壁紙・クロスの張り替え費用は、6畳の部屋で40,000~48,000円、8畳の部屋で48,000~57,600円、10畳の部屋で54,000~64,800円です。
ただし、壁紙の種類や天井の高さ、リフォーム場所などによって、費用は変動します。本記事では壁紙の張り替えにかかる費用のシミュレーション、壁紙の種類別や広さ別の費用相場、高額になるケースから費用を安くするコツまで解説します。
壁紙張り替えの費用シミュレーション
壁紙やクロスを張り替えてきれいにしたい方へ、「部屋の広さ、張り替え箇所、クロスの種類」の3つを選ぶだけで、概算の壁紙張り替え費用をすぐに把握できるようにしました。ミツモアの参考価格をもとにした料金であり、「張り替え面積」も一緒にわかります。
円
部屋の広さ別の壁紙張り替え費用相場
壁紙の張り替え費用は、壁紙自体の価格とリフォーム費用の合計額で算出します。壁紙は主に「量産タイプ、標準タイプ、高級タイプ」の3種類にわかれます。
- 量産タイプは1㎡あたり1,000~1,200円です。賃貸物件や子ども部屋などに使われていて、無地で安価な壁紙です。
- 標準タイプは1㎡あたり1,300〜1,900円です。一軒家でよく使われるスタンダードクロスで、デザイン性に優れていて消臭や抗菌などの機能が備わっています。
- 高級タイプは1㎡あたり2,000~2,500円です。綿や高級和紙などを使ったオーダーメイドの壁紙があり、ハイグレードクロスとされています。
壁や部屋の広さによって壁紙の張り替え費用が異なり、畳数別で比較すると下記のとおりです。
部屋の広さ(施工面積) | 量産タイプ | 標準タイプ | 高級タイプ |
4畳(30㎡程度) | 30,000~36,000円 | 39,000~57,000円 | 60,000~75,000円 |
6畳(40㎡程度) | 40,000~48,000円 | 52,000~76,000円 | 80,000~100,000円 |
7畳(43㎡程度) | 43,000~51,600円 | 55,900~81,700円 | 86,000~107,500円 |
8畳(48㎡程度) | 48,000~57,600円 | 62,400~91,200円 | 96,000~120,000円 |
9畳(51㎡程度) | 51,000~61,200円 | 66,300~96,900円 | 102,000~127,500円 |
10畳(54㎡程度) | 54,000~64,800円 | 70,200~102,600円 | 108,000~135,000円 |
12畳(60㎡程度) | 60,000~72,000円 | 78,000~114,000円 | 120,000~150,000円 |
15畳(67㎡程度) | 67,000~80,400円 | 87,100~127,300円 | 134,000~167,500円 |
20畳(90㎡程度) | 90,000~108,000円 | 117,000~171,000円 | 180,000~225,000円 |
※壁紙業者に張り替えを依頼したときの人件費や出張費などは含まれていません。
畳数が狭くなるほど壁紙を張り替える面積が減るため、費用は安くなります。一方、壁紙の素材が良質になれば張り替え費用は高くなります。ただし同じ畳数であっても、部屋の扉や窓の数、天井の高さによっては張り替え費用が変わるため、注意が必要です。
建物の種類別の壁紙張り替え費用相場
部屋の広さ別の壁紙(クロス)の張り替え費用について解説したところで、一軒家とマンション1室の壁紙すべてを張り替えた場合の費用相場について紹介します。
一軒家をすべて張り替えたときの費用相場
一軒家の壁紙すべてを張り替えた場合、費用相場は19万〜120万円になります。延べ床面積は66〜165㎡、壁と天井の壁紙をすべて交換するのに194〜486㎡が必要な場合を想定しており、量産型や標準型、高級型の壁紙に張り替えた場合の費用相場は下記のとおりです。
延べ床面積 | 量産型(1㎡あたり1,000~1,200円) | 標準型(1㎡あたり1,300〜1,900円) | 高級型(1㎡あたり2,000~2,500円) |
66㎡(約20坪) | 19万~23万円 | 25万~37万円 | 39万~48万円 |
