会社で経理を担当している方にとって最も忙しい時期といえば、決算に伴う申告書類を作成するタイミングでしょう。しかし、会社すなわち法人の税務は複雑であり、何から手をつければよいかわからないといったケースも少なくありません。
そこで本記事では、法人の確定申告について「税種」や「必要書類」、「申告までの流れ」などを網羅的に解説していきます。
この記事の監修税理士
安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通
法人の確定申告とは?
「法人の確定申告」とは、法人が納めるべき税金の額を計算して税務署などに申告・納税する手続きのことです。
法人の確定申告は義務であり、年間収支をもとに税金の計算をして、申告業務を進めていきます。
そして、法人の確定申告は、大きく分けて「4つ」の税金に必要な税務となっています。
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 消費税
上記税金のうち、消費税以外は「法人税等」とまとめて総称される場合があり、帳簿上や決算書に「未払い法人税等」などの表記に用いられています。
それでは、それぞれの税金について、以下で詳しく見ていきましょう。
法人税の確定申告
法人税とは、法人が利益を出したときに支払う税金のことであり、具体的には一事業年度において法人が得た所得に対して課せられる国税です。法人税の税率は、法人の種類や事業規模によって細かく区分されています。とはいえ、該当する区分に属している限り、利益額の増減で税率が変動することはありません。
なお、法人税および後述する税金は全て「申告納税方式」で、確定申告を進めなければいけません。そして、申告納税方式の対になる「賦課課税方式」というのもありますので、以下の表でチェックしておきましょう。
申告納税方式 | 税額計算や書類作成、納税までを自ら行う方式。
(例)
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賦課課税方式 | 税額計算を国や地方公共団体が行い、納税者に通知および納付書を送付する方式。
(例)
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消費税の確定申告
法人は、年間の事業取引で生じた「消費税」に関する確定申告が必要です。
法人の消費税算出は、下表のように「本則課税」と「簡易課税」という2種類の方式に分かれます。
本則課税 | 年間課税売上に係る消費税額から年間課税仕入に係る消費税額を差し引く計算方式。 |
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簡易課税 | 年間課税売上に係る消費税から事業区分に応じて定められた「みなし仕入率」を掛けます。その後、年間売上に係る消費税額から、みなしで算出した仕入税額を差し引きする計算方式。 |
なお、簡易課税方式を選択できるのは「前々事業年度における課税売上高が5,000万円以下」の課税事業者です。
令和5年10月1日からスタートした「インボイス制度の導入」により、消費税の確定申告はこれまで以上に複雑なものとなっています。
法人住民税の確定申告
個人が支払う住民税同様、法人も住民税を納める義務があります。
法人住民税を確定申告する際、具体的には「道府県民税」と「市町村民税」に分かれており、それぞれ手続きも異なります。
つまり、法人住民税には「各都道府県」と「各市町村」に納める、2種類の税金があるということです。
具体的な計算方法としては「法人税割+均等割」で法人住民税が算出されます。
法人税割とは、法人税額に応じて求められる税額であり、一方の均等割は、資本金等の額や従業員数に応じて求められる税額です。この「均等割」があることにより、法人住民税は、前述の「法人税」とは違い、該当事業年度が赤字であっても“必ず”徴収されることになりますので注意しておきましょう。
法人事業税の確定申告
「法人事業税」とは、法人の事業そのものに課せられる税金です。
厳密には「事業税」と「特別法人事業税」という2種類の税金を指したものであり、それぞれ計算方式が異なります。
事業税は、資本金1億円以下の普通法人に「所得割(年間黒字分)」のみが課され、資本金1億円超の普通法人に対しては「所得割」に加え、「付加価値割」と「資本割」が課されます。もう一つの、特別法人事業税は、事業税(所得割)で算出された税額に応じて計算されます。
法人の確定申告の申告期限
法人の確定申告期限は、決算日から2ヶ月以内です。つまり、3月31日が決算日の法人であれば、申告期限は5月31日となります。
納付期限も上記と同じであるため、確定申告書類の作成に慣れていない方は、早めに事前準備をしておきましょう。
なお、会計監査人の監査がある場合や、2ヶ月以内に株主総会を開くことができず決算が確定しない場合は、事前申請によって提出期限を1ヶ月(グループ通算制度適用会社は2ヶ月)延長することが可能です。
法人が確定申告する際の必要書類
必要書類は以下表の通りです。
