ドラム式洗濯機の乾燥運転を使っているとき、以前よりも乾燥時間が長くなったり洗濯物が乾かなくなったと感じることはありませんか?
原因は大きく分けて10個あり、状況によって考えられる原因は異なります。
ドラム式洗濯機の乾燥運転の調子が悪い時に試したい対処法11個もあわせてご紹介します。
乾燥時間が長くなったときの原因は6つ
ドラム式洗濯機で洗濯物を乾燥させているとき、以前よりも乾燥時間が長くなったうえに洗濯物が乾ききっていないのであれば、考えられる原因は6つです。
乾かない原因 | 対処法 |
---|---|
乾燥フィルターのつまり | フィルターと乾燥経路のお手入れ |
排水フィルターのつまり | フィルターのお手入れ |
洗濯物の入れすぎ | 乾燥容量を守る |
給水栓が閉まっている | 給水栓を開く |
給排気口がふさがっている | 設置場所の整理整頓をする |
設置場所の温湿度が不適 | 設置場所の温湿度を調整する |
乾燥フィルターのつまり・汚れ
乾燥運転をすると乾燥フィルターに汚れが集まります。
乾燥フィルターが目詰まりを起こしていると乾燥運転の効率が下がるので、衣類の乾燥が不十分になるケースがあります。
乾燥フィルターは定期的なお手入れが必要です。
一見フィルターそのものは汚れていないように見えても、乾燥フィルターの奥にホコリが溜まっていて空気の流れが阻害されることがあります。
乾燥フィルターや乾燥経路にホコリや汚れがつまっていると空気の行き来に支障が出るので定期的にお手入れをしましょう。
排水フィルターのつまり
排水フィルターがつまっていると排水に支障が出て、脱水がうまくできなくなります。
脱水運転で洗濯物から出た水分がいつまでも洗濯機内に残ってしまうので乾燥運転をしても乾燥しきらなくなります。
乾燥時間が長くなったにも関わらず洗濯物がぐっしょりと濡れているのであれば排水フィルターのつまりが原因である可能性が高いです。
洗濯物の入れすぎ
洗濯機の洗濯容量と乾燥容量は異なります。
乾燥容量の方が少ないので、洗濯容量いっぱいに衣類を入れて洗濯して乾燥運転まで行うと、衣類が生乾きになってしまいます。
ドラム式洗濯機の中でも人気が高い機種を例に、洗濯容量と乾燥容量の違いをまとめました。
品番(メーカー名) | 洗濯容量 | 乾燥容量 |
---|---|---|
BD-SV120JL (日立) |
12kg | 6kg |
NA-LX127CL (Panasonic) |
12kg | 6kg |
HDK852Z-W (アイリスオーヤマ) |
8kg | 5kg |
乾燥容量は洗濯容量の半分程度に設定されていることが分かります。
洗濯から乾燥まで実施するのであれば、洗濯する衣類は少なめにしましょう。
給水栓が閉まっている
乾燥運転を使うと温かく湿った空気が発生します。
この空気を冷やして除湿するために水道水を使う、水冷方式を採用している機種は少なくありません。
水冷除湿方式を採用している機種を使っているのであれば、給水栓を開いておかないと乾燥時間が伸びます。
乾燥時間も伸びてしまい衣類が乾ききる前に運転が終了することがあります。
ドラム式洗濯機の給排気口がふさがっている
機械にとって熱は本来好ましいものではありません。
乾燥機能を搭載していてもそれは同じことで、効果的に排熱ができないとドラム式洗濯機そのものの寿命が縮まるほか、熱によって強制的に停止してしまう原因にもなります。
効率よく排熱をするためには、吸気口と排気口の両方が開けている必要があります。
一部のドラム式洗濯機では給排気口が機器の上部にあります。
洗濯機の上に棚などがあると排気・排熱の妨げになるので注意が必要です。
設置場所の湿度・温度が適切でない
熱交換によって衣類を乾燥させる「ヒートポンプ方式」を採用している洗濯乾燥機を運転させるときは、設置場所の室温に注意が必要です。
ヒートポンプ方式で乾燥させる場合、冷たくて湿った洗濯物を乾かすために温かく乾燥した空気が必要です。
設置場所の室温が低すぎると温かい空気を作るために多くの時間がかかり、乾燥時間が長くなります。
他にも、洗濯機を設置している場所の湿度が高すぎると乾燥運転の効率が下がります。
梅雨の時期や浴室のすぐ隣など、高温多湿の環境に洗濯機を設置していると排気・排熱の効率が下がってしまいます。
乾燥時間は変わらず生乾きになったときの原因は3つ
乾燥時間に変化はないものの、乾燥しきっていない生乾きの状態で運転が終了するときに考えられる原因は3つです。
乾燥時間に変化がなく、洗濯物が乾いていない場合は使い方や設定になんらかの問題があるケースが多いです。
ちょっとした事柄を見直すだけで乾燥させられるようになるケースが多いので、修理など業者の手を借りる事態にはなりづらいです。
乾きにくい洗濯物を乾かそうとしている
