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畳掃除の3つの心得|正しい掃除方法で傷めずきれいに

最終更新日: 2024年06月28日

畳の正しい掃除方法をご存知ですか?

畳は天然素材のイグサでできているため、非常にデリケート。畳の目に沿って掃除機やほうきをゆっくりと動かして、ていねいに掃除する必要があります。

  • 畳を傷めずに掃除したい
  • ところどころで汚れが気になる
  • ダニやカビを対策したい

そんなあなたのために、この記事では畳の掃除方法の基本から汚れ別の対処方法までくわしく解説します。

畳掃除の3つの心得

畳の目
正しい畳掃除の仕方

正しい畳掃除をするうえで大切な3つの心得を解説します。

  • 畳の目に沿って掃除する
  • 1畳1分でゆっくり掃除する
  • 乾拭きで仕上げる

畳表 (たたみおもて) の材料は天然素材のイグサです。

デリケートな素材なので、変色や傷みを防ぐためにもそれぞれのポイントを意識して掃除を行いましょう。

掃除機のかけ方や拭き掃除のやり方を工夫するだけで、畳を傷めることなく簡単にきれいにすることができます。

畳の目に沿って掃除する

畳には繊維の向きである「目」があり、目に沿って掃除をすることが基本中の基本です。

目に逆らったり、ものを引きずったりすれば、畳はすぐに傷んでしまいます。

また畳の隙間にゴミが入り込んで、かえって汚れがたまりやすくなることも。

掃除機をかける際やほうきを使用する際には、必ず畳の目に沿って行いましょう。

1畳1分でゆっくり掃除する

畳を掃除するときは、1畳につき1分の時間をかけてゆっくりと行います。

畳の隙間に入り込んだゴミをしっかりと取り除くためにも「急がずていねいに」を意識してくださいね。

掃除機を使用する際は、一定のスピードを保ちながら畳全体にまんべんなく動かすのがポイントです。

乾拭きで仕上げる

畳掃除の最後は乾拭きで仕上げましょう。

畳のイグサは空気の吸収と放出を自然に行う性質があり、湿気を調節する働きがありますが、高い湿度には強くありません

湿度が極端に高くなると、空気と一緒に湿気を多く吸収し続け、カビが出やすくなってしまいます

汚れがひどい場合は固く絞った雑巾を使った水拭きも効果的ですが、カビ防止のためにも最後は必ず乾拭きで水分を取り除いてくださいね。

畳掃除の基本!掃除機やほうきでホコリ取り

畳をほうきで掃除する様子
掃除機よりも「ほうき」がおすすめ

畳掃除の基本は掃除機やほうきを使ったホコリ取りです。

畳の目を意識した掃除で、汚れを取り除いていきましょう。

汚れをためないためにも、普段の掃除の際に一緒にきれいにするのがおすすめです。

用意するもの

  • 掃除機
  • ほうき
  • 雑巾

掃除機とほうきは、いずれかを用意してください。

畳は細かな目の隙間に汚れがたまりやすいため、実は掃除機よりもほうきの方が掃除に適しています。

かき出す力が強いので細かな汚れもきれいに取り除くことができますよ。

掃除の手順

  1. 掃除機やほうきでホコリを取り除く
  2. 乾いた雑巾で乾拭きする

掃除機やほうきを畳の目に沿って動かし、大きなホコリを取り除いていきます。

掃除機に「畳モード」がある場合は使用したほうが畳が傷みにくくなります。また畳のヘリは布製で傷みやすいので、なるべく掃除機をかけないほうが長持ちしますよ。

ほうきを使用する際は畳の目に沿って小刻みに動かすのがポイントです。そうすれば、隙間に詰まったホコリもかき出して取り除けます。

乾いた雑巾を使って乾拭きを行い、取り切れなかった細かな汚れを拭き取ればお手入れ完了です。

汚れが少し気になる場合

子どもの食べこぼしなどで汚れが気になる場合は、ホコリを取り除いた後に水拭きを行いましょう。

基本的に洗剤は使わず、固く絞った雑巾で拭きます。畳は水分を嫌うので、水気が残らないようにしっかりと絞ってくださいね。

畳の目に沿って水拭きを行い、最後は乾拭きで水分を拭き取って乾燥させましょう。

ほうきと濡れ新聞紙の組み合わせで傷み防止