税種 | 主な必要書類 |
---|---|
法人税 |
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消費税 |
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法人住民税 |
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法人事業税 |
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なお、法人の規模や各都道府県によって異なる点もあるため、管轄の「税務署」および「自治体」などが運営しているWebサイトを確認しておきましょう。
書類の入手方法
法人が確定申告する際の必要書類は、以下4つの方法で入手できます。
- 税務署へ取りに行く
- 税務署から郵送してもらう
- ホームページから印刷する
- e-Taxに登録する
以下表で、それぞれの方法をまとめています。
税務署へ取りに行く |
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---|---|
税務署から郵送してもらう |
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ホームページから印刷する |
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e-Taxに登録する |
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法人税等および消費税の確定申告の流れ
法人税等および消費税に関する確定申告の流れは以下の通りです。
- 当年度の取引を記帳する
- 決算整理事項を確認する
- 決算書を作成する
- 申告書を提出する
- 書類を保存する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、以下図は、確定申告の期間を「法人」と「個人事業主」に分けて表したものです。
当年度の取引を記帳する
法人の確定申告をするためには、当然「全取引の記帳」が必要になります。
これは、日々行う会計帳簿への記入とは異なり、年間取引に関する収支を完全にまとめ上げることを指します。
当年度の取引を“全て”記帳することにより、後述する「決算書」や「確定申告書」のベースができあがります。
たとえ軽微なミスであったとしても、後々算出する納税額に大きく影響してきますので、重要なポイントであるといえます。そのようなミスを防ぐためにも、日頃からの会計処理や月末の月次決算を丁寧に行っておきましょう。
決算整理事項を確認する
次に行う「決算整理事項の確認」とは、決算の際に最終修正を行うために計上する仕訳の確認作業を指します。
例えば、貸倒実績率を見積もって貸倒引当金の計上をするとか、減価償却費を計上するなどが挙げられます。このような場合は必ず決算整理をし、当期の正しい収支を算出しましょう。
また、上記以外にも監査人がチェックする項目もあり、それぞれ帳簿に記された内容と一致しているかというのを監査します。
その項目は以下の通りです。
- 現金実査、銀行口座などの残高確認
- 借入金の残高確認
- 売掛金・買掛金の残高確認
- 固定資産の実査
- 支払手形の確認
- 在庫の棚卸
- 貸付金の確認
- 受取手形の実査
決算書を作成する
決算書の内容は、主に以下の4つに分類されます。
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
- 株主資本等変動計算書(または社員資本等変動計算書)
- 個別注記表
貸借対照表(B/S)は、決算日時点での「資産」や「負債」、「純資産」といった内容を記した書類であり、損益計算書(P/L)は年間の「収益」と「費用」を記載した書類です。残りの書類は、年間を通した純資産の変動や費用(支出)の明細書という内容になります。
申告書を提出する
全ての申告書類が作成できれば、それぞれ指定されている機関へ提出します。
税種 | 場所・提出手段 |
---|---|
法人税 |
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消費税 |
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法人住民税 |
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法人事業税 |
|
法人税申告書の提出期限は、事業年度終了の日の翌日から原則2ヶ月以内ですが、一定の要件を満たせば、「申告期限の延長の特例の申請書」を提出することで1ヶ月間(グループ通算制度適用会社は2ヶ月間)期限の延長ができます。
そして、事業税・住民税の申告書提出期限を延長する場合、各都道府県(都税事務所・県税事務所など)へ、別途「申告書の提出期限の延長の処分等の届出書・承認等の申請書」を提出する必要があります。各市区町村への延長申請については、自治体により異なるので注意しましょう。
