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屋根塗装の寿命は?耐用年数の長い塗料を選ぶコツ・計算例などポイントを分かりやすく解説

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最終更新日: 2023年03月31日

屋根塗装を依頼したいけど「まだお願いするのは早い?」や「耐用年数はどれくらい?」と悩んでいませんか?

塗料の耐久年数を超えて放置していると、思わぬ劣化や破損につながってしまい、雨漏りなどの欠陥が起こる可能性もあります。

とはいえ、「塗料の種類が多すぎる」「結局どうするのがコスパいいの?」という疑問がわいてきますよね。

この記事では、屋根塗装の耐用年数や依頼するタイミング、塗料別の特徴などを詳しく紹介します。

屋根塗料の耐用年数は?

屋根塗料の耐用年数は?
屋根塗料の耐用年数は?

屋根塗装の耐用年数(寿命)を考えるとき、「塗料の耐用年数」と「屋根自体の耐用年数」の2つの視点を持ちましょう。

屋根自体の耐用年数は、おおよそ20~50年ほどです。屋根材によってまちまちで、普及率の高いスレート屋根は20~25年、ガルバリウム鋼板(金属屋根)は30~40年ほどが目安。

塗料メーカーによる耐用年数がどんなに長くても、屋根自体がすでに寿命を迎えている時には、葺き替え(ふきかえ/屋根の張り替え工事)を検討する必要があります。

塗料はたいていの場合、約10~15年程度が寿命だと考えておくと間違いありませんが、アクリル塗料の耐用年数は5~7年、フッ素系の耐用年数15~20年と、塗料によってまちまちです。

屋根塗料の耐用年数が長ければ、次の塗り替えまで期間があるため、その分費用が抑えられますが、そのぶん単価が高いため初期費用はかかります。

また油性塗料か水性塗料かなど、自宅の屋根に適している材料を選ぶことで、寿命を延ばすことがでる可能性も。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

関連記事:油性塗料と水性塗料どっちがいいの?それぞれのメリット・デメリット | ミツモア

屋根塗料の耐用年数は、外壁塗料と違うの?

外壁塗装作業工程や下地などは異なるものの、屋根と外壁とで塗料に差はなく、メーカーが示す耐用年数も同じです。

しかし屋根は家の頂部にあるため、雨風や紫外線の影響を受けやすく、外壁よりも早く劣化してしまうのです。

屋根と外壁では塗料の寿命に差があることを考慮して、外壁より耐用年数の長い塗料を選ぶといいでしょう。

そうすることで次回のメンテナンスのとき、外壁と屋根とを同時に塗装できるので足場費用や諸経費を浮かすことができます。

関連記事:外壁塗装の寿命はどのくらい?耐用年数を過ぎたときの対処法とは | ミツモア

【種類別】塗料の耐用年数と単価相場

塗装 塗料 塗装工事 イメージ

屋根を塗装する際、下塗り、中塗り、上塗りの3回に分けて塗装するのが基本です。

下塗りには「シーラー」や「フィラー」という塗料を使い、仕上げ塗料との密着性を高めます。

中塗り・上塗りは同じ塗料を用いて、2回に分けて塗ることで色むらを無くして綺麗に整えます。

仕上げ用として使われる屋根塗料と耐用年数、単価相場は以下。

耐用年数 単価相場(㎡)
アクリル系 5~7年 1,200~2,000円/㎡
ウレタン系 6~10年 1,600~2,200円/㎡
シリコン系 10~13年 2,500~4,500円/㎡
ラジカル系 15~18年 2,800~3,000円/㎡
光触媒 15〜20年 3,500~5,500円/㎡
ピュアアクリル 12~15年 3,500~4,500円/㎡
フッ素系 15~20年 4,000~5,000円/㎡
遮熱系 15~20年 3,000~3,500円/㎡
無機系 10~20年 4,500~5,500円/㎡

