのような使い方は、低温やけどを誘発する可能性があります。皮膚が弱い高齢者や子どもがいる場合には、特に注意が必要です。

床暖房のメリット

床暖房

改めて確認するとデメリットが目立つ床暖房ですが、床暖房には、冬の寒さや乾燥に悩む人にとってうれしいメリットもあります。ただし床暖房のメリットは、他の暖房器具を併用すると薄れてしまうものばかりなので、注意が必要です。

足元から部屋全体を暖められる

床暖房のメリットといえば、やはり足元からじんわり体を暖められる点でしょう

冬場は暖房器具を使用していても足元が冷えがちです。エアコンやストーブで暖められた空気は、高い場所に集まる性質があるため、意識的に暖めないと、どうしても足元が冷えてしまいます。

床暖房は足元から部屋全体を暖める暖房器具です。床が冷えることがないので、「顔はのぼせるのに足先が冷えてたまらない」や「何枚も靴下を重ね履きしないと冬場を乗り越えられない」という人には、ぴったりの暖房器具といえます。

日々の手入れが不要

日頃のメンテナンスが要らないのも床暖房のメリットです。床暖房にもメンテナンスは必要ですが、エアコンやストーブに比べると圧倒的に低頻度で済みます。

エアコンは使用しているとフィルターにほこりが溜まってしまうので、定期的に外して掃除する必要があります。また本体内部にカビが発生しやすいため、数年に1度程度のペースで業者に依頼し、内部を洗浄してもらうメンテナンスも必要です。

床暖房は設備が室内に露出していないので、ほこりを被ることがありません。定期的に掃除する必要もないため、暖房器具の掃除を億劫に感じている人におすすめです。

空気が乾燥しにくい

床暖房のメリットとして、空気が乾燥しづらい点も挙げられます。床暖房は室内の湿度を保ちながら、部屋を暖めることが可能です。

部屋が乾燥すると、肌や喉から潤いが奪われてしまいます。肌荒れを起こしやすくなったり、風邪を引きやすくなったりするので、快適な生活が脅かされてしまうでしょう。

また部屋の湿度が低下すると、ほこりが舞いやすくなるというデメリットもあります。大量のほこりが舞う環境は、アトピーや喘息の悪化につながるので、アレルギーや喘息を持つ子どもがいる家庭には、床暖房はうってつけの暖房器具といえるでしょう。

床暖房の代わりになる方法は?

足元を暖める方法は、床暖房の設置だけではありません。足元から部屋全体を暖め、冬を乗り切る方法はほかにもあります。床暖房の代わりとなる暖房器具や、リフォーム方法を紹介します。

床下エアコンを設置する

床暖房の代わりになる暖房器具の代表といえば、床下エアコンです。床下エアコンは床下にエアコンを設置して、足元から部屋を暖める暖房システムです。

床下エアコンは床面に吹き出し口を作るので、床暖房のように足元から部屋全体を暖められます。エアコン1台で家全体を暖めるため、温度のムラができにくいのが特徴です。

床暖房と比べた場合の床下エアコンのメリットは、初期費用の安さにあります。設置にかかる費用は、エアコン1台の購入費と設置費用だけで済むので、初期費用を抑えて足元を暖められる暖房器具が欲しい人におすすめです。

ただ床下エアコンは床暖房よりも、電気代がかかります。床下エアコンを設置するなら、月額1万~2万円前後の電気代アップを覚悟しておきましょう。

ホットカーペットを利用する

シンプルに足元を暖めたいだけなら、ホットカーペットも有力な選択肢です。床暖房のように部屋全体を暖めるパワーはないものの、足元が冷える環境は改善できます。

ホットカーペットのメリットは、圧倒的な初期費用の安さです。1枚1万~5万円程度で購入できるので、安価な初期費用で暖を取りたい人におすすめです。

電気代が安いのも、ホットカーペットのメリットといえるでしょう。3畳サイズなら月に約1,500~2,700円の電気代で足元を暖められます。

しかし部屋全体を暖めるためには、他の暖房器具との併用が必要となるため、上記の電気代だけでは冬を乗り越えられない可能性は高いでしょう。

家全体の断熱性を高める

足元から部屋全体を暖めるには、家全体の断熱性を高めて、暖かい空気を逃さないようにリフォームするのも有効です

家の断熱性を高める方法の代表例が、窓のリフォームです。部屋の中で暖められた空気の多くは、窓から出ていってしまうので、断熱性に優れた窓にリフォームすることで、部屋を暖かく保てます。

窓リフォームの費用相場は、二重窓の後付けで1枚約8万~15万円、ペアガラスへの交換で1枚約5万~15万円です。初期費用はかかるものの、長い目で見れば冬を乗り越える上でコストパフォーマンスは高いでしょう。

デメリットを理解した上で設置を検討しよう

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床暖房の設置にはメリットとデメリットがあります。メリットばかりに気を取られ、デメリットを精査しないまま設置を決めると、後悔する可能性があります。メリットとデメリットの両方を、しっかり吟味した上で設置を決断しましょう。

床暖房の設置に踏み切るなら、ミツモアを活用してリフォームを請け負ってくれる業者を探すのがおすすめです。複数の業者から見積もりを取れるミツモアなら、リフォームを適正価格で請け負ってくれる業者が見つかります。

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