なお、期限延長ができる主な要件は以下の通りです。
- 大会社のように会計監査人の監査がある場合(※)
- 中小企業であっても、2ヶ月以内に株主総会が開けず、決算が確定しない場合(※)
- グループ通算制度を適用している会社
※いずれの場合も、その旨定款に定められている必要があり、事業年度終了の日までに申請書を提出する必要があります。
ただし、申告期限を延長しても納付期限は延長されません。本来の申告期限から、延長した申告期限までの期間は利子税が発生する点には注意が必要です。利子税の支払いを少なくするためには、法人税等の見込納付をおすすめします。
具体的には、事業年度終了後、2ヶ月後に概算した法人税等を納付しておき、3ヶ月後に確定申告し、差額を納付、あるいは還付を受けるという方法です。このようにすれば、利子税の支払いを抑えられますので、どうしても法人税等申告書の提出期限に間に合わない場合は、法人税等の見込納付を検討しましょう。
なお、消費税も1か月間の申告期限の延長という制度があります。
書類を保存する
全ての申告書が提出できれば、書類をまとめて保存しましょう。
原則、保存期間は「7年間(税法上)」となっておりますが欠損金がある場合は10年間とされており、会社法でも10年間と定められていますので、10年間は保存しておきましょう。なお、提出した申告書類は「PDFデータでの電子保存」と「紙媒体での現物保存」の両方で保存しておきましょう。
以上で、法人税等および消費税申告は完了となります。
よく耳にする「決算時期は忙しい」という、具体的な理由が明白になったのではないでしょうか。
法人税等の確定申告は、ある程度の専門知識が必要であり、ましてや消費税の申告となると複雑な計算式が求められるので膨大な時間を要します。そのため、自社で全ての手続きをする場合、決算時期は“申告業務しかしない”担当が必要になるでしょう。
しかし、事業も同時進行で行なっていかなければならないため、そこまで人的リソースを割けないといった会社も非常に多いといえます。そのような場合は、税務のプロである「税理士」に相談するのがおすすめです。
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税理士に法人の確定申告を依頼すると、正確かつ迅速に手続きを進めてくれるため、税務に関する不安や悩みを抱える必要がなくなるでしょう。
確定申告に必要な法人税申告書(別表)とは
法人税申告書は「別表」という資料の添付が必要であり、全部で20種の書類があります。とはいえ、全ての別表を作成・提出するわけではありませんので、本章でその詳しい内容と書き方について解説していきます。
法人税申告書(別表)の種類
別表は、貸借対照表や損益計算書等の書類をもとにして作成します。また、別表の内容はそれぞれ関連しているため、ズレがおこらないように調整する役目もあります。主要な別表は以下の通りです。
別表名 | 内容 |
---|---|
別表一 | 各事業年度の所得に係る申告書 |
別表二 | 同族会社等の判定に関する明細書 |
別表三(一) | 特定同族会社の留保金額に対する税額の計算に関する明細書 |
別表三(一)付表 | 特定同族会社の留保金額から控除する留保控除額の計算に関する明細書 |
別表四 | 所得の金額の計算に関する明細書 |
別表五(一) | 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書 |
別表五(一)付表 | 種類資本金額の計算に関する明細書 |
別表五(二) | 租税公課の納付状況等に関する明細書 |
別表六(一) | 所得税額の控除に関する明細書 |
別表七(一) | 欠損金又は災害損失金の損金算入等に関する明細書 |
別表八(一) | 受取配当等の益金不算入に関する明細書 |
別表十一(一) | 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書 |
別表十一(一の二) | 一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書 |
別表十四(二) | 寄附金の損金算入に関する明細書 |
別表十五 | 交際費等の損金算入に関する明細書 |
別表十六(一) | 旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書 |
別表十六(二) | 旧定率法又は定率法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書 |
別表十六(六) | 繰延資産の償却額の計算に関する明細書 |
別表十六(七) | 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書 |
別表十六(八) | 一括償却資産の損金算入に関する明細書 |
別表十六(九) | 特別償却準備金の損金算入に関する明細書 |
