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【法人決算】初めてでも大丈夫!決算書の作成・提出方法を解説【税理士監修】

最終更新日: 2020年01月07日

法人を設立したばかり方にとって疑問の種である「決算」。手続き、書類作成、期限と考えなくてはいけないことがたくさんあります。この記事では、初めて法人の決算をする方でもわかるように解説していきます。

この記事を監修した税理士

風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川

 
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法人決算とは?

不動産投資の節税について疑問に思う女性
法人決算とは?

そもそも法人決算は何のためにやるのか?期限はいつなのか?やらないとどうなるか?といった、法人決算の基本についてこのセクションでは解説してきます。

法人決算の概要と目的

決算とは、企業の収入と支出を一年ごとに計算し、利益と損益を算出したものを決算書(財務諸表)としてまとめることです。一般的に日本法人は規模にかかわらず、1年に1回決算書と税務申告書を提出するきまりになっています。

決算をすることで、企業は自社の財務状況や経営成績を把握し、会社経営の改善を図れ、株主に業績を報告できるようになります。正しく税金を申告し、納税するためにも必要な作業です。

つまり、決算は会社を経営していくために欠かせないものと言えるでしょう。

法人決算の期限はいつ?

法人税の申告期限は決算日の2か月後と定められています。会社の事業年度の開始と終了の日は自由に設定でき、会社の定款で定めます。決算日の2か月後の日が、土曜、日曜、祝日など税務署の閉庁日である場合は、その次の開庁日が申告期限です。申告書を提出するときは、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、勘定科目内訳明細書、事業概況書などを添付します。

法人決算をしないとどうなる?

法人決算をせず、税金の申告をしなかった場合、まず税務署から問い合わせが来ます。それでも決算、申告をしないと、税務調査が行われることになります。税務調査が行われると、ペナルティの税金がかかってくる可能性があるので、法人決算および税金の申告は必須と言えるでしょう。

法人決算の提出書類9種

法人決算提出書類の画像
法人決算の提出書類9種

法人決算で必要な提出書類は9種類あります。こちらは税金の申告に用いるほか、税務調査の際にも必要な資料になるので必ず作成しましょう。

総勘定元帳

総勘定元帳とは、すべての取引や経理処理が科目ごとに記録されている元帳であり、作成及び、7年間の保存が義務付けられています。

総勘定元帳は税務調査で必ずチェックされますので、しっかりと記帳しておきましょう。

領収書綴り

領収書綴りとは、経費の領収書などを日付順に綴ったもので、後々の領収書確認時にとても重宝するものです。こちらも作成及び7年間の保存が義務付けられており、税務調査で必ずチェックされます。

決算報告書

決算報告書とは、

  • 貸借対照表(B/S)
  • 損益計算書(P/L)
  • キャッシュ・フロー計算書(C/F)
  • 株主資本等変動計算書(S/S)

などの書類で、法人税申告書に添付するものです。

銀行融資を受ける際にも求められるので、融資を受ける予定がある方は特に注意しましょう。

勘定科目明細書

勘定科目明細書(科目明細書)とは、主要な勘定科目ごとの収支詳細を記載したもので、日ごろから帳簿をつけておかないと、決算でこの書類を作成する際に大きな手間と時間がかかります。

法人事業概況説明書

法人事業概況説明書(事業概況書)とは、事業内容、従業員数、取引状況、経理状況などを所定の書式に従って記載するものです。

申告書と共に税務署への提出が義務付けられています。

法人税申告書

法人税申告書とは、

  1. 別表一から始まる税務計算書類
  2. 勘定科目明細書
  3. 決算申告書

をまとめたもので、最低でも20ページ以上の厚さになります。

消費税申告書

消費税申告書とは、消費税及び地方消費税の申告をする際に使用する書類で、計算内訳の付表を添付する必要があります。

地方税申告書

地方税申告書とは、法人住民税(法人都民税または法人道府県税)及び法人事業税の申告書です。

この書類は各都道府県に提出するもので、事務所や店舗が複数ある場合は分割申告が必要です。

税務代理権限証書

税務代理権限証書とは、税理士が税務調査立会い、申告書提出、問い合わせ対応などを税理士が代行する旨を記載した書類です。

この書類は税理士にのみ作れる書類なので注意しましょう。

法人決算の流れ【6ステップ】

固定資産税をnanacoで払うための6ステップ
法人決算の流れ【6ステップ】

法人決算は大きく分けると6ステップあります。「今年度の取引を記帳」→「決済整理事項を確認」→「決算整理仕訳」→「決算書の作成」→「申告書の作成・提出」→「税金を納付」の6ステップです。それぞれ詳しく解説していきます。

