テレビを観るためには、アンテナの設置からテレビの配線までの一連の工事・作業が必要です。
アンテナの設置は高所作業なので、リスクをともないます。基本的には配線工事ごとプロの業者に依頼して、安全に設置することをおすすめします。
今回は、アンテナやテレビ配線工事にかかる費用の目安を解説しながら、家庭で取り付ける手順、業者の選び方をご紹介します。
自分で取り付ける場合と業者に頼む場合の費用比較
工具やヘルメットなどの設備を一から揃えると、業者に頼むよりもかえって高くなることがあります。自分で取り付けるのは、工具をすでに持っていてアンテナ工事の知識がある方にはおすすめです。
自分で取り付ける場合にかかる費用
自分で取り付ける場合、アンテナ本体や取り付けに必要な金具、工具をすべて自分で揃える必要があります。
アンテナ本体 | 5,000~20,000円 |
アンテナマスト | 1,000~3,500円 |
屋根馬 | 1,500~5,000円 |
取り付け金具 | 3,000~10,000円 |
工具 | 10,000円ほど |
合計 | 20,500~50,000円 |
自分で取り付ける場合でも2万円ほどはかかります。
業者は金具などを大量に購入することができるので、1点ごとの価格は安くなりますが、1つずつ購入すると高くなってしまう傾向です。
取り付けに必要な工具がある場合は1万円ほどから取り付けられるので、アンテナ取り付けの知識がある場合は自分で取り付けることを検討してもよいでしょう。
業者に依頼した場合の費用
業者に依頼した場合の費用は、地デジアンテナで15,000円~35,000円ほど、BS/CSアンテナで12,000円~25,000円ほどが相場です。
アンテナの種類によって異なりますが、八木式アンテナは15,000~30,000円、平面(デザイン)アンテナは20,000~35,000円ほどで取り付けてもらうことができます。
BS/CSも同じく12,000~20,000円ほど、4K8Kでも15,000~25,000円で依頼できるので、自分で取り付け作業に自信がない場合は、業者に依頼したほうがよいでしょう。
すべて揃えると業者に依頼したほうが安いことも
工具や金具をすべて揃えると、業者に依頼した方が安いことがあります。
工具に加えて高所の場合は、ヘルメットやはしごなどの道具も必要になるため、逆に高くなってしまうことも。アンテナ取り付けの知識がない初心者の方は、業者に依頼することをおすすめします。
地デジアンテナの工事を自分で行う方法
地デジ用アンテナは屋根の上に設置するケースも多くあります。地デジ用アンテナの電波測定から取り付けまで、詳しく解説します。
工事を行うための事前準備
地デジアンテナの取り付け工事前の事前準備は、以下の通りです。
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①電波の強さを確認する
まずは自宅の電波の強さを確認します。電波の強さを測定するためには、電波レベルチェッカーがあると便利です。
②測定した電波の強さで設置場所を決める
レベルチェッカーで測定した電波強度の結果をもとに、設置するアンテナの種類を決めます。
中・強電界強度の地域であれば平面アンテナや室内アンテナを選んでも、安定して受信することができます。一方弱電界強度の地域であれば、受信性能が高い八木式アンテナを選んだ方が安定して受信できるでしょう。
電界強度 | 電波の強さ(db) |
弱電界強度 | 60db未満 |
中電界強度 | 60db以上 |
強電界強度 | 80db以上 |
電波強度のよって最適なアンテナの種類が異なるので、レベルチェッカーで確認してから取り付けましょう。
③設置場所によって必要な道具を準備する
アンテナが決まったら、屋根上に設置する場合にはアンテナマストと屋根馬を、ベランダや壁面に設置する場合には専用の取り付け金具を用意します。
アンテナマスト | 屋根上に取り付けるためのポール | 1,000~3,500円 |
屋根馬 | 屋根上に取り付ける際の台座 | 1,500~5,000円 |
取り付け金具 | 壁面・ベランダ用の金具 | 3,000~10,000円 |
