大掃除などで家中の掃除をするなら、さまざまな素材や場所に使えるオキシクリーンがおすすめです。そこで今回はオキシクリーンの概要や魅力、具体的な利用方法を網羅的に紹介します。またオキシクリーンに使用する上での注意点もチェックしましょう。
オキシクリーンとは?
「オキシクリーン」は粉末状酸素系漂白剤の一種です。性質は弱アルカリ性で、衣類の洗濯はもちろん水回りや床・ベランダ・玄関・靴・ぬいぐるみなどの洗濯にも利用できます。「万能クリーナー」と呼ばれSNS上でも話題になりました。
成分は「過炭酸ナトリウム」と「炭酸ナトリウム」です。ともに化合物を無機質に分解する性質があるため、環境負担が少ないという性質もあります。
オキシクリーンの魅力
オキシクリーンの最大の魅力は洗浄力です。主成分の過炭素ナトリウムには水やお湯に溶かすと発泡する性質があり、この泡が汚れにある無数の穴に入り込んで酸化させます。汚れを浮き上がらせて落とす性質もあり、しつこい汚れにも効果的です。
汚れを落としたいものを漬け置きするだけで洗浄できるため、待ち時間には他の掃除を進められるのもうれしいポイントでしょう。雑巾・ハンカチ・タオル・台拭きなどの布製品も、1時間ほど漬け置きするだけで簡単に除菌ができます。
粉末状酸素系漂白剤は塩素系漂白剤と違って、危険な刺激臭がなく消臭効果を発揮するのも魅力です。脱色しにくいため色抜けの心配もありません。
アメリカ製と日本製の違い
もともとアメリカの会社が開発したオキシクリーンには、アメリカ製のオリジナルと日本製の2つの商品があります。
両者の大きな違いは界面活性剤が含まれているか否かです。界面活性剤には洗浄力を高める作用があり、汚れを落とす効果が強くなる一方、泡立ちが多くなるためすすぎの手間は増えます。また人によっては肌への刺激が強いと感じられる可能性もあるでしょう。
この界面活性剤はアメリカ製のオキシクリーンには入っており、日本製には入っていません。アメリカ製には香料と柔軟剤が含まれているという違いもあります。
コストコで扱っている大容量のオキシクリーンはアメリカ製です。日本製のオキシクリーンはグラフィコの公式オンラインサイトをはじめ、インターネットで購入できます。
通販サイト:オキシクリーン | グラフィコオンラインストア |
どんな汚れを落とせるの?
オキシクリーンを利用すると、具体的にどのような汚れを落とせるのでしょうか。オキシクリーンで落とせる汚れと、落とせない汚れを紹介します。
酸性の汚れに強い
弱アルカリ性の性質を持つオキシクリーンは、酸性の汚れを落とすのに有効です。家庭内の代表的な酸性の汚れを見ていきましょう。
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さまざまな汚れに対応できるため、大掃除などでも重宝します。消臭効果があるため、生ゴミの悪臭や体臭などの酸性の臭いにも効果を発揮するでしょう。
アルカリ性の汚れにはクエン酸を
一方、オキシクリーンでは落とせないのがオキシクリーンと同じくアルカリ性の汚れです。
家庭内で発生しやすい代表的なアルカリ性の汚れは下記になります。
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アルカリ性の汚れを落とすなら、酸性の性質を持つクエン酸が効果的です。重曹に混ぜると発泡するため、発砲作用で汚れを浮かせて落としやすくします。
大掃除の際にはオキシクリーンとクエン酸の両方を用意しておけば、家中の汚れをきれいにできます。
オキシクリーンの定番の使い方
オキシクリーンを使った掃除や洗濯は具体的にどのように行えばよいのでしょうか。まずはオキシクリーンの定番の使い方を3つ紹介します。
お湯に溶かして漬けるだけ「オキシ漬け」
「オキシ漬け」はオキシクリーンをお湯に溶かして、きれいにしたいものを漬ける掃除方法です。しばらく漬けておくだけで簡単に汚れを落とせます。
オキシクリーンの分量はお湯4Lに対して、付属の計量スプーンですり切り1杯分が目安です。お湯は40〜60℃が最適で、熱いほど効果は高まりますが、漬けおくものによっては熱すぎると素材を傷めるので、素材の注意事項を確認しましょう。
漬け置きの時間は基本的に20分程度で十分です。ただし泥汚れの付いた衣類などは、汚れに応じて時間を調整しましょう。