ほうきを使用する場合、濡れた新聞紙を一緒に使用すると畳を傷つけずに掃除できます。

まずは新聞紙を濡らしてしっかりと絞りましょう。その後、ちぎって畳の上にばら撒き、ほうきで掃きます。

濡れた新聞紙が畳の上のホコリを吸着して、イグサへのダメージを抑えつつ、きれいにすることが可能です。

畳の汚れがひどい場合はクエン酸で掃除

容器に入ったクエン酸とレモン

畳の汚れがひどいときはクエン酸を使った掃除が効果的です。

汚れが落ちやすくなるだけでなく、クエン酸の殺菌効果でカビやダニの予防にもつながります。

大掃除やお盆の時期など、年に1回のしっかりとした掃除はもちろん、梅雨で湿気が多くなる前にもおすすめの方法です。

用意するもの

  • クエン酸:小さじ1杯
  • 雑巾:2枚
  • バケツ
  • ゴム手袋

雑巾はクエン酸水を使った水拭き用と、そのまま使う乾拭き用の2枚を用意しておきましょう。

肌荒れ防止のためのゴム手袋も欠かせません。

掃除の手順

  1. バケツの半分くらいまで水を入れる
  2. 小さじ1杯のクエン酸をバケツに入れて混ぜる
  3. 雑巾を作ったクエン酸水に浸してしっかりと絞る
  4. 畳の目に沿いながら拭き掃除を行う
  5. もう1枚の乾いた雑巾で乾拭きをして水分を取り除く

バケツでクエン酸水を作った後、水拭きで畳の汚れを拭き取っていきます。

最後は乾拭きで水分を取り除き、畳をしっかりと乾燥させてくださいね。

新しい畳の場合は要注意

クエン酸を使うと汚れが落としやすくなりますが、畳が新しくて青さが残っているような場合は使用を控えましょう。

畳が変色してしまうおそれもあるので、クエン酸を使わない水拭きまでにとどめておくのが懸命です。

畳にダニやカビが発生している場合の対処法

畳の掃除
ダニやカビの対処法

畳にダニやカビが発生した場合は次の方法で対処します。

状況 対処法
ダニが発生している 畳を取り外して乾燥させる
カビが発生している 消毒用アルコールで掃除する

湿気を含みやすいイグサでできた畳には、湿度の高い環境を好むダニやカビが発生することも多いです。

マスクとゴム手袋を用意して、さっそく掃除を始めましょう。

【ダニ】畳を取り外して乾燥させる

ダニは乾燥にとても弱く、乾いた場所では2週間ほどで死滅します。ダニが発生した場合はとにかく乾燥させることが大切です。

まず畳の表面にいるダニを掃除して取り除いたら、畳を取り外し、裏側も掃除して駆除します。できれば日当たりと風通しのよい場所に干し、乾燥させましょう。この方法がベストですが、難しい場合は市販のダニ取り用の燻煙剤を使います。

【カビ】消毒用アルコールで掃除する

畳のカビには、殺菌・除菌効果が高いエタノールが有効です

まず、表面のカビをさっと乾拭きをしたあと、消毒用のアルコールをスプレーボトルに入れ、畳に吹き付けます。

乾いたら乾いた布で残ったカビをそっと拭き取り、畳の目に沿って歯ブラシなどでやさしくこすり取りましょう。中に入ったカビをかき出していきます。

仕上げに、カビの生えていた箇所にアルコールを再び吹き付けて乾拭きします。その後、扇風機かエアコンの除湿機能でよく乾燥させてください。

関連記事:畳のカビの取り方と予防|から拭きとエタノールで掃除する方法|ミツモア

畳の応急処置方法【焦げ・日焼け・シミ・凹み】

畳の掃除
状況に応じた速やかな対処を

畳の応急処置の方法を次の4つのパターンに沿って紹介します。

状況 応急処置の方法
焦げを作ってしまった 過酸化水素水(オキシドール)を含ませた綿棒やティッシュで叩く
日焼けしている お酢かクエン酸で水拭きする
シミができた 塩を使ってシミ抜きする
表面がへこんでいる お湯で絞ったタオルとアイロンで蒸す

天然素材である畳は、焼け焦げやシミ、凹みなどのトラブルもつきもの。状況に応じた正しい対処法を取れば、畳を傷めることなくきれいにできます。

畳に焦げを作ってしまった場合

タバコやアイロンなどで畳に焦げを作ってしまった場合は、傷口の消毒などに使う「過酸化水素水(オキシドール)」を使って処置します。過酸化水素水は薬局やドラッグストアで購入可能です。