今年度の取引を記帳

最初に行うのは、当年分の記帳を完了させることです。

  • 通帳
  • 領収書
  • 請求書
  • オンラインバンキングの利用明細…etc

これらの書類やデータを用意し、誤って記帳しないように注意しながら入力しましょう。

決済整理事項を確認

決算時に確認する項目がたくさんあるので、余裕をもって取りかかりましょう。以下に整理事項を羅列しました。

決算仕訳の入力・確認

  • 売上原価の確定
  • 固定資産の減価償却
  • 為替換算項目の処理
  • 経過勘定の確認
  • 貸倒懸念債権の確認
  • 貸倒引当金の計算

資産・負債の実査

実査とは、資産の場合、各資産の存在有無や帳簿とのズレがないかの確認など、負債の場合、法人が抱えている負債の現状の確認を経理担当の人もしくは公認会計士などの監査人が企業に訪問して調査する行為です。下記は主な実査対象です。

  • 現金実査(銀行口座の残高確認など)
  • 受取手形の実査、支払手形の確認
  • 有価証券の実査
  • 固定資産の実査(帳簿上の固定資産価値を実態の価値に合わせる)
  • 在庫の棚卸

決算整理仕訳

書類の確認、資産・負債の実査を終えたら、「決算整理仕訳」を行います。決算整理仕訳とは、年度をまたぐお金を今期分と来期分に切り分ける仕訳です。

代表的な仕訳の対象として「減価償却費」「各種引当金」「経過勘定」「売上原価」「有価証券」などがあげられます。

決算書の作成

下記の書類をそろえましょう。

書類 内容
損益計算書(P/L) 会計期間にどれだけ利益を上げたのかを表したもの。
貸借対照表(B/S) 決算日時点における資産、負債、純資産などの状態を表したもの。
株主資本等変動計算書(S/S) 会計期間に純資産がどれだけ変動したかを株主資本、評価・換算差額、新株予約権、非支配株主持分の4つに分けて表したもの。
個別注記表 各計算書類に記載されていた注記を1つの書面に表した計算書類。
計算書類に係る附属明細書 損益計算書、貸借対照表、株主資本等変動計算書及び個別注記表の内容を補足する重要な事項を表示するための書類。
事業報告に係る附属明細書 事業報告書を補足する重要な事項をまとめた書類。
事業報告書 事業の内容、株式の状況、従業員の状況など、事業全般に係る報告書。

※損益計算書、貸借対照表、株主資本等変動計算書、個別注記表は会社法で計算書類に分類されています。

申告書の作成・提出

申告の必要がある税金は「法人税」「消費税」「法人事業税」「法人住民税」の主に4種類。それぞれ提出書類、申告期限、申告先を箇条書きでまとめます。提出書類は会社の状況や課税方式などによって変わる可能性があるので、不安な場合は税理士に相談するとよいでしょう。

法人税

・提出書類:別表全20種(会社の状況によって異なる)

・申告期限:決算日から2か月以内

・申告先:管轄税務署

消費税(消費税の免税事業者の方は申告不要)

・提出書類:消費税の確定申告書、付表2、消費税の還付申告に関する明細書、付表5(課税方式によって異なる)

・申告期限:決算日から2か月以内

・申告先:管轄税務署

法人事業税

・提出書類:事業税申告書、貸借対照表、損益計算書など(都道府県によって異なる)

・申告期限:決算日から2か月以内

・申告先:都道府県の税務事務所

法人住民税

・提出書類:法人市民税の申告書、法人税額の計算書、課税標準の分割に関する明細書(地方自治体によって異なる)

・申告期限:決算日から2か月以内

・申告先:都道府県の税務事務所

税金を納付

確定申告と同時に税金の納付も必要となります。

納付期限

法人税 期末日より2ヶ月以内に納付
消費税 期末日より2ヶ月以内に納付
法人事業税 各都道府県により異なる(東京都の場合、期末日より2ヶ月以内)
法人住民税 各都道府県により異なる(東京都の場合、期末日より2ヶ月以内)

決算における法人別の注意点

源泉徴収票を作成する際の5つの注意点
決算における法人別の注意点

社会福祉法人、一般社団法人、NPO法人などではそれぞれ決算時の注意点があります。

社会福祉法人の決算

社会福祉法人では様々な書類の作成が求められ、その法人の事業や所属によっても変わってきます。今回はどの社会福祉法人でも作成する必要がある計算書類を中心に説明していきます。

計算書類

「資金収支計算書」「事業活動計算書」「貸借対照表」を準備する必要があります。

・資金収支計算書:支払資金の収支を報告する書類です。支払資金は近い将来に発生する収支「流動資産・流動負債」も含むため、株式会社などのキャッシュフロー計算書とは内容が変わってきます。

・事業活動計算書:事業活動の成果を報告する書類です。サービス活動増減の部、サービス活動外増減の部、特別増減の部に区分して「もうけ」を計算します。

・貸借対照表:法人が所有する資産、負債を記載した表です。資産の部、負債の部、純資産の部に分けて記載します。

一般社団法人の決算

一般社団法人の決算がほかと異なるのは主に「消費税の計算方法」と「会計基準」の2点です。

消費税の計算方法

一般社団法人を含む非営利型法人の消費税の計算は複雑になることが多いです。なぜなら寄付金や補助金など、消費税のかからない「特定収入」の割合が高いからです。

特定収入の割合が5%以上になる場合、税制上優遇され過ぎないように消費税の調整が行われます。

会計基準

会計基準には「企業会計基準」や「公益法人会計基準」がありますが、一般社団法人はどの会計基準を採用するか法律で決められていません。基本的には、普通型法人に当てはまるなら「企業会計基準」を公益法人等に当てはまるなら「公益法人会計基準」を選択するとよいでしょう。

