布団にカビが生える原因は?
カビは高温多湿な環境で生育しやすい菌です。寝ていたときの体温や寝汗によって布団のなかが高温多湿になり、フケやアカなどを養分にしてカビが繁殖します。
布団のカビをそのままにしていい?
カビが根を張ると胞子を放出して、繁殖場所をどんどん拡大していきます。この胞子を吸い込むことでアレルギー症状の原因になるので、放置しないようにしましょう。カビは自然に消えることがないので、早めの対処が大切です。
カビは高温多湿な環境で生育しやすい菌です。寝ていたときの体温や寝汗によって布団のなかが高温多湿になり、フケやアカなどを養分にしてカビが繁殖します。
カビが根を張ると胞子を放出して、繁殖場所をどんどん拡大していきます。この胞子を吸い込むことでアレルギー症状の原因になるので、放置しないようにしましょう。カビは自然に消えることがないので、早めの対処が大切です。
カビ菌は目に見えませんが、空気中に胞子が浮遊していて、水分や養分が豊富なところに定着することで「菌糸」と呼ばれる根を張ります。
カビが根を張ると、新たな胞子を放出しはじめるので、少しずつ繁殖していくのです。布団はカビが好む条件がそろいやすいので注意しましょう。
布団にカビが生える原因はおもに「寝ていたときの体温や寝汗で湿度が上がりやすいこと」と、「フケやアカなど、カビの養分が溜まりやすいこと」です。
毎晩寝ているときにに汗をかくことで、布団のなかは湿度が高くなり、体温でほどよくあたためられています。
カビは温度20~30℃以上、湿度70~80%以上で活発に繁殖しやすくなるので、布団のなかは最適な生育場所なのです。
またカビは、人のからだから落ちた皮脂やフケなどをエサとして繁殖することができます。
カビが生えた布団を捨てるかどうかは、以下のポイントを参考にして判断してみてください。
【捨てる】 | 【捨てない】 |
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まず確認すべきは布団を使いはじめてからの年数です。布団が寿命をすぎると、詰め物や側生地が劣化して寝心地が悪くなり、湿気もたまりやすくなります。
布団の寿命は以下のとおりです。
【布団の寿命】
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古い布団ほど湿気や汚れが蓄積しており、新しい布団に比べるとカビが生えやすい状態です。
寿命が近い布団は無理にカビ取りをせず、新しい布団に買い換える方が効率的と言えます。
ちなみに高級な羽毛布団の場合は、3~5年が過ぎたら1度クリーニングをして、7~8年過ぎたら「リフォーム」をするのがオススメ。リフォームは2~4万円ほどで、羽毛の詰めなおしや仕立て直しをしてもらえるので、買い替えるよりも安く済む可能性があります。
布団についた軽いカビであれば、以下の手順で退治することができます。落ちない場合はクリーニングや買い替えを検討しましょう。
【布団のカビ取り手順】
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カビをゴシゴシとこすると、かえってカビの胞子を広げてしまう可能性があるので注意してください。布でつまみ取るように拭くのがポイントです。
洗える布団か、もしくは布団カバーやシーツ類であれば、カビを拭き取ったあとに丸洗いしましょう。このとき徹底的にカビ対策をするなら、衣料用の塩素系漂白剤または酸素系漂白剤を入れて洗濯するとよいです。
エタノールで拭き終わったあと、または洗濯しおわったあとは、しっかりと天日干ししましょう。水気が残ると新たにカビが生えやすいので注意してください。室内干しでもよいですが、その場合は布団乾燥機も併用して完全に乾かすのがオススメです。
ちなみにカビが取れたとしても、黒い色が残ったままになることもあります。衣料用の塩素系漂白剤を使うことで薄めることもできますが、敷布団や掛け布団の繊維を傷めてしまう原因になるので注意が必要です。
自分で布団のカビ取りをしたいときは、以下のような洗剤・カビ取り剤を使うことができます。
【布団のカビ取りに使えるもの】
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重曹水は非常に軽いカビであれば有効です。重曹を溶かした水でカビ表面の汚れを浮かして落とすことができます。ただし除菌力が強くないので、再発させたくない場合は最初から消毒用エタノールを使うほうがオススメです。