塗料メーカーは、実際に屋根が雨風を受けた状態と同じ環境を作り出し、劣化スピードを検証して「耐用年数」を示しています。

また塗料によって遮熱効果や防錆効果など、さまざまな性能の特徴があるため、自分の家の立地条件や、地域の気候を加味したうえで選ぶとよいでしょう。

素人では判断がつかない場合が多いので、業者と相談しながら塗料を決めるのがおすすめです。

関連記事:遮熱塗料のメリット・デメリットを徹底解説!仕組みを理解して暑さ対策しよう | ミツモア

アクリル系塗料:耐用年数5~7年

アクリル系塗料は、ひと昔前に主流でした。現在ではより耐用年数が長く性能もよい製品が登場しているため、多くのプロは屋根塗装におすすめしません。

アクリル塗料の特徴は、鮮やかな色と、乾燥スピードが早さ。

単価相場は「1,200~2,000円/㎡」と屋根塗料の中で最も安価ですが、短いスパンでの塗り替えが必要になります。

参考:アクリル塗装とは?塗料のメリットとデメリット、塗る際の留意点など

ウレタン系塗料:耐用年数6~10年

ウレタン系塗料は、密着性が高く汚れ防止の性能が特徴です。

コストパフォーマンスが比較的よいので現在も使われることがありますが、シリコン系塗料にくらべると耐用年数などの面でやや劣ります。

単価相場は「1,600~2,200円/㎡」で、費用対効果のバランスは悪くありません。

参考:ウレタン塗料とは?メリット・デメリットから種類まで詳しく解説!

シリコン系塗料:耐用年数10~13年

シリコン系塗料は、現在フッ素塗料と並んで人気です。

安定した耐用年数、色落ちへの強さ、カビや藻の発生を防ぐなど、機能性に優れており、単価相場は「2,500円~4,500円/㎡」とコストパフォーマンスに優れています。

また、屋根塗料だけではなく外壁塗料にも使えるので、セット割でお得に工事を依頼する人が多いです。

参考:シリコン塗料について詳しく知ろう!特徴や費用・耐用年数などを解説

ラジカル系塗料:耐用年数15~18年

ラジカル系塗料は、チョーキング現象や防カビ・防藻性、汚れに強いという特徴があります。

変色に強いため、ツヤの持続性にも優れた塗料です。

単価相場は「2,800~3,000円/㎡」と、シリコン系と比較しても大差はありません。

光触媒塗料:15〜20年

光触媒塗料は、セルフメンテナンス効果があるとして人気です。

空気清浄機能があり、地球にも優しい素材と言われており、耐用年数も15〜20年と比較的長め。

単価相場は「3,500~5,500円/㎡」と、高めの値段です。

ピュアアクリル:耐用年数12~15年

ピュアアクリル系塗料は、アクリル樹脂の特徴を最大限に引き出しているため、耐用年数のの長さが特徴的です。

水族館の窓にも使われるほど、防水性に優れています。紫外線に強いため、屋根塗装に選ばれています。

単価相場は「3,500~4,500円/㎡」と屋根塗料の中では高めです。

また乾燥スピードが遅いというデメリットもあるので、塗装する時期などを考慮したうえで選択しましょう。

フッ素系塗料:耐用年数15~20年

フッ素系塗料は、耐用年数がかなり長いうえに、防水性、耐熱性、汚れへの強さ、防カビ性など高機能を備えています。

単価相場は「4,000~5,000円/㎡」と高めですが、長持ちするため塗り替えスパンが長く、トータルで考えるとコストパフォーマンスは優れています。

遮熱塗料:耐用年数15~20年

遮熱塗料は、紫外線や熱を塗装表面で跳ね返す働きがあるため、省エネ効果の高さで注目されています。

夏の室内温度は涼しく、冬は暖かく、という保温効果が期待できるため光熱費の節約にもつながるのがポイント。

単価相場は「3,000~3,500円/㎡」で、屋根塗料の中では中間に位置する費用です。

参考:遮熱塗料のメリット・デメリットを徹底解説!仕組みを理解して暑さ対策しよう

無機塗料:耐用年数10~25年

無機質塗料は他の塗料と違い、鉱物やガラスなどの有機物を含まないため、紫外線や熱による劣化はありません。

単価相場は「4,500~5,500円/㎡」と屋根塗装の中では高いので、今後どのくらいのスパンで家をメンテナンスするのか、長期的な費用対効果を考えるとよいでしょう。

