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【最新版】提出が義務?法人事業概況説明書の概要から書き方まで

最終更新日: 2020年02月28日

法人税の確定申告書を提出する際に、いくつか添付書類を提出する必要があります。法人事業概況説明書もその添付書類の中の一つですが、初めてその名前を聞いたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、法人事業概況説明書の概要から個別の項目の記載内容まで、詳しく解説します。

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法人事業概況説明書とは、どのような書類なのか?

法人事業概況説明書
法人事業概況説明書とは、どのような書類なのか?

法人事業概況説明書は事業内容をはじめ、会社の概要について詳しく記載する書類です。法人税の確定申告の際に申告書等と合わせて提出します。ここでは、法人事業概況説明書はどのような書類なのか、その概要について解説します。

会社の概要を記した書類

法人事業概況説明書は事業内容をはじめ、支店や取引先の状況、従業員数、コンピュータの利用状況、経理の状況、売上げなどの大きく分けて18項目について詳しく記した書類です。この書類に記載した内容については、税務署のデータベースに保管され、分析されることとなります。

個別の記載項目について、特に注意すべき事項の書き方や注意事項を記事の後半で詳しく説明します。

任意提出から義務化

法人事業概況説明書はかつて任意提出でしたが、平成18年度に税制が改正され、現在では提出督促があります。あくまで努力目標なので、提出しない場合でも罰則は課されません。

ただし、法律により提出が義務付けされている文書ですので、書面や電話による督促が行われます。よって法人税確定申告書等と一緒に提出しましょう。

確定申告をスムーズにする為の書類

法人事業概況説明書は税務署が法人の業務・業況などを毎年把握するための書類で、確定申告をスムーズに処理する目的があります。

たとえば営業成績に大きな変化があった場合は、その理由を法人事業概況説明書に記載することで確定申告時の確認作業を効率化できるため、税務署、法人双方にメリットがあります。

会社事業概況説明書との違い

法人事業概況説明書と似たような書類で会社事業概略説明書という書類があります。この書類も会社の概要を説明する書類です。どちらの書類を提出するかは、税務調査を担当するのがどこかにより変わってきます。税務調査を税務署が担当する場合は、法人事業概況説明書、国税庁が担当する場合は、会社事業概略説明書を提出します。

原則として、資本金1億円を超える企業は国税庁が税務調査を担当しますので、資本金1億円以下の企業が法人事業概況説明書を提出するという理解で大丈夫です。念の為、税務署か税理士に確認すると安心ですね。

法人事業概況説明書の書き方・注意事項

法人事業概況説明書
法人事業概況説明書の書き方・注意事項

ここからは法人事業概況説明書を書くにあたって、特に注意すべき事項の書き方や注意事項について説明します。用紙は下記サイトからダウンロードできます。

国税庁 法人税及び地方法人税の申告(法人税申告書別表等)

また、国税庁サイトより一部抜粋しながら説明しています。

共通事項

金額を記入する欄には必ず単位が示されているので、それに従って記入しましょう。金額を記入する欄のほとんどは千円単位です。千円未満の端数は切り捨てです。あくまで概要なので、合計も切り捨て分は無視して問題ありません。金額がマイナスのときは、その数字の一つ上の桁の枠内に「-」もしくは「△」を付けます。

間違った箇所を訂正したい場合は書き損じた部分を二重線で消し、余白などを利用して正しい金額などを記載します。訂正印などは必要ありません。

1.事業内容

営む事業の内容を簡潔に記載します。欄がそれほど大きくないので、書ききれない場合もありますが、詳細は裏面の事業形態欄に記入します。

2,3支店・海外取引状況

「支店・子会社の状況」には国内に所在する支店、営業所、出張所、工場、倉庫等(支店等)及び海外に所在する支店(海外支店等)の総数を記載します。

また、主な海外支店等の所在地国を記載するとともに、その海外支店等において勤務する従業員数を記載します。複数の国に海外支店等がある場合には、従業員数が多いものから2つ記載です。なお、海外子会社が複数の場合は、出資割合が高いものから2社まで記載します。