別表十八 | 法人税法第七十一条第一項の規定による予定申告書・地方法人税法第十六条第一項の規定による予定申告書 |
なお、法人税申告書の別表は国税庁のホームページよりダウンロード可能です。
別表一
別表一は各事業年度における所得に対する法人税額を計算する書類で、法人税申告の根幹となる書類です。
①法人名や代表者名、住所などの法人に関する情報
「同非区分」は、別表二の「18.判定結果」をもとに該当する項目に〇をつけます。
②法人税額の計算
「1.所得金額又は欠損金額」は、別表四で計算した「52.所得金額又は欠損金額」を転記します。この金額は別表一次葉でも使用し、法人税額の具体的な計算が行われます。その結果を、別表一の「2.法人税額」へ記入するという流れです。
③地方法人税額の計算
法人税額と同様に、別表一次葉にて計算した数値を「31.地方法人税額」と「33.課税留保金額に係る地方法人税額」へ記入します。
④控除税額の計算
法人としてすでに源泉徴収されている預金利息の所得税や外国へ納めた税などがあれば記入します。
⑤法人税額の還付
中間申告により払い過ぎた法人税があれば還付されます。還付金額や還付を受ける金融機関の情報などを記入します。
別表二
別表二は同族会社の判定に関する明細書です。同族会社とは会社が発行している株式数の50%超を3グループ以下の株主が保有している会社のことです。必ずしも親族で経営している会社だけが同族会社となるわけではありませんので、自身の所属する法人が同族会社にあたるかどうかは確認しておく必要があるでしょう。
①同族会社の判定
「3.株式数等」、「6.議決権の数」、「9.社員の数」のいずれか一つでも総数の50%を超えていれば「同族会社」となり、いずれも50%以下であれば「非同族会社」となります。
②特定同族会社の判定
第一順位の株主の「12.株式数等」、「14.議決権の数」、「16.社員の数」のうち、いずれか一つでも50%を超えていて、かつ期末資本金の額が1億円超であれば「特定同族会社」となります。
③判定基準となる株主等の株式数等の明細
①と②の判定をするにあたり株主に関する情報を記入する場所です。
別表二の「18.判定結果」を別表一「同非区分」へ記載します。
別表四
別表四は所得の金額に関する明細書で、損益計算書の当期利益をもとに作成します。損益計算書における「当期利益」を計算するための「収益・費用」は、法人税における「所得金額」を計算するための「益金・損金」と全く同じではありません。そこで、損益計算書で計算された当期利益に「収益と益金のズレ」と「費用と損金のズレ」をそれぞれ加算・減算し、所得金額へと調整します。
①:「損益計算書」より当期利益または損失の金額を「1.当期利益又は当期欠損の額」へ記入します。
②:「1.当期利益又は当期欠損の額」へ加算される項目を記入します。益金算入・損金不算入に該当するものです。
③:「1.当期利益又は当期欠損の額」から減算される項目を記入します。益金不算入・損金算入に該当するものです。②と③を合わせて申告調整とも呼ばれます。
④:②と③に該当しない調整項目を記入します。寄附金の損金不算入額などです。
⑤:法人税額を計算するための「52.所得金額又は欠損金額」を算出し、別表一の「 1.所得金額又は欠損金額」へ転記します。
別表五(一)(二)
別表五(一)は、利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書です。期間中の利益積立金額などの増減額を記載します。
①:利益積立金額の期首残高および期中の増減を記載します。差引翌期首現在利益積立金額は、決算日時点の貸借対照表の金額と一致することを確認しましょう。27~30の「未納法人税等」は、別表五(二)の「当期中の納付税額」から転記します。
②:資本金の期首残高および期中の増減を記載します。①と同様に差引翌期首現在資本金当の額は、決算日時点の貸借対照表の金額と一致することを確認しましょう。
別表五(二)は租税公課の納付状況に関する明細書です。別表五(二)では各種税金を、前期分と中間分、確定分に分けて記載することで、各種税金の納税状況を報告します。
①:「法人税及び地方法人税」、「都道府県民税」、「市町村民税」、「事業税」、「その他の税金」に分けて当期の発生額や納税状況を記載します。上記のうち、「その他」には損益計算書より租税公課の詳細が記載されますが、損益計算書だけでは詳細が判明しないため、帳簿等の確認が必要になるでしょう。
②:納税充当金の計算には別表五(一)の「26.納税充当金」を転記しましょう。最終的に「41.期末納税充当金」は、貸借対照表の未払法人税等(法人税等充当金)と一致します。
法人の確定申告を自社で行うメリット・デメリット
法人の確定申告は、税理士に依頼することもできますが、自社で行うことも可能です。自社で作成するメリット・デメリットをしっかり確認した上で、税理士に依頼するか、自社で作成するかを選択すると良いでしょう。
法人の確定申告を自社で行うメリット