結局どの塗料を選ぶべき?耐用年数×単価の計算例

結局どの塗料がおすすめなの?耐用年数と単価の考え方

単価が安い塗料は耐久年数が短い傾向があります。そうなると次のメンテナンスまでのスパンが早まるため、長く住む家には向いていません。

簡単な例を紹介しましょう。

【同じ家に50年住む場合】

  1. 耐用年数が8年の塗料=計6~7回以上の塗装
  2. 耐用年数が15年の塗料=計3~4回の塗装

①の場合、塗料の単価を1,800円/㎡として、屋根面積を100㎡とすると「1,800円×100㎡×6回=108万円」です。

②の場合、塗料の単価を4,500円/㎡として同じ条件で計算すると「4,500円×100㎡×3回=135万円」となります。

これだけ見ると塗料単価が安い方がお得に見えるかもしれませんが、塗装作業には以下のような工事費用が別途かかります。

  • 足場の設置費用
  • 飛散防止シートの設置
  • 高圧洗浄などの準備
  • 養生作業
  • ケレンや下地補修など
  • 人件費などの諸経費

これらの費用のなかでも最も高い割合を占めるのが足場費用。一般的な30坪程度の住宅で20万円前後が相場です。

単純に足場費用だけを入れて、上記の計算に加えてみましょう。

  • ①108万円+(20万円×6回)=228万円
  • ②135万円+(20万円×3回)=195万円

このように同じ期間でみたとき、塗装回数が多いほど長期的にみて損をしてしまうのです

実際には足場以外の諸経費も加算されるので、もっと差が出ると思われます。

ただし「今後、何年住む予定か」、「屋根自体の寿命がもうすぐ」といった条件によっては単価が安い塗料を選んだ方がお得になることもあります。

具体例を挙げると、同じ家に30年住むことを想定した場合は①単価1,800円の塗料は総額約114万円、②単価4,500円の塗料は総額13o万円。(足場代も込みの計算)

このように条件によってどの塗料を選ぶとお得かは違うので、長期的な目線で考えてみることをおすすめします。

参考:外壁塗装の「足場」費用、単価や相場は?トラブルを避けるための注意点まで徹底解説

屋根自体の耐用年数もみて、屋根塗装をお得に

瓦屋根 塗装

前項で紹介したように、屋根の塗装は長期的なスパンでみることでお得にできます。

このとき忘れてはいけないのが、屋根自体の耐用年数を過ぎていないかどうかです。

屋根材によって差異はありますが、おおよそ20~30年が過ぎると、屋根自体の替え時になります。

あと3年程度で寿命を迎えてしまう屋根に対して、耐用年数が20年もある高額な塗料を使ってしまうと、宝の持ち腐れになってしまうのです。

こういう場合には一番安い塗料で数年耐えて、屋根の寿命を迎えたタイミングで葺き替えをしたほうがよいでしょう。

屋根材ごとの耐用年数は、以下を目安にするとよいでしょう。

屋根材 耐用年数
スレート 15~25年
アスファルトシングル 20~30年
トタン 10~20年
ガルバリウム鋼板 20~30年
セメント瓦、モニエル瓦 30~40年
日本瓦(粘土瓦) 50~100年

ちなみに日本瓦の場合は、塗装が不要であることも多いので、まずは業者に確認してみましょう。

参考:【和瓦辞典】日本伝統の瓦の特徴、種類、価格、メンテナンス方法まで

耐久年数を過ぎると起こる屋根塗装の劣化

屋根塗装が寿命を迎えると、見た目が悪化するだけではなく住心地の悪い環境を作ってしまいます。

もし、屋根に次のような症状が見られた場合は、塗料の耐用年数を過ぎている可能性が高いです。早めに塗り替えましょう。

チョーキングが起こる

チョーキングが起こる
チョーキングが起こる

チョーキングとは、チョークの粉のような白い粉が浮き出る、または手で屋根材を触った時に付く状態です。

塗料に含まれる合成樹脂が、紫外線や雨によって分解され浮き出ることが原因で起こります。

チョーキングが起きているのは、屋根の耐久性・防水性などが下がっている証拠なので、放置は大変危険です。

関連記事:チョーキング現象、原因と対策を徹底解説!放置せずに外壁塗装で補修しよう | ミツモア

コケや藻、カビが生えている

コケや藻、カビが生えている
コケや藻、カビが生えている

コケや藻、カビが発生した屋根は、防水機能が失われている証拠です。

屋根塗装はカラーチェンジだけではなく、雨の浸透を防ぐ働きもあります。

防水機能が弱まったまま放置すると、屋根の下地である野地板にまで雨が浸透し、屋根裏までカビが発生します。

室内のカビを放置すると雨漏りだけでなく、鼻炎やアレルギー、喘息など体調不良引き起こすきっかけになるため、早めの解決が必要です。

ひび割れている箇所がある(凍害)

