ハイターと片栗粉って混ぜてもいいの?
「ハイター」は塩素系漂白剤なので「酸性タイプと混ぜると危険」と書いてあります。しかし片栗粉は中性なので、混ぜても有毒ガスが発生することはありません。そのためハイターと片栗粉は混ぜても大丈夫です。塩素系漂白剤と混ぜてはいけないのは、クエン酸や市販の酸性スプレー洗剤などです。
ハイターと片栗粉を組み合わせるメリットは?
ハイターと片栗粉を混ぜて使うと、液だれしないので便利。お風呂の壁面やゴムパッキンなどにしっかり密着して、塩素系の成分がカビに浸透しやすくなるというメリットがあります。また普段からキッチンハイターなどを使用しているなら、わざわざカビ取り剤を購入しなくてもよい点もメリットです。
お風呂のカビはハイターと片栗粉で落とそう
お風呂のカビにはカビ取り用洗剤を使う方法が一般的でしたが、近年はハイター(塩素系漂白剤)と片栗粉を使う方法も注目を集めています。具体的な掃除手順の前に、お風呂に付くカビの種類やハイターと片栗粉が効果的な理由を解説します。
お風呂に発生するカビの種類
お風呂場によく見られるカビには主に「黒カビ」と「赤カビ」の2種類があります。
黒カビは天井や床・壁にできるポツポツとしたカビです。名前の通り色が黒く、繁殖が進むと根を張って落ちにくくなります。また喘息やアレルギー症状の原因となるため早めに対策しなければなりません。
赤カビは「カビ」という通称が浸透しているものの、実際は酵母菌の1種です。「ピンクヌメリ」とも呼ばれる通り赤みがかった色をしており、ボトルの下や排水口など水がたまりやすい場所に発生します。
黒カビと違って根を張ることはなく人体への直接的な被害もありません。こすり落とせば簡単に落ちます。しかし放っておくと黒カビのエサになってしまいますので、赤カビも小まめな除去が必要です。
カビにはハイターと片栗粉の合わせ技が有効
黒カビと赤カビは種類が違いますが「菌」なので、退治するには強力な殺菌作用を持つ洗剤が有効です。
「キッチンハイター」に代表されるハイター系の塩素系漂白剤は殺菌力が強く、カビの除去に役立ちます。
カビが付いた部分をハイターに15分以上浸せば、根からの除去が可能です。しかしスプレーで吹きかけても重力の影響でハイターが垂れてきてしまうため、天井や壁に発生したカビに対しては十分な効果を発揮しません。
そこでおすすめなのがハイターと片栗粉を混ぜ、ペースト状にしたものを塗るという方法です。液体のハイターを粉末の片栗粉と混ぜ合わせると、粘度が上がって天井や壁にも十分な時間密着させられるようになります。
キッチンハイターでもお風呂のカビに使える?
衣類用として販売されている「ハイター」や、キッチン掃除用に販売されている「キッチンハイター」などの種類がありますが、どれも次亜塩素酸ナトリウムを主成分としています。そのため使用場所がキッチンでもお風呂でも、カビを落とすのには効果的です。
この2つのハイターの違いとしては、キッチンハイターのほうには洗浄成分が含まれているという点があります。キッチン用品にはカビだけでなく、油汚れなどもたまりやすいからです。
ちなみに花王製品でなくても、次亜塩素酸ナトリウムを主成分としている塩素系漂白剤であれば片栗粉と混ぜてペースト状にして、カビに塗ることも可能です。
ハイターと片栗粉を使ったお風呂掃除の方法
ハイターと片栗粉を混ぜたペーストは「片栗粉ハイター」とも呼ばれているようです。片栗粉ハイターを作る手順や実際にカビを取る方法を見ていきましょう。自力の掃除で落ちなかった場合の対処法も押さえておくと安心です。
「片栗粉ハイター」の作り方
お風呂掃除を始める前に片栗粉ハイターを用意しましょう。作り方は簡単ですが塩素系漂白剤には強い成分が入っているため、まずは安全の確保が必要です。
お風呂場に窓があれば開けて換気をし、なければ換気扇を回しておきます。
【用意するもの】
ハイターと片栗粉以外に用意するものは、使い捨てできる紙コップなどの容器、割りばし、キッチンペーパーなどがおすすめ。
ハイターが手肌や粘膜につかないよう、ゴム手袋やマスクの着用も欠かせません。直接手で触れると肌荒れや痛みが発生する原因になります。
- 片栗粉大さじ2杯とハイター20~30mlを容器に入れる
- ペースト状になるまで割り箸で混ぜる
- 天井や壁から垂れない固さのペーストになればOK
ハイターと片栗粉の分量は1:1です。ハイターのキャップは1杯25mlほどなので、片栗粉は大さじ2杯ほどが適量となります。
カビを落とす掃除の手順
掃除を始める前に乾燥したタオルで水気を取って、カビの生えた部分を乾燥させておきます。水気が残ったままだとハイターの成分が薄まり、効果が弱くなってしまうためです。準備ができたら次の手順でカビ退治を進めましょう。
- カビがある部分を軽く水洗いしてから拭き取り、乾燥させておく
- 紙コップなどの容器に、ハイターと片栗粉を1:1の割合で入れる
- 割りばしやスプーンを使って、ドロッとペースト状になるまで混ぜる
- カビの上に片栗粉ハイターをのせ、5~10分ほど放置する
- キッチンペーパーで拭き取ってから、冷水のシャワーでしっかり洗い流す
しっかり乾燥した壁や天井・床など対象となる部分に、割り箸を使って塗ります。カビが覆われるくらいの厚さに塗りつけるのがポイントです。
片栗粉ハイターの上からラップをかぶせておくと、ハイターの蒸発を防げます。特に頑固なカビを除去したときは試してみましょう。
10分も置けばハイターの殺菌成分がカビの根元まで浸透します。長く置きすぎるとお風呂場の材質を傷めてしまうため、10分が最長です。特にドアのパッキン部分はダメージを受けやすいパーツですので、放置時間を若干短めにした方がよいでしょう。
ブラシやタワシで強くこすりすぎない