海外取引状況については、まず海外取引の有無を表示し、輸入取引または輸出取引がある場合には、輸入取引または輸出取引の区分ごとに主な相手国名及び取引商品名並びに取引金額を百万円単位で記載します。

4.期末従業員等の状況

常勤役員以下の空欄には該当の職種を記載するとともに、それぞれの人数を記載します。

(職種の記載例) 工員、事務員、技術者、販売員、労務者、料理人、ホステス等

「計のうち代表者家族数」欄には、期末従業員のうち代表者の家族の人数を記載します。記載するにあたって定義はなく、社会通念上の家族構成員で構いません。また、同居、別居は問われません。

5.PC利用状況 6.販売形態 7.株式又は株式所有移動の有無

5のPC利用状況では2018年6月より新たに加わった内容です。PCの種類、利用形態、会計ソフトの詳細、メールソフト名、データの保存先を記入します。会計ソフトの利用はクラウドによる利用も含まれるため注意が必要です。

6販売形態では電子商取引の有無について選択します。(1)で有・売上に丸をした方は販売に使用してるホームページについて(2)の販売チャネルを選択しなければなりません。

7自社の株主の移動または株主間において持株数の移動の有無について選択します。

8.経理の状況

現金出納及び預金通帳の管理責任者の氏名を記載し、代表者との関係(親族か他人か)を表示します。そのほか、試算表の作成頻度や源泉徴収対象所得の有無と種類、消費税課税売上高と消費税の経理処理の方法、社内監査の実施の有無等を表示します。

9.役員又は役員報酬の移動の有無

役員の移動や役員報酬額が移動したかどうかを選択します。

10.主要科目

一番大変な部分ですが、基本的には決算書の決算額を確認しつつ記入します。申告調整がある場合には、「交際費」を除き、申告調整後の額を記載します。なお、記入は千円単位です。

特に分かりづらい労務費とは製品の生産のために消費された人件費の一部です。人件費は3つに分類され製造や生産のために使われる人件費は労務費、販売のために使われる営業者にかかる人件費はは営業費、経理や総務に従事する人の人件費は一般管理費となります。

11.代表者に対する報酬等の金額

同族会社の場合、代表者に対する報酬、貸付金、仮払金、貸借料、支払利息と代表者からの借入金、借受金を記入します。

12.事業形態

事業内容の補足や同業他社と比較して、自社の事業内容が特異な点があれば記載します。空欄でも問題ありません。兼業の状況欄には、2以上の種類の事業を営んでいる場合に、主要事業以外の事業内容をできるだけ具体的に記載します。それに加えて、売上(収入)高に占める兼業の売上高の割合を記載します。

13.主な設備等の状況

機械装置、車両、店舗、倉庫など、事業に使用している主な設備等の状況について、その名称・用途・型・大きさ・台数・面積・部屋数等について記載します。固定資産が多いと少し面倒な部分です。

14.決算日等の状況 15帳簿類の備付状況

14 決算日の状況を記入します。

15 作成している帳簿類について記入します。(記載例)受注簿、発注簿、作業(生産)指示簿、作業(生産)日報、原材料受払簿、商品受払簿、レジシート、売上日程表、工事日報、工事台帳、出面長、運転日報、注文書、外交員日報、客別売上明細表、出前帳、予約帳、部屋割表、取引台帳、営業日誌等 (国税庁サイトより)

16.税理士の関与状況

税理士の関与状況について、氏名や住所、電話番号を記載します。顧問税理士が存在している場合は、顧問税理士に依頼している事項の確認をとる方が良いでしょう。

17.加入組合等の状況

加入している組合について団体名、役職名、営業時間、定休日を記載します。

18.月別売上高等の状況

期始から期末までの売上(収入)金額、仕入金額等の月別の状況を記載します。

ここまで法人事業概況説明書の概略をご説明してきましたがいかがでしたでしょうか。本記事で概要を掴んでいただけましたら幸いです。しかし、法人税の確定申告時に提出しなければならない書類は、法人事業概況説明書だけではありません。法人税申告書、貸借対照表や損益計算書などの添付書類も提出しなければなりません。