オキシクリーンの溶液は最大で6時間までは効果を発揮できます。6時間以上たつと過炭酸ナトリウムが完全に分解してしまい、漬けていても洗浄の効果は失われてしまいます。
毎日のお洗濯にプラス「オキシ足し」
毎日の洗濯にはオキシクリーンを入れる「オキシ足し」がおすすめです。洗浄力をアップする効果があり、衣類の黄ばみなどを落とせます。
またオキシクリーンには除菌・消臭の効果もあり、室内干しなどで発生する臭いの原因「モラクセラ菌」を洗浄し、生乾きの嫌な臭いを予防できます。
オキシ足しの方法は、洗濯洗剤や柔軟剤を入れる前の洗濯槽にオキシクリーンを入れるだけです。分量は洗濯1回につき、計量スプーン1杯分くらいを投入しましょう。
オキシ液で「拭く」「こする」
オキシクリーンを溶かしたお湯「オキシ液」を使って拭く、またはこするだけでも、きれいにしたい場所の汚れを簡単に落とせます。
拭き掃除をする場合は、オキシ液にはお湯4Lに対して計量スプーン1杯分ほどのオキシクリーンを溶かします。布やクロスを染み込ませて軽く絞り、汚れを拭き取ったあとは水拭きをしましょう。
こすって掃除をするのであれば、お湯4Lに対して計量スプーン5杯分のオキシクリーンが目安です。汚れを落としたい場所にオキシ液をかけ、5分ほど放置してからブラシでこすり、最後に水拭きで仕上げます。
最適なお湯の温度はオキシ漬けのときと同じく40〜60℃です。
頑固な汚れの落とし方は?
カビや油汚れ、焦げ汚れといった簡単には落とせない汚れにを対処するには、オキシクリーンをどのように使えばよいのでしょうか。頑固な汚れをオキシクリーンで落とす具体的な方法を解説します。
重曹と混ぜた「オキシペースト」
オキシクリーンと重曹をぬるま湯に混ぜた「オキシペースト」は、通常のオキシクリーンよりも除菌力がさらにアップします。
配合の割合としてはオキシクリーンと重曹とお湯を1:1:1が最適です。またお湯は40〜60℃に調整します。
オキシペーストならこすってもなかなか落ちない油汚れや焦げ汚れも、しっかり貼り付いて集中的に落とせるでしょう。
しつこいカビにも
バスルームのドアパッキンなどに発生する黒カビ汚れにもオキシペーストは効果的です。
まず綿棒などを使ってきれいにしたい部分にペーストを置き、塗布した部分の上からラップをかぶせた状態で1時間ほど放置しましょう。1時間たったら歯ブラシなどで軽くこすれば汚れが落ちていきます。
最後はしっかりと水でペーストを洗い落として掃除完了です。
オキシクリーンで汚れを落とせる場所
汎用性の高いオキシクリーンは、家庭内のどの場所の汚れを落とせるのでしょうか。オキシクリーンで汚れが落とせる場所と、具体的な掃除方法を解説します。
キッチン
油汚れや焦げ汚れなどの多いキッチンは、オキシクリーンの掃除が有効な場所の1つです。
特に油が飛び散るコンロ・壁・床、水あかの付着したシンクなどにはオキシ液を使った拭き掃除をおすすめします。少ない力で簡単に汚れを拭き取れるはずです。最後は水拭きを忘れずに行いましょう。
シンクの黒ずみなど拭いただけでは落ちない汚れがあるときは、排水口をふさいでオキシ漬けが効果的です。さらに焦げ付きや茶渋汚れのある食器を一緒に漬け置きしてもよいでしょう。
掃除したい範囲が広い場合には、バケツなどでオキシ液を多めに作っておくと効率が上がります。
洗濯機
長年の使用により洗濯槽に付着する菌や汚れ、カビなどもオキシクリーンがあれば簡単に掃除可能です。
まずは洗濯槽からの汚れの詰まりを防ぐため、ゴミ取りネットを取り外します。次に40〜60℃のお湯を高水位まで注入してから、お湯10Lに対して計量スプーン4杯分のオキシクリーンを入れます。
あとは「洗いコース」を選択して5分ほど回したら運転を止め、ふたを少しだけ開けた状態で6時間ほど放置します。ステンレスの洗濯槽はオキシ液を長時間放置すると変色の可能性があるので、長時間放置しすぎないよう注意しましょう。
6時間たったら浮いてきた汚れをすくい取って排水します。再び「洗いコース」で5分ほど回して汚れをすくい取り、排水してください。
以上の手順を汚れが出なくなるまで繰り返したら、最後にゴミ取りネットを取り付け、洗濯コースを2回行って完了です。ふたを開けておくか槽乾燥モードを使ってカビの繁殖を抑えましょう。
一方ドラム式の洗濯機には「オキシ漬け」はできません。ドラム式洗濯機のクリーニング方法は以下の記事を参考にしてください。
