洗濯をしてきれいにしているはずの洗濯物からカビ臭さを感じることはありませんか?
その原因は洗濯槽にカビが生えてしまったことです。
洗濯槽にカビが生えないようにするには月に1度の槽洗浄が効果的です。
洗濯槽を含め、洗濯機の掃除頻度や掃除をするときの注意点を解説します。
洗濯槽を掃除する頻度は月1回
カビは1度生えてしまうと一気に広範囲へ繁殖してしまうため、根絶が難しいです。
洗濯槽内は湿度が高く、カビの栄養となるものも多いためカビ対策を怠ってしまうとすぐにカビが生えてしまいます。
理想的な槽洗浄の頻度は月に1回です。
月に1回行うことでカビが定着する前に除去できるのでカビ予防に効果的です。
ただし自分で行う槽洗浄では既に生えているカビを除去することはできません。
既に生えているカビにアプローチするのであれば洗濯機クリーニングを依頼しましょう。
洗濯槽の掃除方法について知りたい方は「洗濯槽の掃除方法」をご覧ください。
洗濯槽の洗浄はなぜ月1回がオススメなの?
月に1度洗濯槽の洗浄をおすすめする理由は、カビの増殖スピードにあります。
文部科学省の「カビ対策マニュアル 基礎編」によると、カビは湿度60%以上の環境で活発に繁殖します。
洗濯槽の内部は湿度が高く、温度や栄養にも困らないのでカビにとっては理想的な繁殖環境です。
洗濯槽にも生えるクロカビは湿度80%以上であれば10日以内に胞子を発芽させられます。
カビの繁殖を抑えるためには、湿度を低くすることと同時に胞子を減らすことが重要です。
実際に湿度が80%未満であれば発芽に要する日数は40日程度となり、この環境を保ったまま30日周期で槽洗浄を行えばカビが繁殖することは非常に困難です。
洗濯槽の掃除方法
洗濯槽の掃除は、クリーナーを入れて洗濯機を回すだけと非常に簡単です。
ただし効果的に掃除をするためには槽洗浄のやり方を使い分ける必要があります。
槽洗浄の方法はもう知っているという方は「洗濯槽の洗浄は塩素系漂白剤がおすすめ」をチェックしてください。
槽洗浄におすすめのクリーナーやなぜ塩素系漂白剤がおすすめかを解説しています。
ほかにも「洗濯槽クリーナーを使いすぎるとどうなる?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
本当に月に1度クリーナーを使ってもいいか解説します。
洗濯槽の月1回のお手入れ方法
汚れやカビの付着を予防することを目的にするときのお手入れ方法は以下の通りです。
-
- 最高水位まで注水する
-
- クリーナーを入れる
-
- 洗い→すすぎ→脱水運転をする
洗濯機の形状を問わず同じ方法で槽洗浄ができます。
ただしドラム式洗濯機で槽洗浄を行う場合、注水しても水面が見えにくいのでクリーナーを入れるタイミングに迷うことがあります。
注水が開始され「パチャパチャ」という音が聞こえ始めたら、クリーナーを入れるタイミングです。
初めて槽洗浄をするときのお手入れ方法
購入後初めて槽洗浄をするときや久しぶりに槽洗浄を行う時には、つけ置きをして洗浄効果を高めることをおすすめします。
槽洗浄コースを使えば洗濯機に任せるだけで簡単につけ置きと洗浄ができます。
一般的な手順は以下の通りです。
- 電源を入れる
- 「槽洗浄」コースを開始する
- クリーナーを入れる
- フタを閉じる
- コース完了まで待つ
初めて槽洗浄をするのであれば、10~12時間ほどかかるコースがおすすめです。
長時間のコースはつけ置き時間が長いのでクリーナーの成分が汚れに浸透し、消毒効果も高いのが特徴です。
就寝中がつけ置き時間になるよう、寝る前にコースを開始するのがおすすめです。
ただし自分で行う槽洗浄では既に生えているカビを除去することはできません。
既に生えているカビにアプローチするのであれば洗濯機クリーニングを依頼しましょう。
洗濯槽の洗浄は塩素系漂白剤がおすすめ
洗濯槽の洗浄に使えるものは複数ありますが、おすすめは塩素系漂白剤です。
塩素系漂白剤と市販の洗濯槽クリーナー、メーカー純正の洗濯槽クリーナーはすべて主成分が塩素系です。
濃度は若干異なるものの、洗浄力そのものは大きく変わりません。
槽洗浄のクリーナーとしてイチオシのものは台所用塩素系漂白剤です。
おすすめする理由は以下の3つです。
洗濯槽洗浄に台所用塩素系漂白剤がオススメの理由
- カビに対する洗浄力が高い
- 料金が安い
- 様々な場所で販売されている
「キッチンブリーチ」などの台所用塩素系漂白剤は、コンビニや100円均一ショップなどでも販売されています。
使用量の目安はカネヨ石鹸「キッチンブリーチ」であれば1回あたり600mlです。
大容量サイズ(1500ml)であれば300円前後で購入できます。
市販の洗濯槽クリーナー1回分の価格で2回できるので、コストパフォーマンスの高さが分かります。
槽洗浄にはほかにも酸素系漂白剤や重曹が使われることもあります。
槽洗浄で使うクリーナーについて表形式で簡単にまとめると以下の通りです。
洗浄剤の種類 | 洗浄力 | 価格 |
---|---|---|
塩素系漂白剤 | 強い | 安い(300円/1,500ml) |
市販の洗濯槽クリーナー | 強い | 安い(300円/1回分) |
メーカー純正の洗濯槽クリーナー | 強い | 高い(2,000円/1回分) |
酸素系漂白剤 | 弱い | やや高い(1,300円/1,500g) |
重曹 | 弱い | 安い(500円/1kg) |
酸素系漂白剤や重曹は洗浄力が低いため洗濯槽の洗浄には向いていません。
また発生した泡が排水経路を詰まらせてしまったり、あふれて故障の原因になったりすることがあります。
使用するときは注意書きをよく読んで、容量を守って使いましょう。
洗濯槽クリーナーを使いすぎるとどうなる?
