「洗ったあとの洗濯物に黒いカスが付くようになった」
「洗濯槽クリーナーを使ったのに、黒いカスがなくならない」
洗濯機を回したときに出てくるピロピロした黒いカスの正体は、洗濯槽の外側に発生した黒カビです。
放置していると、衣類にカビがついてしまい、肌荒れやアレルギーの原因になることもあります。
洗濯槽のカビを取る方法と、カビの除去後に再発を防ぐ方法をお伝えします。
洗濯機から黒いカス(わかめ)が出続けるとき、洗濯槽はどうなっている?
洗濯槽からわかめのような黒いカスが出続けるとき、洗濯槽の裏側は全体がカビに覆われた状態になっている可能性が高いです。
以下の写真の洗濯槽のように、多少カビが生えていても、洗濯槽の内側にまで出てくることはありません。しかしカビの層がもっと厚くなると、洗濯物を回すときに水流ではがれ、黒いカスになって洗濯槽の内側まで侵入してくることがあります。
洗濯物に黒いカス(カビ)がつくのを放置していると、アレルギー症状が出る可能性もあります。
黒いカスを見つけたら、塩素系漂白剤を使った槽洗浄や、プロによる分解洗浄を早めに行い、カビを取り除きましょう。
洗濯槽にカビが生える原因
カビが生えやすいのは、「適度な温度」「高い湿度」「栄養分」がそろった環境です。洗濯機の内部は、3つの条件のすべてを満たしています。
温度 | ・室温がそもそもカビの繁殖に適している ・洗濯運転後に洗濯機内の温度が上がる |
---|---|
湿度 | ・洗濯運転した後の濡れた状態が長時間保たれる |
栄養分 | ・溶け残った洗剤や柔軟剤が洗濯槽の外側に残る ・衣類から落ちた皮脂が付着する |
特に縦型洗濯機は乾燥モードがついていない機種が多いので、定期的に洗濯していると洗濯槽が乾く暇がありません。
洗濯機の黒いカスを自分で掃除する方法
最初にお伝えした通り、洗濯機から出てくる黒いカスを分解せずに完全除去するのは非常に難しいです。
ただし、洗濯槽クリーナーや漂白剤を使って槽洗浄をすると、ある程度は自分でもカビを軽減することができます。まず自分でできるところまで対処したいという方は、試してみてください。
黒いカスが出てくるときは「塩素系の漂白剤やクリーナー」がおすすめ
洗濯機から黒いカスが出てくるときは、塩素系の漂白剤や洗濯槽クリーナーを使いましょう。
オキシクリーンなどの酸素系漂白剤は、大量のカビを除去するには不十分です。酸素系漂白剤は過炭酸ナトリウムが水と混ざるときに発泡して汚れを浮かす仕組みであり、カビを死滅させる力はありません。
塩素系漂白剤 | 酸素系漂白剤 | |
---|---|---|
主成分 | 次亜塩素酸ナトリウム | 過炭酸ナトリウム |
ドラム式への使用 | ○ | △ |
縦型への使用 | ○ | ○ |
メリット | カビを死滅させ、分解する力がある | 人体やペットにやさしい |
デメリット | 強い刺激臭がある 酸性洗剤と混ぜると危険 |
カビに対して殺菌力が弱い |
おすすめの塩素系漂白剤・クリーナー
塩素系漂白剤の中でも、主成分である次亜塩素酸ナトリウムの濃度が高いもののほうが、カビを分解する力が強いです。市販であれば液体の塩素系漂白剤や、メーカー純正の洗濯槽クリーナーを使うのがおすすめです。
ただし、濃度が高いほど人体に与える影響も大きいので注意しましょう。ペットやお子さんが近づかないようにして、換気をしながら手袋をして扱うと安心です。
塩素系漂白剤または洗濯槽クリーナーで槽洗浄する手順
槽洗浄コースの運転方法は機種によっても異なるので、取扱説明書を見ながら行いましょう。
以下は基本的な手順です。
槽洗浄コースがついている洗濯機の洗浄手順
【縦型洗濯機】
- 洗濯槽の中身が空の状態で洗濯機の電源を入れる
- 「槽洗浄」コースを選んでスタートする
- 取扱説明書の指示にしたがって塩素系漂白剤または洗濯槽クリーナーを1本分すべて投入し、再開する
- 運転終了するのを待つ
- 糸くずフィルターを掃除する
洗濯機専用ではない液体の塩素系漂白剤を使う場合は、ボトル1本入れても大丈夫です。
【ドラム式洗濯機】
- 洗濯槽の中身が空の状態で洗濯機の電源を入れる
- 「槽洗浄」コースをスタートし、少し水がたまるのを待つ
- 水が溜まった洗濯槽に直接、塩素系漂白剤または洗濯槽クリーナーを投入する
- 運転終了するのを待つ
ドラム式洗濯機の場合、洗濯槽クリーナーを入れるタイミングをブザーなどで知らせてくれる機種と、お知らせ機能のついていない機種があります。
ある程度の水位まで給水されるとドアが空かなくなってしまうので要注意です。お知らせ機能がついていない場合は、給水が始まったらすぐに運転停止してクリーナーを投入しましょう。
時間が異なる槽洗浄コースがある場合はどれを選べば良い?