82㎡(約25坪) | 24万~29万円 | 31万~46万円 | 48万~60万円 |
99㎡(約30坪) | 29万~35万円 | 38万~55万円 | 58万~73万円 |
115㎡(約35坪) | 34万~40万円 | 44万~64万円 | 68万~85万円 |
132㎡(約40坪) | 39万~46万円 | 50万~74万円 | 78万~97万円 |
148㎡(約45坪) | 43万~52万円 | 57万~83万円 | 87万~109万円 |
165㎡(約50坪) | 48万~58万円 | 63万~92万円 | 97万~120万円 |
マンションの一室をすべて張り替えたときの費用相場
一方、マンション一室すべての壁紙を張り替えたときの費用相場は、26〜162万円です。広さがワンルームから4LDKで、壁と天井の壁紙の面積が268〜647㎡のケースで計算しています。
間取り | 量産型(1㎡あたり1,000~1,200円) | 標準型(1㎡あたり1,300〜1,900円) | 高級型(1㎡あたり2,000~2,500円) |
ワンルーム・1K | 26万~32万円 | 34万~51万円 | 53万~67万円 |
1LDK | 36万~43万円 | 47万~69万円 | 72万~90万円 |
2LDK | 45万~54万円 | 59万~87万円 | 91万~115万円 |
3LDK | 55万~66万円 | 71万~105万円 | 110万~138万円 |
4LDK | 64万~77万円 | 84万~123万円 | 130万~162万円 |
なお、賃貸マンションやアパートの壁紙を張り替えたい場合は、事前に大家や管理会社への確認が必要です。無許可で張り替えると、退去時に原状回復義務で修繕費用を支払う可能性があるため、注意しましょう。
室内の場所別の壁紙張り替え費用相場
部屋ごとに壁紙を張り替える際の費用相場は、いくらになるでしょうか。以下4つのケースで紹介します。
1.キッチンを張り替える場合の費用相場:41,600~77,900円
キッチンの壁紙(クロス)の張り替えにかかる費用相場は、41,600〜77,900円かかります。壁紙はほかの部屋よりも汚れやすいことから、汚れが拭き取りやすく、傷にも強い素材を使ったバリアタイプの壁紙(標準型)を使用します。張り替え費用は、下記の表のとおりです。
キッチンの間取り | 費用相場 |
3.5畳(32㎡) | 41,600~60,800円 |
4.5畳(39㎡) | 50,700~74,100円 |
5.5畳(41㎡) | 53,300~77,900円 |
2.トイレを張り替える場合の費用相場:25,000〜45,000円
トイレの壁紙を張り替えた際の費用相場は、25,000〜45,000円です。面積は狭いものの、汚れや臭いが付きやすいことから、消臭や吸放湿機能のある珪藻土壁紙(標準型)を使用すると、少し高くなります。
3.洗面・脱衣所を張り替える場合の費用相場:39,000〜44,000円
洗面所や脱衣所(2.5畳)の壁紙を張り替える場合、費用相場は39,000〜44,000円です。湿気でカビが発生しやすく、防カビや結露の発生を軽減する通気性壁紙(標準型)で張り替えるため、普通の部屋と比較して高くなる傾向です。
4.玄関・廊下を張り替える場合の費用相場:20,000~60,000円
玄関や廊下で壁紙を張り替える際の費用相場は、20,000〜60,000円です。1〜2帖とスペースが限られており、壁紙や材料費が少ないことからキッチンや洗面所よりも費用は抑えられます。
ただし泥や雨などで汚したくない人や臭いが気になる人は、少し高くなりますが、汚れ防止や撥水加工のある撥水性壁紙(標準型)を使用しましょう。
壁紙の張り替え費用が高くなるケース
汚れや臭いの防止、抗菌だけでなく、下記のようなケースでは依頼内容次第で相場よりも費用が高くなってしまう可能性があります。
天井が高いとき
天井高の平均は和室で2.2m、洋室で2.4mですが、床面積が同じであったとしても、天井が高くなると施工面積が広くなるため、張り替え費用が高くなります。天井の高さ次第では費用が大きく変わるため、注意が必要です。
壁の状態が良くないとき