塩素を使った漂白剤やクリーナーは独特の刺激臭があり、強い殺菌力があるのが特徴です。
本当に月に1回も使ってよいのか不安に思うかもしれません。
確かに塩素の力は強力ですが、製品に記載されている注意事項を守って説明書通りに使えば人体や健康に悪影響を与えることはありません。
ただし塩素の成分が残ってしまっていると、洗濯するときに衣類が漂白されています。
塩素の成分が残っているのかもと心配なのであれば、衣類を入れずに1回洗濯運転をしましょう。
空運転後にタオルなどを洗ってから他の衣類を洗うようにすると塩素の成分がほぼ確実に排出されます。
洗濯槽以外のパーツを掃除する頻度
洗濯槽や糸くずフィルター、乾燥フィルター以外の部品には特にこの期間でやった方がいいという基準はありません。
とはいえ大体の目安とやった方が良い掃除方法はあります。
その他の洗濯機部品を掃除する頻度を確認しましょう。
糸くずネット
糸くずネットは汚れが溜まりやすいので、3~5回に1度を目安にネットの掃除をしましょう。
- ネットを洗濯機から取り外す
- ネットを裏返してゴミを取り除く
- 水洗いをする
- 汚れやカビが気になる場合は塩素系漂白剤で消毒する
- 陰干しをする
- 洗濯機に糸くずネットを装着する
糸くずネット内部のゴミをそのままにしておくと中のゴミにカビが生えてしまいます。
カビ臭や洗濯槽にカビが付着、繁殖する原因になるのでこまめにお手入れしましょう。
糸くずフィルター
ドラム式洗濯機には糸くずフィルターがあります。
洗濯機下部のカバーを外すと糸くずフィルターのツマミが現れるので、ツマミを持ってひねって取り外しましょう。
糸くずフィルターの掃除手順は以下の通りです。
- 糸くずフィルターを外しゴミを捨てる
- ぬるま湯で糸くずフィルターをすすぐ
- 歯ブラシで汚れを落とす
- 糸くずフィルターをすすぐ
- 糸くずフィルターを戻す
糸くずフィルターを外すと水が出ることもあります。
床などを濡らさないように雑巾や水受け用の洗面台などを用意してから糸くずフィルターを外しましょう。
乾燥フィルター
ドラム式洗濯機の乾燥機能を使うと乾燥フィルターにホコリが溜まります。
乾燥フィルターはドラム式洗濯機の上部に据え付けられていることが多いです。
下記の手順で乾燥フィルターを掃除しましょう。
- 乾燥フィルターを引き抜く
- ハンディ掃除機などでホコリを吸う
- 取り切れないホコリは古歯ブラシなどでそっとこそぎ取る
- 乾燥フィルターを元に戻す
乾燥フィルターの奥にほこりが溜まっていないかもチェックが必要です。
乾燥運転に時間がかかる、衣類が生乾きになるなど気になることがあれば乾燥フィルターの奥まで掃除することをおすすめします。
乾燥フィルターの奥まで掃除する方法について詳細に知りたい方は関連記事もご覧ください。
洗濯機のフタ・洗濯槽のフチ・洗剤投入口
洗濯機のフタや洗濯槽のフチ、洗剤投入口は1ヶ月に1度程度の頻度で掃除をすれば、極端に汚れてしまうことはありません。
▽ 洗濯機のフタの掃除方法
- 固く絞った濡れ雑巾で全体を拭く
- 乾拭きをして余計な水分を除去する
▽ 洗濯槽のフチの掃除方法
- 固く絞った濡れ雑巾で拭く
- 乾拭きをして余計な水分を除去する
- 汚れがひどい場合は洗濯槽クリーニングを検討する
▽ 洗剤投入口の掃除方法
- ケースを洗濯機本体から取り外す
- 流水で全体を洗う
- 細かい部分の汚れは歯ブラシを使ってきれいにする
- 洗濯機本体に洗剤が付着しているなら拭き取る
- 洗剤投入ケースを元に戻す
洗濯機のフタや洗濯槽のフチ、洗剤投入口は基本的に水拭きと古歯ブラシでこすることで汚れを落とせます。
洗濯機の排水口・洗濯パン(防水パン)
