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賃貸物件の壁紙の張替え費用はいくら?原状回復費用を負担するケースと安く抑える方法

最終更新日: 2025年04月23日

賃貸物件の壁紙の張替え費用はいくら?原状回復費用を負担するケースと安く抑える方法
賃貸物件の退去時には壁紙の原状回復が求められることがあります。壁紙張替え費用の目安はワンルームの場合で58,000~90,000円です。

実際の費用は使用する壁紙のグレードや張替える面積の広さ、既存の壁の補修が必要かどうかによって変動します。

原状回復においては、経年劣化や通常の使用による損耗(通常損耗)を超えるような、借主の故意・過失による壁紙の汚損や破損がある場合に、その修繕費用として借主が負担を求められることが一般的です。どの程度の負担になるかは、契約内容やガイドライン、損傷の状況によって判断されます。

賃貸物件の壁紙張替え費用の相場

壁紙張替えの原状回復費用は部屋の広さや間取りによって大きく異なることがわかります。1㎡あたりの相場は2,320~3,600円で、ワンルームなら約58,000~90,000円、3LDKになると約313,200~486,000円まで幅があります。広い部屋ほど総額が高くなるため、退去前に自分の部屋の広さを確認し、見積もりを複数比較するのがおすすめです。

部屋の広さ 張替えの費用相場
1㎡あたりの壁紙張り替え料金 2,320~3,600円
6畳 69,600~108,000円
8畳 92,800~144,000円
ワンルーム(約20㎡) 58,000~90,000円
1K(約25㎡) 150,800~234,000円
1DK(約30㎡) 61,900円
2K(約35㎡) 185,600~288,000円
2LDK(約40㎡) 243,600~378,000円
3DK(約45㎡) 278,400~432,000円
3LDK(約50㎡) 313,200~486,000円

※ミツモアにおける壁紙・クロスの張替えサービスの見積もり価格から算出しています。(2024年1月1日~12月31日)

賃貸物件の壁紙張替えの費用負担は誰がする?

賃貸物件の壁紙を張替えたときは、状況によって費用負担をする人が変わります。代表的な3つのケースを紹介します。

経過年数による入居者(借主)の負担割合の変化

定期的な掃除などのメンテナンスを行っていても時間の経過により壁紙は劣化します。壁紙を張ってから一定の期間が経過すると、経年劣化によって価値が失われたと判断され借主は原状回復費用負担の必要がなくなります。

国土交通省が公開している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、一般的なビニルクロスの場合は張ってから6年で残存価値が1円となります。6年以上住んだ物件を退去するときは、壁紙の原状回復費用の負担をしなくてもよいと考えられます。

壁紙の原状回復費用負担分の求め方
3年半(42か月)居住した物件から退去する場合
壁紙の耐用年数:6年(72か月)
1-(42/72)=0.417
負担割合:41.7%
壁紙の張替え費用が10万円だった場合、負担分は41,700円

ただし壁紙が著しく傷ついていたり汚れや臭いが付着していたりするなど、通常使用の範囲外と認められた場合は壁紙の張替え費用の一部または全額を負担する必要がある点にご注意ください。

入居者の都合で張替える場合は借主が負担する

「部屋の雰囲気を変えたい」や「機能性の高い壁紙に張替えたい」など、借主都合で壁紙を張替えたときの費用は借主が負担します。

壁紙を張替える前に貸主や管理会社からの施工許可を得ることを忘れないようにしましょう。また退去時に壁紙をもとに戻す必要があるのか、その場合の費用負担は貸主と借主どちらか取り決めておきましょう。

原状回復の場合は貸主負担になるケースが多い

原状回復費用を貸主が負担するのは、借主が住んでいる間にきちんと掃除や手入れを行っており、普通に生活していて付いた傷や汚れの場合です。

例えば壁紙の場合、長い間冷蔵庫を同じ場所に置いておくと、モーターの熱で壁紙が黒く汚れる「電気焼け」が起こります。電気焼けは冷蔵庫以外にも、電子レンジやテレビなどの大型家電付近の壁紙でも起こります。

電気焼けは掃除をしても落ちませんが、普通に生活していて起こる通常損耗の範囲内の汚れとして考えられます。そのため電気焼けの修復は貸主負担です。

他にも床に付いた家具の設置跡や、日が当たって起こる床の色落ちなどは、通常使用における経年劣化の範囲内と考えられるため、貸主の負担となります。

故意または不注意による汚れや破損は借主が負担する

借主の故意または不注意による汚れや破損は、借主が原状回復費用を負担します。壁への落書きや釘やネジを使って壁に穴を空けた場合などが該当します。

また掃除を怠り、壁紙の油汚れがひどい場合は通常損耗に含まれません。原状回復費用は借主負担になります。タバコやペットのニオイが壁紙に染みついている場合も原状回復費用を借主が負担するので注意が必要です。

賃貸の壁紙張替え費用が高くなる4つの理由

賃貸物件の壁紙の原状回復費用が高くなる理由は大きく分けると4つあります。

原状回復費用が高くなる原因を知って、普段の部屋の使い方を変えることも大切です。

① 下地の状態が悪くなっている

壁に押しピンを使ってカレンダーやポスターをかける場合は、通常利用の範囲内として原状回復費用の負担を求められないケースが多いです。しかし壁の下地にまで到達するキズや穴、へこみなどがある場合は通常の使用の範囲内とは認められず、下地の張替えや補強費用の負担が必要になります。