衣類の素材によっては乾燥運転を使っても乾きづらいことがあります。
一般的には厚手のコットン(綿)など、吸湿性の高い素材の衣類は乾きにくい傾向があります。
反対に乾きやすいのは化繊(化学繊維)の衣類です。
乾きやすい化繊の服と乾きにくいコットンの服を同時に乾燥運転にかけると乾きムラが発生するので注意してください。
洗濯ネットに入れたまま乾かそうとしている
おしゃれ着など繊細な服を洗うときは洗濯ネットを使います。
洗濯ネットは衣類を洗濯時のこすれなどから守ってくれるものですが、目が細かくなればなるほど通気性が悪くなり、乾燥しづらくなります。
長期間使用していて目詰まりを起こしているネットも乾燥しづらくなるので、定期的に交換することが必要です。
乾燥運転の設定が適切ではない
衣類の量や素材に対して適切な乾燥温度の設定ができていないことも衣類が乾きづらくなる原因です。
熱に弱く縮みやすい衣類を乾燥させたあと、設定を変えないまま別の衣類を乾燥させると乾きにくいと感じることが多いです。
乾燥運転が終わっても洗濯物がずぶ濡れの原因は1つ
乾燥運転をしても洗濯物がまったく乾かず、ずぶ濡れの場合考えられるのは「ドラム式洗濯機の故障」です。
ドラム式洗濯機が故障しているときは修理依頼を出すことが一般的です。
異音や過剰な振動などが発生しているときも故障が疑われます。
ドラム式洗濯機が故障している
乾燥モードを使ったにも関わらず衣類が濡れたままなのであれば、洗濯機が故障している可能性があります。
洗濯機が故障しているのであれば、乾燥運転で衣類が乾燥しないほかにも症状が出ることがあります。
操作パネルなどにエラーコードが表示されていないか確認しましょう。
エラーコードは英数字で示されることが多いです。
なんらかのコードが表示されているのであれば、取扱説明書をチェックして取るべき対処法を確認しましょう。
ドラム式洗濯機の乾燥で衣類を乾かす11個の対処法
ドラム式洗濯機の乾燥運転で洗濯物を乾かすための対処法を11個紹介します。
ドラム式洗濯機を長く使うためには日ごろのお手入れが重要です。
不調が出る前からこまめに手入れをすることで不具合を防止できます。
1.乾燥フィルターと乾燥経路のお手入れをする
ドラム式洗濯機の乾燥モードに不調があるのなら、乾燥フィルターの掃除を試しましょう。
フィルターを外してホコリなどを取り除けば掃除は完了します。フィルターを破らないように注意してください。
もし乾燥フィルターを掃除しても乾燥運転の調子が悪いのであれば、乾燥フィルターの奥まで掃除することも検討しましょう。
ワイヤーブラシなどを使ってホコリを取ることで乾燥運転の効率が良くなる可能性があります。
ドラム式洗濯機の乾燥フィルター奥を掃除する方法については関連記事に詳細があります。
2.排水フィルターのお手入れをする
ドラム式洗濯機の下部には排水フィルターが設置されています。
排水フィルターのツマミはカバーパネルやトビラに隠れていることが多いです。
Panasonicのななめドラム洗濯機乾燥機(品番:NA-VX8900)を例に、排水フィルターのお手入れ方法を紹介します。
- 「脱水」運転で洗濯機内部の水を抜く
- 電源を入れてツマミをゆっくり回す
- 水が出ないことを確認し排水フィルターを引き抜く
- ブラシなどでフィルターに付着したゴミを取り除く
他のメーカーのドラム式洗濯機も同様に排水フィルターのお手入れができます。
ただしフィルターの取り外し方法が異なる場合があるので、お手入れ前に1度取扱説明書を確認することをおすすめします。
3.乾燥容量を守って乾燥させる
ドラム式洗濯機には洗濯容量と乾燥容量があります。
洗濯物を効率よく乾燥させるには、乾燥容量を把握する必要があります。
洗濯容量と乾燥容量では、洗濯容量の方が量が多いです。大半の機種では洗濯容量の半分ほどの容量が乾燥容量です。
洗濯から乾燥までを一貫して行うのであれば、乾燥容量にあった量の洗濯物を入れるようにしましょう。
ドラム式洗濯機の6割ほどを目安に洗濯物を入れると、洗濯から乾燥まで行っても生乾きになりづらいです。
4.給水栓を開いてから乾燥運転をする
多くのドラム式洗濯機では、乾燥運転時に発生した湿度の高い空気の除湿に冷却水を使っています。これを「水冷方式」といいます。
水冷方式で除湿をするときは冷却水が必要なので、給水栓を開いておく必要があります。
日ごろから給水栓をこまめに閉める習慣のある家庭では、乾燥運転のみを使うときに給水栓を開き忘れてしまうことがあるので注意しましょう。
5.ドラム式洗濯機の設置場所の整理整頓をする
効果的に排熱をするためにはドラム式洗濯機周辺の整理整頓を行うことも大切です。
ドラム式洗濯機の取扱説明書や据付説明書には、機器の周辺にどれくらいの間隔を空けるべきか記載されています。