洗濯機の排水口や洗濯パン(防水パン)は臭いが気になったタイミングで掃除をしましょう。
洗濯機の排水口や洗濯パン(防水パン)は以下の手順で掃除をします。
- 給水栓を閉める
- 脱水運転をして洗濯機内部の水を排水する
- 排水ホースを外す
- 洗濯機の排水口をブラシなどで掃除する
- 臭いが気になる場合は液体パイプクリーナーを使う
- 排水口や排水ホースを接続し直す
ただし設置場所や設置方法によっては自力で掃除することが難しいので、そのような場合は無理をせず業者に清掃を依頼しましょう。
洗濯機は軽いものでも20kg程度の重量がある、非常に重い家電です。
無理に動かすとぎっくり腰などケガをするほか、床に引きずった跡や落としたへこみなどをつけてしまうこともありえるので注意してください。
関連記事では洗濯機の排水口と洗濯パン(防水パン)の掃除方法について解説しています。
洗濯槽の掃除頻度をなるべく少なくするためには?
洗濯槽が汚れてしまうとカビ臭さなどの悪臭の原因になったり、付着したカビの胞子が原因で健康被害を受けるリスクがあります。
洗濯槽が汚れないようにするにはこれから紹介する4つの工夫を試してみてください。
槽乾燥モードを使って洗濯槽の湿度を下げる
洗濯槽は湿度が高く、カビが繁殖するための栄養が多い環境です。
洗濯槽が濡れた状態が長く続いてしまうとカビが繁殖してしまい、洗濯物に黒いカスがついたり、イヤな臭いの原因になったりします。
特にタテ型洗濯機は洗濯槽が乾燥する時間が短いため、槽乾燥モードを活用して洗濯槽の湿度を下げましょう。
ドラム式洗濯機の場合は洗濯後乾燥運転までする設定にしているのであれば、洗濯機内部は乾燥している時間が長いので槽乾燥をわざわざ行う必要性は低いです。
しかし洗濯のみで終わらせることが多い場合は槽内の湿気が原因でカビが繁殖する可能性が高いので、槽乾燥モードで洗濯機内を乾燥させましょう。
衣類を洗濯槽に入れっぱなしにしない
衣類を洗濯機に入れたままにすると、衣類に付着した雑菌が洗濯槽の中で繁殖します。
カビ臭や雑巾臭の原因になるので洗濯時以外には衣類を入れないようにしましょう。
洗剤や柔軟剤は入れる量を守る
洗剤や柔軟剤は水に溶ける量が決まっているので、たくさん入れればその分良い効果が得られるわけではありません。
むしろたくさん入れることで洗剤の溶け残りが発生する、香り付き柔軟剤などでは香りが強くなりすぎるなど様々なデメリットが発生します。
また洗剤の溶け残りが多すぎるとカビが餌にして繁殖してしまいます。
洗濯物をきれいにするための洗剤も、使い方を間違えるとカビ臭さ等の原因になるので、洗剤等は規定を守って使うことが大切です。
風呂の残り湯は温かいうちに洗濯に使う
残り湯を洗濯に使うのであれば、お風呂に入った直後の湯を使いましょう。
洗剤は40度前後の湯に溶けやすく、泡立ちなどもよくなります。
なおすすぎに残り湯を使ってしまうと、せっかく洗った洗濯物に皮脂などの老廃物を付けてしまうことになります。
風呂の残り湯はお風呂に入った直後に「洗い」のみに使いましょう。
洗濯槽クリーニングでしつこい汚れをリセットしよう!
カビ臭さが気になってから槽洗浄を行っても、洗濯槽には既にカビが繁殖していて除去しきれないことがほとんどです。
2回槽洗浄を行ってもカビ臭が改善されない場合や購入から1年以上槽洗浄を行っていないのであれば、洗濯槽クリーニングで汚れをリセットすることをおすすめします。
タテ型洗濯機を使っているご家庭は特にクリーニングをおすすめします。
タテ型洗濯機は構造上カビが繁殖しやすいです。
プロのクリーニングでは洗濯槽を分解してこすり洗いをし、繁殖したカビを除去します。
クリーニングを受けて洗濯槽をきれいにしたら、月に1度の槽洗浄できれいな状態を保ちやすくなります。