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【税理士監修】個人事業主の経費はいくらまで?上限や割合を解説!

最終更新日: 2019年12月11日

個人事業主や自営業の方にとって、支出をどの程度経費計上できるかは利益に直結するので非常に重要ですよね。また、経費にできる費用を漏らさず計上することで、所得税を大幅に節税できます。

しかし、事業に関する支出だからといって全てを経費にできるわけではありません。

経費の上限や一定部分経費に出来る支出の話など、個人事業主の方にとって役立つ経費の情報をお知らせします!

この記事の監修税理士

高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷

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個人事業主の経費に上限はない!

事業に必要な支出なら、経費に上限はありません!
事業に必要な支出なら、経費に上限はありません!

個人事業主が確定申告の際に経費計上できる金額には、上限がありません。もちろんどんなものでも計上していいということではないので、経費の意味合いや金額のバランスなどを考えて、判断することが重要です。

経費とは「事業を行うのに必要な費用」のこと

経費とは支出された金額全てを含むのではありません。判断基準は「事業を行う上で、必要不可欠な支出であるか」ですが、事業に関する費用でも一部分のみが経費として認められるケースもあります。

例えば、自宅で仕事をしているからといって、家賃のすべてが経費になるわけではありません。あくまで、仕事をする際に必要なスペースを家賃から割り出したぶんが「経費」です。

必要であれば上限なく経費に計上できる

どんなに高額なものでも「仕事に必要である」ことが証明できれば経費になります。

ただし、売上や事業の規模に対して不自然に高額な場合認められないケースも。
例えば、年商100万円の個人事業主が1回5万円の接待交際費を年に10回以上計上していると、すべてが事業のためではないと判断されることがあります。

収入や業務内容と照らし合わせ、適切な金額・頻度であるかも判断材料の一つです。経費として計上するために大きな金額でなくても、領収書に支出の目的を記載するようにしましょう。

個人事業主は正確な経費計上で節税を

経費とは「個人事業で必要な支出」のこと。確定申告の際、収入からこの経費を差し引くことが認められています。つまり必要な経費をもれなく計上することで、所得額を抑えられるのです。所得額が減るということは、その分課税される税金も少なくなり、結果として節税に繋がります。

経費にできる項目と家事按分割合の目安

打ち合わせの際に飲んだコーヒー代は経費です
打ち合わせの際に飲んだコーヒー代は経費です

個人事業主の場合は経費と生活費が混在している場合も多く、どこまでを経費とするのか、その境界が曖昧なことも多いでしょう。また、業種によっては経費になりにくい・なりやすいという違いもあります。

認められる経費の例や、支出の性質によって全額ではなく一部分のみ認められる費用についてご紹介していきます。

個人事業主が認められる経費一覧

個人事業主が経費として認められる科目はどんなものがあるのでしょうか。代表的な支出をご紹介しましょう。

  • 自宅兼事務所の家賃(一部)
  • 水道光熱費(一部)
  • 電話代
  • 交通費・宿泊費
  • ガソリン代
  • 飲食代
  • 本・雑誌・DVD・ゲーム
  • お土産・プレゼント・香典・ご祝儀
  • 購入金額が10万円以下の備品
  • 盗難された、店舗やオフィスにある現金
  • 自宅兼事務所の家賃(一部)

賃貸マンションなどの自宅を仕事場にしている場合は家賃の一部を、地代家賃の科目で計上します。

ただし、全額ではなく仕事で使っている割合を基準に、経費計上する金額を家事按分(業務用と家庭用の割合を算出すること)します。

青色申告者の場合は、事業に必要な割合が算出できればその分が経費になります。一方、白色申告者の場合は、主に事業のために使われていることが条件になっていますので、自宅の一部で仕事をしている場合の家賃は経費になりません。

  • 水道光熱費(一部)

