そこにあるだけで不快な気分になる「黒カビ」。見た目が悪いだけでなく、放っておくとアレルギーなどの病気の原因にもなってしまいます。
「黒カビはどうして発生してしまうの?」「黒カビをきれいに取り除きたい!」という方のために、発生原因から除去方法、予防方法まで徹底解説。
掃除と予防をセットにして、黒カビに悩まない快適な生活を実現しましょう。
黒カビとは
黒カビは風呂や壁紙、窓や洗面所など家の様々な場所に発生するカビの1種です。
きのこや酵母と同じ真菌類に属していて「菌糸」と「胞子」の2つから構成されています。
黒カビの胞子は普段は部屋の空気中に飛散しており、あらゆるものに付着して増殖していきます。
また黒カビは赤カビや白カビとは違って、素材の奥深くまで根を張って入り込んでしまうのが特徴です。
そのため表面のカビを落としても、根っこまで取り切れていないと、またすぐに再発して姿を現します。
黒カビが発生する原因
どれだけ掃除を徹底していたとしても、空気1㎡の中には必ずカビの胞子が数個あるといわれています。しかし、カビは胞子があるだけでは増殖することができません。
黒カビは3つの条件が整った環境でどんどん繁殖していきます。
発生しやすくなる3つの条件
黒カビが発生する条件は次の3つです。
- 温度が20~30℃
- 湿度が70%以上
- 栄養分のほこりや汚れが溜まっている
これらの条件が整った環境になると、カビの原因菌が成長して目に見える黒カビとなります。
例えば風呂や洗濯機、エアコンなどは、家の中でも特に条件を満たしやすい環境といえるでしょう。
放置しておくと人体への悪影響も
黒カビそのものには毒性はありませんが、放置しておくと健康被害が出てしまう可能性があります。
例えば、黒カビから発生した胞子が空気中を舞い、それを人が吸い込んでしまうことでアレルギーを引き起こすおそれも。
アレルギーが出ると、喘息や鼻炎、肺炎などの症状につながる可能性もあります。健康被害を防ぐためにも、黒カビを発見したらなるべくすぐに除去するように心がけましょう。
黒カビが発生しやすい場所と対策
温度・湿度・栄養の3つの条件が整ってさえいれば、黒カビは家中の至る所に発生します。
中でも特に黒カビが発生しやすい場所は次の通りです。
- 風呂
- 壁紙
- 洗面所
- 洗濯機
- エアコン
- 窓・ゴムパッキン
- カーテン
- 衣類
それぞれの場所に適した掃除方法を知り、黒カビに悩まないきれいな状態を取り戻しましょう。
風呂
黒カビが発生する場所の中でも、特に生えやすい場所が「風呂」です。
風呂の床や壁には皮脂汚れなどカビの栄養源が付着しており、湯気が充満して温度も湿度も高くなっています。そのため、風呂はカビが生えるのに絶好の場所。
風呂に発生した黒カビを落とすには、漂白能力の高い「塩素系漂白剤」を使った掃除が効果的ですよ。
壁紙
部屋の壁紙にも黒カビは発生します。
部屋の換気不足や、室内外との温度差による結露が原因となって湿度が上昇し、黒カビがどんどん増えていくのです。
素材を傷めないためにも、壁紙にできた黒カビは「重曹と酢(クエン酸)を使った掃除方法」がおすすめです。
洗面所
洗面所は風呂場の近くや内部にあって湿気を多分に含むことから、黒カビが発生しやすい場所。
洗面台や壁、その境目にも黒カビがよくみられます。
頑固な黒カビ汚れになっていることが多いため「塩素系漂白剤と片栗粉を使った掃除方法」がおすすめです。
洗濯機
洗濯機は使用後に水気が残り、湿度が高いじめじめとした環境になってしまいがちです。そのため、一見大丈夫そうに見えていても、洗濯槽の内部には黒カビが多く潜んでいます。
そんな洗濯槽の黒カビには「洗濯槽クリーナー」を使った掃除が効果的。
おすすめの洗濯槽クリーナーや掃除方法は次の記事で詳しく解説しているので、洗濯槽の黒カビでお悩みの方はぜひ参考にしてくださいね。
エアコン
エアコンの内部は使用後に結露が残りやすく、黒カビが発生しやすい条件が揃っています。
フィルターの奥にある熱交換器の部分である「フィン」には特にカビが発生しやすいので、定期的にチェックするようにしましょう。
エアコンクリーナーを使って掃除することも可能ですが、成分が内部に残ってエアコンの故障の原因につながったり、かえってカビを増やしたりすることもあるので、使用は避けたほうが無難です。
