洗濯パンは洗濯機の下にあるため、掃除が難しい場所です。しかし、汚れを放っておけばカビや悪臭の原因になってしまいます。身近なアイテムを使った掃除方法と、洗濯パンをきれいに保つためのかさ上げグッズを紹介します。
そもそも洗濯パンとは?
「洗濯パン」は名前のとおり、洗濯機の下に設置するプラスチック製の板です。
賃貸物件では備え付けられている場合が多く、特に疑問もなく洗濯パンの上に洗濯機をおいている人も多いことでしょう。
では、具体的に洗濯パンにはどのような役割があるのか、その必要性を解説していきます。
床が濡れるのを防ぐアイテム
洗濯機の下に設置する洗濯パンは、洗濯中に発生しうる水漏れによって床が濡れるのを防いでくれるアイテムです。
洗濯機は衣類を洗濯する過程で何度も排水を行っています。汚れた水は排水ホースを通って、つながれている排水口へと流れますが、排水ホースが劣化していたり、緩んでいたりすれば簡単に水漏れを起こしてしまうでしょう。
また、排水時だけではなく、洗濯機自体が故障してしまったり、洗濯機の下が結露したりすれば、床が水浸しになることもあります。
洗濯パンは発生しうる水漏れから床を守るためには欠かせない存在なのです。
洗濯パンの必要性
洗濯パンは見栄えがよいとは言い難いため、取り外したいと考えている方も少なくないでしょう。
しかし、洗濯機の下は家の中でも特に濡れやすい環境です。万が一の水漏れから守るために、洗濯パンは重要な役割を担っているアイテムといえるでしょう。
近年では、高機能な洗濯機も多く販売されており、配管・排水まわりに関しても水漏れのリスクは昔よりも下がっています。とはいえ、水が漏れて床が濡れてしまえば、カビが発生する原因になりますし、2階以上の賃貸物件なら下の階にも影響する可能性もあります。
これらのリスクを回避するためにも、洗濯パンは重要といえるでしょう。
洗濯パンの掃除方法
洗濯パンは洗濯機の下にあるため、衣類から出るホコリや糸くずなどがたまりやすい環境にあります。
しかし、洗面パンと洗濯機の隙間は狭く、掃除したくても手を出せずに困っている人は多いことでしょう。ここでは、洗濯パンの掃除方法を紹介していきます。
ハンディーモップで掃除する
スタンダードでお手軽なのが、ハンディーモップを使って洗濯機下を掃除する方法です。
ハンディーモップは狭い隙間にも入り込めるので、洗濯パンと洗濯機の間にも難なく差し込め、ホコリや糸くずを絡め取ってくれます。
洗濯機を使っていれば洗濯パンもすぐに汚れてくるため、気が付いたときにサッと掃除できるよう、洗濯機の脇にハンディーモップを置いておくとよいでしょう。
ハンガーとストッキングでも可能
ハンディーモップを持っていない方は、針金ハンガーとストッキングでも同じように洗濯パンを掃除できます。
針金ハンガーを上下に引き伸ばして菱形を作り、ハンガーを包み込むようにストッキングを被せれば自前の掃除グッズの完成です。
あとは、ハンディーモップと同様に洗濯パンと洗濯機の間に入れて、ホコリなどの気になったゴミを取り除いていきましょう。
ストッキングは静電気を帯びやすい性質を持っているので、ゴミが濡れていなければストッキングに吸い付きます。
針金ハンガーはクリーニング店を利用した際にもらえますし、ストッキングは伝線してしまったものを有効活用できます。
汚れがひどいときは動かして掃除
ハンディーモップでは洗濯パンにこぼした洗剤などの、こびり付いた汚れを取り除くのは困難です。
そのため、水拭きでないときれいにできないほど、汚れがひどい場合は洗濯機を動かす必要があります。
洗濯機を洗濯パンから動かす場合は、電源コードと給水・排水ホースの扱いに注意しましょう。
つながった状態で動かしてしまうと、漏電の可能性やホースに余っていた水が床にこぼれてしまうことも考えられます。
電源コードをコンセントから抜く際は、一緒に挿さっているアース線も忘れずに抜きましょう。アース線は静電気や感電などから利用者を守るためにあり、プラスネジでしっかりとコンセントに固定されています。
洗濯機を動かしたら、洗濯機を使って大きなゴミを取り、そのあとに雑巾などできれいに水拭きと乾拭きをしていきしょう。
同時にやりたい排水口の掃除
せっかく洗濯パンを掃除するなら、汚れがたまりやすい排水口もきれいに掃除したいところです。
洗濯パンの種類によっては、洗濯機を動かさずに掃除できるように考えて設計されたものもあるので、予め排水口の位置を確認しておきましょう。
排水口の汚れは臭いの原因になる
普段は目に入らない排水口ですが、普段から洗濯機を使っていれば徐々に汚れがたまっていき、放っておけば臭いの原因になります。
さらにそのまま放置し続ければ詰まりを起こしてしまう可能性もあります。