「仕事でどのくらい使っているか」を基準に家事按分すれば、光熱費の科目で経費にできます。

仕事用のコンセントを限定し、コンセントの数で割合を出す人もいます。

  • 電話代

携帯電話での連絡は、個人事業主にとって欠かせない仕事の手段です。プライベートの電話と共用している場合は、使っている時間などで家事按分して通信費として計上します。

仕事用の電話を別に契約しておけば、按分せずに経費計上できますので計算の手間が省けるのでおすすめです。

  • 交通費・宿泊費

取材や遠方への打ち合わせなど、仕事に関係する交通費やホテル宿泊費は旅費交通費として経費になります。ただし、原則として経費計上できるのは出先での支出(実費)のみです。また、「半分はプライベート」「家族と一緒」などの場合は、全額の経費計上は難しいでしょう。どんな目的で行き、どんな成果があったかの写真やレポートなどがあると、認められやすくなります。

  • ガソリン代

仕事で走行した分のガソリン代は、交通費として計上できます。走行距離などをメモしておき、燃費などからガソリン代を計算しましょう。

また、業務用の車両として車を限定しているのであれば、駐車場代、保険料や車検代なども経費計上できます。

  • 飲食代

打ち合わせの際のコーヒー代や食事代、交流のための飲み代や、仕事関係で行ったゴルフ代なども経費に含まれます。打ち合わせの際の費用は会議費、接待のための費用は接待交際費の科目にいれるのが基本です。

  • 本・雑誌・DVD・ゲーム

仕事の資料として購入する、本や雑誌、DVDなどは新聞図書費の科目で経費計上できます。ほかにも、例えば漫画雑誌の編集者が購入するコミックやゲーム会社の開発者が購入するゲームなども、業務用の資料であることが説明できれば経費として計上できます。

  • お土産・プレゼント・香典・ご祝儀

取引先に贈るお土産、香典、ご祝儀などは接待交通費になります。領収書がない香典やご祝儀は出金伝票で処理しましょう。挨拶状などを保管しておくと、調査が入った際も安心です。お土産やプレゼントの領収書に、相手方の名前などを書いておくとよいでしょう。

  • 購入金額が10万円以下の備品

机やパソコン、印刷用の紙やボールペンなど、仕事に使う備品・消耗品の購入費用は経費です。ただし、10万円を超える備品・消耗品費を購入した場合は減価償却資産と見なされ、耐用年数で按分し経費処理しなければなりません。また10万円以上20万円未満の減価償却資産は3年間で均等償却することも可能です。少額減価償却資産の特例の詳細は本記事下部に記載しています。

  • 盗難された、店舗やオフィスの現金

万が一、オフィスに泥棒が入り、現金を盗まれた場合にお金が事業用であることが証明できれば、雑損失として経費にできます。

証明するためには現金出納帳が重要な証拠になります。いつ盗難に入られ、その際どのくらい現金があったのかを証明できるからです。さらに、警察に被害届を出し、その控えも保管しておきましょう。

経費の家事按分の割合・上限

経費の家事按分割合
自宅兼事務所の場合、家事按分の方法は?

今までは、どのようなものが経費として計上できるかを勘定科目とともに解説してきました。本項では、さらに経費計上するために家事按分をする必要がある経費についてその割合や上限について詳しく解説していきます。

自宅兼事務所で認められる経費の割合・上限

家賃や光熱費は、仕事に使う割合で経費になる金額を算出します。これを「家事按分」といいます。

  • 自宅兼事務所の家賃:事務所を兼ねている自宅の家賃は、事業での使用割合に応じて一部を経費計上できます。
    例えば、50平方メートルのマンションで、部屋全体のうち約10平方メートルを仕事で使っているのであれば、家賃の家事按分は5分の1です。このマンションの家賃が10万円であれば、2万円が経費計上できます。
    明確な基準はありませんが、家賃の5割程度が経費として計上できる上限と考えると良いでしょう。
  • 自宅兼事務所の光熱費:自宅兼事務所の光熱費も、事業での使用割合に応じて一部を経費計上できます。ただし、ガス代は事業で必要でない限り認められないことが多いです。
  • インターネットのプロバイダ料金:事業で使うインターネット回線のプロバイダ料金は経費にできます。ただし自宅兼事務所の場合は、事業での使用割合に応じて家事按分します。

飲食代はいくらまで経費になる?