ひび割れている箇所がある(凍害)
ひび割れている箇所がある(凍害)

屋根塗装が劣化すると、雨などの浸水により屋根材が膨張・収縮を繰り返します。その結果ひび割れを引き起こすのです。

また東北や北海道などの寒冷地帯では、浸水した屋根材が凍ることで膨張する「凍害(とうがい)」の可能性もあります。

剥がれ、反りなどがある

剥がれている箇所がある(反り)
剥がれている箇所がある(反り)

耐用年数が過ぎると、太陽の熱や雨風などの影響によって塗装が部分的に剥がれるケースがあります。

塗膜が剥がれた部分からは水分が侵入し、コケやカビ、サビなどにつながり、ひどい場合には下地が腐食してしまうことも。

比較的症状が小さいうちに対処しましょう。

金属部分にサビている箇所がある

金属部分にサビている箇所がある
金属部分にサビている箇所がある

屋根材を固定する釘やナット、ビスの部分は金属で出来ています。

これらが錆びだすことで、埋め込み部分の穴が広がっていき、大きな欠損につながることに。

またトタン屋根などは屋根材そのものがサビに弱いため、傷がついたところからサビが屋根全体に広がってしまう可能性も。

塗装では対処できないときは?

屋根工事

塗装だけでは補修しきれない劣化症状、または屋根自体が耐用年数を過ぎてボロボロになっているときもあります。

そんなときは、屋根の「葺き替え(ふきかえ)」または「カバー工法(重ね葺き)」で対処します。

塗装はあくまでも屋根の表面を守るもの。屋根材そのものが傷みすぎている場合には、屋根の交換が必要なのです。

葺き替えは、下地なども含め丸ごと屋根を新しくします。既存の建材を処分する費用なども掛かるため、高額ですがより耐久性の高い屋根材に替えることができます。

カバー工法(重ね葺き)は、既存の屋根の劣化を補修したうえで、上から新しい屋根材を被せるという工法です。費用は抑えられますが、まれに内部で劣化症状が進行していることがあり、その場合に気づきにくいのが難点です。

参考:屋根のカバー工法(重ね葺き)の費用相場は?メリット・デメリットをおさえてお得に見積もりしよう

屋根塗装業者の選び方のポイント

屋根塗装業者の選び方のポイント
屋根塗装業者の選び方のポイント

全国の屋根塗装業者は数万件以上あるため、その中から優良会社を選ぶのは大変です。

業者によっては工程を省略したり、必要のない費用まで請求したりといった悪徳商法もあり、トラブル被害にあうケースも珍しくありません。

優良な屋根塗装業者を見つけるために、選び方のポイントを紹介します。

相見積もりを取る

屋根塗装業者を選ぶ時は、必ず相見積もりを取るようにしましょう。

相見積もりとは、同じ依頼内容の見積もりを複数の業者へ依頼し、比較することです。

その際、きちんと項目別に記載されているか、各工程の費用相場は適切か、というポイントに着目するとよいでしょう。

また「業者車両の駐車料金は別」や「雨で工期が遅れたら延長料金」などのケースもあるので、なるべく詳細まで確認すると安心です。

地元の施工業者がおすすめ

屋根塗装は、地元で親しまれている業者がおすすめです。

地域の気候を理解してプランを立ててくれるため、ベストな選択をできる可能性がたかまります。

たとえば沿岸部なら「塩害に強い塗料」、夏の日照りが厳しい地域なら「遮熱性の高い塗料」など。

業者と相談して、納得いく施工をしてもらいましょう。

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今回は屋根塗装の耐用年数について紹介してきました。

耐用年数の長さ、そして単価相場を考えるなら、「どのくらいの期間住む家なのか」「屋根自体の寿命はいつか」などを考慮にいれましょう。

また塗料も様々な種類があり、いずれも素人には判断が難しいところです。まずは業者と相談してみましょう。

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