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VVFケーブルとは?VVRケーブルとの違いや色分け、接続の注意点も

最終更新日: 2021年04月26日

家を新築する時、電気の配線は業者にお任せのことが多いものです。しかしいざ暮らし始めてみると、分かりづらい部分ですが意外と目に付くことも多いでしょう。家を建てる際などに知っておきたい電気の配線ケーブル「VVF」について、分かりやすく解説します。

VVFケーブルとは

ケーブル修理

スイッチを入れればパッと照明がつき、電源を入れればすぐにテレビが映る日常生活の中では、「この電気はどこからきているのだろう?」と考えることはあまりないかもしれません。

しかし「配線」をして外の電柱から引き込んでこない限り、家の中で電気は使えません。電気を引き込むための配線ケーブルには多様な種類のものがありますが、一般住宅などの屋内配線用に広く使用されているもののひとつが「VVFケーブル」です。

そこでVVFケーブルについて、分かりやすく解説します。

屋内配線用のビニルシースケーブル平型

発電所で作られた電気は送電線から変電所に送られ、さらに電柱に置かれた配電線を通り、柱上変圧器などで家庭用の電圧に変換されて各家庭に届けられます。

家庭に届けられた電気は分電盤に集約され、各コンセントやスイッチなどに配線を通して送られているのです。この配電盤から各照明器具やコンセントに送電するために用いられることが多い配線が「VV Fケーブル」で、正式名称は「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形」と呼ばれています。

電気が通っている配線は、むき出しのままで使用することはできません。電気が通る配線を絶縁で覆い、その絶縁物が濡れたり傷んだりすることを防ぐために、さらに「シース」と呼ばれるビニール製のカバーで覆います。VVFケーブルの正式名は、その構造をそのまま名称として使っていることになるのです。

VVFケーブルは、主に300ボルト以下の配線・コンセントの回路に使われています。

VVRケーブルとの違い

VVFケーブルと同じ600Vビニル絶縁シースケーブルに、「VVRケーブル」があります。VVRとVVFケーブルは基本的な構造にはほとんど変わりませんが、形状が異なる点が特徴です。VVFケーブルが平たい形状なのに対し、VVRケーブルは丸い形状をしています。

VVFとVVRケーブルは基本的な構造が同じなので、その用途にも大きな違いはありません。ただ、実際に配線を行う業者は作業の際にシースを剥いで配線部分をむき出しにする必要があり、その際に平たいVVFケーブルの方が作業がしやすいともいわれています。

VVFケーブルの種類と許容電流

配線ケーブル

VVFケーブルには、主に太さによ三つの種類があり、さらにいくつかの色にも分かれているのが特徴です。ここでは、VVFケーブルの種類と許容電流について解説します。

VVFケーブルの色分け

スイッチ類に繋がれた配線を見ると、グレーのシースが用いられていることが多いのがわかるでしょう。しかしVVFケーブルのシースの色には、グレーだけではなく赤・青・黄色といった色もあります。

基本的に屋内配線は外から見えないようにするためどのような色でもよいように思えますが、この色はデザイン性のためではなく、実は機能面の必要から分けられているものです。

グレーは一般回路、黄色や赤は保安・非常回路などの意味があります。色分けをしておくことで配線工事を行う際などに繋ぎ間違いを防ぐ処置なので、ユーザーが自由に色を選択することはできません。

VVFケーブル太さ別の許容電流

VVFケーブルの太さ(配線の芯の部分)にはいくつかの種類がありますが、主に一般住宅で使用されているのは1.6mm、2.0mm、2.6mmの3種類です。

配線などの実用に徹したものには、色同様に、太さに関しても実用的な意味があり、配線ケーブルの場合、太さによって許容電流が変わります。つまり配線先の電気器具の消費電気量が多ければ太いものを、少なければ細いものを使用することが一般的です。

上記の3つの種類のそれぞれの許容電流は、1.6mmが18A、2.0mmが23A、2.6mmが32Aになります。

VVFケーブルを野外で接続する場合

沢山のケーブル

VVFケーブルは基本的に屋内配線で使われるものですが、屋外配線に利用することも可能です。ここではVVFケーブルを使って屋外配線をする場合の注意点を紹介します。

VVFケーブルは電線管を使えば屋外もOK

VVFが主に屋内配線に利用されていることには、理由があります。それは耐候性が低いためで、特に紫外線に晒されると外側のシースが劣化しやすい点が特徴です。

つまりこの弱点を克服するためには、一番外側のシースの部分を紫外線に晒さなければいいことになります。

そこで電線を収めるための金属や合成樹脂製パイプである「電線管」の中にVVFケーブルを収めて紫外線から遮断すれば、屋外配線で使用することが可能になるのです。

屋外接続時は差し込みコネクタに注意

VVFケーブルを接続する際、最近は「差し込みコネクタ」が用いられることが多くなっています。家庭内でWi-Fiを使っている人なら、ルーターの接続のために先端が透明になっているコネクタを使って機器に差し込んでいる場合が多いかもしれません。VVFケーブル接続のための差し込みコネクタもそれと同様のものです。

差し込みコネクタの場合、Wi-Fiのルーターのように屋内で使用している分には問題ありません。しかし屋外で使用した場合、コネクタ差し込み部分のケーブルに過度な力が加わったり、何らかの理由で接続不良が起こると発熱や火災の原因になったりしてしまう場合があります。

そこで屋外で使用する場合には防水仕様のコネクタを使用し、接続部分からの雨水の侵入などをしっかり防ぐことが求められるのです。

束ねすぎると許容電流低下の原因に

VVFケーブルは家庭内の分電盤から各電気器具やコンセントに電気を送る役目をしますが、行き先が同じいくつかの配線を束ねた状態で天井や床下を這わせる場合があります。

しかしVVFケーブルの中には電気が通っているため、電気を使用中は常にある程度放熱している状態です。あまり多くのVVFケーブルを束ねてしまうと放熱性が悪化してしまい、許容電流の低下を引き起こす原因となる場合があります。

これは屋外配線の場合も同様で、屋内、屋外共にVVFケーブルを束ねて這わせる場合には、5~7本程度に留めるようにすることが必要です。

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