お風呂
お風呂場は先述のゴムパッキンだけでなく、床や壁・浴槽・洗面台・鏡なども全てオキシクリーンで掃除できます。
まず浴槽内と洗面台は栓(せん)をした上でのオキシ漬けが有効です。バスグッズや歯ブラシ置きなどを一緒に漬けると効率的でしょう。また追いだき機能を使えば、循環器の中も掃除ができます。
20分ほど放置したらお湯を抜いて、スポンジやブラシなどでこすり、最後に水でよく洗い流せば完了です。
床や壁はオキシ液をかけてから5分ほどおいて、スポンジやブラシでこすれば汚れを落とせます。
トイレ
オキシクリーンはトイレ掃除にも利用可能です。
2Lのお湯に対して軽量スプーン2杯分のオキシクリーンを溶かしたオキシ液を、便器に注いでふたをします。そのまま2〜6時間ほど放置したあと、最後はトイレブラシでこすって水を流すだけです。
雑菌が繁殖しやすいタンクも同じくオキシ漬けできれいになります。
6時間以内の分解しきっていない状態であれば、他の場所の掃除で使ったオキシ液を再利用するのも一案でしょう。
なかなか落ちない便器のふちの黒ずみには、オキシペーストを塗ったトイレットペーパーを1時間ほど貼り付けておくのが有効です。
オキシクリーンを扱う際の注意点
オキシクリーンの使用にはどのような点に注意をすればよいのでしょうか。オキシクリーンを扱う際の注意点を解説します。
必ずゴム手袋と換気をしよう
酸素系漂白剤のオキシクリーンは、長時間肌に触れていると肌荒れの原因になります。直接触れないように、使用するときは必ずゴム手袋を着用しましょう。
空気の循環が悪いところでの掃除もおすすめできません。使用中は定期的に窓を開けたり換気扇を回したりと、十分な換気を心掛けると安全です。
使えない素材を確認
酸素の成分が反応してしまうためオキシクリーンを使えない素材もあります。具体的な素材としては例えば下記が挙げられます。
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金属全般は変色してしまう可能性があり、オキシクリーンは使えません。誤って付いてしまったときはすぐに水で洗い流しましょう。
加えてフッ素樹脂加工のフライパンも、加工が剥がれてしまうためオキシクリーンは使用しないほうが無難です。
密封・密閉保存はNG
粉末状態のオキシクリーンは、空気中の湿気を含んで少しずつ酸素を発生させています。びんなどで密封・密閉保存をすると、酸素が行き場を失うことで容器に亀裂が入ったり、爆発したりする可能性があります。
そのため詰め替えて使う場合は「完全密閉ではありません」と記載されている容器を選びましょう。空気の通り道がある状態を確保できるため保存ができます。
同様の注意はオキシ漬けにもいえるため、洗濯槽の掃除などの際にはふたを開けるのを忘れないようにしましょう。
作り置きはできない
普段の掃除にオキシクリーンを使っている場合は、毎回作るのが面倒だからとオキシ液の作り置きを考える人もいるかもしれません。
しかし先述のようにオキシクリーンは、お湯に溶かしてから6時間以上が経過すると過炭酸ナトリウムが分解されてしまいます。作り置きはせずに、1回で使い切るだけの分量を用意しましょう。
普段の掃除から大掃除まで使えるオキシクリーン
アルカリ性の性質を持つオキシクリーンは、酸性の汚れを簡単に落とせる便利な粉末状酸素系漂白剤です。洗濯での使用はもちろん、普段の掃除から大掃除まで、生活のあらゆるシーンで活躍します。
ものや場所に応じて「オキシ漬け」「オキシ足し」「オキシ拭き」「オキシこすり」などの利用方法があり、汎用性は抜群です。頑固な汚れにはクエン酸を混ぜた「オキシペースト」も有効です。
ただしオキシクリーンを安心安全に利用するためには、ゴム手袋の着用と換気を行いましょう。また保存するとき完全密閉の容器に入れるのもNGです。正しい方法でオキシクリーンを利用して、住まいを快適にしましょう。
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この記事では、オキシクリーンで掃除する際の効果的な掃除方法や注意点を解説しました。しかし忙しくて掃除の時間がない人や自分でやるのは大変という人は、クリーニング業者に依頼するのが得策です。
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