カビを見つけると、ついついブラシやタワシでごしごしと洗いたくなりますが、力を入れすぎると細かい傷ができてしまいます。傷に菌や水分がたまりやすくなり、カビ再発の原因となるので、ブラシなどを使って洗うときには優しくこするようにしましょう。
とくにゴムパッキンは素材が柔らかくて傷みやすいので、強くこすると傷がつきやすくなります。あくまでハイターと片栗粉の力でカビを除去することを意識しましょう。
どうしても落ちないカビは業者に依頼
自力で作業をしても落ちない頑固なカビは、浴室クリーニングに対応している業者に頼んで解決しましょう。プロなら専用の薬剤や高い技術で、素人には難しい汚れにも対応します。
ただし汚れがひどい場合、追加料金がかかってしまう点には注意が必要です。一括見積もりサービスを活用して、予算内で対応をお願いできる業者を探すことをおすすめします。
地域のハウスクリーニング業者が多く登録しているミツモアでは、地域や施工箇所の状況を指定するだけで業者とのマッチングが可能です。無料で複数社から見積もりを取れるだけでなく、チャットを使えば業者に直接相談もできます。
片栗粉ハイターを使うときの注意点
片栗粉ハイターを使用するに当たっては、いくつかの注意点があります。
- 酸性洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する
- お湯で流すと排水溝が詰まる
人体に害を及ぼしたり生活に支障が出たりする可能性がありますので、必ず知っておきましょう。
酸性洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する
ハイターのような塩素系洗剤が酸性洗剤(浴室用洗剤など)と混ざると、人体に有毒な塩素ガスが発生します。
片栗粉ハイターを使用する前にお風呂掃除をしたときは、しっかりと水で洗い流してからカビ取りを始めましょう。換気を行って水気をなくした後に使うと安全かつ効果的です。
もちろん片栗粉ハイターを使用した後、すぐに浴室用洗剤でお風呂掃除をするのも避けなければなりません。もし同時に使用してしまった場合は、直ちに場所を移動して病院を受診します。
お湯で流すと排水溝が詰まる
ペースト状の片栗粉ハイターはかならず冷水シャワーで流しましょう。温度の高いお湯で洗い流すと、片栗粉の成分が固まってしまい、排水口が詰まる原因になります。
冷水で流せば基本的には固まりませんが、片栗粉の比率が高いとつまりの原因になるかもしれません。排水口にネットをかけておくか流す前にペーストを剥がすのがおすすめです。
排水口の奥で詰まりが起こってしまうと、修理業者を呼ぶしかありません。かえって費用がかかる事態を招きかねませんので、掃除終わりの処理には十分気を付けましょう。
普段からカビを予防するのが大切
カビ掃除の手間を減らすには、普段からカビ予防をしておくのがいちばんです。ここではカビの発生条件、お風呂に生えやすいカビの種類、そして普段からできる予防方法を紹介します。
カビの発生条件
空気中にはつねにカビ菌がただよっています。発生条件が整った場所にカビ菌が付着すると繁殖するので、できる限りカビが発生しにくい環境を整えるのが大切です。
【カビが生えやすくなる条件】
- 20~30℃の温度
- 70~80%以上の湿度
- 養分となる汚れが豊富
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カビは基本的にどんな場所でも発生する可能性はありますが、いちばん活性化するのは上記のような環境がそろったときです。
お湯を使うので暖かく、湿度が上がりやすいお風呂場はカビにとって絶好の繁殖場所。エサとなるおもな汚れは、石鹸の残りカスや髪の毛、皮脂・垢などがあります。
ほかにもホコリを養分にしてエアコン内部に発生したり、窓や壁の結露した部分に発生したりすることも多いです。
カビの予防方法
普段からカビを予防するには以下のような方法があります。おもなポイントは室内を乾燥させておくことです。
- 水場の使用後には、スクイージーやタオルで水気を切る
- 50℃以上の熱湯でカビを死滅させる
- アルコールで消毒する
- 防カビくん煙剤などの予防グッズを使う
- つねに換気しておく
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室内を乾燥させるには換気扇をつねに回しておくのがお手軽。トイレやお風呂場には湿気がこもりやすいので、なるべく24時間換気扇をつけているのがオススメ。
またお風呂やキッチンなどでは、週に1回は熱湯やアルコールで消毒するとカビ予防になります。毎回の使用後には水気を切って、ときどき消毒をしておきましょう。
そのほか「防カビくん煙剤」などのグッズを使ったりしながら、日ごろの防カビ習慣を意識してみてください。
ハイターと片栗粉でお風呂のカビをきれいに
お風呂のカビは見た目が悪いだけでなく、喘息やアレルギー症状などの健康被害をもたらします。今回紹介した「片栗粉ハイター」を使った掃除方法を試して、お風呂のカビきれいに落としましょう。
どうしても汚れが落ちないときには、業者への依頼がおすすめです。複数社から見積もりを取ってよく比較すると、自宅の状況に合った作業を頼める依頼先が見つかりやすくなります。
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自身で掃除をしてみたものの、どうしても取れない頑固な汚れがある場合は、プロのクリーニング業者へ掃除を依頼するのがおすすめです。
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