取り付けに必要な道具の金額は、サイズや素材によって異なります。
ワイヤーやアンカーがあれば、アンテナを固定して落下も防げるので安心です。
④配線のプランを考えておく
実際に作業に入る前に、配線のプランを事前に考えておきましょう。
アンテナケーブルの太さは、テレビ周りの配線用には2C、室内配線用が4C、屋外配線用は5Cなど、使い分けるとよいでしょう。数字が小さいほど細く、大きいほど太く丈夫なケーブルになります。
また配線には混合器や分配器、分波器が必要です。実際にはテレビやチューナーと接続する際に必要ですが、この時点で配線のプランは考えておきましょう。
地デジアンテナの取り付け手順
地デジアンテナの取り付けは、①テレビアンテナを固定して角度を調整と②アンテナケーブルの取り回しの2つです。
①テレビアンテナを固定して角度を調整
まずアンテナマストと屋根馬で土台を作りアンテナ本体を設置します。
次に自宅から最も近い位置にある電波塔の方向にアンテナ正面が向くように、角度を調節します。
電波塔の位置が分からないときは、電波測定器レベルチェッカーや近隣住宅のアンテナの向きを参考にしましょう。
②アンテナケーブルの取り回し
アンテナを固定したら、最後にアンテナケーブルを取り回し、テレビとアンテナをつなぎます。
アンテナケーブルから混合器、ブースター、室内の分配器、分波器の順で配線をしていくのが一般的な流れになります。
配線が完了すれば、地デジアンテナの工事は終了です。実際にテレビを映して問題ないか確認します。
BS/CSアンテナの工事を自分で行う方法
BS/CSアンテナの場合は屋根の上のほか、ベランダや壁面への設置も一般的です。BS/CSアンテナの取り付け方法について説明します。
工事を行うための事前準備
BS/CSアンテナを準備したら、設置する場所を決めましょう。すでに地デジアンテナがある場合には、同じ土台にアンテナ本体を固定します。
壁面やベランダの柵などに設置するのが一般的ですが、特にベランダは初心者でも設置しやすいのでおすすめです。
アンテナの正面に遮へい物が来ないように注意しつつ最適な設置場所を探すには、やはり電波測定器レベルチェッカーが便利です。
BS/CSアンテナの取り付け手順
①土台金具とアンテナの仮設置
設置場所に土台や取り付け金具を固定してからアンテナ本体を設置します。具体的な設置方法はアンテナによって異なるため、取扱説明書に従いましょう。
細かい角度の調整はあとで行うため、この時点では方向を決めて、アンテナ本体は仮止めしておきます。
②アンテナケーブルを引き込む
アンテナの仮設置が終わったらケーブルを引き込み、テレビに接続します。
配線の流れは地デジアンテナと同様に、混合器、ブースター、分配器、分波器の順番です。
③方向・仰角の最終調整
BS/CSアンテナは角度に少しでもずれがあると、電波をうまく受信できません。1〜2度の精度で細かい調整を行う必要があります。
最適な角度を探す際には、午後2時ごろの太陽の方向(南南西)を目安に、上下左右にゆっくりとアンテナを回転させるのがポイントです。
電波測定器レベルチェッカーを利用しながら、受信レベルが最高になる位置で固定します。電波の受信には誤差があるため、1度単位でアンテナを動かすたびに5秒ほど待機して、受信レベルを確認しましょう。
アンテナ設置後の屋内のテレビ配線を行う方法
アンテナを設置したあとは、屋内側でテレビの配線工事が必要です。家庭のDIYでアンテナを設置する場合は、配線工事もすべて自分でやらなくてはいけません。アンテナからのケーブルをテレビにつなげて、番組を楽しみましょう。
テレビ配線の工事は、アンテナから伸びたケーブルをテレビを置く部屋の壁にある端子までつなげるのが基本です。アンテナケーブルを室内に引き入れる方法には、次のようないくつかの手段があります。
- 壁から室内へ引き入れる
- 隙間ケーブルを使って引き入れる
- エアコンのダクトから引き入れる など
住宅の構造やインテリアを考慮しながら、ご家庭にあう方法で検討しましょう。
より詳細なテレビの設置方法については、以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。