多くのメーカーの槽洗浄コースには、2~3時間のコースと9~11時間のコースがあります。黒いカスが出ているときに槽洗浄をする場合は、長時間のコースを選びましょう。
コース | 目的 |
---|---|
2~3時間 | カビやにおいの発生を防ぐ |
9~11時間 | 洗濯槽の汚れやカビを落とす |
生えてしまったカビを分解するためには、一定時間のつけ置きが必要です。そのため、槽洗浄コースの運転は5~11時間と長時間かかります。
ただし塩素系の漂白剤には、長時間触れ続けると金属が腐食するリスクもあります。市販の洗濯槽クリーナーを槽洗浄に使ってもすぐに腐食することはないですが、不安な場合は腐食防止剤の入ったクリーナーを使用すると安心です。
槽洗浄コースがついていない洗濯機の洗浄手順
- 洗濯槽の中身が空の状態で洗濯機の電源を入れる
- 洗濯槽クリーナーを1本分投入する
- 高水位になるまで給水する
- 「洗い」モードで運転し、排水せず2~3時間放置する
- 排水し、「標準」モードで1サイクル運転する
槽洗浄コースが付いていない洗濯機でも、標準コースを利用して槽洗浄ができます。
水をいっぱいまで溜めて洗濯槽クリーナーを攪拌し、しばらくつけ置きをしましょう。
洗濯機の黒いカスを完全除去するならプロのクリーニングがおすすめ
黒いカスが出てくるくらいに厚くなったカビ汚れは、塩素系漂白剤を使って分解するだけでなく、ブラシなどで物理的にこすり落とすのが確実です。
そのためには、洗濯槽を分解して取り外さなければなりません。
分解作業は洗濯機の知識がない人には非常に難しいので、プロの洗濯機クリーニング業者に依頼するのがおすすめです。
洗濯機クリーニング業者による洗濯槽洗浄の内容
プロの洗濯機クリーニング業者に依頼すると、以下の作業を行ってくれます。
- 洗濯槽を含む部品の取り外し
- 取り外した各部品と洗濯機側に付着したカビや汚れの洗浄
- 洗濯槽を含む部品の取り付け
かかる時間は、縦型洗濯機で2~3時間、ドラム式洗濯機で3~4時間が目安です。
素人には、洗濯機の部品を分解し、元通りにする作業が非常に難しいです。洗濯機の構造を詳しく把握しているプロの事業者にお任せすれば、故障するリスクが少なく済みます。
分解した洗濯槽のカビを直接こすって洗浄するので、黒いカスも出なくなります。
なお、ドラム式洗濯機は洗濯槽を取り外せない機種が多く、乾燥経路や排水部品の分解がメインです。乾燥機能がついているので洗濯槽にはカビが生えておらず、そもそも洗濯槽洗浄がそこまで必要ないケースが多いです。
分解クリーニングの料金は、縦型洗濯機なら12,000~15,000円、ドラム式洗濯機なら25,000~30,000円前後が相場です。
7年以上経過した洗濯機は買い替え検討もアリ
製造から7年以上経過した洗濯機は、メーカー側で修理用の部品を保有していないため、故障した場合に修理ができないケースがあります。
洗濯機クリーニング業者も、万が一故障しても保証ができない旨を前置きして作業依頼を受けることが多いです。
電気部品が壊れていなければ使い続けられますが、引越しを控えていたり、新しいモデルの洗濯機が気になってたりする場合は、買い替えを検討するのも1つの選択肢でしょう。
洗濯物に黒いカスがついてしまったときの対処法
衣類に黒いカス(カビ)が付いてしまったとき、どのようにして取るのがよいのでしょうか。
服についたカビは乾燥させてはがし取る
洗濯した服に黒いカス・カビが付いてしまった場合は、乾燥させてからはがし取るようにしましょう。
濡れたまま汚れを取り除こうとすると、繊維の奥まで入り込んでしまい、かえってやっかいになる可能性があります。
一度しっかり乾かして、水分がなくなったことを確認してから汚れを取り除きましょう。カピカピになった黒いカスが、ポロっと剥がれ落ちます。