カビが気になる場合はハウスクリーニング業者への清掃依頼を検討しましょう。
窓・ゴムパッキン
窓は結露が原因で黒カビが発生しやすいです。
特に窓枠やゴムパッキン部分は水分が残りやすく、カビの発生にとっても好条件。
黒カビが根を奥まで張っている可能性が高いため「塩素系漂白剤」を使った掃除方法がおすすめです。
カーテン
窓の湿気が移ることから、カーテンにも黒カビが発生しやすいです。
特に梅雨の時期や冬の湿度が高い時期には注意しましょう。放置すると黒カビが広がっていってしまうため、こまめなチェックと掃除が大切です。
カーテンの黒カビ掃除には「漂白剤を使ってつけ置き洗いする方法」が効果的です。
衣類
衣類につくカビは黒カビと白カビの2種類があります。
黒いぽつぽつとした汚れがある場合は黒カビが発生していると判断しましょう。
衣類の黒カビは普通に洗濯をしても落ちないため「漂白剤を使ってつけ置き洗いする方法」が効果的です。
黒カビを除去する4つの方法
黒カビを除去する4つの方法を紹介します。
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大切な家族や自分自身の健康を守るため、黒カビを根元から徹底除去していきましょう。
塩素系漂白剤と片栗粉を使った掃除方法
塩素系漂白剤と片栗粉を使った黒カビの掃除方法を解説します。
サビが発生する金属製品や木製製品など、素材によっては使用できないので注意してくださいね。
【効果的な場所】
- 風呂
- 洗面所
- 窓・ゴムパッキン
【掃除方法】
<用意するもの>
<手順>
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塩素系漂白剤と片栗粉を併用することで、黒カビにしっかりと除菌成分が密着・浸透します。
掃除の際にはしっかりと換気をしながら行うようにしてくださいね。
重曹と酢(クエン酸)を使った掃除方法
重曹と酢を使った掃除方法は使用する素材に優しいのが特徴です。
素材の変色や傷みを防ぎたい場合におすすめの方法です。
【効果的な場所】
- 壁紙
- 窓・ゴムパッキン
- 食器類
- キッチン
【掃除方法】
<用意するもの>
<手順>
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お酢は殺菌効果があるため、カビにはとても効果的。ただし、酢の成分が残っているとカビの栄養源にもなってしまいます。
黒カビの再発を防ぐためにも掃除後はしっかりと水で洗い流し、タオルを使って水気を取り除きましょう。
アルコール消毒液を使った掃除方法
アルコール消毒液を使った掃除方法は、ティッシュに含ませて拭き取るだけで簡単にできます。
掃除後はすぐに蒸発していくので、痛みやすい素材に生えた黒カビにも効果的ですよ。
カビはアルコールに非常に弱く、少しでも触れるとカビの胞子が死滅します。一方で漂白作用はないため、黒カビによるシミ汚れが取れない点には注意しましょう。
【効果的な場所】
- 畳
- 木製家具
- 壁紙
- 窓
【掃除方法】
<用意するもの>
<手順>
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消毒用アルコールを使って掃除する際は、最初から直にスプレーを吹きかけないように注意してください。勢いで胞子が舞い、カビが広がるおそれがあります。
漂白剤を使ってつけ置き洗いする方法
布素材に発生した黒カビには、漂白剤を使ってつけ置き洗いする方法が効果的です。
漂白剤には「酸素系」と「塩素系」があります。酸素系漂白剤は色落ちしにくいため色柄物でも使用できますが、塩素系漂白剤は色素も落とす可能性があるため、白物に使うのがおすすめです。
【効果的な場所】
- 服やタオルなどの衣類
- カーテン
【掃除方法】(酸素系漂白剤を使用する場合)
<用意するもの>
<手順>
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【掃除方法】(塩素系漂白剤を使用する場合)
<用意するもの>