初心者が自分でアンテナを取り付けるのは危険が伴う
初心者がアンテナを取り付けようとすると、事故やアンテナの落下など様々なリスクがあります。できるだけプロである業者に依頼した方が無難です。
事故や不具合のリスクが高い
アンテナを取り付ける箇所は高所である場合が多いので、作業しているときに落下するリスクがあります。またせっかくアンテナを買ったのに破損してしまったり、取り付けを間違えると不具合で見れないといったことも起こる可能性があるでしょう。
アンテナが落下して通行人にケガをさせる可能性も
取り付けた際にネジが緩んでいたりした場合、アンテナが落下するリスクがあります。付けてからすぐは固定されているように見えても、台風など風が強いと落下してしまう危険が高いです。人や建物などに当たると非常に危険であり、損害賠償を請求されるリスクもあります。
工具・部品を揃えなくてはならない
アンテナを取り付ける際にはスパナやレンチといった工具が必要になります。これらは取り付けの際に必要なので、まだ持っていない場合は購入しなくてはなりません。
またアンテナの種類にあわせて分配器や金具、ケーブルといった部品を揃える必要もあります。アンテナの品番にあった種類をすべて自分で揃えなくてはならない手間もかかります。
アンテナ設置・テレビ配線工事はどこに依頼すべき?
アンテナの設置やテレビの配線工事を依頼する業者には、いくつかの選択肢があります。それぞれの特徴、メリットやデメリットを比較しましょう。テレビやアンテナを導入する目的やシーンにあわせて、利用しやすい依頼先を選んでください。
アンテナ工事専門店
アンテナ設置やテレビ配線を依頼するのにまず検討すべきは、アンテナ工事の専門店でしょう。専門店だけあり経験豊富で技術力が高く、クオリティの高い施工をしてもらえるのが魅力です。
アンテナ工事の専門店は、受注から施工までを自社スタッフが行っているのが一般的です。そのため、余計な中間マージンが発生せず、費用を極力抑えられます。
家電量販店・ホームセンター
テレビを新規購入するのにあわせてアンテナを自宅に設置するときは、家電量販店やホームセンターにまとめて工事依頼もできます。わざわざ業者を探す手間がかかりません。大手の家電量販店なら季節ごとの割引やテレビ購入とのセット割もあり、利用しやすいでしょう。
家電量販店の場合は自社スタッフではなく、別の外注業者が施工を担当するケースが多い傾向があります。この場合は中間マージンが発生して、料金が割高になりがちです。また、季節によってはエアコン設置の受注で忙しく、アンテナ工事を断られたりかなり待たされたりする可能性があります。
街の電器屋
身近な街の電気屋さんにアンテナ設置を依頼する選択肢もあります。基本的に地域密着型の個人業者が多いためアクションが早く、スピーディーに対応してもらえるでしょう。土地の電波事情にも詳しいので、遮蔽物があるなどの難しいケースでも、良い方法を考えてもらえるかもしれません。
その一方で、街の電気屋は高齢化しており、高所でのアンテナ工事を断られる場合もあります。古い機材を使っていたり、長期的なサポートが受けられなかったりするので、長い目で見て判断してください。
ハウスメーカー・工務店
住宅を新築してテレビをはじめとする家電を設置する場合は、ハウスメーカーや工務店にアンテナの設置を依頼できます。内装工事にあわせてテレビ配線をしてもらえば、キレイな仕上がりが期待できるでしょう。
ハウスメーカーに依頼する場合は電気関連の外注業者が実際の施工を担当するケースが多く、中間マージンがかかるぶん料金が割高になりがちです。とはいえ、設置費用を住宅ローンに組み込めるので、費用負担を減らせる可能性があります。
信頼できる工事業者の選び方
アンテナ設置やテレビの配線工事を依頼できる業者は数多くあります。アンテナの設置がずさんだと電波が受信しづらく、再度調整が必要となってしまいます。技術力が高く信頼できる業者を選ぶことは大切です。
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料金がわかりやすいか?