酸素系漂白剤は40~60℃のぬるま湯に溶かして使用する漂白剤。「オキシクリーン」という製品が代表的で、つけ置き洗いすることでカビを退治できます。色落ちしにくいのもメリットです。ただしつけ置きができないマットレスや敷布団には向いていません。
塩素系漂白剤は、化学成分によってカビや細菌を除菌してくれる漂白剤です。衣料用に販売されている花王の「ハイター」が代表的。除菌力が強いのでひどいカビにもオススメできますが、布団の繊維を傷めてしまうので、使用年数がある程度長い布団に使うのがオススメです。
ちなみにスプレータイプの「カビキラー」などをカビ取りに使うこともできますが、塩素系漂白剤なのでやはり布団を傷めやすいです。
また使用後にはしっかり洗い流す必要があるので、洗えないマットレスや敷布団には使用しないように注意してください。
カビが生えた布団が丸洗いできるかどうかは、洗濯絵表示を確認しましょう。
桶マークがある場合は洗濯可能。桶のなかの数字は水温の限度で、このマークの場合は40℃以下の水温で洗濯できる。
また桶の下にある横線が1本なら弱い処理が可能、2本なら非常に弱い処理が可能。線がなければ普通に洗濯処理が可能。 桶に「×」がついている場合は家庭で洗濯できない。 |
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手洗い可能のマーク。洗濯機は使えない。水温は40℃が上限。 | |
三角形は漂白剤が使えるかどうか。このマークは三角形のなかに2本線があるので「酸素系」のみ使用可能。
線がなく「△」だけなら「塩素系」と「酸素系」の両方が使える。 三角に「×」がついている場合は家庭で漂白できない。 |
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タンブル乾燥可能のマーク。「×」がついている場合は、洗濯ができるとしても乾燥(脱水)はしてはいけない。
真ん中の点が1つなら排気温度60℃まで、2つなら80℃までが上限。 |
これらの洗濯絵表示を確認しましょう。
家庭では洗濯も漂白も乾燥もできないというときは、クリーニング専門店に依頼するほかありません。
布団にカビが生えたときは、布団の使い方や居住環境による影響が原因だと考えられます。再発させないように、以下の対策を検討しましょう。
【布団のカビ予防】
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それぞれ解説します。
人間は一晩でコップ1杯程の汗をかくといわれています。汗の水分は布団に吸収され、湿気となってこもります。
起きた直後に布団を重ねてたたんでしまうと、湿気の逃げ場がなくなってしまうので注意しましょう。
できれば掛布団をめくった状態で30分~1時間ほど放置して、湿気を逃がしたあとでたたむようにしましょう。
布団をすぐにたたまない方がいいとはいえ、ずっと敷きっぱなしだと床と布団とのあいだに湿気が溜まり、カビが生える原因になります。
布団を床に敷いているなら必ずたたむようにして、いわゆる「万年床」にならないように注意しましょう。
たたんだ布団は、壁から少し離しておくことで、隙間ができて通気性を確保することができます。
忙しくて毎日布団を上げられない人は、敷布団と床との間にスノコを敷いておくのも効果的です。
スノコを挟むことで床と布団とのあいだにスキマができるので、通気性がよくなります。
ベッドでも使いやすいのは、マットレスの下にひく除湿マットや除湿シートなど。防菌・防カビ効果のついた製品もあります。
天日干しは布団をキレイに長持ちさせるための基本です。湿気を追い出す効果のほかに、紫外線による殺菌効果も期待できます。
なるべく1週間に1回以上は天日干しして、カビが住みにくい状態をキープしましょう。
ただし、紫外線に当てすぎると側生地や中の詰め物が劣化する可能性があります。また夕方になると湿度が上がり、かえって布団が湿ることもあるため注意が必要です。
夏は午前中に1~2時間、冬でも半日程度干せば十分な効果が得られます。干しっぱなしにせず、早めに取り込むようにしましょう。
梅雨シーズンなど外の湿度が高い季節は、天日干しが難しいこともあります。そんなときは布団乾燥機を活用して乗り切りましょう。
「通常のカビや酵母は0度以下または40度以上にすると生育不可能である」「80度において、30分程度の加熱処理によりほとんどのカビが死滅する」とあります。
天日干しや布団乾燥機で物理的に布団の温度を上げ、カビが生きられない状態にすれば、カビや臭いが気にならなくなるでしょう。