壁の下地が荒れていたり、凹んだりすると別途下地の工事が必要になるケースがあります。特に築年数が古い家で多い傾向があるため、すべての部屋の壁紙を張り替えようとしても工事期間が長引き、費用も高くなります。
業者から見積もりをとる際、どの壁紙を張り替えるか確認したうえで依頼しましょう。
壁紙の張り替え費用を安くする6つのコツ
壁紙を張り替えると、場所や広さなどによっては費用が高くなります。なるべく安く抑えたい人は、下記の方法を検討してみましょう。
1.量産型の壁紙を選ぶ
壁紙は素材や性能によって費用が変わります。強いこだわりがなければ、比較的費用が安い「量産型」の壁紙を選びましょう。主にサンゲツの「SPシリーズ」や、リリカラの「LB」といった塩化ビニール樹脂を使った壁紙が安くて耐久性があり、15,000円ほど節約できますが、通気性や調湿性の効果は期待できません。
質感や機能性にこだわりたい人は、多少金額が上がっても標準型や高級型の壁紙も検討しましょう。
2.広い部屋や大きな壁の張り替え時に無地の壁紙を使用する
間取りが広い部屋や大きな壁に壁紙を張り替えるとき、柄の壁紙ではなく、無地の壁紙を使用するといいでしょう。柄の壁紙は無地に比べて1㎡あたりの金額が高く、壁紙のつなぎ目で柄を合わせる必要があるため、数10cmを廃棄するケースが多いことから、費用がかさみます。
どうしても柄の壁紙を張り替えたい人は、部屋の1面のみ取り入れることで費用が数千円抑えられるでしょう。
3.剥がした壁紙の処分を自分で行う
業者に壁紙の張り替えを依頼する際、基本料金に古い壁紙を処分する費用が含まれているケースがあります。少しでも費用を安く抑えたいなら、自分で剥がした壁紙を処分することで数千円の費用が節約できるので、見積もりの段階で自分が古い壁紙を処分する旨を伝えるようにしましょう。
ただし基本料金のなかに処分費用が含まれている場合、自分で処分しても値引きされないことがあるので注意が必要です。
加えて壁紙を細かくちぎって燃えるゴミの日に出せば、費用をかけずに処分できますが、一度に大量の壁紙を出すと引き取ってもらえないケースもあるので気を付けましょう。
4.大型家具の移動を済ませておく
壁紙の張り替えに邪魔になるような大型家具がある場合、移動させる必要があります。業者に依頼すると追加費用が発生するケースもありますが、事前に移動させておけば数千円の追加費用を抑えられます。
ただし基本料金のなかに含まれているときは、値引きできない場合があります。業者に依頼する前に問い合わせてみましょう。
5.DIY(自分)で壁紙を張り替える
普段からDIYをやっている人は、自分で壁紙を張り替えるのもおすすめです。壁紙代と道具の実費だけで済み、業者に依頼するよりも1〜3万円安くなる可能性があります。
ただし自分で作業をすると時間がかかるほか、慣れていないと空気が入ってしまったり、つなぎ目が目立ってしまったりして、仕上がりが悪くなってしまうこともあります。見栄えを気にする人や、手間を省きたい人は壁紙の張り替え業者に依頼しましょう。
6.複数業者から見積もりをとって費用を比較する
壁紙の張り替え業者に依頼するときは、2社以上の業者から見積もりをとりましょう。費用はもちろん、サービス内容や口コミなどを比較したうえで自分の希望にあった張り替え業者を選べます。
加えて業者から見積書を受け取った際、以下のポイントを見て金額が適正なのか確認することも大切です。
平米単価とメートル単価
壁紙は、業者によって表記方法が「〇〇円/㎡と表記する平米単価」と「〇〇円/mと表記するメートル単価」で異なります。
平米単価は部屋の空間分の値段、メートル単価は1mなどの距離に対する単価です。一見するとメートル単価が安くなりますが、平米単価の場合、m数に換算して求める必要があります。
壁紙の単価を見比べるときには、単位が「㎡(平方メートル)」か「m(メートル)」のどちらで表記されているか確認しましょう。㎡は貼る施工面積、mは使う壁紙の長さの単位です。
壁紙は0.9m幅のロール状になっているのが一般的です。上の画像の場合、赤い部分がクロス1m分の面積で、平米単位に直すと「1m×0.9m=0.9㎡」です。
また上画像の青い部分までが1㎡分の面積で計算すると、「1m×1m=1㎡」となります。このように単価がm表記の場合、「0.9㎡分の料金」と同様で1㎡よりも面積が少ないことから、張り替え費用は少し安くなります。