綿棒やティッシュペーパーなどに過酸化水素水を含ませ、焦げの部分を軽く叩きます

もしも取れなければ、紙ヤスリやスチールウールタワシで、焦げの部分を軽くこすってください。その後再び過酸化水素水で拭けば、かなり目立たなくなるはずです。

畳が日焼けしている場合

日当たりのよい和室の場合、畳の一部が日焼けして色があせてしまうことがあります。日焼けした場合は「お酢」または「クエン酸」を使ってみてください。

ほうきや掃除機で畳のホコリをとり除き、ぬるま湯で10倍に薄めたお酢かクエン酸で水拭きします。

最後は乾拭きで水分をしっかりと拭き取りましょう。

畳にシミができた場合

畳に飲み物をこぼしてしまった時や、ペットが畳に尿をしてしまった時は「塩」を使ってシミを抜きましょう。

まず、こぼした液体をすぐにタオルやペーパーで拭き取り、汚れに塩を振りかけます。塩が湿ってきたら、歯ブラシなどで畳の目にそってこすり取り、掃除機で塩を吸い取ります。さらに固く絞った雑巾で拭き、乾燥させればOKです。

畳がへこんでしまった場合

畳にタンスやベッドなどの家具を置いた場合、畳がへこんでしまうことがあります。

この場合は畳がへこんだ部分にお湯で絞ったタオルを置き、その上から低温でアイロンをかけて蒸してみてくださいこの時、アイロンがタオルからはみ出さないように注意が必要です。

へこみが戻ってきたら、すぐに扇風機やドライヤーの冷風などで乾燥させましょう。畳に重いものや角ばったものを置く場合は布などを敷いておくと、へこみが防げます。

畳掃除でやってはいけないこと

重曹水の入ったボトル
畳を傷めないために

畳掃除でやってはいけないことを4つ紹介します。

  • ロボット掃除機を使う
  • 重曹やセスキ炭酸ソーダを使う
  • 「コロコロ」を使ったホコリ取り
  • カビ取り剤などの洗剤を使う

これらの方法を取ると、畳を傷めてしまう可能性があるので注意しましょう。

ロボット掃除機を使う

畳掃除にロボット掃除機を使用するのは避けましょう。

ロボット掃除機はランダムな動きを取り、畳の目に沿って移動しないため、畳を傷める可能性があります。

畳を長持ちさせるには、ほうきか一般的な掃除機を使うのがおすすめです。

重曹やセスキ炭酸ソーダを使う

重曹やセスキ炭酸ソーダは普段のお掃除にとても便利ですが、畳の掃除には使えません。

どちらもアルカリ性のため、畳を黄色く変色させてしまいます

また使用後に畳の中に成分が残ると、黒ずみ汚れになってしまうおそれもあります。

畳の思わぬ変色を防ぐためにも、使用は避けましょう。

「コロコロ」を使ったホコリ取り

コロコロと転がすだけで簡単にホコリを取り除いてくれる粘着式カーペットクリーナーは、カーペットや布張りのソファなどを掃除するのにとても役立ちます。しかし、畳の掃除に粘着式カーペットクリーナーを使うのは厳禁

強い粘着力でイグサを引っ張ることになり、毛羽立ち、ほつれなど、畳を傷める原因になります。ほうきや雑巾、掃除機を使うようにしてください。

カビ取り剤などの洗剤を使う

畳にカビ取り剤などの洗剤を使用してはいけません。漂白作用が強いため、畳が変色してしまう可能性が高いです。

カビが発生した場合は消毒用アルコールを使って掃除しましょう。

畳掃除を手軽にできる!おすすめ掃除グッズを紹介

畳の掃除グッズ
畳掃除の心強い味方

畳掃除にあると便利な掃除グッズを紹介します。

普段のお手入れや掃除に活用すれば、畳がきれいな状態を手軽に保つことができますよ。

畳用掃除シート

畳用の掃除シートがあると、気になる汚れをサッとひと拭きで落とせるので便利です。

掃除機では吸い取りきれない汚れやホコリを取り除き、水拭きで落としきれない皮脂汚れも拭き取ることができます。ほうきや掃除機のあとにシートで拭けば、残った汚れが落ちてさっぱりしますよ。