とくに「ダニ駆除機能」がついている布団乾燥機は80℃近い高温の風を出せるので、天日干しよりも効率的です。持ち運びが簡単で、雨の日や夜でも使えます。
タワーマンションなどの布団が干せない高層住宅に住んでいる人や、高齢で布団干し作業が辛い人、干す暇がないほど忙しい人にもおすすめです。
シーツや枕カバーに付着した皮脂汚れやフケは、カビの大好物です。
そのためシーツ類・カバー類をこまめに洗濯して、汚れをためこまないようにすることが大切。洗濯の頻度はなるべく1週間に1回以上を心がけましょう。
忙しかったり天気が悪かったりして洗濯できないときもあるので、交換用のシーツやカバー類を1~2組ストックしておくのがおすすめです。
布団にカビが生えるときは、布団周辺だけでなく、室内に湿気がたまりやすい環境だと考えられます。
エアコンの除湿機能を使ったり、晴れた日には換気して部屋の空気を循環させたりして、高温多湿にならないような環境を目指しましょう。
梅雨には窓に結露した水滴がつくこともあります。そこからカーテンにカビが生えて、さらに布団や壁に移っていくことも考えられるので注意しましょう。
布団のカビは使用中だけでなく、収納中に発生することもあります。タンスや押入れの中は湿気が溜まりやすいので、保管方法を工夫してみてください。
【カビを防ぐための布団の保管方法】
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布団を圧縮袋に入れて保管することで、カビや害虫の侵入を防ぐことにつながります。
ただし羽毛布団の場合は圧縮すると質感が損なわれたり、かえって湿気がたまったりするので注意。羽毛布団は布や不織布のケースに入れて保管するようにしましょう。
除湿剤や備長炭を一緒に収納することで、タンス自体の湿気取りにもなります。備長炭には消臭効果もあり、嫌な臭いを吸い取ってくれるでしょう。
カビが生えやすい壁面に密着していると、そこに湿気がこもったり、カビが移ったりするので、なるべく隙間をあけて布団をしまうのがオススメ。
最後になりますが、布団をしまいっぱなしにするのではなく、1~2か月に1回は布団を出して乾燥させるのがオススメです。布団の湿気取りだけでなく、耐久性を上げることにもつながります。
自宅で取りきれないカビも、クリーニング業者に依頼すれば取れる可能性があります。布団クリーニングの仕組みや料金相場を見ていきましょう。
布団クリーニング業者には、大きな布団を丸洗いできる専用の機械がそろっています。
側生地の素材や汚れ具合に応じた薬剤を使い、洗浄から乾燥までトータルでケアしてくれるので、家庭では落とせなかったカビも布団を傷めずに除去できます。
汚れもカビもすっきり取れて、まるで新品のような寝心地を味わえるでしょう。
布団クリーニングの料金は、詰め物の素材やサイズによって変わります。敷布団の場合は羊毛のシングルサイズで5,000円前後、羽毛になると6,000円以上が相場です。
ひどいカビを取る場合は別料金がかかるケースもあるため、事前に見積もりを取って正確な料金を出してもらいましょう。
また、寿命が近い布団は高い料金を払ってクリーニングしても、快適に使える保証はありません。1~2年も経てば詰め物がへたってきて、寝心地が悪くなる可能性もあります。
布団の寿命や購入金額を考慮して、無駄のないように利用しましょう。
布団のカビは放置しないようにしましょう。カビは胞子を放出して繁殖範囲を拡大させていくので、一部分のカビが布団全体、枕、そして室内にまで及んでいきます。
カビの胞子を人間が吸い込んでしまうと、アレルギー症状のもとです。アレルギー性の鼻炎、目のかゆみ、せき、喘息、アトピーなど万病のもとになってしまいます。
とくに布団まわりだと、寝ている間にカビをたくさん吸い込んでしまう恐れがあるので注意が必要です。
いくら除湿を徹底したとしても、1度生えたカビは自然に消えることはありません。布団に生えたカビは早めに対処しましょう。
この記事では布団のカビ取り手順や、カビの予防方法を解説しました。室内でカビが蔓延するのを防ぐためにも、早めに対処しましょう。
湿気が溜まりやすい部屋でカビに困っている場合は、一度ハウスクリーニングを依頼するのもオススメ。
とくに床敷きの布団とフローリングとのあいだにカビが生えたときなどは、専門家の手を借りて退治することで、フローリングをなるべく傷めずに対処できます。
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