洗濯機は排水時に水と一緒に糸くずや髪の毛も流され、排水口にたまり汚れの原因になるのです。
そのため、面倒だと思っても排水口は月に1回を目安に掃除しましょう。
また、洗濯機に糸くずをキャッチしてくれるフィルターを設置しておくのも対策の一つです。フィルターがあることで排水口に流されるゴミを減らせます。
パイプクリーナーを使った掃除方法
排水口は複数のパーツで構成されるので、分解をして洗面所などで丁寧に掃除しましょう。また、手の届かない排水管の奥にはパイプクリーナーが有効です。
排水口をすり抜けた糸くずや髪の毛は排水管中に止まってしまっている場合があります。クリーナーを投入することで糸くずなどのゴミを溶かしてくれます。
汚れがたまっていると、黒いカビやぬめりがパーツに付着しているはずです。分解した排水口のパーツは、古い歯ブラシを使って磨いていきましょう。
ホースの掃除もしよう
水が通る排水ホースの内部も汚れがたまりやすいので、排水口と一緒にきれいにしたいところです。
排水ホースは手では洗えないため「水で薄めた洗剤」や「液体漂白剤」をホース内に入れてつけ洗いします。
具体的には、洗濯機から取り外した排水ホースに液体漂白剤などを入れて、両端の口にラップをして輪ゴムで固定して液体が漏れないようにすることがポイントです。
準備ができたら中に入れた液体が全面にかかるように動かします。ある程度動かしたらラップを外し、中の液体を捨てれば掃除は完了です。
きれいになったか確認したい場合は、ホースに水を流して汚れが残っていないか内側を確認してみましょう。
掃除がしやすくなる洗濯機のかさ上げ
洗濯パンは床を守るためには欠かせないアイテムですが、洗濯機の下を掃除しにくいのがネックです。
今後は楽に掃除できるよう、洗濯機をかさ上げしてしまうのもおすすめです。
洗濯パンと洗濯機の間に余裕ができれば、掃除が簡単になりますし、汚れの状態もチェックしやすくなります。
ここからは、かさ上げをすることで得られる具体的なメリットとかさ上げの方法を紹介します。
かさ上げのメリット
洗濯機と洗濯パンとの間に余裕を持たせるかさ上げは、掃除が楽になるだけではなく、ほかにも以下のようなメリットがあります。
- 排水ホースの損傷を防ぐ
- 排水ホースの脱着が容易になる
- カビや悪臭を軽減できる
- 振動による騒音を抑える
洗濯機の設置環境によっては、排水ホースを押しつぶすような形になっている家庭もあるのではないでしょうか。排水ホースを圧迫してしまえば損傷し、漏水の原因にもつながりかねません。
かさ上げすれば洗濯機の下にスペースができるので、排水ホースに余計な圧がかかることもなく、また排水口からホースを取り外したのも容易になります。
また、湿気がたまりにくく、カビや悪臭が発生しづらくなるのもメリットです。
かさ上げでは専用の台やブロックなどに洗濯機を乗せるため、洗濯機の振動が床に直接伝わることがなくなり、騒音を抑える効果も期待できます。
かさ上げの方法
洗濯パンには「フラットタイプ」と、洗濯機の下に空間ができるよう予めかさ上げされている「かさ上げタイプ」があります。
フラットタイプであっても、後付けでかさ上げするのは難しくありません。各種メーカーからかさ上げグッズも販売されています。
実際にかさ上げをする際は、洗濯機を洗濯パンからどかす必要があるため、2人以上で行うようにしましょう。
また、電源コードや排水ホースなどがつながった状態では危険です。必ず外したことを確認してから作業に取り掛かりましょう。
おすすめのかさ上げグッズ
お掃除を楽にしてくれるかさ上げですから、実際に行う前には高品質なかさ上げグッズを用意しておきたいところです。
最後に、おすすめのかさ上げグッズを3つ紹介します。
因幡電工「ふんばるマン」
四隅に一つずつ置くタイプで、真っ白で余計な装飾がなく、どんな洗濯機の下においても違和感がありません。
一般的なプラスチックよりも強固なポリプロピレンを素材と採用しているため、重量のある洗濯機で使え、最大150kgまでの荷重に耐えられます。
価格も良心的ですので、かさ上げグッズを選ぶのに悩んでいる人にぴったりでしょう。
テクノテック「イージースタンド」
値は張りますが、頑丈である上に騒音対策がされた優れものです。
上部に付けられている黒い騒音パットが洗濯機の駆動時に発生する振動を和らげてくれるため、夜に洗濯機をまわしても、床からの騒音に悩まされることはないでしょう。
山善「洗濯機台 キャスター付き」
キャスターが備え付けられているため、洗濯機の下の掃除が簡単になります。伸縮するので、洗濯機の大きさに合わせて調整が可能です。
見た目もスタイリッシュなので、一気に洗濯機まわりの雰囲気が変わるでしょう。