まず、料金が明確に示されているかチェックしましょう。アンテナ設置やテレビ配線工事の料金をホームページで公開しているか、見積書に内訳が細かく記載されているか確認してください。
工事費用は、業者によってさまざまです。作業内容にみあわないほど高額だったり、施工後に追加費用を請求されたりなど、後々トラブルに巻き込まれるリスクもあるので、料金がわかりやすい業者を選びましょう。
工事実績が豊富であるか?
業者のホームページの施工事例や実績紹介を確認して、工事実績が豊富な業者を選びましょう。工事件数が多い業者はまわりから信頼されていて、経験が豊富です。さまざまな設置状況に対応できる確かな技術力とスキルを兼ね備えているため、安心して工事を任せられます。
あわせて、インターネットの口コミや地域の評判も調べておくと良いでしょう。
アフターフォローが充実しているか?
アンテナは住宅に備えつけて長期間使うため、アフターサポートの充実度も重要な判断ポイントです。工事業者の保証期間をチェックしましょう。施工後に不備や問題がみつかった場合は、再施工する保証がついていれば安心です。
基本保証に加えて、1年、3年といった延長保証があるかもチェックしてください。長期間の保証は、業者に自信があればこそです。長くお付き合いできる、信頼性の高い業者を厳選しましょう。
できるだけ安く業者に依頼するコツ
できるだけ安く業者に依頼するためには、相見積もりと八木式アンテナでの設置、繫忙期を避けることがコツです。この3つを抑えると安く自分にあった業者に取り付けてもらうことができるでしょう。
相見積もりをして業者を比較
複数の業者から見積もりをとって料金やサービス内容を比較する、相見積もりをおこなうと、自分に最適な業者が選べます。相場がどれくらいの価格かわかるので、安心して依頼することができるでしょう。
相見積もりは3社以上がおすすめ。ミツモアならわずか2分の簡単なアンケートに答えるだけで5社から見積もりが届きます。無料で利用できるのでぜひ使ってみてください。
八木式アンテナで取り付けを依頼
八木式アンテナは他の種類に比べて、アンテナ本体の価格が安いのが特徴です。デザイン性は劣りますが、電波受信の性能は優れており、高いコストパフォーマンスが魅力。できるだけアンテナ費用を抑えて取り付けたい方は、八木式アンテナで取り付けたい旨を業者に伝えてみましょう。
引越しシーズン・年末年始・お盆などの繁忙期を避ける
アンテナ取り付けは3月・4月が最も予約が入りにくい繫忙期です。この時期は引越しシーズンのため、アンテナを取り付けたい人が急激に増加します。
また年末年始やお盆などは多くの業者が休業してしまうため、そもそもアンテナ工事に対応している業者の数が減ります。そのため年末年始・お盆に営業している業者に予約が殺到するため、早くから予約しておかなくてはなりません。
4年に1度ですがオリンピックやW杯といったスポーツイベントの時期も、アンテナを取り付けたい人が増加します。
普段はテレビを見る機会が少ない人も、スポーツイベントが盛り上がると見るためです。
見たいイベントのためにアンテナ工事をする場合は、開幕に間に合うよう十分余裕をもって取り付けるようにしましょう。
自力で設置が難しい場合は無理せずプロに依頼を
この記事では、自力でアンテナを設置する方法やテレビの配線接続をおこなう方法を解説してきました。
危険が伴う作業なので、できれば無理せずプロのアンテナ工事業者に依頼することをおすすめします。
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