<手順>
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つけ置き洗いをするときは、必ず事前に洗濯表示を確認するようにしましょう。漂白剤は強力な反面、色落ちや痛みなどのリスクもあるため、製品によっては漂白剤が使えないものもあるのです。
黒カビを掃除するときの注意点
黒カビを掃除する際には次の2つの点に注意しましょう。
- 塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜない
- 水拭きや掃除機はNG
誤った方法で掃除を行うと、思わぬ事故に繋がったり、逆に黒カビを広げてしまったりすることもあります。
塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜない
塩素系漂白剤を酸性洗剤は絶対に混ぜてはいけません。
これら2種類の洗剤を合わせて使ってしまうと、人体に有毒な塩素ガスが発生します。
塩素系漂白剤と酸性洗剤の例を表にまとめたので、使用の前に確認しておきましょう。
<塩素系漂白剤と酸性洗剤の例>
塩素系漂白剤 |
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酸性洗剤 |
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過去にはこの有毒ガスにより、失明や死亡に至ってしまった例もあります。
思わぬ事故に繋がってしまわないよう、きちんと製品の種類を確認し、絶対に合わせて使うことのないよう気を付けてくださいね。
水拭きや掃除機はNG
黒カビを除去したいからといって、水拭きだけで済まそうとしたり、掃除機をかけるのはやめましょう。
水拭きだけではカビを除去することはできないうえに、カビの生殖範囲を伸ばしてしまいます。
拭き掃除をする際は、消毒用エタノールをティッシュや布に含ませ、押さえつけるようにして拭き取りましょう。
また掃除機でカビを吸い取ると、そのまま排気口から外に出て広がってしまったり、掃除機内で繁殖したりするおそれがあります。
誤った掃除方法は黒カビの繁殖を広げかねないので注意してくださいね。
黒カビを予防するための3つの習慣
黒カビを予防するための3つの習慣を紹介します。
- こまめに換気する
- 水分を拭き取る
- 防カビ剤を使用する
黒カビを予防するには、やはり「温度・湿度・汚れ」の3つの条件を揃えないことが大切です。
日頃の対策で黒カビの発生を阻止しましょう。
こまめに換気する
こまめな換気は黒カビ対策に抜群の効果を発揮します。
家の中の湿気を外に逃して、カビの発生条件である「湿度」を下げましょう。
また室外と室内の温度差を少なくすることで、窓の結露の発生を防ぎ、カビを予防することが可能です。少し寒いかもしれませんが、冬場でもこまめな換気を心がけてくださいね。
除湿機やエアコンは湿度を下げるのに役立つアイテムです。窓を開けたくない場合はこれらの活用もおすすめですよ。
水分を拭き取る
黒カビの発生を予防するためにも、窓にできた結露や浴室を使用した後の水滴などを拭き取る習慣をつけましょう。
黒カビは水分のないところには住みつきません。洗面所やキッチンなどの水回りでも、使用後はしっかりと水分を拭き取ることが大切です。
また浴室を使ったあとは、一度シャワーの冷水で床や壁を洗い流してから水分を拭き取るようにしましょう。
湯気の発生や、黒カビの栄養源である皮脂汚れや石鹸カスを落とすことができるので、さらなる防カビ効果が見込めますよ。
防カビ剤を使用する
風呂やキッチン、窓ガラスなどのカビが気になる場所は、市販の防カビ剤を使うだけでも大きな予防効果が見込めます。
事前に予防を徹底しておけば、黒カビが生えた後から慌てる必要もありません。
防カビ剤は風呂での使用に特化した置型タイプや、壁紙やゴムパッキンにも使用できるスプレータイプのものなど様々な商品が販売されています。
黒カビの発生を予防したい場所に合わせて使い続け、黒カビの徹底予防を心がけましょう。
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