施工料金
平米単価とメートル単価、壁紙代だけでなく、施工料金もかかります。たとえ同じ材質を使った壁紙を張り替えても、業者によって値段が異なるため、基本料金や追加料金など内訳を確認したうえで依頼しましょう。
写真で見る壁紙の張り替え費用3例
ここからはミツモアで実際に壁紙の張り替えを行った部屋の事例について費用を含めて紹介します。
施工事例1:キッチンと洗面所、玄関の壁紙を張り替えたケース
キッチンと玄関に無地の白い壁紙を、洗面所の一部にアクセントクロスを張り替えた事例です。業者が壁紙のサンプルを手配したことで、依頼主は満足のいく組み合わせで張り替えることができました。
リフォーム期間 | 7日 |
住宅の種類 | 一戸建て |
壁紙の張り替え内容 | キッチン(3.5畳・標準型):51,000円
洗面所(標準型):42,000円 玄関(量産型):23,000円 |
合計 | 116,000円 |
施工事例2:トイレの壁紙をタイル柄に張り替えたケース
トイレの壁紙を張り替えた事例です。濃いブルーの壁に白いタイルの壁紙を張り替えたことで落ち着いた雰囲気にしました。目地部分は樹脂製で汚れや水を弾く素材を使っています。
リフォーム期間 | 1日 |
住宅の種類 | 一戸建て |
壁紙の張り替え内容 | トイレ(標準型):38,000円 |
合計 | 38,000円 |
施工事例3:リビングと寝室のアクセントクロスを張り替えたケース
寝室やリビングの壁紙を「アクセントクロス」という壁と違う色や、柄を使った壁紙に張り替えた事例です。壁紙の一部を張り替えることで部屋の印象を変えることができ、落ち着きのある雰囲気にしています。2時間ほどで張り替え作業は完了しました。
リフォーム期間 | 1日 |
住宅の種類 | 一戸建て |
壁紙の張り替え内容 | リビング(8畳・量産型):51,000円
寝室(6畳・量産型)×2部屋:64,000円 |
合計 | 115,000円 |
壁紙の張り替えで工夫するポイント
壁紙の張り替え作業を業者に依頼することは簡単にできますが、工事の内容やタイミング次第では満足のいかないことがあります。理想の部屋にするためにも、下記のポイントを踏まえて依頼するようにしましょう。
傷や汚れが目立ってきたときに張り替える
壁紙の張り替えは一般的に10年といわれています。ただ汚れや傷が目立ってきたら、できる限り壁紙を張り替えたほうがいいでしょう。その際、汚れや傷が気になる箇所のみ実施するのではなく、色のバランスが悪くならないように壁や天井と一緒に壁紙を張り替えることをおすすめします。
壁紙を張り替える前に照明や家電の買い替えも検討する
壁紙を張り替える前に照明や家電製品の買い替えも検討しましょう。壁紙だけ張り替えても、エアコンや照明器具の色褪せが目立ってしまうケースがあり、張り替えた後に移動作業や追加工事を行うと、かえって手間がかかります。家電に限らず、家具や窓枠も交換するものがないか、壁紙を張り替える前に確認しましょう。
イメージと異なる仕上がりにならないように注意する
壁紙を張り替えてみたものの、イメージと異なる仕上がりになってしまい、後悔してしまうことも少なくありません。壁紙を張り替える前にショールームなどでなるべく大きなサンプルを確認し、壁紙の色や絵柄を決めましょう。
あわせて、実際に張り替える部屋の照明を当てて色の変わり具合を確認することも大切です。暖色系の照明を当てていた時は淡く見えたのに、明るい照明を当てたらまぶしくなってしまったというケースもあります。
シワのようなものが見えても乾くまで壁紙は触らない
張り替えたばかりで乾いていない壁紙を触ると、シワができてしまいます。壁紙を張り替えた直後はまだのりが乾いてなく、壁から浮いて見えることがあるため、のりが乾くまでは不用意に触らないようにしましょう。
相見積もりで壁紙の張り替え業者に依頼しよう
壁紙の張り替え費用の相場について解説しました。消臭や汚れ防止といった高機能な素材を使った壁紙を使用しなければ、費用は抑えられますが、理想のイメージと異なるなど、失敗してしまうことがあります。少しでも満足のいく壁紙に張り替えるためにも、壁紙専門の張り替え業者に依頼しましょう。
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