法人の確定申告を自社で作成する最大のメリットは、費用が節約できることでしょう。決算書までを自社で作成し、申告作業のみを税理士に依頼した場合、会社の規模(年商など)にもよりますが、相場として10万円から30万円程度の費用がかかります。法人の確定申告書を自社で作成することで、その費用を節約することが可能です。
また、自社で行うことで、経理のノウハウが蓄積できるため、経理に関するあらゆる業務をアウトソーシングせずに完結することが可能になります。
法人の確定申告を自社で行うデメリット
自社で法人の確定申告を行うデメリットは以下の3つです。
- 申告内容にミスや漏れが生じやすい
- 確定申告に時間をとられる
- 優遇税制への対応が難しい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
申告内容にミスや漏れが生じやすい
自社で申告書を作成した場合、申告内容にミスや漏れが生じやすいというデメリットがあります。法人の確定申告は、複雑な書類を複数作成する必要があり、慣れない担当者が作成するとミスが起こりやすいと言えます。
確定申告に時間をとられる
確定申告に必要な書類は複数あり、特に法人税の申告書に関しては、それぞれの書類が連携し合っています。1つのミスで何枚もの書類を作り直すことになってしまうので、丁寧で正確な作業が必要になります。ノウハウがない社員が行うと時間がかかることになるでしょう。
優遇税制への対応が難しい
法人税等や消費税には、いくつかの優遇税制があり、これらの制度を熟知していないと最大限の節税効果を得ることはできません。さらに、高頻度で税制改正が行なわれることもあり、一般の社員がすべての優遇税制を熟知し対応をするのは難しいといえるでしょう。
法人の確定申告でミスをするリスク
前述の通り、自社で法人の確定申告業務を進めると「ミス」が生じやすくなり、以下のようなリスクを伴います。
- 修正作業に時間が取られる
- 現状の経理が乱れる
- 税務調査に発展する
- 会社の信用度が下がる など
通常、税務申告にミスはあってはならないものであり、万が一ミスのあった場合は、税務署や各自治体から「不正経理」を疑われる可能性もあります。
自社で全ての確定申告を進める場合は、税務の有識者であり、正確に業務を進められる担当が必要です。しかし、そのような人材を確保するのは非常に難しいという現実もあり、やはり税務のプロである「税理士」に確定申告を任せるのが理想的であるといえます。
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法人税申告書の作成に役立つソフト
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ただし、会計ソフトで決算書の作成をすることは可能ですが、法人税等および消費税の申告書を作成することはできません。これらの申告には税務ソフトが必要です。
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弥生シリーズには税務ソフトはありませんが、弥生会計に連携する税務申告用のフリーソフトを活用することで、スムーズに法人の確定申告ができるといえるでしょう。
弥生会計オンラインでは、最大2ヶ月の無料体験が実施されており、それ以降は基本的に有料プランへの移行が必要となります。
法人と個人事業主の確定申告の違い
法人と個人事業主の「確定申告の違い」を以下表で見てみましょう。
法人 |
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---|---|
個人事業主 |
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法人と個人事業主の違いは大きく3つに分かれます。
- 税金の種類
- 申告期限
- 申告書類
双方同じ「確定申告」という呼ばれ方をしていますが、実際の内容は全く別物であると認識しておきましょう。特に、個人事業主から法人成りした方は、これまでとは異なる申告業務になりますので、あらかじめ注意が必要です。
なお、法人のほうが、複雑かつ専門性の高い確定申告業務となります。
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本記事では、法人の確定申告について詳しく解説していきました。結論として、確定申告は「税理士に相談・依頼」することがおすすめです。
法人の確定申告は専門性が高く、書類作成における業務量も膨大なものになります。また、決算日から2ヶ月以内に全ての申告書類を作成し、提出から納税までを完了させなければいけません。
つまり、自社で本業を進めながら、確定申告業務を2ヶ月以内に行うというのは、あまり現実的ではないということになります。
当然、会社の売上規模や取引数によって、確定申告の業務量は異なりますが、自社で行うデメリットやリスクを考慮すると、プロである「税理士」に任せるのが最適であるといえます。
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