接待交際費の科目で計上される飲食代は、法人と異なり、個人事業主の上限は設定されていません。だからといって、高額の飲食代が頻繁に計上されていると、個人的な飲食費が含まれているのではないかと疑われてしまいます。

領収書には取引先がどこだったのか、相手の名前や人数などをメモしておくと税務調査を受けた際の証拠になります。

また、高額の飲食代を会議費にするのも、経費の用途を疑われる原因になります。一般的には5,000円以下のものは会議費に計上し、5,000円を超える場合は接待交際費にするとよいでしょう。

経費として認められるには領収書・レシートを保存

経費として認められるためには、領収書やレシートといった支出の証拠が必要です。支払いの際は、必ず領収書を受け取るようにしましょう。その際、何のために支出したのか、メモをしておくと、税務調査が入った際に説明がしやすくなります。

交通費など領収書が残らない支出の場合は「出金伝票」を作っておけばOK。出金伝票は100円ショップで手に入るので、忘れずに作成しておきましょう。

領収書やレシートなど、支出の証明になるものは、確定申告で提出する帳簿がつけ終わったからといって処分してはいけません。領収書やレシートは、5~7年の保管義務があります(白色申告は5年、青色申告は7年)。昨年のものだからと処分しないよう、年度ごとにまとめておくようにしましょう。

個人事業主が経費として計上できない支出

個人事業主の健康診断費用は経費になりません
個人事業主の健康診断費用は経費になりません

経費に計上できる項目は思っていたより多いと感じられたかもしれません。しかし一方で、個人事業主の確定申告では経費にならない支出もあります。

一見、経費にできそうでも認められないものがあるので注意が必要です。本項では、個人事業主が経費にできない支出の代表例をご紹介していきます。

  • 個人事業主自身の給与
  • 生計を共にする家族への給与
  • 自宅兼事務所の敷金
  • 自身で着用するスーツ
  • 購入価格が10万円を超える備品(※)

個人事業主自身の給与は経費にならない

個人事業主は、自分自身へ給与を支払うことができません。そのため、自分に給料を払ったという形で給与を経費計上はできません。また、自身の健康診断費用や国民年金保険料、税金なども経費になりません。

生計を共にする家族への給与は経費にならない

仕事を手伝ってくれた配偶者に支払った給与など、生計を同じくする家族や親族への給与や報酬は経費になりません。同じ財布で生活している家族への支払いは「個人事業主本人へ支払ったのと同じ」とみなされるからです。

ただし、青色申告者が青色事業専従者給与者として届け出ている家族や親族であれば、給与を経費にできます。

参考:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除|国税庁

自宅兼事務所でも敷金は経費にならない

自宅をオフィスとして使用するために引っ越したとしても、敷金は経費になりません。敷金は「返ってくるお金」とみなされるため、「投資その他の資産」と計上されるためです。敷金が戻ってくる際、修理費等として返金されない分は、家賃の家事按分割合を参考に計算して「修繕費」として計上します。

個人事業主が着用するスーツは経費にできない

個人事業主が仕事で着用するスーツの購入費用は、一見経費に計上できそうですが、残念ながら基本的に経費にはできません。スーツは冠婚葬祭やプライベート(デートなど)にも使用されると見なされるので、経費としては原則認められないのです。

10万円を超える備品は「減価償却」する

10万円を超える購入額の備品は、経費ではなく「減価償却」して数年にわたって経費計上します。個人事業で10万円を上回る高額な支出が発生したときは、そのまま普通の経費として計上してしまわないように気をつけましょう。

(※)ただし、青色申告をしている個人事業主は少額減価償却資産の特例を利用することで30万円未満の少額減価償却資産を一括して経費計上することができます(年間の総額は300万円まで)。

確定申告の準備をしよう

普段から確定申告の準備をしておくことは、個人事業主にとって非常に大切です。確定申告の時期になって急いで準備をしてしまうと、経費の計算や利益が出たときの節税対策、納税資金の調達が難しくなってしまうことがあります。