② ペットやタバコのニオイが染みついている

ペットやタバコのニオイは壁紙だけでなく壁にも染みつきます。壁にニオイがついている状態で壁紙だけを張替えても、壁から新しい壁紙にニオイが移ってしまいます。

室内で喫煙をしたり、ペットを飼っていたりしてニオイが壁に染みついている場合は壁紙の張替えとともに消臭作業が必要です。壁紙の張替え費用とともに、消臭クリーニング代金を負担する可能性があるのでご注意ください。

壁紙・クロスのクリーニング代金の費用相場は、20~30㎡(ワンルーム・1K相当)で11,500~20,000円です。(※)

※ミツモアにおける壁紙・クロスクリーニングサービスの見積もり価格から算出しています。(2024年1月1日~12月31日)

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③ 壁の高さが高い

一般的な住宅の壁の高さは2.4~2.6mです。物件によっては壁の高さが2.6mよりも高いことがあり、その場合は張替えに必要な壁紙の量が増えます

壁の横幅が3mだった場合、2.4m~2.8mの壁の高さで必要な壁紙の量の差と、張り替え費用の目安は以下の通りです。

壁の高さ 2.4m 2.6m 2.8m
必要な壁紙の量 7.2㎡ 7.8㎡ 8.4㎡
必要な壁紙の量の差 0.6㎡ 1.2㎡
張り替え費用の目安 16,700~23,000円 18,100~25,000円 19,500~26,900円

注意が必要なのはロフト付き物件です。ロフトの分まで壁紙を張替える場合は、壁が高い部屋と同様に必要な壁紙の量が増えます。壁紙張替えの施工費用の予算は多めに見積もっておく必要があります。

④ 窓が少なく壁紙を張る面積が広い

壁紙を張替えるときの費用を考えるときは、ドアや窓などの「開口部」の面積も重要です。同じ形・面積の部屋であっても、開口部の面積が少ないほど張替えに必要な壁紙の量が増えるため、壁紙張替えの施工費用も高額になります

壁紙を張替えるときは壁の高さと幅だけでなく、窓やドアの大きさも忘れずに計測しておきましょう。

賃貸の壁紙張替え費用を安くする2つのコツ

賃貸物件で壁紙を張替える場合は大家や管理会社の許可が必要です。壁紙張替えの許可を得たうえで行える、張替えの料金を抑えるコツを2つ紹介します。

① 一括見積もりサイトでお得な業者を選ぶ

壁紙の張替えを行うときは施工を担当するリフォーム業者を一括見積もりで探し、選ぶことをおすすめします。一括見積もりサイトを使えば、リフォーム業者も相見積もりが前提なのではじめから最安値に近い価格を提示します。

3~5社から見積もりが届く一括見積もりサイトを使うと、業者の取捨選択をする手間も省けます。ミツモアでは最大で5つの事業者から見積もりが届きます。見積書の内容の比較もしやすく口コミのチェックもしやすいため、業者選びの手間が少ないです。

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② 量産型壁紙など安価な壁紙を張る

壁紙張替えの費用を抑えるには壁紙の本体代を抑えることが重要です。理由がなければ量産タイプの壁紙など安価な壁紙を張りましょう

賃貸物件の壁紙を原状回復するときの注意点

賃貸物件の壁紙を原状回復するときには3つの注意点があります。原状回復費用を請求された場合には貸主と交渉をする前に、適切な情報を得ましょう。

① 張ってから6年が経過した壁紙の残存価値は1円になる

壁紙をはじめとした設備には「耐用年数」が定められており、耐用年数を過ぎると残存価値が1円となります。住宅の壁紙・クロスの耐用年数は6年であるため、張ってから6年以上が経過した壁紙の残存価値は1円です。

退去者が出るたびに壁紙やクロス張替えをする物件はあまり多くありません。6年以上住んでいなくても、壁紙の残存価値が失われている可能性があります。原状回復費用を求められたものの納得できない場合は、いつ壁紙を張替えたかなどを確認しましょう。

② 壁紙のグレードを変更しないようにする

原状回復のために壁紙を張替えるときは、自分の好きなように壁紙を選べるわけではありません。費用を節約しようとして、本来ならば防臭効果のある壁紙を張るべき場所に特別な機能を持たない量産タイプの壁紙を張ってしまうと原状回復をしたことにならないので注意が必要です。

反対にグレードの高い壁紙に変更することもしてはいけません。原状回復はあくまで借りた当初に近い状態に戻すことなので、機能を減らしたり増やしたりすると原状回復が不十分になります。

③ 原状回復のガイドラインを確認する

賃貸物件の原状回復に関するルールは、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に詳しくまとめられています。このガイドラインには法的な強制力はないものの、多くの賃貸借契約や裁判で基準として参考にされています

ガイドラインには、以下のような内容が具体的に示されています。

  • 原状回復の定義
  • 部位ごとの耐用年数と負担割合の考え方
  • 具体的な事例
  • トラブル防止のためのチェックリスト

退去時の費用請求に納得がいかない場合や、貸主や管理会社との話し合いがうまくいかない場合は、このガイドラインを根拠に示すことで、スムーズな解決につながる可能性があります。事前に内容を理解しておきましょう。

また賃貸借契約書に原状回復に関するガイドラインとは異なる取り決めをした特約がないかも必ず確認しておきましょう。特約がある場合は原則としてそちらが優先されます。しかしあまりにも借主に不利な内容は無効とされる場合もあります。

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賃貸物件で壁紙を張替える場合は、まず大家や管理会社など物件の持ち主から許可を得る必要があります。賃貸物件と持ち家で費用相場が大きく異なることは稀ですが、個別の条件にあった見積もりを取っておおよその料金を確認しましょう。

ミツモアでは簡単な質問に答えるだけでリフォーム業者からの見積もりが届きます。見積書を比較し、保証の有無や口コミの内容をチェックして、自分にあったお得な業者に依頼をしましょう。

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