コインランドリーで再度洗濯する
黒いカスが出てきた洗濯機でもう一度洗濯しても、またカスが出てくる可能性が高いです。
時間をかけて槽洗浄したり、洗濯機クリーニング業者に来てもらったりする間、洗濯ができないのは困ってしまいますよね。
洗濯機が使えない間は、近所のコインランドリーを使用するなどしてしのぐしかありません。カビがついてしまった洗濯物も、気になる場合はコインランドリーに持って行ってもう一度回しましょう。
洗濯機から黒いカスが出るのを予防する方法
洗濯機の黒カビを完全に除去した後は、二度と黒いカスに悩まされないようにしたいところです。
洗濯槽のカビ予防に効果的な方法をお伝えします。
頻度 | 予防法 |
---|---|
毎回の洗濯前 | 洗剤・柔軟剤を入れすぎない |
毎回の洗濯後 | 洗濯機に洗濯物を入れっぱなしにしない |
週1回 | 乾燥運転をする(ドラム式洗濯機) |
週1回 | 槽乾燥モードを使う |
週1回 | ゴミ取りネットの裏を掃除する(タテ型洗濯機) |
月1回 | 塩素系漂白剤を入れて洗濯機を回す |
毎回の洗濯前:洗剤・柔軟剤を入れすぎない
洗剤や柔軟剤はボトルに書かれた使用量を守り、適切な量を入れるようにしましょう。
余分な洗剤は洗い残しとして洗濯槽に溜まり、カビや雑菌の養分になります。特に柔軟剤は粘度が高いので、溶け残った分が洗濯槽の裏側にこびりつきやすいです。
柔軟剤の役割は洗濯物を柔らかく仕上げることと香りづけであり、洗浄効果はないので、使う回数を減らしてみてもよいでしょう。
毎回の洗濯後:洗濯機に洗濯物を入れっぱなしにしない
洗濯機の中に洗濯物を入れっぱなしにすることも、湿気がたまりやすくなる原因の1つです。
洗濯カゴを別で用意して、洗濯が終わった後はすぐに取り出すように心がけましょう。
週1回:槽乾燥モードを使う
カビを発生させないようにするには、なるべく洗濯槽を乾燥させた状態で保つことも大切です。
槽乾燥モードがついている洗濯機なら、週1回は槽乾燥モードで約30分運転し、洗濯槽の裏側を乾燥させましょう。
機種によって運転方法が異なるので、自宅の洗濯機の取扱説明書を確認してください。
週1回:定期的に乾燥運転をする(ドラム式洗濯機)
ドラム式洗濯機の場合は、どの機種にも基本的に乾燥コースがついています。
定期的に乾燥コースを使っていれば、洗濯槽の裏側まで乾くのでカビが生えにくくなります。
ドラム式洗濯機の洗濯槽はプロの業者でも取り外せない構造になっているものが多いので、カビが生えてしまうと完全除去が難しいことがあります。
せっかく付いている乾燥機能は十分に活用し、カビも防ぎましょう。
週1回:ゴミ取りネットの裏を掃除する(タテ型洗濯機)
洗濯槽の内側についているゴミ取りネットは、定期的に外して洗いましょう。
普段隠れているゴミ取りネットの裏側にも水分が付着するので、取り付けたまま放置しているとカビの温床になります。
月1回:塩素系漂白剤を入れて洗濯機を回す
塩素系漂白剤にはカビの発生を防ぐ効果もあります。
月1回のペースで塩素系漂白剤や洗濯槽クリーナーを入れ、通常の洗濯モードで回しましょう。
カビを分解するには一定時間のつけ置きが必要ですが、予防目的であれば、長時間の槽洗浄モードを使わなくても大丈夫です。
洗濯機の頑固な黒カビはプロにクリーニングしてもらうのもおすすめ
この記事では、洗濯機から黒いカス(カビ)が出続けるときの対処法について紹介してきました。イチバン大切なのは洗濯槽を中心にしっかり掃除することですが、汚れがひどいと1回だけでは解決できないことも。
その場合は数回にわたって念入りに掃除するか、プロのクリーニング業者に依頼して分解洗浄などをしてもらいましょう。
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