設置時はその規定を守っていたものの、長く使うにつれて手に取りやすい位置にラックをつけたりなどした結果、既定の間隔を空けられていないことも珍しくありません。
1度ドラム式洗濯機の周辺をよく確認して、適切な間隔が空いているかをチェックしましょう。
6.ドラム式洗濯機の設置場所の温湿度を調整する
乾燥運転を行ううえで理想的な条件は、室温が高く湿度が低い状態です。
冬の寒い時期だけ乾燥運転の効きが悪いのであれば、洗濯機の設置場所付近の室温を上げましょう。
ヒートポンプ方式の機器であれば、冷たく湿った衣類を乾燥させるためには温かく乾燥した空気が必要です。
洗濯機が置いてある場所の気温が低ければ低いほど、衣類乾燥に使う温風のために空気を暖める時間がかかります。
屋内に置いているのであれば乾燥運転を入れるときは暖房を入れるなどが効果的です。
ドラム式洗濯機の設置場所が浴室近くである場合や梅雨の時期は、湿度が高いので乾燥運転の効率が落ちてしまいます。
換気やサーキュレーターなどで湿度をコントロールすることで衣類が乾きやすくなります。
またサーキュレーターで空気の流れを作ると排熱効率が高まり、熱によるエラーや本体寿命が短くなる可能性を低くできます。
7.乾きにくい洗濯物を分けて乾燥させる
洗濯物は素材や布地の厚みによって乾きやすさが大きく異なります。
吸湿性の高い衣類とそうでない衣類を乾燥させると乾燥ムラの原因になるので、乾きにくい衣類とそうでない衣類は分けて乾燥させましょう。
以下は乾きにくい洗濯物と乾きやすい洗濯物の例です。
▽ 乾きにくい洗濯物の例
- デニムのパンツ
- フランネルシャツ(ネルシャツ)
- 吸水性のバスタオル(今治タオルなど)
▽ 乾きやすい洗濯物の例
- リネン(麻)製の衣類
- 綿ポリ混合の衣類
- 薄手の衣類
- 袖が短いシャツ
長袖のシャツやズボンなどは絡まりやすいので、そのような衣類を洗ったときは乾燥運転の前に絡まりをほどいてあげましょう。
絡まったまま乾燥運転をさせても上手く乾燥せず、衣類が傷む原因にもなります。
8.洗濯ネットから出して乾燥させる
洗濯ネットに入れて洗った洗濯物であっても、乾燥運転のときはネットから出すようにしましょう。
洗濯から乾燥まで続けて行う場合は乾燥運転が始まる前に一時停止し、洗濯ネットから衣類を出してから運転を再開してください。
また長期間同じ洗濯ネットを使っているのであれば、ネットの買い替えもご検討ください。
洗濯ネットの寿命は一般的に1年と言われています。
洗濯ネットが劣化するとネットが目詰まりを起こし、洗ったはずの衣類の汚れが取れないなどのトラブルが発生します。
厳密に1年ごとに買い替える必要はありませんが、洗濯ネットのファスナーが壊れたり、ネットに穴が開いたりしたら買い替えをおすすめします。
9.乾燥運転の設定を見直す
乾燥運転中の温度を調節できるのであれば、温度を高くすることで乾きやすくなる可能性が高いです。
乾燥温度を上げるときは乾燥させたい衣類にあった温度であるか必ずチェックしましょう。洋服のタグには乾燥機を使えるかなど記載されています。
乾燥モードの温度変化は「しっかり乾燥モード」などの名称になっていることもあります。
また一部の機種では温度変更はできず、乾燥運転の時間のみを変更可能としていることがあります。
10.ドラム式洗濯機クリーニングを依頼する
ドラム式洗濯機が不調になった理由が機械内部の汚れやつまりによるものであれば、ドラム式洗濯機クリーニングで解消する可能性があります。
ドラム式洗濯機クリーニングの相場は17,000~30,000円です。
分解したパーツをブラシなどを使って洗浄するので、普段のお手入れでは手が届かない場所もすみずみまで綺麗になります。
11.ドラム式洗濯機の修理を依頼する
洗濯機が故障しているのであれば、修理に出して洗濯機を直してもらいましょう。
エラーコードが表示されているのであれば取扱説明書などで内容を確認し、必要な対処を取りましょう。
洗濯機の修理はメーカー以外に専門の修理業者にも依頼できます。
専門の修理業者はメーカー修理に比べて安価に修理を依頼できる傾向があります。
依頼する修理業者を決めるときは、複数の業者から見積もりをとって比較しましょう。
価格や含まれるサービスのほか、連絡をとった時のレスポンスの速さ、対応の良さなどもチェックして総合的に業者を決めましょう。
ドラム式洗濯機の乾燥時間が長くなったら分解洗浄をしよう
洗濯機の乾燥モードの調子が悪いと、思うように洗濯や衣類乾燥ができずに困ってしまいますよね。
以前よりも乾燥に時間がかかると思ったら洗濯機クリーニングをご検討ください。
洗濯機クリーニング業者を探すときは相見積もりを取って、業者同士の比較検討をしましょう。
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