法人税の確定申告の難易度は決して低いとは言えず、慣れている人でも2、3日はかかる仕事ですし、税務に関わることですのでミスは避けなければなりません。

出資関係図について

平成22年度の税制改正により法人が内国法人であり、かつ完全支配関係にある法人が存在する場合確定申告書及び法人事業概況説明書に出資関係図を添付して提出しなければなりません。出資関係図とは法人とその法人との間に完全支配関係(注1)がある法人との関係を系統的に示した図のことを指します。

※注1)完全支配関係とは1.一の者が法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係として政令で定める関係(当事者間の完全支配の関係)又は2.一の者との間に当事者間の完全支配の関係がある法人相互の関係のことをいいます。(法人税法第2条第12号7の6)

以下、国税庁 法人事業概況説明書による出資関係図の記載例です。

法人事業概況説明書提出の時期・場所・書式について

法人事業概況説明書
法人事業概況説明書提出の時期・場所・書式について

ここからは、法人事業概況説明書の提出時期や提出場所、書式について詳しく解説します。なお、法人事業概況説明書は平成30年4月1日以後終了事業年度分から様式が改訂されました。旧様式から項目の追加や文言の変更箇所がありますので、必ず最新様式を使用するようにしてください。

提出時期

法人事業概況説明書は法人税確定申告時の添付書類として提出します。法人税確定申告書は決算の翌日から起算して2ヶ月以内に提出します。3月31日決算の会社の場合は、5月31日が提出期限です。

提出場所

提出は、本社が所在する住所地の税務を管轄する税務署へ提出します。提出は持ち込み、郵送、電子、いずれかの方法で受け付けてもらえます。

書式は手書きかデジタルか

書式は手書きでもデジタルでも可能です。事業内容など、数値以外の部分は毎年変わるものではないと思うので、その点では同じことを毎年書く手間を省けるデジタルがオススメです。デジタル入力の場合は、Excelを使うと便利ですよ。

法人事業概況説明書の作成を税理士に依頼する

法人事業概況説明書
法人事業概況説明書の作成を税理士に依頼する

税理士に依頼してみる

もちろん、法人税の確定申告は個人で行えないものではありませんが、その難易度は高く多くの時間が必要となるので、他の業務とのスケジュール調整が必須となります。そこでオススメなのが税務のプロである税理士に依頼することです。

税理士に依頼すると費用がかかりますが、法人税の確定申告では税務に精通していないと適用されるべき優遇税制が受けられず、本来よりも多く税金を支払ってしまう場合があります。また、複雑な税務について自社ですべてを把握することは非常に難しいです。

たとえば、資本金1億円以下の中小企業には法人税の優遇税制が用意されています。軽減税率の適用や交際費の損金算入といった優遇税制を適切に活用し、税金の払いすぎを防ぐことが重要です。確定申告業務を担当する社員の人件費、勉強に費やす時間や節税メリットをふまえると、税理士に依頼したほうがトータルで得だったというケースも多くあります。

税理士依頼のメリット・デメリット

税理士に依頼するメリットは何よりも楽であることです。法人事業概況説明書だけでなく、決算書、法人税申告書、勘定科目および内訳書、消費税申告書なども、まとめて依頼できるので確定申告業務の負担が大幅に削減できます。

税務に関して知識不足だと確定申告業務に時間をとられ人件費が余計にかかったり、利用できる優遇税制の適用が受けられないリスクもあったりしますが、税理士は税務のプロですので安心して任せることが出来ますよ。

監修税理士のコメント

EMZ総合会計事務所 - 東京都港区六本木

法人事業概況説明書の情報を基に、税務調査の対象をどこにするのかを決めているところがあります。ですので、法人事業概況説明書を精緻に作成されなくてもいいのかも?と思っている会社がありますが、意外にそうでもないので、注意が必要です。
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