以下に記した確定申告に必要な書類を早めに確認し、日頃から必要経費の計算や書類の整理など、確定申告に向けた準備を進めておきましょう。

確定申告の必要書類

青色申告決算書

青色申告決算書(1ページ目)
青色申告決算書(1ページ目) 出典:国税庁

青色申告の際に確定申告書と併せて提出する、青色申告決算書。この書類に全ての収入金額や必要経費の内訳を記載します。

収支内訳書

収支内訳書(1ページ目)
収支内訳書(1ページ目) 出典:国税庁

白色申告の際に確定申告書と併せて提出するのが、収支内訳書です。全ての収入金額や必要経費の内訳などを記載します。

青色申告に必要なもの

帳簿書類の保存期間
帳簿書類の保存期間 出典:国税庁

申告の際に領収書など経費を証明する書類を提出する必要はありませんが、税務調査などで下記の書類が必要になります。年次や月、種類ごとにわかりやすく整理し、定められた期間内はしっかり保管しましょう。

帳簿

青色申告では仕訳帳や総勘定元帳といった帳簿、損益計算書などの決算関係書類と領収書は全て7年間の保管が必要です。それ以外の請求書や納品書などの保存期間は5年間です。

決算関係書類

損益計算書などの決算関係書類と領収書の保存期間は7年間です。

領収書・出金伝票

領収書は全て7年間保管しなければなりません。請求書や納品書、出金伝票などは5年間の保存が必要です。

白色申告に必要なもの

帳簿書類の保存期間
帳簿書類の保存期間 出典:国税庁

白色申告を行う際も青色申告同様、領収書などを提出する必要はありません。ただし税務調査などの際に下記の書類が必要となり、種類ごとに保管期間が定められています。ファイルを作成するなどわかりやすく整理し、保管しておきましょう。

帳簿

白色申告の法定帳簿は7年間、任意帳簿は5年間の保存が必要です。

領収書・出金伝票

その他の請求書や領収書などの保存期間は5年間です。

経費に関する相談は税理士に

確定申告の経費は税のプロ、税理士に相談しよう!
確定申告の経費は税のプロ、税理士に相談しよう!

個人事業主が確定申告で経費計上できる範囲は広く、上限もありません。ですが、自分が確定申告をする際、すべての経費が認められるかどうかは、事業の内容やバランスなどによって異なることがあります。「これは経費として認められるかな」と迷ったときは、税金のプロである税理士に相談するのがおすすめです。

税理士は経費として認められる範囲を熟知

税理士は税金に関する手続きの代行や相談を受けられるプロフェッショナル。さまざまな税金について知り尽くしています。確定申告についても、どうすれば経費として認められるか、その範囲や申告方法、書類の揃え方などを相談すれば、多くの経験に基づくアドバイスがもらえるのです。

税理士なら確定申告もおまかせできる

確定申告についても、領収書や請求書などの帳票の整理から必要な帳簿の作成、確定申告書の作成まで、トータルでサポートしてくれます。申告書には税理士の名前を記入する欄もあり、税理士が作成している申告書であれば、税務署の信用度も高くなります。

節税対策について相談できるというメリットもあります。確定申告時にはさまざまな控除がありますが、その適用要件は煩雑で、適用できるかどうかわからない、ということも少なくありません。税理士に依頼すれば、控除要件を満たしているかどうかを判断した上で、申告書を作成してくれるので、無駄な税金を支払わなくてすみます。

「本業が忙しくて、申告に間に合わなかった」ということも心配なし。自分の仕事に専念しつつ、必要な手続きが済ませられます。

さらに経費で節税!法人成りの相談も税理士に

もし個人事業の売上が順調で、収入が伸びているなら、さらに節税できる法人化を目指すという選択肢もあります。

法人になると、個人事業主より経費として認められる範囲が広くなるので、もっと節税できるようになるのです。

ただ法人化というのは大きな決断になるので、エキスパートである税理士にそのタイミングや道筋を相談するといいでしょう。税理士なら、「そもそも今の段階で法人化すべきかどうなのか」という点についても、専門家の視点から適切なアドバイスをくれます。

監修税理士のコメント

高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷

個人事業者の方は法人と違って家事按分という概念が存在します。これを適切に使うことによって経費の範囲を広げることも可能です。ただし按分の割合はあいまいな感覚や自分の希望で決めるだけでは税務署から指摘されることもありますので、きちんとした基準を決めて設定するようにしましょう。
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