このあたりの判断は難しいので、迷ったら税理士に相談するとよいです。

NPO法人の決算

NPO法人の決算には、NPO法人会計基準が採用されます。ただし、これは任意の基準で強制ではありません。NPO法人会計基準に則った報告をすることで信頼性が増すとされています。

寄付をする一般市民、助成団体、借入先などに会計報告を開示する際に、ほかのNPO法人と比較することができるようにNPO法人会計基準が作成されました。

参考:NPO法人会計基準とは

法人決算を自分で行うのは難しい

退職金の受け取り方を悩む男性
決算を自分で行うのは難しい

ここまで述べたように、法人決算を行う際にはたくさんの書類を用意しなければならず、時間もかかるため、全てを一人で完結させるのは難しいことが分かります。

税理士なしの法人決算は困難

法人決算する際は、様々な書類を期限以内に作成しなければならず、本業がとても忙しい経営者の方が一人で行うのはあまり現実的ではありません。

税理士に依頼することで書類作成にかかる時間を短縮し、かつミスのない決算と申告を行いましょう。

本業に専念することもでき、税理士依頼にかかる費用以上のプラスになるはずです。

法人決算を税理士に依頼する2つのメリット

法人決算を税理士に依頼することのメリットとして、

  1. 申告内容のミスや申告漏れを防げる
  2. 決算のみの依頼なら報酬金を抑えられる

の2つが挙げられます。

申告内容のミスや申告漏れを防げる

忙しい事業活動をしながら決算をすると、申告内容にミスが出てしまう可能性があります。ミスがある場合、修正申告が必要になり、最悪の場合税務調査の対象となる可能性も出てきます。

さらに、税務申告の期限を一日でも過ぎてしまうと期限後申告扱いとなり、延滞税や加算税を課されてしまうため、税理士に依頼することでこれらのミスを防ぎましょう。

決算のみの依頼なら報酬金を抑えられる

利益の安定している企業の場合、顧問税理士を雇って決算から申告までを依頼しているケースが一般的ですが、起業したてなどで売り上げが安定していないと顧問契約を結ぶのは難しいかもしれません。

しかし、決算のみを税理士に依頼する場合は費用をぐっと抑えることができます。

税理士と顧問契約を結ぶ際の相場は、毎月約3万円、年間で約36万円とされており、決算申告については約10万円となっています。

決算のみの依頼の場合は約15万円~25万円なので、利益が安定するまでは決算のみの依頼がおすすめです。

税理士と顧問契約を結ぶ2つのメリット

決算のみを依頼したい場合はその都度税理士に依頼してもいいのですが、もっと手厚い援助を税理士に頼みたい場合は、税理士と顧問契約を結ぶのも手です。

顧問料がかかるため依頼料は上がりますが、決算のみの依頼をする時とは違ったメリットを享受できます。代表的なメリットとして、

  1. 効果的に節税対策を行える
  2. 融資を受ける際にアドバイスをもらえる

の2つが挙げられます。

効果的に節税対策を行える

決算のみを税理士に依頼すると、税理士は年に一度しか財務状態を把握できませんが、顧問契約の場合、定期的に税理士が財務状態を把握できるため、より全体を見た上で効果的に節税対策を行えます。

融資を受ける際にアドバイスをもらえる

決算書は金融機関からの融資を受ける際に重要となる資料でもあります。

そのため、節税ばかり意識し利益を圧縮した決算書の場合、利益の少ない会社と判断され、融資審査が厳しくなる可能性が出てきます。

顧問税理士であれば、節税のためや融資を受けやすくするため、など目的の偏った決算書ではなく、経営全体を意識した決算処理を行ってくれます。

また。金融機関に提出する書類の確認や、面談の際に同席してもらうことも可能です。

監修税理士のコメント

風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川

法人税等の決算申告にあたっては、決算整理事項のとりまとめや会計処理方法の確認、また、翌期の役員報酬の水準の決定等も含め、検討すべき事項が会社の状況に応じて変化して出てきます。それらを社長自らもしくは確定申告を普段行っていない経理の方が行ってしまうと作業工数が大変にかかってしまう可能性は高いです。そのため、外部の税理士等を検討いただくのが経済的で正確に行えるものと思います。
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この記事を監修した税理士

風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川

風間優作(かざまゆうさく) 1985年千葉県銚子市出身。兵庫県立大学大院卒業。 上場会社経理部にて一般経理実務を経験した後、Big4監査法人及び税理士法人にて、公認会計士・税理士としての実務を経験し独立開業を果たす。現在は会計監査やIPO実務だけではなく、個人・法人税務からM&Aや事業承継に係る税務業務まで幅広く対応している。
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