ただし畳は湿気を嫌うので、汚れのひどい時だけにしましょう。毎日使うと、かえって畳を傷めてしまいます。

ダイソーやセリアなどの100均でも入手できるうえに使い方も簡単なので、畳についた汚れを気軽に掃除したい方におすすめです。

フロアワイパー

普段の畳のお手入れには「クイックルワイパー」などのフロアワイパーが便利です。

ドライシートをつけて、畳の目に沿ってワイパーを滑らせていきましょう。掃除機や雑巾よりも手軽に表面のゴミやホコリを取り除くことができますよ。

畳に湿気が残るのを防ぐためにも、ドライシートを使うのがポイントです。表面の皮脂汚れや入り込んだホコリは取れないため、畳掃除用シートを装着したり、掃除機と組み合わせたりして、掃除のバリエーションを増やすとよいでしょう。

畳掃除用ブラシ

畳の掃除を手軽に行いつつ、汚れもしっかりと取り除きたいときに重宝するのが畳用の掃除ブラシです。

ブラシ部分が極細になっているのが特徴で、やさしくこするように動かすだけで畳の目の奥にたまった汚れをかき出すことができます。

通常の掃除用ブラシに比べて少し値段は張るものの、畳掃除にかかる手間と時間をカットできるのが魅力的です。

畳の面積が広い部屋や飲食店などで効率よく掃除したい方に、特におすすめのアイテムです。

ダニやカビを予防して畳を長持ちさせる方法

畳の掃除
ダニやカビを予防して畳を長持ちさせる方法

畳は天然素材のためフローリングに比べるとお手入れに気を遣いますが、普段から適切なお手入れをすればぐっと長持ちします。汚れやカビを予防し、畳が長持ちする方法を調べました。

年に1~2回ほど天日干しする

ダニやカビを予防するためには、畳を乾燥させることが大切。天気のいい日に畳を外し、日当たりのよい場所に干して湿気を取り除きます。天日干しは殺菌にも効果が高いですが、日焼けや変色の恐れもあります

年に1~2回くらいにとどめ、気になる場合は陰干しに。畳を外して干すのが大変な場合は、畳を浮かせて床との間に缶などを挟み、しばらく風を通すだけでも湿気が取れます。

カーペットなどの敷物を敷かない

畳を長持ちさせるには、湿気が大敵です。湿気の多い部屋に厚手のカーペットを敷きっぱなしにすると、湿気がこもりやすく、カビの原因にもなります。ダニやカビを予防するためには、畳を通気性のよい状態にすることが大切。

日当たりの良すぎる部屋の場合は、畳と近いデザインのゴザや、通気性のよいラグを敷くと、日焼けを防ぐことができます。お部屋の環境に応じて、対応しましょう。

畳の表替えと修理、新調する時期

畳の掃除
畳を長持ちさせたい!

ここまで畳のお手入れについて解説しましたが、掃除をしてもどうしても汚れが取れない場合や、傷んだ場合、広い範囲にカビが生えてしまった場合は、表替えがおすすめ。修理や新調が必要な場合について解説します。

畳の表替えとは?

一般的には、新品の畳から3~5年経ったら畳表を取り替えます。これを畳の表替えと呼び、畳を買い換えるより安いです。

畳は中心部分に畳床という芯があり、その上をシート状の畳表でカバーされた状態になっています。畳表を新しいものに替えれば、新品同様です。

畳を新調するタイミング

購入後3~5年の畳だとしても湿気の多い部屋に敷いてあると、畳床に湿気がこもり劣化している可能性があります。劣化の程度に合わせて新調も検討したほうがいいかもしれません。

畳屋さんに依頼する場合、相場は?

畳の表替えの場合、材質などにさまざまなタイプがありますが、一般には1枚(1畳)あたり4,000円~1万円前後が料金相場です。

畳を新品に買い替える場合は、1枚(1畳)につき1万円~2万円前後が料金相場です。

グレードの高い畳は、畳表に使用するイグサが熊本産などの国産で、縦糸には丈夫な麻が使用されています。安価な畳は中国産のイグサを使い、ほとんどが木綿の糸です。畳の縁にもさまざまなタイプがあり、価格も異なります。

買い換えを検討する場合は畳の専門店に相談して、ご家庭にぴったりの畳を見つけましょう。

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ここまで、畳のお手入れについてお伝えしました。

しかし、汚れやシミ、カビなど、自分で掃除するのが不安な場合や、ダニが心配な場合も。そんな時には、畳のクリーニングを業者に依頼するのがおすすめです。利用してみたいけれど、怪しい業者だったら心配…。

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